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プロシーディングス目次(アブストラクト付き) (論文掲載 344 件、○印は発表者)

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8月9日(土)口頭発表セッション
 合同セッション(8月9日 大ホール 9:50 ) 4  件
 特別講演(8月9日 大ホール 15:00 ) 2  件
 光源加速器(8月9日 大ホール 16:40 ) 8  件
 電子加速器1/ビーム診断・制御1(8月9日 中会議室 16:40 ) 8  件
 
8月9日(土)特別セッション
 放射化物の管理について(8月9日 中会議室 19:30 ) 1  件
 
8月10日(日)口頭発表セッション
 電磁石・電源1(8月10日 大ホール 9:00 ) 4  件
 電磁石・電源2/ビームダイナミクス・加速器理論(8月10日 大ホール 10:30 ) 4  件
 電子加速器2(8月10日 中会議室 09:00 ) 4  件
 レーザー(8月10日 中会議室 10:30 ) 4  件
 技術研修会1(8月10日 大ホール 15:00 ) 1  件
 学会賞受賞講演(8月10日 大ホール 16:50 ) 5  件
 
8月11日(月)口頭発表セッション
 技術研修会2(8月11日 大ホール 9:00 ) 1  件
 加速器応用・産業利用(8月11日 大ホール 10:10 ) 5  件
 高周波源/加速器制御(8月11日 大ホール 12:50 ) 6  件
 高周波加速空洞/真空(8月11日 大ホール 15:00 ) 4  件
 ハドロン加速器(8月11日 中会議室 10:10 ) 5  件
 粒子源/ビーム診断・制御2(8月11日 中会議室 12:50 ) 6  件
 加速器土木(8月11日 中会議室 15:00 ) 4  件
 招待講演(8月11日 大ホール 16:30 ) 1  件
 
8月9日(土)− 10日(日)施設現状報告ポスター常設展示
 施設現状報告("8月9,10日" 大会議室 12:50 ) 30  件
 
8月9日(土)ポスターセッション1
 電子加速器(8月9日 大会議室 12:50 ) 7  件
 ハドロン加速器(8月9日 大会議室 12:50 ) 5  件
 光源加速器(8月9日 大会議室 12:50 ) 11  件
 ビームダイナミクス・加速器理論(8月9日 大会議室 12:50 ) 4  件
 粒子源(8月9日 大会議室 12:50 ) 9  件
 高周波加速空洞(8月9日 大会議室 12:50 ) 14  件
 高周波源(8月9日 大会議室 12:50 ) 9  件
 電磁石・電源(8月9日 大会議室 12:50 ) 10  件
 ビーム診断・制御(8月9日 大会議室 12:50 ) 14  件
 加速器制御(8月9日 大会議室 12:50 ) 18  件
 LLRF(8月9日 大会議室 12:50 ) 4  件
 レーザー(8月9日 大会議室 12:50 ) 6  件
 加速器応用・産業利用(8月9日 大会議室 12:50 ) 10  件
 加速器土木・放射線防護(8月9日 大会議室 12:50 ) 5  件
 
8月10日(日)ポスターセッション2
 電子加速器(8月10日 大会議室 12:50 ) 8  件
 ハドロン加速器(8月10日 大会議室 12:50 ) 4  件
 光源加速器(8月10日 大会議室 12:50 ) 12  件
 粒子源(8月10日 大会議室 12:50 ) 8  件
 高周波加速空洞(8月10日 大会議室 12:50 ) 15  件
 高周波源(8月10日 大会議室 12:50 ) 10  件
 電磁石・電源(8月10日 大会議室 12:50 ) 10  件
 ビーム診断・制御(8月10日 大会議室 12:50 ) 14  件
 加速器制御(8月10日 大会議室 12:50 ) 18  件
 LLRF(8月10日 大会議室 12:50 ) 5  件
 レーザー(8月10日 大会議室 12:50 ) 5  件
 真空(8月10日 大会議室 12:50 ) 3  件
 加速器応用・産業利用(8月10日 大会議室 12:50 ) 10  件
 加速器土木・放射線防護(8月10日 大会議室 12:50 ) 3  件

合同セッション (8月9日 大ホール)
9:50 - 10:20 
SAOLP1
p.1
[Slides]
コンパクトERLのコミッショニング
Beam commissioning of compact ERL

○島田 美帆,足立 伸一,阿達 正浩,赤木 智哉,明本 光生,荒川 大,浅岡 聖二,江並 和宏,遠藤 有聲,福田 茂樹,古屋 貴章,芳賀 開一,原 和文,原田 健太郎,本田 融,本田 洋介,本間 博幸,本間 輝也,細山 謙二,穂積 憲一,石井 篤,金 秀光,加古 永治,神谷 幸秀,片桐 広明,河田 洋,小林 幸則,小島 裕二,近藤 良也,Konstantinova Olga,小菅 淳,久米 達哉,松本 利広,松村 宏,松下 英樹,道園 真一郎,三浦 孝子,宮島 司,宮内 洋司,長橋 進也,仲井 浩孝,中島 啓光,中村 典雄,中西 功太,中尾 克己,濁川 和幸,野上 隆史,野口 修一,野澤 俊介,帯名 崇,尾崎 俊幸,Qiu Feng,下ヶ橋 秀典,阪井 寛志,坂中 章悟,佐々木 慎一,佐藤 康太郎,佐藤 昌史,設楽 哲夫,篠江 憲治,塩屋 達郎,宍戸 寿郎,多田野 幹人,田原 俊央,高橋 毅,高井 良太,高木 宏之,竹中 たてる,谷本 育律,飛山 真理,土屋 公央,内山 隆司,上田 明,梅森 健成,浦川 順治,渡邊 謙,山本 将博,山本 康史,矢野 喜治,吉田 光宏(高エネルギー加速器研究機構),Enrico Cenni(総研大),羽島 良一,松葉 俊哉,森 道昭,永井 良治,西森 信行,沢村 勝,静間 俊行(日本原子力研究開発機構),栗木 雅夫,清宮 裕史(広島大学),Hwang Ji-Gwang(Kyungpook National University)
○Miho Shimada, Shinichi Adachi, Masahiro Adachi, Tomoya Akagi, Mitsuo Akemoto, Dai Arakawa, Seiji Asaoka, Kazuhiro Enami, Kuninori Endo, Shigeki Fukuda, Takaaki Furuya, Kaiichi Haga, Kazufumi Hara, Kentaro Harada, Tohru Honda, Yosuke Honda, Hiroyuki Honma, Teruya Honma, Kenji Hosoyama, Kenichi Hozumi, Atsushi Ishii, Xiuguang Jin, Eiji Kako, Yukihide Kamiya, Hiroaki Katagiri, Hiroshi Kawata, Yukinori Kobayashi, Yuuji Kojima, Yoshinari Kondou, Olga Konstantinova, Atsushi Kosuge, Tatsuya Kume, Toshihiro Matsumoto, Hiroshi Matsumura, Hideki Matsushita, Shinichiro Michizono, Takako Miura, Tsukasa Miyajima, Hiroshi Miyauchi, Shinya Nagahashi, Hirotaka Nakai, Hiromitsu Nakajima, Norio Nakamura, Kota Nakanishi, Katsumi Nakao, Kazuyuki Nigorikawa, Takashi Nogami, Shuichi Noguchi, Shunsuke Nozawa, Takashi Obina, Toshiyuki Ozaki, Feng Qiu, Hidenori Sagehashi, Hiroshi Sakai, Shogo Sakanaka, Shinichi Sasaki, Kotaro Satoh, Masato Satoh, Tetsuo Shidara, Kenji Shinoe, Tatsuro Shioya, Toshio Shishido, Mikito Tadano, Toshihiro Tahara, Takeshi Takahashi, Ryota Takai, Hiroyuki Takaki, Tateru Takenaka, Yasunori Tanimoto, Makoto Tobiyama, Kimichika Tsuchiya, Takashi Uchiyama, Akira Ueda, Kensei Umemori, Junji Urakawa, Ken Watanabe, Masahiro Yamamoto, Yasuchika Yamamoto, Yoshiharu Yano, Mitsuhiro Yoshida (KEK), Cenni Enrico (Sokendai), Ryoichi Hajima, Shunya Matsuba, Michiaki Mori, Ryoji Nagai, Nobuyuki Nishimori, Masaru Sawamura, Toshiyuki Shizuma (JAEA), Masao Kuriki, Yuji Seimiya (Hiroshima Univ.), Ji-gwang Hwang (KNU)
 
X線領域の回折限界光源を目指した3GeV ERL計画が将来光源の計画として進められており、その実証機としてKEK敷地内に数10MeVクラスのコンパクトERL(cERL)が建設された。ビームダイナミクスの研究やエネルギー回収の実証だけでなく、多くの開発要素がある高輝度DC電子銃やCW超電導加速空洞のR&Dをビーム運転とともに進めていく予定である。 前回の加速器学会で報告があった入射部のコミッショニングが終了した後、周回部の建設・主加速空洞のHigh power試験などを急ピッチで進めて、2013年12月末よりビームコミッショニングを開始し、翌年3月の中旬には主加速空洞でエネルギー回収が行われていることを確認するまでに至った。それまでの間に、低エネルギービームに対する環境磁場の対策、軌道調整による周長(周回時間)の補正、BPMによる加速・減速ビーム軌道の同時測定などの多くのスタディがあった。また、5,6月に再開するコミッショニングでopticsの測定やマッチング、レーザーコンプトン散乱に向けたビーム調整、空間電荷効果が表れる電荷量のビームダイナミクスの解明などを進める予定であるので、その進捗状況についても報告する。
 
10:20 - 10:50 
SAOLP2
p.6
[Slides]
SACLA光ファイバ光路長制御システムの設計と性能
Design and Performance of Optical Fiber Length Stabilization System for SACLA

○前坂 比呂和,大島 隆(理研 播磨 放射光科学総合研究センター XFEL研究開発部門),松原 伸一(高輝度光科学研究センター XFEL利用研究推進室),大竹 雄次(理研 播磨 放射光科学総合研究センター XFEL研究開発部門)
○Hirokazu Maesaka, Takashi Ohshima (RIKEN SPring-8 Center, XFEL R&D Division), Shin'ichi Matsubara (JASRI, XFEL Division), Yuji Otake (RIKEN SPring-8 Center, XFEL R&D Division)
 
X線自由電子レーザー(XFEL)施設SACLAでは、各加速器コンポーネントを50fsの精度で同期する必要がある。また、ポンププローブ実験などのユーザーには約10fsの精度のタイミング信号が必要とされる。SACLAのタイミング信号は、温度安定度の高い位相安定化型光ファイバ(5ps/℃/km以下)を用いて送信し、さらに、その光ファイバの温度変動を0.1℃以内に安定化することにより、タイミング変動を抑制していた。それでもなお、100fs以上のタイミング変動が生じていることがわかっており、実際にSACLAのXFELパワーの変動などとして現れている。そこで、光ファイバ光路長制御システムを導入することでタイミング変動をさらに抑制することとした。測長用の基準として周波数安定化レーザー(波長1.5μm)を伝送し、送信先において反射させ、返ってきた光と参照光とでマイケルソン干渉計を組むことによりファイバ長変動を監視する。そのデータを伝送経路内に設置したファイバストレッチャにフィードバックし、光ファイバを物理的に伸び縮みさせることで光路長を安定化させる。これにより、長さ1kmの光ファイバの光路長を1μm以内(時間換算5fs)に安定化させることができる。この光路長制御システムはSACLA実機の各所に実装され、各種コンポーネントのタイミングの安定化が図られている。本講演では、SACLAに導入された光路長制御システムの設計と評価結果について報告する。
 
10:50 - 11:20 
SAOLP3
p.11
大阪大学におけるレーザー電子加速研究
Study on laser-driven electron acceleration at Osaka University

中新 信彦,○細貝 知直,益田 伸一,ジドコフ アレクセイ,パサック ナヴィーン(阪大光セ),岩佐 健太,水田 好雄,竹口 直輝(阪大院工),末田 敬一,金 展,兒玉 了祐(阪大光セ)
Nobuhiko Nakanii, ○Tomonao Hosokai, Shin-ichi Masuda, Alexei Zhidkov, Naveen Pathak (PPC, Osaka U), Kenta Iwasa, Yoshio Mizuta, Naoki Takeguchi (GSE, Osaka U), Keiichi Sueda, Zhan Jin, Ryosuke Kodama (PPC, Osaka U)
 
大阪大学光科学センターではピコ秒〜フェムト秒の高速な構造変化をシングルショットで捉えることができる超高速電子線回折(UED)を目指した多段レーザー航跡場加速を用いた極短電子源の開発とそのビームラインの構築を行っている。 レーザー航跡場加速(LWFA)はその高い加速勾配と極端に短い周期から極短バンチで大電荷、低エミッタンスのビームが発生可能であるが、これまで安定性に問題があり応用利用が難しかった。2つのパルスを用いて2種類の航跡場を励起し入射電子発生と加速場を独立に制御する多段LWFAは、電子の入射位相が選択できエネルギーの制御・位相回転によるエネルギーの狭帯化が可能となるのに加え、電子入射部・加速部それぞれにおいて安定化を図ることによって再現性のある高品質な電子ビームの生成が期待できる。これまでの研究で、磁場によってプレプラズマの挙動を制御して安定で制御性の良い入射用電子源の開発に成功し、安定した長尺の位相回転用航跡場の生成にも成功している。現在これらを組み合わせた2パルス駆動の多段LWFA実験を進めている。また、これらのビームの安定化により従来のビームオプティクスが使用可能となった。現在我々は四極磁石を用いたUED用ビームラインを構築し、近日中にUED実験を開始する予定である。講演ではこれらの開発および実験状況について報告する。
 
11:20 - 11:50 
SAOLP4
p.14
[Slides]
いばらき中性子医療研究センターにおける加速器BNCT施設の建設
CONSTRUCTION OF ACCELERATOR-BASED BNCT FACILITY AT IBARAKI NEUTRON MEDICAL RESEARCH CENTER

○小林 仁,栗原 俊一,吉岡 正和,松本 浩,松本 教之(高エネルギー加速器研究機構),熊田 博明,櫻井 英幸,田中 進,松村 明(筑波大学),菅野 東明,柱野 竜臣(三菱重工業株式会社),中島 宏,中村 剛実(日本原子力研究開発機構),平賀 富士夫(北海道大学),大場 俊幸,小林 創,名倉 信明(日本アドバンストテクノロジー株式会社),黒川 真一,中本 崇志,Zagar Tilen(Cosylab)
○Hitoshi Kobayashi, Toshikazu Kurihara, Masakazu Yoshioka, Hiroshi Matsumoto, Noriyuki Matsumoto (KEK, High Energy Accelerator Research Organization), Hiroaki Kumada, Hideyuki Sakurai, Susumu Tanaka, Akira Matsumura (Tsukuba University), Toumei Sugano, Tatsuomi Hashirano (Mitsubishi Heavy Industries, LTD.), Hiroshi Nakashima, Takemi Nakamura (JAEA, Japan Atomic Energy Agency), Fujio Hiraga (Hokkaido University), Toshiyuki Ohba, Hajime Kobayashi, Nobuaki Nagura (Nippon Advanced Technology CO.,LTD.), Shin-ichi Kurokawa, Takashi Nakamoto, Tilen Zagar (Cosylab)
 
いばらきBNCTでは、陽子ビームエネルギー8MeV、ビーム電流10mA(50mA, 1ms, 200Hz)の80kWのハイパワー陽子加速器の建設を進めている。ここまでに、加速器の全機器の設置、配線,配管が完了し、安全系,制御系が機能しだした。現在は各部の調整に入り、50kVイオン源の調整ではビーム引き出しを確認した。また,クライストロンに最大定格の90kV、30A,1msの高電圧パルスを無事印加できた。この加速器は大パワーであり、標的は熱の除去は勿論のこと、プロトンが標的内で電子と再び結合することで引き起こすブリスタリング対策が大きな課題となる。ブリスタリング対策を講じた標的の開発を進め、3層構造の標的を開発した。各層は役割分担をし、1層目は中性子発生効率の良いベリリウム層、2層目はビームを止めるブリスタリング耐力のある金属層にし、これらを銅のヒートシンク上に形成する。総合での熱伝導率の計測では理論的に得られる値を示した。 中性子を治療に有効なエネルギー(0.5eV-10keV)にまで減速(0.5eV以下の熱エネルギー領域を取り除くフィルタも含む)するための治療用モデレータ系の設計を進め、中性子発生効率の向上を図り、シミュレーション上4.66x109/(s・cm2)の出力を得た。このシミュレーションに基づいて実機の製作を進めた。 この加速器では加速管の温度制御等高度な制御を要求する。それらの対応を含めてビーム加速試験に向けての準備を進めている。
 
特別講演 (8月9日 大ホール)
15:00 - 16:00 
SAOLS1

闘わないがん治療:粒子線治療
Patient-Friendly Caner Treatment: Particle Therapy
○菱川 良夫(メディポリスがん粒子線治療研究センター)
○Yoshio Hishikawa (Medipolis Proton Therapy and Research Center)
 
今回は、がんの治療、粒子線治療、指宿の治療を中心に話します。 粒子線治療(陽子線治療と重粒子線治療)は、粒子線の特徴を生かし、複数方向からビームを照射することで、複雑な高精度放射線治療と同種の照射野(放射線が集中して当たる範囲)を得ることに成功しました。 初期の粒子線治療装置は、0度と90度(患者さんの真上と真横から)の2方向から照射するものが一般的でした。 兵庫県立粒子線医療センターでは、これらに加えて当時としては世界初となる45度(斜めから)のビームラインを設置。3方向から粒子線を照射することで、頭頸部がん、小さな肺がん、肝がん、前立腺がんの粒子線治療がより簡単に行えるようになりました。 陽子線治療では、回転ガントリーを使用しています。兵庫での最初の目的は、3方向からの治療でした。この回転ガントリーを「第1世代」 とすれば、全方向から照射できる装置は「第2世代」です。治療台の回転を加えた「第3世代」と進み、当センターで計画している乳がん用の回転ガントリーは、遠隔多門照射(国際特許申請中)が出来るように設計しています。これが「第4世代」となります。 回転ガントリーを自由自在に使いこなすためには、治療計画グループのレベルアップが必須です。現在、一番難しいとされている膵がんの治療計画を、2011年には2〜3日かけて作っていましたが、最近では数時間で作成できるようになりました。目に見える成長です。
 
16:00 - 16:30 
SAOLS2

核融合エネルギー開発に向けた研究の現状と展望
Present Status and the Future Prospect of the Research for the Fusion Energy Development
○牛草 健吉(日本原子力研究開発機構・核融合研究開発部門)
○Kenkichi Ushigusa (Japan Atomic Energy Agency)
 
ITER計画は、2007年10月に建設段階が開始され、フランス、サン・ポール・レ・デュランス市(カダラッシュ)のサイトの整備が進んでいる。日欧米露韓中印の参加7極が実験炉ITERに必要な機器・設備を製作し、ITER機構に物納し、ITER機構が一つのプラントとして組み上げる。我が国は、プラズマを閉じ込めるための大型超伝導磁石、プラズマからの熱・粒子を受ける高熱負荷機器(ダイバータ)、真空容器内を遠隔で保守する機器、プラズマを加熱する機器、計測機器などを担当し、製作R&Dを終え、本格的な実機製作を行っている。機器製作の進捗とその過程で獲られた成果を示し、大型国際協力プロジェクトを更に円滑に進めるための新しい取組について紹介する。 ITER計画と並行し、ITERを支援し原型炉の早期実現に向けた研究開発を行う幅広いアプローチ(BA)活動を日欧協力で実施している。那珂核融合研究所のサテライト・トカマク事業、六ヶ所核融合研究所の国際核融合エネルギーセンター事業及び国際核融合材料照射施設(IFMIF)の工学実証・工学設計活動の3つの事業は、それぞれ着実に成果を挙げ、当初BA活動後の新しい段階に向けた展望が拓けつつある。BA活動の成果とITERの組立・運転期、BA後の次段階に向けた展望を紹介する。
 
光源加速器 (8月9日 大ホール)
16:40 - 17:00 
SAOL01
p.19
円偏光アンジュレータ高次光が運ぶ光の軌道角運動量観測
Observation of light's orbital angular momentum from helical undulator harmonics

○佐々木 茂美,宮本 篤(広大放射光センター),加藤 政博,許斐 太郎(分子研UVSOR),保坂 将人,山本 尚人(名大SRセンター)
○Shigemi Sasaki, Atsushi Miyamoto (HSRC), Masahiro Katoh, Taro Konomi (UVSOR), Masato Hosaka, Naoto Yamamoto (NUSR)
 
 分子科学研究所UVSORのS1直線部に間にバンチャーを挟んで挿入されている2台のAPPLE型可変偏光アンジュレータから発する光を用いて、同じ波長の円偏光モードでの高次光と基本波の干渉パターンをビームライン最下流に置いたファイバーマルチチャンネル分光器をビーム軸に垂直なx-y平面上をスキャンすることにより測定した。同様の干渉強度測定は、バンドパスフィルタを通した光をCCDカメラで撮像することによっても行った。実験の結果、円偏光の2次高調波と1次光との干渉でスパイラル状の強度分布が観測され、円偏光のヘリシティを変えることによりスパイラルの向きも反転することも確認でき、理論的に予想される干渉パターンと非常に良い一致をみた。  発表では、軌道角運動量発生の原理、実験手順の詳細、より高次の光での干渉パーターン、この新奇なアンジュレータ放射の放射光利用実験への利用可能性などについて議論する。
 
17:00 - 17:20 
SAOL02
p.21
[Slides]
SACLA加速器における電子バンチ振り分けシステムの開発
Development of the electron bunch distribution system at SACLA

○原 徹,武部 英樹,稲垣 隆宏,大竹 雄次(理研SPring-8センター),深見 健司,近藤 力(高輝度光科学研究センター),田中 均(理研SPring-8センター)
○Toru Hara, Hideki Takebe, Takahiro Inagaki, Yuji Otake (RIKEN SPring-8 Center), Kenji Fukami, Chikara Kondo (JASRI), Hitoshi Tanaka (RIKEN SPring-8 Center)
 
SACLAでは増加するユーザー実験に対応するため、2014年夏期停止期間に2本目のアンジュレータビームラインBL2を設置する。XFELは線型加速器を用いているため、複数のビームラインへ同時に電子ビームを供給することはできないが、電子ビームをバンチ毎に交互に振り分けることで、擬似的な複数ビームラインの同時運用は可能である。現在SACLAでは、加速器出口に設置されているDC偏向電磁石を用いて使用するビームラインを切り替えているが、2014年冬期停止期間中にこの偏向電磁石をキッカー電磁石とDCセプタム電磁石に置き換え、最大繰り返し60 Hzの電子ビームをバンチ毎に0°および±3°の3方向へ振り分けるシステムを導入する。このとき電子ビーム軌道の安定性はXFEL発振にとって非常に重要であり、特にキッカー電源には高精度の安定性が求められる。キッカー電磁石およびパルス電源は既に製作が完了しており、現在30 ppm(p-p)以下の電流精度、電子ビーム軌道角度換算で0.3 μradの精度が得られている。この電子バンチ振り分けシステムは、SPring-8の次期計画において、SACLAを低エミッタンス入射器として用いる場合にも必須なシステムである。本発表ではSACLA XFEL光源の現状とともに、現在進めている電子バンチ振り分けシステムの開発状況について報告する。
 
17:20 - 17:40 
SAOL03
p.25
[Slides]
SACLAにおける自己シード型XFELの観測
Observation of a self-seeded XFEL in SACLA

○稲垣 隆宏,田中 隆次,原 徹,矢橋 牧名,田中 均(理研 放射光科学総合研究センター),犬伏 雄一,大橋 治彦,三浦 亜由美,登野 健介,大端 通,後藤 俊治(高輝度光科学研究センター),長谷川 太一(スプリングエイトサービス)
○Takahiro Inagaki, Takashi Tanaka, Toru Hara, Makina Yabashi, Hitoshi Tanaka (RIKEN SPring-8 Center), Yuichi Inubushi, Haruhiko Ohashi, Ayumi Miura, Kensuke Tono, Toru Ohata, Shunji Goto (JASRI), Taichi Hasegawa (SES)
 
X線自由電子レーザー(XFEL)施設SACLAでは、SASE型FELの欠点である時間コヒーレンスを改善し、波長安定性と輝度を向上させるために、自己シード型FELの開発を行っている。自己シード型FELとは、アンジュレータ・ビームラインの途中に分光結晶を挿入することにより、結晶を透過するSASE光に単色成分を持たせ、これをシード光として下流のアンジュレータで増幅するものである。昨年夏、分光結晶としてダイヤモンドを装着したチャンバーをSACLAに設置し、現在までに6回の調整試験を行った。上流のアンジュレータで10 keVのSASE光を生成し、ダイヤモンドを挿入してC(400)ブラッグ回折が最大となるように調整すると、透過光の波長スペクトルにブラッグ回折に由来する凹みが観測できた。そして、下流のアンジュレータを有効にし、アンジュレータのK値や位置、電子ビームの遅延時間などを調整することにより、シード化による単色成分の増加が観測された。増加した光の波長幅は約3 eVとSASEの1/10で、ピーク強度は結晶が無い時の約5倍の強度が得られた。本発表では、これらの調整試験で得られた結果と知見について、報告する。
 
17:40 - 18:00 
SAOL04
p.30
[Slides]
挿入光源構造改革に向けた吸引力相殺機構の開発
Cancellation System of Magnetic Attractive Force for Insertion Devices

○金城 良太(理研放射光センター),清家 隆光,鏡畑 暁裕(JASRI),山本 樹(KEK-PF),田中 隆次(理研放射光センター)
○Ryota Kinjo (RIKEN SPring-8 Center), Takamitsu Seike, Akihiro Kagamihata (JASRI), Shigeru Yamamoto (KEK-PF), Takashi Tanaka (RIKEN SPring-8 Center)
 
従来の挿入光源は磁石列が生み出す数トンに及ぶ磁場吸引力のために剛性の高い機械部品や架台を使用せざるを得ず、重い・大きい・価格が高い・製造や設置に掛かる期間が長いなどの諸問題を抱えてきた。一方で、これらの問題の元凶である吸引力をその作用点である磁石列近傍において相殺することにより、より効率的な挿入光源の構造が可能になると考えられる。吸引力の相殺方法としては、磁石列の両側面に同じ周期構造を持った反発磁石列を取り付ける方法や反発ばねを取り付ける方法があるが、前者は磁石列が増えることで製造・組立コストが増大する、後者は既存の磁場計測手法が使えない・吸引力と同じギャップ依存性を持てない等の問題がある。本研究グループでは、これらの問題なく発生点の近傍で吸引力を相殺することを目的とし、主磁石列の側面に、その周期長よりもずっと長い磁石ブロックを周期的に着磁したものを、位相を反転して設置することによって反発力を発生し、吸引力を相殺する新たな挿入光源の開発を行っている。年会においては、検証のために実施した予備試験の結果を中心に吸引力相殺機構の開発の現状について発表を行う。また吸引力相殺機構の導入を前提として計画されている軽量・コンパクトな次世代標準挿入光源の開発プランについても発表を行う。
 
18:00 - 18:20 
SAOL05
p.34
高速THz検出器を用いたFELパルスの時間分解測定
Time resolved measurement of FEL micropulses using fast THz detectors

○船越 壮亮,川瀬 啓悟,加藤 龍好,入澤 明典,藤本 將輝,矢口 雅貴,堤 亮太,宮崎 数磨,磯山 悟朗(阪大産研)
○Sousuke Funakoshi, Keigo Kawase, Ryukou Kato, Akinori Irizawa, Masaki Fujimoto, Masaki Yaguchi, Ryota Tsutsumi, Kazuma Miyazaki, Goro Isoyama (ISIR, Osaka University)
 
現在、大阪大学産業科学研究所では電子線形加速器を用いた遠赤外領域の共振型自由電子レーザー(FEL)の開発研究を行っている。LバンドライナックはFEL用に9.2ns間隔のマルチバンチ電子ビームを発生する。このマルチバンチ電子ビームによって発生する光パルスが光共振器内を往復する時間は37nsであり、光共振器内に4つの光パルスが各々独立に成長し、光共振器外へ取り出される。従来,我々は時間分解能が約10nsであるGe:Ga検出器を用いてFEL光パルスの時間構造を測定してきた。しかしながら、パルス間隔が9.2nsである為にGe:Ga検出器では4つの光パルスをそれぞれ独立に測定することができない。そこで、高速THz検出器を用いてFELパルスの時間分解測定を試みた。その結果、FELパルス列の分離を実現し,4つのFELパルスの発展を独立に計測することが可能となった。今回、高速THz検出器を用いた時間スペクトルの解析と、測定したFELの時間発展について報告する。
 
18:20 - 18:40 
SAOL06
p.38
ハイパワーFELの増幅率測定
Gain measurement of high power FEL

○藤本 將輝,川瀬 啓悟,加藤 龍好,入澤 明典,矢口 雅貴,船越 壮亮,堤 亮太,磯山 悟朗(阪大産研)
○Masaki Fujimoto, Keigo Kawase, Ryukou Kato, Akinori Irizawa, Masaki Yaguchi, Sousuke Funakoshi, Ryota Tsutsumi, Goro Isoyama (ISIR, Osaka University)
 
我々はテラヘルツ自由電子レーザー(THz-FEL)の増幅率を実験的に求めている。FELの発振では自発放射から飽和に至るまで8桁近い強度の発展を示す。シリコン(Si)ボロメータはこの広い強度領域に対して線形応答を示すため、増幅回数を変えながら発振したマクロパルスの積分強度をSiボロメータで計測し、現象論的なモデルに基づいて増幅率の解析を行ってきた。さらにアンプを用いることで高速なGe:Ga検出器が約3桁の領域で線形応答を示すことを確認し、減衰材を切り替えながら計測した強度の発展から直接増幅率の測定を行っている。現在産研THz-FELでは、高速繰り返しのグリッドパルサーを用いて従来の約4倍の電荷量をもつ電子バンチを発生させ、高い増幅率をもつFELの発振に成功している。高ゲインモードでの発振に際しGe:Ga検出器を用いて測定した小信号利得は160%程度であったが、期待される増幅率は240%前後であり、予想から大きく外れた値を示した。これはミクロパルスに対する検出器応答の立上り時間が遅いためであり、さらに強度の急な変化に対する検出素子のヒステリシスによって、時間とともにマクロパルス波形が緩やかになるためと考えられる。そこで、検出器の応答時間やヒステリシスに影響されないSiボロメータを用いた測定手法で、増幅率の再測定を行う。さらに共振器長や発振波長を変えたときの増幅率の変化を測定する。本学会では高ゲインFELの増幅率測定の現状について報告する。
 
18:40 - 19:00 
SAOL07
p.41
干渉計を用いたテラヘルツFELの特性測定
Characteristics Measurement of the THz-FEL with an Interferometer

○矢口 雅貴,川瀬 啓悟,加藤 龍好,入澤 明典,藤本 將輝,船越 壮亮,堤 亮太,宮崎 数磨,磯山 悟朗(阪大産研)
○Masaki Yaguchi, Keigo Kawase, Ryukou Kato, Akinori Irizawa, Masaki Fujimoto, Sousuke Funakoshi, Ryota Tsutsumi, Kazuma Miyazaki, Gorou Isoyama (ISIR, Osaka University)
 
大阪大学産業科学研究所では、Lバンドライナックを利用してTHz領域の自由電子レーザーの開発から応用まで多様な研究を行っている。そのために、発生したFELの特性を知ることは重要である。FELの波長スペクトルは、回折格子分光器等用いて計測する一方、相補的な情報であるFELミクロパルスの時間構造は、マイケルソン干渉計を用いて測定した干渉パターンから評価する。本研究では、マイケルソン干渉計を用いた新しい計測手法とFEL特性の研究結果を報告する。
 
19:00 - 19:20 
SAOL08
p.45
[Slides]
新しい入射法
A New Injection Method

○妻木 孝治,深見 健司(高輝度光科学研究センター)
○Koji Tsumaki, Kenji Fukami (JASRI/SPring-8)
 
放射光用蓄積リングに電子ビームを入射するには、バンプ軌道を作りそれに沿って入射させるが、バンプ電磁石同士の不整合やアンダーシュート、バンプ軌道内の六極電磁石の存在などにより蓄積電子の軌道が閉じなかったり、一周後に再度けられたりして蓄積中の電子が動いてしまう。これらを避けるために様々な努力がなされているが影響を完全に取り去ることは難しい。バンプ軌道を作る入射に変わるものとしてパルス四極電磁石やパルス六極電磁石による入射法が検討されたが、蓄積ビームへの影響や高効率入射の問題は依然残っている。これらの問題を解決するため、二個のパルス偏向電磁石を中心軌道に対向して置き、逆方向に励磁することにより、蓄積電子が通過する中心は八極磁場、入射点では二極磁場となるような入射システムを検討した。これにより蓄積電子に与える影響は従来法より小さくなり、入射効率も向上することが期待される。また本法をSPring-8蓄積リングに適用したところ、対向する二個の電磁石間隔が12mmの場合、電磁石に流す電流が現在のバンプ電源の1/10以下で済み、電源の数も現在の4個から1個に、さらに入射後のバンチのエミッタンスも現在の1/2以下にでき高い入射効率が期待できることがわかった。二個の電磁石間隔をダイナミックアパーチャーより小さくすれば、数ミリ程度のダイナミックアパーチャの超低エミッタンスリングにも応用できる。
 
電子加速器1/ビーム診断・制御1 (8月9日 中会議室)
16:40 - 17:00 
SAOM01
p.50
9セル超伝導加速空洞のアライメント検出のためのHOM研究
Study of Beam Induced HOM for Alignment Detection of 9-cell Superconducting Cavities

○倉本 綾佳(総研大),早野 仁司(高エネルギー加速器研究機構),Baboi Nicoleta(DESY)
○Ayaka Kuramoto (Sokendai), Hitoshi Hayano (KEK), Nicoleta Baboi (DESY)
 
クライオモジュール内の超伝導加速空洞のアライメント評価をビーム誘起高調波モードによって測定することができる.これまで超伝導空洞のビームパイプに局在するビームパイプモードと空洞縦方向中心に最大振幅を持つTE111の9分の1パイモード(TE111-1)に着目し研究を行ってきている.これらのモードの電気的中心が空洞のミスアライメント量,歪みを示唆する.2012〜2013年にはKEKのSTF加速器にて,2013年9月にはDESYのFLASHにてTESLA空洞内にビームが誘起する高調波モードの測定を行った.現在までにTE111-1の信号およびビームパイプモードと思われる信号を測定することに成功している.これらの電気的中心の研究はワイヤー測定,ビーズ測定やシミュレーション計算などからも行っている.今回はこれらの測定及びシミュレーションについて述べる.
 
17:00 - 17:20 
SAOM02
p.55
フォトカソードRF電子銃ライナックを用いたフェムト秒電子ビーム発生
Generation of femtosecond electron bunches using a laser photocathode RF gun linac

○野澤 一太,菅 晃一,楊 金峰,小方 厚,近藤 孝文,神戸 正雄,法澤 公寛,小林 仁,吉田 陽一(大阪大学産業科学研究所)
○Itta Nozawa, Koichi Kan, Jinfeng Yang, Atsushi Ogata, Takafumi Kondoh, Masao Gohdo, Kimihiro Norizawa, Hitoshi Kobayashi, Yoichi Yoshida (The Institute of Scientific and Research, Osaka University)
 
ピコ秒・フェムト秒電子ビームは自由電子レーザーやレーザーコンプトン散乱などの加速器応用に広く用いられている一方で、パルスラジオリシスなどの計測手法の時間分解能向上のために欠くことのできない重要な要素となっている。本研究では、阪大産研のSバンドレーザーフォトカソードRF電子銃ライナック及び磁気パルス圧縮器を使用して、フェムト秒電子ビームの発生実験を行った。また、電子ビームから放射されたコヒーレント遷移放射をマイケルソン干渉計により観測し、電子ビームパルス幅を評価した。当日は、フェムト秒電子ビーム発生・計測の現状について報告する。
 
17:20 - 17:40 
SAOM03
p.58
J-PARC intra-bunch feedback systemに向けた stripline BPMの製作
Fabrication of tapered coupler for intra-bunch feedback system in J-PARC Main Ring

○仲村 佳悟(京都大学),外山 毅,岡田 雅之,陳 栄浩,飛山 真理,帯名 崇,久保木 浩功,小関 忠(KEK),菖蒲田 義博(JAEA)
○Keigo Nakamura (Kyoto University), Takeshi Toyama, Masashi Okada, Yong Ho Chin, Makoto Tobiyama, Takashi Obina, Hironori Kuboki, Tadashi Koseki (KEK), Yoshihiro Shobuda (JAEA)
 
Japan Proton Accelerator Complex(J-PARC) 主リングではHead-Tail不安定性の抑制に向けてバンチ内振動(周波数帯域100MHz程度)に対してフィードバックをかけるIntra-bunch feedback systemを開発している。現在のBeam Position Monitor (BPM)システムは周波数帯域が10MHz以下のため、高周波帯域BPMが不可欠である。また、電子雲、高周波インピーダンス源の引き起こすビーム位置を観測する要求もあるため、より高周波まで感度を持たせたい。そこで電極をexponentialにtaperすることで通常のstripline型BPMより広帯域の1.0GHz程度まで感度を持つBPMを開発した。このBPMの性能をワイヤー法で評価し、ビームを使ってデータを取得した。更に精密な周波数特性の測定のためにtaper管を開発した。本公演ではこのBPMの性能について述べる。
 
17:40 - 18:00 
SAOM04
p.62
[Slides]
SPring-8線型加速器に於ける六電極BPMを使用したツイスパラメータ測定と整合
Measurement and Matching of Twiss Parameter for SPring-8 Linac Using Six-Electrode BPMs

○柳田 謙一,鈴木 伸介,花木 博文(公益財団法人高輝度光科学研究センター)
○Kenichi Yanagida, Shinsuke Suzuki, Hirofumi Hanaki (Japan Synchrotron Radiation Research Institute)
 
SPring-8線型加速器ではビームの二次モーメントを測定する為の六電極BPMの整備を行って来た。1GeV電子線型加速器の最下流部にはシンクロトロンまたはニュースバル方向へビームを振り分ける偏向電磁石が存在する。その偏向電磁石の直上流部には4台の四極電磁石が設置され、これらはツイスパラメータ整合に使用される。ツイスパラメータを測定するには、スクリーンモニタを使用し、複数のビームサイズを測定するのが一般的であるが、ビームを収束した際のカメラ飽和防止にゲイン調整等が必要など、測定の自動化には問題が多かった。そこでゲイン調整不要の六電極BPMを使用したツイスパラメータ測定が計画された。昨年の夏に上記四極電磁石4台の直上流部に六電極BPM4台を設置した。四極電磁石4台の励磁量を変化させながら二次相対モーメントを測定することで、エミッタンス及びツイスパラメータが演繹され、算出された。今回は四極電磁石2台が単極性で二次相対モーメントが正負交互の値とならず、正の値ばかりとなり、鉛直方向の測定が不正確となったためスクリーンモニタを1台使用したが、四極電磁石4台が全て両極性であればスクリーンモニタは不要だったと思われる。尚、正確な二次相対モーメントの測定には、正確な較正(全体較正)が前提となる。昨年の加速器学会年会では三次モーメントを考慮した全体較正の講演を行ったが、今回の較正及び測定では五次モーメントまで考慮した。
 
18:00 - 18:20 
SAOM05
p.67
[Slides]
J-PARC MRにおけるイントラバンチフィードバックシステムによるビーム振動の安定化
Stabilization of Beam Instabilities by Intra-Bunch Feedback System at J-PARC MR

○陳 栄浩,飛山 真理,外山 毅,岡田 雅之,帯名 崇,仲村 佳悟(高エネルギー加速器研究機構),菖蒲田 義博(日本原子力研究開発機構)
○Yong Ho Chin, Makoto Tobiyama, Takeshi Toyama, Masashi Okada, Takashi Obina, Keigo Nakamura (KEK), Yoshishiro Shobuda (JAEA)
 
J-PARC MRではビームパワーが100kWを超えた辺りからビーム 不安定性による粒子損失が顕著になってくるが、この不安定性は 現在稼働中のバンチバイバンチフィードバック装置によって有効に 制御されており、粒子損失も数百W程度に抑えられている。しかし、 ビームパワーの増強に伴いバンチ内振動も激しくなり、特に入射時 にはキッカー磁石のミスマッチ磁場によって、ビームは水平方向に 大きく振られ、更なる粒子損失とともに入射運転の自由度を制限して いる。MRではこれらのバンチ内振動を制御するために、iGp12信号処理 モジュールを使ったイントラバンチフィードバックシステムを開発 した。このシステムではバンチを10nsごとのバンチレットに分割し、 おのおののバンチレットに対して独立にフィードバックをかける ことができる。5月に行ったビーム試験では水平鉛直両方向ともに バンチバイバンチフィードバック装置に比べ格段に速くビーム 不安定性を減衰できることが確認された。この講演ではイントラ バンチフィードバックシステムの全貌とともにMRにおける ビーム不安定性制御試験の詳細を報告する。
 
18:20 - 18:40 
SAOM06
p.71
[Slides]
バンチ内6D位相空間電荷密度分布の実時間計測可能な非破壊モニターの開発
Development of non-invasive monitoring system to measure bunch-by-bunch charge density distribution in 6D phase space

○冨澤 宏光,富樫 格,松原 伸一(公益財団法人 高輝度光科学研究センター XFEL利用研究推進室),伊達 伸,出羽 英紀,谷内 努,鈴木 伸介,岡安 雄一,下崎 義人,柳田 謙一,深見 健司(公益財団法人 高輝度光科学研究センター 加速器部門),増田 剛正,清道 明男(公益財団法人 高輝度光科学研究センター 制御・情報部門),黒田 隆之助,平 義隆(独立行政法人 産業技術総合研究所 計測フロンティア研究部門),南出 泰亜,野竹 孝志(独立行政法人 理化学研究所 テラヘルツ光源研究チーム),小川 奏,大和田 成起(独立行政法人 理化学研究所 放射光科学総合研究センター)
○Hiromitsu Tomizawa, Tadashi Togashi, Shinichi Matsubara (JASRI XFEL Utilization Division), Shin Date, Hideki Dewa, Tsutomu Taniuchi, Shinsuke Suzuki, Yuichi Okayasu, Yoshito Shimozaki, Kenichi Yanagida, Kenji Fukami (JASRI Accelerator Division), Takemasa Masuda, Akio Kiyomichi (JASRI Controls and Computing Division), Ryunosuke Kuroda, Yoshitaka Taira (National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST)), Hiroaki Minamide, Takashi Notake (RIKEN, Advanced Science Institute, Tera-Photonics Laboratory), Kanade Ogawa, Shigeki Owada (RIKEN SPring-8 Center)
 
SPring-8では、フェムト秒時間分解で計測可能で、3次元的(縦・横方向)バンチ形状(電荷密度分布)をシングルショット・非破壊計測可能なモニター要素(3D-BCD)を開発している。EO(電気光学)結晶を電子ビーム軌道の周りに複数個均等配置し、これらを同時に単一のオクターブ帯域プローブ光でEOサンプリング計測(Spectral Decoding)することで多重化を実現している。2012年度までは波長多重化方式で3D-BCDの計測原理の実証試験を行ってきたが、プローブ光の時間分解能を最大限に活かすため、空間多重化方式を新たに開発した。この新方式の採用により、複数台の3D-BCD計測が単一の復調用イメージング分光器で同時に行えるようになった。これはエリアセンサ上にファイバー伝送した各結晶に対応した変調領域のプローブ光を分割結像させることで多重化密度を高めることが可能になったためで、これに対応したリアルタイム再構築専用の演算処理系も開発している。複数台の3次元バンチ形状計測系(3台の3D-BCD計測要素で構成)をビーム・トランスポート系の水平・垂直偏向部にも設置して組み合わせ、6次元位相空間のバンチ内電荷密度分布の挙動をバンチ毎に実時間計測する電子バンチ・モニタリング(ライブヴュー構想)を実現する。本発表では、有機 EO 結晶とオクターブ帯域プローブ光の開発の進展状況をまず報告し、3D-BCD計測要素の多重化技術について整理して議論する。
 
18:40 - 19:00 
SAOM07
p.76
[Slides]
YAG:Ce を用いた高分解能スクリーンモニター
High resolution screen monitor using YAG:Ce

○内藤 孝,荒木 栄,浦川 順治,奥木 敏行,久保 浄,黒田 茂,照沼 信浩,三橋 利行(高エネルギー加速器研究機構)
○Takashi Naito, Sakae Araki, Junji Urakawa, Toshiyuki Okugi, Kiyoshi Kubo, Shigeru Kuroda, Nobuhiro Terunuma, Toshiyuki Mitsuhashi (KEK)
 
最近、電子加速器のビームプロファイル計測にYAG:Ceを用いたスクリーンモニターが用いられるようになってきた。我々は厚み50μmのYAG:Ce を用いたスクリーンモニターを開発し、KEK-ATF2のビームラインに於いて評価を行った。 高倍率のレンズ系を用いて10μm 以下のビームサイズ計測が可能なことを確かめた。また、市販されているプログレススキャンカメラの撮像タイミングを制御することによって、FELなどで問題になっているCoherent Optical Transition radiation の効果を回避できることを確かめた。YAG:Ceの発光時間が短いことから、撮像タイミング制御によって測定光量を調整することが出来るため測定ビームの強度の変化に対してダイナミックレンジを拡げることが可能となる。 本稿ではハードウェアと測定結果について報告する。
 
19:00 - 19:20 
SAOM08
p.81
[Slides]
X線フレネル回折を用いた超低エミッタンス次世代蓄積リングの微小光源サイズ測定法
X-ray Fresnel diffractometry for micron light source size measurement of ultralow-emittance next-generation storage ring

○正木 満博,高野 史郎,高雄 勝,下崎 義人((公財)高輝度光科学研究センター)
○Mitsuhiro Masaki, Shiro Takano, Masaru Takao, Yoshito Shimosaki (JASRI/SPring-8)
 
光源用蓄積リングの挿入光源(ID)部におけるミクロンオーダーのビームサイズを、シングルスリットによるX線フレネル回折を用いて高感度で測定できる新しい手法を開発した。このX線フレネル回折法(XFD)は、回折限界光源を目指した次世代の超低エミッタンス蓄積リングにおいて特に有用である。必然的に強い4極および6極電磁石が必要となる回折限界光源リングでは、磁石の製作・設置誤差に起因する誤差磁場によるラティス関数の局所的な歪みおよび局所XYベータトロン結合が強くなり、結果として放射光ビームラインの光源点における電子ビームサイズはビームラインごとに異なっている可能性が高い。それゆえ、輝度性能や空間コヒーレンスを特に必要とするビームラインにおいては、光源サイズを実測して蓄積リングのラティスを最適化することが求められるだろう。XFDは、4象限スリット・分光器が装備されている標準的なビームラインに適用可能で、IDの種類も問わない。この新手法は、観測波長および光源点・スリット・観測位置の間の距離関係に応じてスリット幅を最適化した際に出現するダブルピーク状のX線フレネル回折像を用いる。本学会では、XFDの原理とともに、回折限界光源リングでの光源サイズ測定を想定したシミュレーション結果、ID光源サイズの変化に対して感度を有することをSPring-8蓄積リングで実験的に確認した測定結果、およびXFDが到達可能な測定分解能について報告する。
 
放射化物の管理について (8月9日 中会議室)
19:30 - 20:30 
SSOM01

[Slides]
放射化物の管理について
On the Control of Radioactivated Materials
○桝本 和義(高エネルギー加速器研究機構)
○Kazuyoshi Masumoto (KEK)
 
講演アウトライン:放射化物の規制、放射化のメカニズム、固体の放射化物管理、構造体の放射化、空気水の放射化、まとめ。
 
電磁石・電源1 (8月10日 大ホール)
9:00 - 9:20 
SUOL01
p.86
[Slides]
J-PARC-MRアップグレードのための新しい速い取り出し用セプタム電磁石の性能評価
The peformance of a new First Extraction Septum Magnet for Upgrade of J-PARC MR

○芝田 達伸(KEK),川口 祐介(ニチコン(株)),石井 恒次,Kuanjun Fan,杉本 拓也,松本 浩(KEK)
○Tatsunobu Shibata (KEK), Yusuke Kawaguchi (Nichikon Corp.), Koji Ishii, Fan Kuanjun, Takuya Sugimoto, Hiroshi Matsumoto (KEK)
 
大強度陽子加速器(J-PARC)は400MeV線形加速器、3GeVシンクロトロン及び30GeV主リングシンクロトロン(MR)から構成される。MRで加速された30GeV陽子ビームは速い取り出しラインから長基線ニュートリノ振動実験施設へと送られる。現在速い取り出しラインに設置されている低磁場セプタム電磁石には大口径(ギャップ80mm程度以上)、薄いセプタム厚(10mm程度以下)、0.3T程度の磁場強度、小さい漏れ磁場(数Gauss程度)等の高い性能が要求されているが依然幾つかの要求を僅かに満たしていない。またコイル絶縁にセラミック溶射を施しているが、振動等があるため耐久性に不安が残っている。現在MRアップグレードのためにEDDYカレント型の新セプタム電磁石を製作している。EDDYカレント型はセプタム部にコイル構造を有しないため、耐久性の高い構造が実現可能である。また0.3T程度の磁場強度に対して十分な低い漏れ磁場(〜1Gauss)、薄いセプタム厚(8mm程度)が実現可能である。更にパルス形状の電流パターンが必要であるが、速い取り出しに必要な10us幅のフラットトップの精度は10の-4乗が可能になる。我々は先行機として製作した実機相当の電磁石と電源を用いて磁場等の性能測定を実施した。本講演では実測定結果並びにシミュレーションとの比較結果について報告する。
 
9:20 - 9:40 
SUOL02
p.91
[Slides]
省エネルギー運転法確立のための がん治療用炭素線シンクロトロン電磁石の磁場測定
Measurement of magnetic field induced by magnets of a synchrotron for carbon radiotherapy to establish an energy-saving operation method

○岩井 岳夫,後藤 彰,名雪 哲夫,河野 和利(山形大),高橋 功,大谷 利宏(三菱電機),根本 建二,嘉山 孝正(山形大)
○Takeo Iwai, Akira Goto, Tetsuo Nayuki, Kazutoshi Kono (Yamagata University), Isao Takahashi, Toshihiro Otani (Mitsubishi Electric Corporation), Kenji Nemoto, Takamasa Kayama (Yamagata University)
 
がん治療に使用する炭素線専用小型シンクロトロンでは、治療時には2MW以上の電力デマンドが発生するため、ランニングコストの中で電気料金が相当量占める。電力の大部分は電磁石で消費されるため、電磁石での省エネルギーによってかなりのコスト低減が期待できる。本研究では、ビームを必要としない治療の合間に電磁石電流を下げることによってトータルの消費電力量を下げる省エネルギー運転法の確立を目指し、様々な電磁石運転シークエンスでの磁場のトレンドを測定した。 普及型炭素線シンクロトロンの仕様を基に、シンクロトロン偏向電磁石、シンクロトロン四極収束/発散電磁石、高エネルギービーム輸送系偏向電磁石等を製作し、磁場はNMRおよびホール素子(四極電磁石ではホール素子のみ)で測定した。シンクロトロン偏向電磁石では、(i)5〜10分程度パターン運転を停止しても停止前後でフラットトップ磁場はほとんど変わらない (ii)励磁パターンを変化させた直後はフラットトップ磁場の変動が大きい などの結果が得られた。その結果、適切な初期化による「リセット措置」後に電磁石出力を落とすことで省エネルギーは実現できると考えられる。講演では、他の電磁石の試験結果についても述べる。
 
9:40 - 10:00 
SUOL03
p.95
[Slides]
SACLA電子バンチ振り分けの為のキッカー電磁石用高精度パルス電源の開発とNMRパルス磁場測定
High precision pulse magnet power supply development for SACLA Beam-Line switch and pulse NMR measurement

○武部 英樹(理化学研究所 放射光科学総合研究センター),原 徹(理化学研究所 放射光科学総合研究センターXFEL),深見 健司(高輝度光科学研究センター),大竹 雄次(理化学研究所 放射光科学総合研究センター),稲垣 隆宏(理化学研究所 放射光科学総合研究センターXFEL),近藤 力,田中 均(理化学研究所 放射光科学総合研究センター),川口 秀章,吉本 宏(ニチコン草津株式会社),中島 司(KK エコー電子)
○Hideki Takebe, Toru Hara (RIKEN SPring-8 Center, SACLA), Kenji Fukami (JASRI), Yuji Otake, Takahiro Inagaki, Chikara Kondo, Hitoshi Tanaka (RIKEN SPring-8 Center, SACLA), Hideaki Kawaguchi, Hiroshi Yoshimoto (Nichicon Kusatsu KK), Tsukasa Nakajima (kk Echo Denshi)
 
SACLAでは60ppsの電子バンチを3つの方向に振り分ける電磁石システムを開発している。本発表では、電子バンチ振り分けで最も重要な要素であるキッカー電磁石用高精度電源を開発し試験を行ったので報告する。 キッカー用電源は最大60pps, 16msの台形波パルスを生成しFlat top部のビームが到着するタイミングにおける電流安定度(p-p)を30ppm以下にする必要がある。 電源は±320A, ±150V, 60ppsの4象限電源としFET PWM電源の8unit並列方式を取った。電子ビームを直進させる場合には、キッカーの残留磁場消去のため 0.2A程度の低電流における制御精度も必要である。電源は、ビーム到着タイミングの10.4ms前に送られるトリガーパルスでスタートし、ビーム到着タイミングにおける安定度を確保するため、100kHzのFETのタイミングはビーム繰り返しに同期させ、FET ClockのJitterを規定している。 キッカー電磁石はギャップ20mm、ヨーク長0.4mの0.35mm厚ケイ素鋼板積層型であるが、Pickup coilの測定結果からFET Switch波形は磁場に影響しないことが確認できた。また高精度DCCTによるパルス電流の高精度測定方法、パルス磁場用NMRを用いた磁場測定システムの開発などについても述べる。 現状DCCTを使ったFlat Top部の電流測定では電流安定度が10分間で32ppm、Pickup coil測定系によるリップル磁場は9ppm、また今回開発したNMRによるパルス 磁場測定では20分間で20ppmの安定度が各々得られている。
 
10:00 - 10:20 
SUOL04

J-PARC MR 入射キッカー電磁石の性能改善
Improvement of the injection kicker magnet for the J-PARC main ring
○杉本 拓也,Fan Kuanjun,石井 恒次,松本 浩(高エネルギー加速器研究機構)
○Takuya Sugimoto, Kuanjun Fan, Koji Ishii, Hiroshi Matsumoto (KEK)
 
J-PARC加速器メインリングでは、2台のセプタム電磁石と4台の集中定数型キッカー電磁石を用いて、RCSから供給される3GeVの陽子ビームを入射している。計8バンチの陽子ビームをロス無く入射するために、キッカー電磁石が作るパルス磁場(電流2700A、パルス幅1500ns、積分磁場0.097Tm)には、300ns以下の立ち上り時間と1%以下の反射波が要求される。しかしながら、マグネット本体、高圧導入部、インピーダンス整合回路、パルス電源内に存在する浮遊インダクタンス成分や、インピーダンスのミスマッチにより、実際の立ち上り時間は約350nsとなり、最大で約7%の反射波や約5%のテール構造が存在していた。この反射波やテールによる磁場で周回ビームが蹴られ、水平方向のエミッタンスが増大する事が、ビームロスやビーム不安定性の原因の一つとなり、ニュートリノ振動実験(T2K実験)へ供給するビーム強度を制限していた。これらを改善するために、2013年のシャットダウン中に2種類の補正回路の導入と、インピーダンス整合回路内の最適化を行った。その結果、励磁電流波形の立ち上り時間は約200nsに、テール部は1%以下にまで改善する事が出来たが、依然として約8%程度の反射波が残っている。本発表では、補正回路の詳細と、陽子ビームを用いた応答試験の結果について報告し、今後計画している反射波の影響の補正方法について議論する。
 
電磁石・電源2/ビームダイナミクス・加速器理論 (8月10日 大ホール)
10:30 - 10:50 
SUOL05
p.101
[Slides]
高温超伝導コイルを用いたスケルトン・サイクロトロン電磁石の設計研究
Design study of the Skeleton Cyclotron magnet using high-temperature superconducting coils

○福田 光宏,植田 浩史,畑中 吉治,依田 哲彦(阪大RCNP),石山 敦士,王 旭東(早大理工),長屋 重夫(中部電力),横田 渉,倉島 俊,宮脇 信正(原子力機構高崎研)
○Mitsuhiro Fukuda, Hiroshi Ueda (RCNP), Kichiji Hatanaka (RCNP, Osaka University), Tetsuhiko Yorita (RCNP), Atsushi Ishiyama, Xudong Wang (Waseda University), Shigeo Nagaya (Chubu Electric Company), Watalu Yokota, Satoshi Kurashima, Nobumasa Miyawaki (JAEA, Takasaki)
 
AVFサイクロトロンは、鉄心に主コイルを巻いた電磁石を用い、鉄磁極の形状やトリムコイルなどによって等時性磁場を形成する、極めてコンパクト性に優れた加速器である。しかし、鉄磁極の存在により空間的な自由度が大幅に制約される、磁場の安定性が鉄心温度の変化に依存する、鉄心のヒステリシスによって磁場の再現性に難があり加速エネルギー変更の迅速性に劣るといった弱点を抱えている。そこで、鉄材を極力用いず、100Kを超える臨界温度によりクエンチに対する安定性に優れる高温超伝導コイルを応用した革新的なスケルトン・サイクロトロンの設計と要素開発を進めている。本サイクロトロン電磁石は、複数対の主コイル、AVFを形成するためのスパイラルセクターコイル、等時性磁場を形成するためのトリムコイル、ビーム入射と中心領域での初期加速軌道を最適化するためのセンターコイル、ビーム引出のための磁気チャンネルコイルなどから構成される。鉄心や鉄磁極をほとんど排除することによって加速電極・空洞、入射・引出用静電チャンネルなどの機器配置の空間的自由度が高まるだけでなく、磁場の再現性と励磁の迅速性の向上により加速イオン種・エネルギー切替の高速化、ビーム高強度化の課題である空間電荷効果対策の容易化などが実現可能である。本発表では、スケルトン・サイクロトロン電磁石の構造と磁場解析、機器配置の検討状況などについて報告する。
 
10:50 - 11:10 
SUOL06
p.105
[Slides]
マルチワイヤを用いた電磁石精密アライメントシステムの開発
Development of Precise Magnet Alignment System using Multi-Vibrating Wires

○深見 健司(公益財団法人高輝度光科学研究センター),安積 則義(独立行政法人理化学研究所),藤田 貴弘,本井傳 晃央(公益財団法人高輝度光科学研究センター),鍛治本 和幸(スプリングエイトサービス株式会社),木村 洋昭,松井 佐久夫(独立行政法人理化学研究所),中西 辰郎(スプリングエイトサービス株式会社),岡安 雄一,渡部 貴宏,張 超(公益財団法人高輝度光科学研究センター)
○Kenji Fukami (JASRI), Noriyoshi Azumi (RIKEN), Takahiro Fujita, Teruo Honiden (JASRI), Kazuyuki Kajimoto (SES), Hiroaki Kimura, Sakuo Matsui (RIKEN), Tatsuro Nakanishi (SES), Yuichi Okayasu, Takahiro Watanabe, Zhang Chao (JASRI)
 
現在、世界中で検討中の次世代型放射光リングでは、いづれも電磁石に高い設置精度が要求され、特に回折限界に迫るリングでは、設置誤差はミクロンオーダーしか許されない。ミクロンオーダーでのアライメント技術が確立すれば、次世代リング設計の自由度は大幅に広がる。可能性のある手法として、これまでVibrating Wire Method(VWM)による試験が行われてきた。VWMはビーム軸に沿って張ったワイヤに、長さと張力で決まる共鳴周波数の電流を流したうえ、ワイヤの振幅から磁場を評価する。磁場中心位置を測定しながら、同時に多極磁石を一直線上に並べることができるため、磁場中心位置を移設する際の誤差が除かれる。しかしながら、共鳴周波数は周囲温度など様々な条件により容易に変化し、測定誤差の要因となる。本研究では、通電電流の周波数を常時共鳴周波数に追従させるフィードバックシステムを構築した。ワイヤが磁場中心に近付くとワイヤの振幅が十分に得られないだけでなく、四極電磁石では振幅の位相が反転するため正確なフィードバックができなくなる。そこで、磁場測定用ワイヤと平行にフィードバック信号専用のワイヤを用意した。磁場中心付近の極低磁場領域でもフィードバック可能であることを示し、達成可能なアライメント精度について示す。従来の手法では観測できなかった、磁場中心位置のミクロンオーダーのドリフトについて測定例を示す。
 
11:10 - 11:30 
SUOL07
p.110
[Slides]
RF周波数スイープ法による遅い取り出しビームのエネルギー変動補正
Energy compensation of the slow extracted beam by RF sweeping method

○藤本 哲也,山田 聰,金井 達明,想田 光(群馬大学),野田 耕司(放医研)
○Tetsuya Fujimoto, Satoru Yamada, Tatsuaki Kanai, Hikaru Souda (GHMC), Koji Noda (NIRS)
 
群馬大学重粒子線医学センターでは従来のワブラー法による治療照射のほかに3次元スキャニング照射による治療照射を目指したR&Dが進められ ている。本施設ではシンクロトロンから3次共鳴を利用した遅い取り出し法により約1秒かけてビームを取り出しているが、3次共鳴現象を引き起こすために有限のクロマティシティーのもとでRF周波数を変化させる方法を採用している。これによる取り出しビームのエネルギー変動は水中飛程に時間変化を生じさせる。スキャニング照射では狭いSOBPを形成する必要があることから、このエネルギー変動の抑制に取り組んだ。RF周波数パターンからエネルギー変動幅に換算すると4MeV/n程度あり、これを電場で補正することは難しいことからエネルギーアブソーバーを使って補正することを考案した。これは連続的に変化するエネルギー変化に対してアブソーバーの回転角度を変化させることでエネルギーロス量をコントロールし一定のエネルギーを得るものである。RF周波数パターンからアブソーバー回転角度を求めて実験を行ったところ、ブラッグピーク位置の時間変化が無くなりエネルギー変動の抑制を確認することができた。スキャニング照射に利用するためにアブソーバーによるエミッタンスの広がりを極力抑え、横方向ビームサイズの時間変化をなくす必要があるが高エネルギービーム輸送ラインのオプティクスを最適化することで解決できることを計算により確認した。
 
11:30 - 11:50 
SUOL08
p.114
[Slides]
1.6セル光陰極高周波電子銃における0モードのビーム特性への影響
The influence of zero-mode on beam properties at 1.6 cell photocathode RF gun

○犬飼 元晴,増田 開,全 炳俊,村田 智哉,野儀 武志,栂村 勇輔,Suphakul Sikharin,吉田 恭平,Torgasin Konstantin,Negm Hani,紀井 俊輝,長崎 百伸,大垣 英明(京大エネ研)
○Motoharu Inukai, Kai Masuda, Heishun Zen, Tomoya Murata, Takeshi Nogi, Yuusuke Tsugamura, Sikharin Sikharin, Kyohei Yoshida, Konstantin Torgasin, Hani Negm, Toshiteru Kii, Kazunobu Nagasaki, Hideaki Ohgaki (IAE)
 
近年の励起用レーザー光源の高繰り返し化に伴い、ビームローディング効果によって、シングルバンチ運転では顕著ではなかった0モードがより励振され、ビーム特性に対して影響を与えることが懸念されている。今回、電子の粒子軌道解析を行うことによってその影響の大きさを評価した。計算のモデルとする電子銃は、広く用いられている1.6セルの共振空胴を持つBNL/SLAC/UCLA型の光陰極高周波電子銃(モード間隔3.2MHz)とし、1電子バンチあたりの電荷量は1nC、励起レーザーの繰り返し周波数はπモードの共振周波数と同じとした。結果として、レーザー入射位相10°〜40°の範囲において、ビームローディング効果により、ビームローディング効果がない場合と比較して0モードの励振がピーク電界強度にして25%程度抑えられ、その位相は10°未満の変化を示した。そして、エネルギー幅、横方向エミッタンス、縦方向エミッタンスのいずれに対しても影響は大きくなく、シングルバンチ運転の場合よりも少ないことが分かった。これは、予想に反して、ビームローディング効果により0モード励振が抑えられ、かつ、その位相変化は小さく無視できる範囲にあるからだと考えられる。
 
電子加速器2 (8月10日 中会議室)
09:00 - 09:20 
SUOM01
p.119
電子ビームドライブ方式によるILC陽電子源の設計研究
A design study of ILC positron source by electron driven scheme

○栗木 雅夫,清宮 裕史,高橋 徹(広島大学院先端研),浦川 順治,奥木 敏行,佐藤 政則(高エネ研加速器),大森 恒彦(高エネ研素核),柏木 茂(東北大電子光セ)
○Masao Kuriki, Yuji Seimiya, Tohru Takahashi (AdSM Hiroshima U. ), Junji Urakawa, Toshiyuki Okugi, Masanori Sato (KEK Accl. lab.), Tsunehiko Omori (KEK IPNS), Shigeru Kashiwagi (RCEPS, Tohoku U.)
 
ILC国際リニアコライダー計画は,重心系500GeV-1TeVの線形加速器による電子・陽電子コライダーである。シンクロトロン放射によるエネルギー限界を越えて、ヒッグス機構による質量生成機構の理解、自己結合の測定、超対称性などの未知の粒子の探索を通じて、現代物理の最前線を切り開くのが目的である。現在、ILCではアンジュレーター輻射からのγ線による陽電子生成が検討されているが、この新規方式に対する技術的バックアップを確立することはプロジェクトのリスク軽減のため必須である。本研究では、従来の電子ビームによるブレムスからの対生成という方式による、ILC仕様の陽電子ビーム生成についての検討結果を報告する。現在までのシミュレーション研究により、6GeV程度のドライブ電子ビームを14mm程度のタングステン標的に打ち込み、AMD(Adiabatic Matching Device)による横方向運動量の抑制、L-bandおよびS-bandによる加速、エネルギー抑制システムという構成により、5GeVまで加速し、後段のDR(Damping Ring)のアクセプタンス(dynamic aperture)内に充分な量の陽電子を送り込めることが確認された。
 
09:20 - 09:40 
SUOM02
p.124
東北大学t-ACTSにおける加速構造中のVelocity Bunching を用いた超短バンチ生成
Extreme short electron bunch generation based on velocity bunching in accelerating structure at t-ACTS, Tohoku University

○柏木 茂,日出 富士雄,武藤 俊哉,柴崎 義信,南部 健一,高橋 健,長澤 育郎,東谷 千比呂,永沢 聡,Lueangaramwong Anusorn ,柳 嘉代子(東北大学電子光理学研究センター),Huang Nuan-Ya (NSRRC)
○Shigeru Kashiwagi, Fujio Hinode, Toshiya Muto, Yoshinobu Shibasaki, Kenichi Nanbu, Ken Takahashi, Ikuro Nagasawa, Chihiro Toukoku, Satoru Nagasawa, Anusorn Lueangaramwong, Kayoko Yanagi (Electron Light Science Centre, Tohoku University), Nuan-ya Huang (NSRRC)
 
東北大学電子光理学研究センターでは極短電子バンチを使った加速器ベースの高輝度テラヘルツ光源の開発研究を行なっている。これまでに、試験加速器(t-ACTS: test accelerator for the Coherent THz Source)のビーム加速部までの建設を完了し、現在、加速管中のVelocity Bunchingを用いた極短電子バンチ生成実験が進行中である。入射器は電子ビームの縦方向位相空間分布の操作を可能にする独立二空洞型の熱陰極高周波電子銃(ITC RF-gun)とアルファ電磁石で構成され、これにより加速管でのvelocity bunchingに最適なビームの生成が可能である。ITC RF-gunで生成されたビームの縦方向位相空間分布を直接的に観測することは困難であるため、エネルギースペクトルをアルファ電磁石内に設置した可動スリットを使い測定し、シミュレーションとの比較より縦方向位相空間分布を推定する。加速後のバンチ長計測はストリークカメラを使い遷移放射(OTR)を測定することによって行なわれる。実験では加速管に入射するビームの縦方向位相空間分布や加速器位相を変化させ、加速後のバンチ長を計測した。発表では、t-ACTSにおける極短電子バンチ生成実験の現状について報告する。
 
09:40 - 10:00 
SUOM03
p.128
[Slides]
ILCに向けた超伝導加速器技術開発
Superconducting Accelerator Development for ILC

○早野 仁司(高エネルギー加速器研究機構)
○Hitoshi Hayano (KEK)
 
The superconducting RF test facility (STF) in KEK is the facility to promote R&D of the International Linear Collider (ILC) cavities and cryomodule. The STF accelerator is a test accelerator using superconducting cavities and cryomodules of ILC technologies to demonstrate stable and high power electron beam acceleration. The injector part of the STF accelerator was installed, commissioned and operated in 2011-2013 as the Quantum Beam Project. It consists of the L-band photocathode RF-gun(normal-conducting cavity), two superconducting 9-cell cavities, and the Compton chamber which was utilized 4-mirror laser accumulator. The X-ray generation experiment in the Quantum Beam Project was successfully performed and reported last year. Now, the accelerator is under installation of the 12m-cryomodule and 6m-cryomodule for further beam acceleration. All of the STF accelerator development together with future prospect of ILC will be summarized in this paper.
 
10:00 - 10:20 
SUOM04
p.132
[Slides]
SuperKEKBビーム衝突点用超伝導4極電磁石システムの開発状況
Development status of superconducting magnet system for SuperKEKB interaction region

○有本 靖,大内 徳人,川井 正徳,近藤 良也,宗 占国,土屋 清澄,槙田 康博,東 憲男,山岡 弘,王 旭東(KEK),村井 隆,高木 繁行(三菱電機株式会社),河野 裕史(三菱電機エンジニアリング株式会社)
○Yasushi Arimoto, Norihito Ohuchi, Masanori Kawai, Yoshinari Kondo, Zhanguo Zong, Kiyosumi Tsuchiya, Yasuhiro Makida, Norio Higashi, Hiroshi Yamaoka, Xudong Wang (KEK), Takashi Murai, Sigeyuki Takagi (Mitsubishi Electric Corporation), Hiroshi Kono (Mitsubishi Electric Engineering Corporation)
 
KEKではKEKBのアップグレード加速器としてSuperKEKBの建設が進められている。目標ルミノシティはKEKBの40倍の、8x10^35 s-1・cm-2である。この目標値を達成するために、衝突点でのビームサイズは縦方向に~50nmまで絞り込まれる。この収束要素として用いられるのが最終収束超伝導4極電磁石システムである。これは8台の超伝導4極電磁石と43台の超伝導補正電磁石、4台の超伝導ソレノイドから構成される。超伝導4極電磁石及び補正コイルの設計はぼぼ完了し、電磁石の製作、低温試験が進められている。またこれらの電磁石を収めるクライオスタットの設計も進められている。本講演では超伝導4極電磁石システムの開発状況について述べる。
 
レーザー (8月10日 中会議室)
10:30 - 10:50 
SUOM05
p.137
レーザー駆動粒子線加速手法を用いた重イオン加速とその応用
Laser-driven heavy ion acceleration and its applications

○榊 泰直,西内 満美子,西尾 勝久,ピクツ タチアナ(原子力機構),ファエノフ アナトリー(大阪大学),エシュリケポフ チムール,オルランディー リカルド,ピロゾコフ アレキサンダー,佐甲 博之,匂坂 明人,小倉 浩一,金崎 真聡,桐山 博光,小浦 寛之,神門 正城(原子力機構),山内 知也(神戸大学),渡辺 幸信(九州大学),セルゲイ ブラノフ,近藤 公伯(原子力機構)
○Hironao Sakaki, Mamiko Nishiuchi, Katsuhisa Nishio, Tatiana Pikuz (JAEA), Anatoly Faenov (Osaka Univ.), Timur Esirkepov, Riccardo Orlandi, Alexander Pirozhkov, Hiroyuki Sako, Akito Sagisaka, Koichi Ogura, Masato Kanasaki, Hiromitu Kiriyama, Hiroyuki Koura, Masaki Kando (JAEA), Tomoya Yamauchi (Kobe Univ.), Yukinobu Watanabe (Kyusyu Univ.), Bulanov Sergay, Kiminori Kondo (JAEA)
 
レーザー駆動粒子線高エネルギー加速手法は、レーザー技術の発展と共に2000年ころから世界的な研究開発が始まった。原子力機構では、レーザー駆動粒子線加速の基礎メカニズムの解明を行うとともに、レーザー集光技術の高度化を進めこれまでに40MeVまでの陽子加速に成功してきた。この技術をさらに発展させ、応用分野の拡大を図るために、重イオン加速(アルミ、鉄など)についての研究も進め、レーザー駆動手法による「レーザー電場によるイオン化」「電子が作り出す電場勾配によるイオン化」「電子衝突イオン化」などの複合効果にてイオンをフルストリップ状態まで到達させ、10MeV/核子程度まで一気に加速することに成功した。今回は、それらの報告を行う。
 
10:50 - 11:10 
SUOM06
p.139
[Slides]
フォトカソード電子銃駆動用のファイバーレーザーの開発
Development of fiber laser for photo cathode electron gun

○堤 亮太,川瀬 啓悟,加藤 龍好,入澤 明典,藤本 將輝,矢口 雅貴,船越 壮亮,宮崎 数磨,磯山 悟朗(阪大 産研)
○Ryota Tsutsumi (ISIR, Osaka Univ), Keigo Kawase, Ryukou Kato, Akinori Irizawa, Masaki Fujimoto, Masaki Yaguchi, Sousuke Funakoshi, Kazuma Miyazaki, Gorou Isoyama (ISIR, Osaka Univ.)
 
現在KEK, 広大, 阪大でLバンド フォトカソードRF電子銃の開発を進めている。そのフォトカソードを駆動するために、阪大でも独自にレーザー開発を実施している。レーザーシステムの初段として繰り返し数 108 MHzの受動モードロック Yb ファイバーレーザー 発振器 を製作してきた。一方現在産研Lバンドライナックでは繰り返し数108MHzに加え、新たに27MHzでも熱カソード電子銃を駆動させており、将来的にLバンドライナックにフォトカソード電子銃を導入するためには、繰り返し数27MHzのレーザー発振器も望まれている。そこで本研究では繰り返し数27MHzの受動モードロック Yb ファイバーレーザー 発振器を独自に開発を始めた。今回はその進捗状況を報告する。
 
11:10 - 11:30 
SUOM07
p.142
非線形光学効果を考慮したレーザー 駆動誘電体加速のパラメータ
Parameter study for the laser-driven dielectric accelerator taking account of nonlinear optical effects

○小山 和義(高エネ研、東大),大槻 祥平,上坂 充(東大),吉田 光宏(高エネ研)
○Kazuyoshi Koyama (KEK, U. Tokyo), Shohei Otsuki, Mitsuru Uesaka (U. Tokyo), Mitsuhiro Yoshida (KEK)
 
レーザー駆動誘電体加速では、レーザー電界を石英等で作られた回折格子によって変調して電子加速に応用する。 加速電界強度の上限を決める大きな要因は回折効率と入射レーザー強度である。入射レーザー強度の上限は一般的には光学破壊限界のみを考えている。我々は,非線形光学効果(自己集束効果と自己位相変調効果)によるレーザー光の波面の歪み評価を行った。自己位相変調効果の影響はピコ秒以下のパルス幅で誘電体が数ミリ以上の厚さの場合に顕著になること、対向レーザー照射の配位では回折格子基板の厚さは1mm以下であるのでピコ秒以上のパルスでは、非線形光学効果は考慮する必要は無いこと、近接場を利用する配位ではプリズム等の長い光路を必要とする可能性があるためにサブピコ秒のパルス幅では問題となることを明らかにした。 また、非相対論的領域での加速勾配に与えるレーザー電界の空間分布高調波成分の影響に関してもシミュレーションを行い、電子加速の条件を明らかにした。
 
11:30 - 11:50 
SUOM08
p.147
高強度フェムト秒レーザー加速電子を用いた超高速時間分解電子線回折の開発
Ultrafast electron diffraction using electrons accelerated by intense femtosecond laser

○阪部 周二,橋田 昌樹,井上 峻介,時田 茂樹(京都大学化学研究所)
○Shuji Sakabe, Masaki Hashida, Shunsuke Inoue, Shigeki Tokita (Institute for Chemical Research, Kyoto University)
 
超高速電子線回折や電子偏向法は物質構造や物質近傍の電磁場の動力学を捉える手法として有効である.これらの手法の要素技術となるのが高輝度のパルス電子線源である.一般には,フェムト秒レーザー・フォトカソードと外部加速器が用いられているが,空間電荷効果によるパルス幅の広がりのため,パルス内電子数が制限される.そのため多くの電子パルスの照射が必要となる.高強度レーザーの飛躍的な発展により,レーザーによる電子加速が可能となってきた.レーザー電子加速には大別して二つの方式がある.気体標的中にプラズマ航跡波を誘起しその波により電子を加速する方式と、固体標的をプラズマ化し共鳴吸収等により電子を加速する方式である.前者は高エネルギー科学のための未来の加速器として世界で研究が行われている.他方,物性科学の観点からはエネルギーよりも電子数への要請が大きく,固体標的にはその可能性がある.我々は後者による,短パルス,高エネルギー(物性科学において),高電子数のパルス源の開発に取り組んでいる.レーザーと固体標的との相互作用により加速放射される電子はそのエネルギースペクトルが比較的広いので,これを利用したパルス圧縮が可能である.また,固体材料を適切に選ぶ事により電子数を増大できると考えられる.講演では,パルス圧縮の実証,固体標的からの放射電子線特性,新規標的からの高指向電子線発生とその物理などについて述べる.
 
技術研修会1 (8月10日 大ホール)
15:00 - 16:00 
SUOLT1

[Slides]
高周波空洞技術 1:基礎概念と設計
High-frequency cavity technology 1: Basic concept and design
○肥後 寿泰(高エネルギー加速器研究機構)
○Toshiyasu Higo (KEK, High Energy Accelerator Research Organization)
 
「高周波空洞」は電気的に大別すると、定在波型、進行波型があり、材料・使用温度で大別すると常伝導、超伝導の区別が考えられる。また、空洞サイズは周波数により決まり、UHF帯など1m級のものからXバンド帯の1儺蕕里發里泙任良く使われている。これらはその応用に関連して各種の電気的、機械的な特徴を持たせる必要がある。今回は筆者のこれまで直接携わってきた対象である、高エネルギー電子加速器に関連した加速空洞の技術を通して、できるだけ基本的考え方や基盤となる一般的技術を述べる。 第一部では、空洞の使用目的、そのための基本設計の考え方、それを実現するために備えるべき基本的特徴、等を述べる。その上で、それらの設計を進めるために必要な基礎概念とその実用的な適用を示す。主に電子蓄積リングで用いるCW空洞、及び電子直線加速器で用いる高電界加速管の二つに焦点をあてて述べ、そこから一般的な加速空洞技術を俯瞰できるように解説したい。
 
学会賞受賞講演 (8月10日 大ホール)
16:50 - 17:05 
SUOLA1
p.150
光陰極高周波電子銃の高度化と極短バンチ生成電子銃に関する研究
Development of a photo-cathode rf electron gun for ultra-short bunch generation

○坂上 和之(早稲田大学 理工学術院 総合研究所)
○Kazuyuki Sakaue (Research Institute for Science and Engineering, Waseda University)
 
光陰極高周波電子銃は初期の電子バンチの形状をレーザーで容易に制御できることから、高品質な電子ビームの生成が可能であり、これまで広く研究開発が行われてきた。その高品質性から大型加速器の入射器として採用されている。一方、早稲田大学では装置単体による応用研究を行ってきた。また、2000年以降KEKとの共同開発の下、電子銃開発を継続的に行ってきた。電子銃空胴形状の最適化、光陰極材料の開発、3.6セル型電子銃空胴開発等の実施を経て2012年よりエネルギー変調セル付属型高周波電子銃:ECC rf gun (Energy Chirping Cell attached rf gun)の開発に着手した。この電子銃は設計値では電子銃単体で100 fs以下のバンチ長かつ100 pC以上の電荷量を持つ電子バンチを生成できるため、小型テラヘルツ光源・時間分解電子線回折顕微鏡等への応用が期待される。生成電子バンチより放出されるテラヘルツ光の特性を評価し、バンチ長が500 fs (rms)以下であることが分かった。テラヘルツ光として0.3 THzまでの十分な強度の放射が得られている。また、高周波偏向空胴による直接バンチ長計測により、323 fs (rms)の極短バンチの生成を確認した。このようにECC rf gunでの極短バンチ生成の実証に成功し、今後応用研究に展開していく予定である。本講演ではこれまでの高周波電子銃開発をまとめ、ECC rf gun開発とその評価試験結果及び今後の展望について報告する。
 
17:05 - 17:20 
SUOLA2
p.155
大電力CWおよびパルスクライストロンの開発と製造
Development and Manufacturing of High Power CW and Pulse Klystrons

○岡本 正(元 東芝(現職 マイクロ波応用技術コンサルタント))
○Tadashi Okamoto (Toshiba(the incumbent Microwave Application Technical Consultant))
 
1980年当時、我が国のクライストロンの技術レベルはCWで200kW、パルスで20MW程度であった。すなわち、トリスタンやSpring8計画の要求に応えるには、ともに出力を数倍程度、高める必要があった。また、必要な数のクライストロンをタイムリーに供給できる製造力、試験力も合わせ持つことが必須の要件であった。 開発技術と製造試験技術の高度化を進めたが、当初、なかなか所要の性能を得ることができなかった。KEKの技術支援を得るとともに、東芝自体も研究所の力を傾注して、互いに協力し精力的に取り組んだ。 開発途上で遭遇した最も致命的な問題は、真空壁を形成するセラミックが、出力を増すと熱応力で破壊し、また動作電圧を上げると電極間セラミックに孔が開いてしまうことであった。一連の努力の中で、新技術を取り込み、ついにCW管で1.2MWの目標を達成した。引き続き、動作の安定度を増すための技術改善が継続され、大幅に性能がアップした。パルスクライストロンの穿孔問題も解決した。 引き続き、開発範囲を広げ、KEKB計画、J-PARC計画 、SACLA計画を始め、海外でも韓国や欧米の加速器計画にクライストロンを開発・製造し供給できる体制を確立した。6 ビームクライストロンや、全長約6mの超大型長パルス3MWクライストロンの開発にも成功している。
 
17:20 - 17:35 
SUOLA3
p.160
J-PARC用ACS空洞の開発
Development of the annular-ring coupled structure for J-PARC

○青 寛幸(日本原子力研究開発機構),菅野 東明(三菱重工業株式会社)
○Hiroyuki Ao (Japan Atomic Energy Agency), Tomei Sugano (Mitsubishi Heavy Industries, Ltd.)
 
J-PARCリニアックでは190〜400 MeVまでの加速空洞として、Annular-ring Coupled Structure (ACS)型加速空洞の開発を行ってきた。ACSはロシアのAndreevにより1972年に提案された構造で、従来、高エネルギー領域で用いられてきたSide coupled structure (SCS)に比べ、加速電場の軸対称性に優れる点が特徴である。ACSは80年代後半から90年代にかけ、大型ハドロン計画用としてKEKで開発が行われた経緯をもつ。我々はこれまでの開発成果を基に、J-PARC用として運転周波数の変更(1296→972 MHz)に伴う寸法形状の変更(ロシアINRとの共同研究)や、空洞量産時の作業効率および加工再現性を考慮した5軸加工機の適用などの加工方法の見直しなどをおこなった。2006年には小型の試作空洞による大電力試験でこれらJ-PARC用ACSの基本設計に問題が無いことを確認、その後もR&Dで製作上の問題点の改善を進めつつ、2009年からは空洞21台の量産を開始した。震災のため設置は1年遅れの2013年夏になったが、大半の空洞は予定通り3年間で製作を完了。ビームラインへの設置、コンディショニングの後、2014年1月17日に400 MeVのビーム加速を確認した。本講演ではJ-PARCにおけるACSの経緯、技術開発、および現在の運転状況などについて報告する。
 
17:35 - 17:50 
SUOLA4
p.165
500kV直流光陰極電子銃の開発
Development of a 500kV photoemission gun

○西森 信行,永井 良治(原子力研究開発機構),山本 将博(高エネルギー加速器研究機構)
○Nobuyuki Nishimori, Ryoji Nagai (Japan Atomic Energy Agency), Masahiro Yamamoto (KEK)
 
直流光陰極電子銃はリニアコライダーの偏極電子源やエネルギー回収リニアック(ERL)の高輝度大電流電子源として国内外で20年以上に渡り開発されてきたが、運転電圧は350kV以下に留まっていた。我々は独自技術を用いて世界初となる500kVの安定印加、及び500keV電子ビーム生成に成功し、その後のコンパクトERLでの安定なビーム運転に貢献した。この電子銃には3つの主要開発技術がある。1)光陰極、2)セラミック管、3)加速電極である。1)光陰極には、偏極電子源開発に用いられてきた不電子親和力(NEA)表面を持つガリウムヒ素を選定した。名古屋大学で長年培われてきた光陰極パック輸送技術、光陰極表面洗浄技術、NEA表面作成技術を踏襲することで、迅速かつ確実なビーム生成を実現した。2)セラミック管については独自のガードリング付分割型セラミック管を開発し、サポートロッドからの電界放出電子がセラミック管表面を直接叩かない構造とした。セラミック管表面のチャージアップによる放電や穴の開く事故を防ぎ、サポートロッド有の状態で500kVの安定印加に世界で初めて成功した。3)ビーム生成用加速電極のインストール後、電圧印加中に電極の高電界部から暗電流が突然発生する未知の問題に悩まされた。陽極効果に着目し加速ギャップ周囲への非蒸発型ゲッターポンプの配置とギャップ長の最適化により問題を解決し、世界初の500kV印加、500keVビーム生成に成功した。技術開発の詳細を紹介する。
 
17:50 - 18:05 
SUOLA5
p.171
局所表面仕上げシステムを用いたL-band超伝導加速空洞補修技術の開発
Development of the repair technique using by the local polishing system with high quality optical inspection camera for the L-band superconducting rf cavity

○渡邉 謙,早野 仁司(高エネルギー加速器研究機構 加速器研究施設),岩下 芳久(京都大学 化学研究所)
○Ken Watanabe, Hitoshi Hayano (High energy accelerator research organization, Accelerator lab), Yoshihisa Iwashita (Kyoto University, ICR)
 
L-band超伝導加速空胴の到達加速電界はここ10年で徐々に上がってきているが、その歩留まりはいっこうに改善される気配がなかった。プロジェクト規模の大小にかかわらず、この歩留まりの悪さは実用化にとって致命的である。  本研究では加速空胴内表面観察と局所的補修の重要性に早くから着目し、観測装置の必要性能、見極めるべき欠陥に焦点をあてた研究を行った。歩留まり改善の技術開発では、空胴内の鏡面を高分解能で観察するための特殊照明を用いたカメラシステム、次いで、発見した欠陥に対する機械的補修を行うための研削・研磨システムの開発を行い、その有用性の検証をここ10年間継続的に実施してきた。  本システムを用いた方法が有効であることを実証するため、DESY、FNAL、JLAB、KEKなどで製造された超伝導加速空胴のうち、特に性能の悪いものについて内表面の欠陥の有無を検査し、見つかった欠陥に応じた補修を実行し、性能試験を行ってきた。結果、ほぼ確実に空胴性能を改善できる事が実証された。また、本研究開発から得られた知見・ノウハウは、今日の空胴製造および各種表面処理工程へ反映され、ILC-TDRにも採用されている。  現在、改良を重ねた高分解能内面検査カメラと研磨装置をDESY、FNAL、JLAB、CERNでも利用可能にするべくその供給にも貢献している。本発表では補修技術の実用化に至るまでの過程と現状について報告する。
 
技術研修会2 (8月11日 大ホール)
9:00 - 10:00 
MOOLT1

[Slides]
高周波空洞技術 2:製作から運転へ
High-frequency cavity technology 2: Manufacturing to operation
○肥後 寿泰(高エネルギー加速器研究機構)
○Toshiyasu Higo (KEK, High Energy Accelerator Research Organization)
 
第二部では、第一部で述べた基本設計を元に、高周波加速空洞を製作し、実際に運転するまでの具体的な技術について述べる。これには、材料の選択や調達、各種構成パーツの製作、保管管理、組立前の処理、組立工程、完成検査、更に現地への設置、高電力導入までのプロセシング過程、更に長期の運転とそれに伴う不具合への対処、等が含まれる。第一部と同様に、主に電子蓄積リングで用いるCW空洞、及び電子直線加速器で用いる高電界加速管の二つに焦点をあてて述べ、そこから一般的な加速空洞技術を俯瞰できるように解説したい。
 
加速器応用・産業利用 (8月11日 大ホール)
10:10 - 10:30 
MOOL01
p.176
クライオ電子リニアックを基盤とするコンパクト空間干渉性X線源の開発
Developments of Coherent X-ray Source based on Cryogenic Electron Linac

○佐藤 勇,新富 孝和,早川 建,田中 俊成,境 武志,中尾 圭佐,野上 杏子,稲垣 学,諏訪田 剛,佐藤 政則,道園 真一郎,福田 茂樹,吉田 光宏,山口 誠哉,岩瀬 広,和気 正芳,高富 俊和,上野 健治,遠藤 克巳,中川 潤,望月 哲朗,竹中 久貴,畑中 宏之,丸山 敏征,飯野 晃弘,玄 知奉,植竹 卯一郎,篠原 己抜,三浦 厚,坂本 敏夫,諸橋 宣州()
○Isamu Satou, Takakazu Shintomi, Ken Hayakawa, Toshinari Tanaka, Takeshi Sakai, Keisuke Nakao, Kyoko Nogami, Manabu Inakaki, Takeshi Suwada, Masanori Satou, Shinichiro Michizono, Chigeki Fukuda, Michihiro Yoshida, Seiya Yamaguchi, Hiroshi Iwase, Masayoshi Wake, Toshikazu Takatomi, Kenji Ueno, Katsumi Endo, Jun Nakagawa, Tetsuro Mochizuki, Hisataka Takenaka, Hiroyuki Hatanaka, Toshimasa Maruyama, Akihiro Iino, Chibon Hyon, Uichiro Uetake, Kibatsu Shinohara, Atsushi Miura, Tochio Sakamoto, Nobukuni Morohashi ()
 
空間干渉性単色X線は、集束可能であり、また、透過像に優れたコントラストを発揮することが明らかになり、近い将来、X線科学の発展やがん治療・医療診断に新たな展開が予測される。また、小型空間干渉性単色X線源の開発研究は、多くの研究者・技術者から関心を寄せられ、日本大学、高エ研、関連企業の関連研究者・技術者が連携した産学官の共同プロジェクトとして推進されてきた。空間干渉性X線は単結晶に電子線を照射し発生させるが、しかしながら、性能特性を発揮する装置を構築するには、100MeV級の電子線エネルギーが必須の条件である。一方、低価格でコンパクトX線源には、加速器が放射能を産出せず且つ低放射線レベルであることが要求される。そこで、本プロジェクトを達成する第一段階として、渦巻き式エネルギー回収型(ERL)クライオ電子リニアックを基盤とするコンパクト空間干渉性X線装置の実用化が検討され、企業の協力の下に、コンパクトX線源のモデルの具体的な設計・製造を開始し、モデル装置の実証実験を試みている。学会では、本プロジェクトの概要、性能仕様、並びに計画の進捗状況などについて報告する。
 
10:30 - 10:50 
MOOL02
p.183
[Slides]
950keV/3.95MeVXバンドライナックX線源の社会・産業インフラ特定検査への展開
Forward special Inspection of social and industrial infrastructures by 950 keV/3.95 MeV X-band linac X-ray source

○上坂 充,藤原 健,土橋 克弘(東大原子力専攻),裴 翠祥 ,武 文晶(東大原子力国際専攻),草野 譲一,田辺 英二(アキュセラ),菅野 浩一(エーイーティー),大矢 清司,服部 行也(日立パワーソリューション),三浦 到(三菱化学),本間 英貴(土木研究所),木村 嘉富(国土技術政策総合研究所)
○Mitsuru Uesaka, Takeshi Fujiwara, Katuhiro Dobashi (Nuclear Professional School, University of Tokyo), Cuixiang Pei, Wenjing Wu (Dept. Nucl. Eng. Manag, University of Tokyo), Jyoichi Kusano, Eiji Tanabe (ACCUTHERA Inc.), Koichi Kanno (AET Inc.), Seriji Ohya, Yukiya Hattori (Hitachi Power Solution Ltd.), Itaru Miura (Mitsubishi Chemical Ltd.), Hidetaka Honma (Power Works Research Institute), Yoshitomi Kimura (National Institute for Land and Infrastructure Maintenance)
 
950keV/3.95MeVXバンド(9.3GHz)ライナックX線源の開発を完了し、化学工場での硝酸蒸留塔の内部構造の検査に成功したところまで2年前口頭発表した。その後原子力技術開発イニシャティブとJST震災復興促進プログラムに採択されて、それぞれ高エネルギーX線検査専用SiシンチレータX線カメラの開発、950keVシステム構成の改良と利用促進を行っている。後者に関し、X線発生ヘッドと高周波源ボックスを、頑丈な立方体フレームに入れて、その操作性と信頼性を向上させた。結果、酷寒暴風雨深夜の化学工場桟橋の鉄筋コンクリートの内部構造検査、構造強度評価、修復方策達成に成功した。高周波加速器システムとしては画期的実績である。また国土総合技術政策研究所の委託研究にて実機橋梁試料のベンチマーク試験に参加し、内部鉄筋の撮像に成功した。現在狭隘な現場での、限定された方向からの透視データとTomosynthesis法による内部形状補正、部分角度CTの技術も確立中である。これによる、ハード(X線発生と検出)・ソフトの総合的システムが完成される。今年度いっぱい国内の社会・産業インフラの試験の実績を積み、来年度は海外進出を計画している。950keVシステムでの実績と知見はすべて3.95MeVシステムに反映される。最新の結果を紹介する。
 
10:50 - 11:10 
MOOL03
p.186
[Slides]
粒子線治療用シンクロトロンにおけるベータトロン振動数の計算と実測
Calculation and Measurement of Betatron Frequency in Synchrotron for Proton Beam Therapy

○青木 孝道,えび名 風太郎,野村 拓也,梅澤 真澄,平本 和夫(株式会社日立製作所)
○Takamichi Aoki, Futaro Ebina, Takuya Nomura, Masumi Umezawa, Kazuo Hiramoto (Hitachi, Ltd.)
 
粒子線治療の普及のため加速器の小型化が求められている。著者らは従来周長23mの二回対称のシンクロトロンを小型化し、最大ビームエネルギー220MeV・周長17mのシンクロトロンを開発した。本シンクロトロンは四台の90度偏向電磁石と四台の発散四極電磁石を備える四回対称シンクロトロンである。入射ビームのエネルギーは7MeVであり、パータベータによる多重回転入射法を用いる。偏向電磁石の一様磁場とエッジ角による収束によって、周回ビームの安定性を確保している。三次共鳴(νx=2/3)と横方向高周波を用いた取り出しに適したチューン(νx=0.678)と入射・加速時のチューン(νx=0.71)との間でのチューン制御を四極電磁石制御によって実現する。本シンクロトロンは四極電磁石を一系統のみとしたため、チューンダイアグラム上の動作点が直線上に制限される。そこで、偏向電磁石の設計・製作に当たっては電磁場計算コードEM-Solutionを用い、磁極を構成する電磁鋼板の飽和の影響を加味した三次元静磁場計算を実施した。磁場計算と製作後の磁場測定によって得た磁場分布を用いて、粒子軌道の追跡計算により安定周回を実現することを確認した。結果、加速器のコミッショニングにおいては計算通りのチューンが測定され、ビームロスは確認されず、220MeVのビーム取り出しにコミッショニング開始から約2週間で成功した。
 
11:10 - 11:30 
MOOL04
p.191
レーザコンプトンガンマ線による核物質非破壊検知システムの開発
Non-destructive Nuclear Material Inspection System by using Laser-Compton scattered Gamma-ray

○大東 出(京大エネ研),神門 正城,静間 俊行,早川 岳人,エンジェル クリストファー,羽島 良一(原子力機構),大垣 英明(京大エネ研)
○Izuru Daito (IAE,Kyoto Univ.), Masaki Kando, Toshiyuki Shizuma, Takehito Hayakawa, Christopher Angell, Ryoichi Hajima (JAEA), Hideaki Ohgaki (IAE, Kyoto Univ.)
 
安全安心な社会のための犯罪・テロ対策技術等を実用化する プログラムの下で「ガンマ線による核物質非破壊検知システム」の 開発プロジェクトが進行中である。本検知システムはレーザー コンプトンガンマ線による核共鳴蛍光散乱により核物質の核種同定まで 可能なものを目指し開発を行っている。原子力機構関西研の150 MeV マイクロトロンの電子ビームと、パルス圧縮を行ったNd:YAGレーザー により発生した、最大400 keVのレーザーコンプトンガンマ線を用い 行っている模擬標的の検知試験の結果について報告する。
 
11:30 - 11:50 
MOOL05
p.194
国際核融合中性子照射施設(IFMIF)の工学実証のための大電流原型加速器の現状
Present status of the high current prototype acelerator for IFMIF/EVEDA

○奥村 義和(日本原子力研究開発機構)
○Yoshikazu Okumura (JAEA)
 
核融合エネルギーの実現に向けた幅広いアプローチ協定のもとで、国際核融合中性子照射施設(IFMIF)の工学設計工学実証活動(EVEDA)が2007年から実施されている。IFMIFは、40MeV/125mAの重水素イオンビームの線形加速器2基を用いて、250mAの連続ビームを流速15m/sの液体リチウムターゲットに照射し、最大20dpa/年以上の高い中性子照射場を作る施設であるが、その工学実証における最大の課題が大電流線形加速器である。特に、空間電荷が問題となる低エネルギー側の、入射器(100keV/140mA/CW)、高周波四重極加速器(RFQ:5MeV/125mA/CW)、そして超伝導リニアックの初段(9MeV/125mA/CW)については、実機の建設判断を下す前に工学実証を行う必要がある。そこで、入射器と超伝導リニアックはフランス原子力庁サクレー研究所(CEA Saclay)が、RFQはイタリアのINFN研究所が、そして高周波電源やビームダンプ等はスペインのシーマット研究所が、建屋や全体制御系は日本が中心となって分担し、青森県六ヶ所村に新設された国際核融合エネルギー研究センターにおいて実証試験を行うことになっている。既に、入射器は予備試験を終えてフランスから六ヶ所村に到着し据付がほぼ完了した。夏には高周波源の電源機器の搬入も開始され、2015年にRFQ、そして、2017年までに全ての機器が揃って、9MeV/125mA/CWの実証試験を行う予定となっている。
 
高周波源/加速器制御 (8月11日 大ホール)
12:50 - 13:10 
MOOL06
p.199
[Slides]
SACLAにおける大電力RF機器の高繰り返し化
Development of a high repetition RF source in SACLA

○近藤 力,稲垣 隆宏,櫻井 辰幸,大島 隆,大竹 雄次(理研 放射光科学研究センター),惠郷 博文(高輝度光科学研究センター)
○Chikara Kondo, Takahiro Inagaki, Tatsuyuki Sakurai, Takashi Ohshima, Yuji Otake (RIKEN SPring-8 Center), Hiroyasu Ego (JASRI)
 
 X線自由電子レーザー施設(SACLA)では、複数ビームラインに対して電子ビームの振り分けを行うことを計画している。この時、振り分けるビームラインが増えるに従い、1ビームラインあたりの照射頻度は減少する。そこで、照射頻度を維持する手法として、ビームの高繰り返し化の研究開発を、将来の実用化に向け行っている。今回、我々はRFパルスの繰り返しを従来の倍の120ppsにて運転可能な大電力RF機器、すなわちPFN充電器、モジュレータ電源、クライストロン、Cバンド加速管を開発した。これらの機器では、高繰り返し化に伴って増大する発熱に対し冷却機構の増強を施しており、特に、モジュレータ電源については、内部絶縁油の放熱について流体シミュレーションを用いた確認や、高性能な水冷機構の開発などを行った。また、PFN充電器の開発では、50kVもの高電圧を0.01%以下の高精度で充電を行うが、電圧整定を従来よりも短時間で行う必要があった。そこで、デジタル制御や、PWM制御などの制御手法を導入し、より高速な整定を実現した。一方、Cバンド加速管では、空洞内のアイリス形状を工夫することで、空洞の表面電界を抑えながら軸上加速電界を高めることで、放電頻度を下げることに成功した。そして、120ppsでの統合試験を8時間連続運転を行い、機器の冷却や電圧の整定時間に問題なく、安定的に動作することを確認した。
 
13:10 - 13:30 
MOOL07
p.205
KEKにおけるILCクライストロン電源開発の現状
Present Status of ILC Klystron Modulator Development at KEK

○明本 光生,中島 啓光,本間 博幸,松本 利広,道園 真一郎,設楽 哲夫,福田 茂樹(KEK)
○Mitsuo Akemoto, Hiromitsu Nakajima, Hiroyuki Honma, Toshihiro Matsumoto, Shinichiro Michizono, Tetsuo Shidara, Shigeki Fukuda (KEK)
 
KEKではILC計画に向けて10MWクライストロンを駆動するピーク電圧120kV,ピーク電流140A, パルス幅1.7ms, パルス平坦度1%(p-p), 繰り返し5 Hzの大電力長パルス電源の開発が進められている。この電源は約560台、トンネル内に設置されることかから、高信頼化、小型軽量化、低価格化を狙って半導体スイッチを使用した電源の開発が求められている。本発表ではKEKで以前開発されたバウンサー型パルス電源をはじめ、小電力パルス発生回路を充電時に並列接続して充電し、パルス発生時にはそれを直列接続して放電させて高圧パルスを発生させるマルクス型パルス電源の開発状況について報告する。
 
13:30 - 13:50 
MOOL08
p.210
[Slides]
EPICS内蔵小型デバイスサーバの開発
Development of Compact Device Server with EPICS

○帯名 崇(KEK),路川 徹也(東日本技術研究所)
○Takashi Obina (KEK), Tetsuya Michikawa (East Japan Institute of Technology Co., Ltd.)
 
加速器制御にあたっては様々な機器を遠隔から監視・制御することが重要である。特にRS232Cに代表されるシリアルインターフェースをもつ機器は多く、それらをイーサネット経由で遠隔制御する装置は各社から販売されている。例えばLantronix社製XPortやMOXA社製デバイスサーバ製品群などが挙げられるが、これらは単なるプロトコル変換器であり、実際に制御するにはホストコンピュータが別途必要となる。 本件では制御対象機器の近くに設置してEPICSサーバを稼働可能な小型デバイスサーバを開発した。ハードウェアの信頼性、低消費電力、入手性の良さ、ソフトウェア開発が容易であることなど様々な条件を勘案して、ベースとなるハードとして Texas Instruments 社製の名刺サイズコンピュータボードである Beagle Bone Blackを選定した。今回は1つのサーバで4つのデバイスを制御する構成とし、ベースボードの上に搭載する拡張ボード(Cape)にはRS232CレベルコンバータとEEPROMを搭載するのみの単純な構成とした。開発した拡張ボードの情報はWebにて公開している。 このデバイスサーバはKEK cERLの放射線レベル監視用途に使用しており問題なく連続稼働している。今後はこれをベースにさらにポート数を増やすことや、デジタルI/Oやアナログ入力機能を利用するサーバ開発を検討している。
 
13:50 - 14:10 
MOOL09
p.215
[Slides]
SACLAにおける機器管理システムの構築
Equipment management system at SACLA

○小竹 拓也(スプリングエイトサービス(株)),大島 隆(理研 放射光科学総合研究センター),山下 明広(高輝度光科学研究センター),大竹 雄次(理研 放射光科学総合研究センター)
○Takuya Otake (SPring-8 Service Co., Ltd.), Takashi Ohshima (RIKEN SPring-8 Center), Akihiro Yamashita (JASRI), Yuji Otake (RIKEN SPring-8 Center)
 
SACLAでは多数の機器を使用しており、ユーザー運転を高い信頼性で維持するためにはこれらの機器の故障履歴や予備品などの機器情報の管理が非常に重要になる。そこで、機器の生産時期から廃棄までの間で必要となる情報を管理することを目的としたシステムを構築した。管理項目は、故障・修理履歴、製造会社、機器の保管場所、移動履歴、予備品の数、機器の特性データや図面等の図書、購入案件名や資産番号などである。システムを有効に活用するためには、実際の状況とデータベース内の情報が一致していることが重要であり、頻繁なデータの更新が必要となる。そこで、タブレット型端末を含む様々な種類の端末でも特別なソフトを導入せずに使えるHTMLベースのシステムを構築し、データ入力も出来る限り分かり易く簡単にした。また、jQuery、Ajax等の技術を用いて、機器の検索も管理番号、機器名、案件名等いろいろな角度から、画面遷移が少なく簡単な操作で行えるようにした。機器や場所、人等に対してユニークな管理番号を割り当て、その番号をQRコードシールにして貼り付けている。これにより、QRリーダーとクリック操作のみで機器の場所の移動情報等の入力を完了させることが出来ている。現在、本システムには二万点を超える機器が登録されおり、案件等の派生情報も七千点を超えているが、検索候補の表示は1秒程度で、機器の詳細表示についても数秒程度で行えている。
 
14:10 - 14:30 
MOOL10
p.220
[Slides]
SACLAにおけるRF 異常波形データの捕捉
Capture of Abnormal RF Waveform at SACLA

○大島 隆,前坂 比呂和,稲垣 隆弘,原 徹,大竹 雄次(理研),長谷川 太一,吉岡 正倫(スプリングエイトサービス),丸山 俊之(日本技術センター)
○Takashi Ohshima, Hirokazu Maesaka, Takahiro Inagaki, Toru Hara, Yuji Otake (RIKEN), Taichi Hasegawa, Masamichi Yoshioka (SPring-8 Service), Toshiyuki Maruyama (nichigicenter)
 
X線自由電子レーザー施設SACLAで信頼度の高いユーザー運転を継続するためには、故障原因の早期診断ができることが重要である。たとえばクライストロンの特性が変化しその出力波形が不定期に変動するような事象が発生したとき、出力波形のあるタイミングの位相・振幅のポイントデータだけではなく、波形がどのような形となっているかを知ることが故障原因の判断材料となる。SACLAでは、ポイントデータは全ショットに対して記録されているが、波形データは10分間隔に間引きされて保存されており、異常波形を捕捉できない場合が有る。そこで、ADCボードが異常波形を検出した場合に出すインタラプト信号を用いて、当該信号の異常波形および関連する機器の信号の同一ショットでの波形を保存するシステムを開発した。異常波形監視プロセスの監視開始のタイミングは、RF信号の位相・振幅安定化プロセスと密に連携をとり、クライストロン立ち上げ完了後の定常状態になった時点で設定するようにした。異常波形検出の事例としては、C補正空洞の位相に飛びが見られたとき、クライストロン出力に波形の立ち上がりから0.5us後で位相が変化する異常波形を捉えることができた。このときクライストロンカソード電圧は正常であったことから、原因は高電圧充電器ではなくクライストロンにあることがわかった。
 
14:30 - 14:50 
MOOL11
p.224
[Slides]
安全性向上を目指したJ-PARC加速器の監視システムの整備
New Surveillance System to Enhance Safety of J-PARC Accelerators

○上窪田 紀彦(高エネルギー加速器研究機構),飯塚 上夫,青山 俊明,吉田 奨(関東情報システム),仁木 和昭,山本 昇(高エネルギー加速器研究機構)
○Norihiko Kamikubota (KEK/J-PARC Center), Takao Iitsuka, Toshiaki Aoyama, Susumu Yoshida (KIS), Kazuaki Niki, Noboru Yamamoto (KEK)
 
2013.5.23のハドロン実験施設の放射性物質漏洩事故を受け、 J-PARCでは外部有識者とともに事故に至った経緯を検証し、 事故を未然に防ぐ安全体制についてさまざまな議論が行われた。 加速器制御システムでも、事故に至る可能性のある事象を検知し、 適切に加速器オペレータに知らしめる新しい工夫が必要と 考えられた。 このような状況下、2013-2014年の1年間で以下の新しい監視システムが 整備された。 (1) 加速器運転中に発生するインターロック(MPS)のうち、重篤な事故の 引き金となりうるもの(High-Risk MPSと呼ぶ)を選び出し、 加速器オペレータに注意喚起する仕組みを構築した。 (2) 独立した安全システムである放射線監視システムの収集する 放射線モニタの情報を、加速器制御で共有できるような仕組みを構築した。 また、これら異なる起源の情報を統一したLook-and-feelのGUIで 監視できるよう、加速器オペレータ向けのアプリケーションを整備している。 これらの新しい監視システムの整備・運用状況について報告する。
 
高周波加速空洞/真空 (8月11日 大ホール)
15:00 - 15:20 
MOOL12
p.228
[Slides]
1.3 GHz, 9セル超伝導空洞12台から構成されるSTF2 Cryomoduleの開発状況
Construction of STF2 Cryomodule consisting of Twelve 1.3 GHz 9-cell SC Cavities.

○宍戸 寿郎,荒木 栄,加古 永治,仲井 浩孝,原 和文,山本 康史(KEK 加速器),近藤 良成(KEK 素核研),原 博史,柳沢 剛,仙入 克也(三菱重工 三原)
○Toshio Shishido, Sakae Araki, Eiji Kako, Hirotaka Nakai, Kazufumi Hara, Yasuchika Yamamoto (KEK, Accel. Lab.), Yoshinari Kondo (KEK, IPNS), Hiroshi Hara, Takeshi Yanagisawa, Katsuya Sennyu (MHI, Mihara)
 
KEK STF(Superconducting RF Test Facility)では量子ビーム計画として、ILC(International Linear Collider)用に研究開発された 1.3 GHz 9セル超伝導空洞(MHI#12、#13号機)2台からなるCapture Cryomoduleにて、40MeVのビーム加速とX線生成実験に成功した。 この計画に続き、ビームエネルギー増強を目的としたSTF2計画が進行中である。 STF2ではMHI#14〜#22の9台の空洞から高性能空洞を8台選択、8連化した空洞を納めるCryomodule(CM-1)とMHI#23〜#26を4連化した空洞を納めるCryomodule(CM-2a)から成る計12台とCapture Cryomoduleの2台、総計14台の空洞でビームエネルギー400MeVを目標としている。 CM-2aの組み立ては順調で、既に組み立ての終わっているCM-1との接続は5月末に完了する予定である。 来年度のビーム加速に向けたSTF2計画の現状について報告する。
 
15:20 - 15:40 
MOOL13
p.233
[Slides]
KEKにおける超伝導RF電子銃の開発状況
Development of Superconducting RF Electron Gun in KEK

○松田 竜一,井上 典亮(三菱重工),許斐 太郎(分子研),小林 幸則,山口 誠哉,加古 永治(高エネ研)
○Ryuichi Matsuda, Fumiaki Inoue (MHI), Taro Konomi (IMS), Yukinori Kobayashi, Seiya Yamaguchi, Eiji Kako (KEK)
 
KEKでは次世代ERLやFELシステムに必要となる高輝度電子銃向けに、従来のDC電子銃に加え超伝導RF電子銃の開発を開始した。共振周波数1.3GHz、出口エネルギーを2MeV、ビーム電流を100mAに設定し、内部で放電が起きない最大表面電界(50MV/m以下)、低エミッタンス(1mmmrad以下)、低エネルギー拡がり(0.1%(2keV)以下)を得ることができる空洞内面形状を、電磁場解析と荷電粒子挙動解析を組合せ、1.5セルの楕円空洞を最適設計した。この空洞は3つのハーフセルを共通の金型1台から製作可能である。実際に金型からNb材によるハーフセルを製作した。また極低温、真空環境下における熱構造解析も実施し、変形やその前後の共振周波数変化も評価した。
 
15:40 - 16:00 
MOOL14
p.237
SPring-8-II高次モード減衰型高周波加速空胴の開発
Design of a HOM-damped RF cavity for the SPring-8-II storage ring

○惠郷 博文(高輝度光科学研究センター),渡辺 順子,木村 諭,佐藤 潔和((株)東芝)
○Hiroyasu Ego (JASRI), Junko Watanabe, Satoshi Kimura, Kiyokazu Sato (Toshiba)
 
SPring-8-II次期計画蓄積リングにおけるバンチ間結合ビーム不安定性を抑制するため、インピーダンスの高い高次共振モード(HOM)を減衰させる高周波加速空胴を開発している。次期計画蓄積リングにおいて加速空胴収納スペースが約4mに制限されるため、必要設置台数を考慮すると、空胴を複雑・肥大化させるHOM取出用導波管や拡張パイプなどを用いた減衰方法は使用できない。そこで、シンプルな構造で効率的にHOM減衰を行う新型加速空胴を設計した。この空胴のビーム加速共振モードは、これまでのものと異なるTM020モード(共振周波数508.58 MHz)で、空胴材質を銅とした場合のシャントインピーダンスは6.8 MΩ、無負荷Q値は60,300である。加速空胴内部にはHOM減衰機構として2つのスロットがTM020モード軸対称磁場の節に沿って設けられており、スロット内には高周波吸収体が収納される。これにより専用の導波管やパイプを用いることなく、コンパクトな収納長でHOM減衰を達成させる。本発表では、HOM減衰機構の詳細と製作したアルミモデルにて測定した高周波特性について報告する。
 
16:00 - 16:20 
MOOL15
p.242
[Slides]
DLCコーティングされたビームエキサイターの開発
Development of the DLC coated beam exciter

○岡田 雅之,外山 毅(高エネルギー加速器研究機構 J-PARC)
○Masashi Okada, Takeshi Toyama (KEK J-PARC)
 
J-PARC MRではビームエキサイターを増設するにあたって、マルチパクタリングを抑制する為に電極の表面をDiamond Like Carbon(DLC)コーティングする事にした。ところがテストベンチでの測定の結果、従来想定していた電極-電極間だけでなく電極-チェンバー内面間でもマルチパクタリングが発生している事が分かった。そこで、電極の他にチェンバー内面もDLCでコーティングした物を作成する事にした。 製作した新型のチェンバーはテストの結果、従来のものよりもマルチパクタリングによる真空の悪化が少なく実用に問題の無い水準であった。そこで、リング内に設置して実際にイントラバンチフィードバックシステムによるビーム制御に用いると共にコーティングに対するビームの影響を調べる事にした。本発表では、その結果について報告する。
 
ハドロン加速器 (8月11日 中会議室)
10:10 - 10:30 
MOOM01
p.245
J-PARC Main Ringにおける大強度運転
High power beam operation of the J-PARC Main Ring

○佐藤 洋一,五十嵐 進,白形 政司,高野 淳平,山田 秀衛,山本 昇,小関 忠(KEK/J-PARC),原田 寛之,田村 文彦(JAEA/J-PARC),大見 和史(KEK),佐藤 健一郎,橋本 義徳,外山 毅,手島 昌己,岡田 雅之,大森 千広,中村 衆,杉本 拓也,石井 恒次,魚田 雅彦,原 圭吾,發知 英明,山本 昌亘(KEK/J-PARC)
○Yoichi Sato, Susumu Igarashi, Masashi Shirakata, Junpei Takano, Shuei Yamada, Noboru Yamamoto, Tadashi Koseki (KEK/J-PARC), Hiroyuki Harada, Fumihiko Tamura (JAEA/J-PARC), Kazuhito Ohmi (KEK), Kenichirou Satou, Yoshinori Hashimoto, Takeshi Toyama, Masaki Tejima, Masashi Okada, Chihiro Ohmori, Shu Nakamura, Takuya Sugimoto, Koji Ishii, Masahiko Uota, Keigo Hara, Hideaki Hotchi, Masanobu Yamamoto (KEK/J-PARC)
 
J-PARC Main Ring (MR)では、速い取出しでの大強度運転で最大240 kWのビームをニュートリノビームラインに供給している。2013年度の運転停止期間中にリニアックのエネルギーが181 MeVから400 MeVに増強され、2014年度の運転停止期間ではイオン源電流が30 mAから50 mAに増強を予定している。MRではこうした上流側の増強に応じてビーム強度を上げるべく、2013年度の運転停止期間中に、立上り立下りの高速化と反射波の影響を抑制を可能にする入射キッカー増強、上流からMRへの輸送ライン(3-50BT)でのモニターとステアリング電磁石の増設、放射化抑制を目的としたダクトのチタン化を行った。2014年春からの調整では、3-50BTコリメータ部のAchromatic化、それに基づいた3-50BTとMRのロスバランス最適化、3-50BTとMRの入射マッチングの6次元化(Alpha X, Beta X, Alpha Y, Beta Y, Eta X, Eta X’)、バンチ内横方向フィードバックの導入、MR 全BPMの位置較正とそれに基づくCOD補正、共鳴ラインの評価を行った。また、Skew quadrupolesによる和共鳴抑制、2倍高調波RFによる縦方向ミスマッチ下でのBunching factor振動の抑制も確認している。本発表では、これらのビーム調整と今後のビーム強度の増強について議論する。
 
10:30 - 10:50 
MOOM02
p.249
LHC入射器アップグレードのためのラドモンを使った半導体の放射線損傷試験
Radiation Damage Measurements of FET’s using a Radiation Monitor, RadMon for LIU

○大森 千広,白形 政司(高エネルギー加速器研究機構),田村 文彦(原子力研究開発機構),長谷川 豪志,吉井 正人(高エネルギー加速器研究機構),Paoluzzi Mauro,Brugger Markus,Spiezia Giovanni(CERN)
○Chihiro Ohmori, Masashi Shirakata (KEK), Fumihiko Tamura (JAEA), Katsushi Hasegawa, Masahito Yoshii (KEK), Mauro Paoluzzi, Markus Brugger, Giovanni Spiezia (CERN)
 
RadMonはセルンでLHC用に開発された総線量と中性子線量と高エネルギー成分を測定できる放射線測定器である。我々はCERNとLHCのための入射器アップグレード(LIU)に関して、PSブースター加速器の高周波加速システムを従来のフェライト空洞から半導体駆動の金属磁性体FT3Lシステムに置き換えるための共同研究をおこなっている。この一環として空洞のビーム試験と半導体の放射線損傷評価試験をJ-PARC MRを用いて行った。MRで最も線量の高いコリメータ下流にFETと放射線モニターRadMonを置き、リアルタイムで性能のほぼ等しい異なるメーカーのFETの特性の変化を計測した。PSブースターで予想される線量下ではこれらのFETが使用可能であることと同時に、あるFETではより高い線量まで使用できることがわかった。これらの測定結果に基づき、使用するFETを変更し、この夏以降のセルンでのFT3L空洞による加速試験が行われる予定である。
 
10:50 - 11:10 
MOOM03
p.254
[Slides]
NIRS-930における加速位相の調整について
Adjustment of beam acceleration phase at the NIRS-930 cyclotron

○北條 悟,片桐 健,中尾 政夫,杉浦 彰則,野田 章(放医研)
○Satoru Hojo, Ken Katagiri, Masao Nakao, Akinori Sugiura, Akira Noda (NIRS)
 
NIRS-930サイクロトロン(K=110)では、位相プローブを導入し、等時性磁場の調整に用いてきた。これまでの測定では、最内周のプローブを基準として位相のズレを測定する相対的な測定のみで、加速高周波に対する絶対的な加速位相の測定はできていなかった。そのため、プローブや加速電極の配置や、電気回路長などを考慮し、絶対的な加速位相を測定し理想的な加速位相への調整をおこなった。これらの調整結果などの詳細について報告する。
 
11:10 - 11:30 
MOOM04
p.257
[Slides]
51 MeV/u重元素イオンビームのためのガスストリッパー
Gas stripper for 51-MeV/u very-heavy-ion beams

○今尾 浩士,奥野 広樹,久保木 浩功,上垣外 修一,長谷部 裕雄,福西 暢尚,加瀬 昌之,矢野 安重(理研)
○Hiroshi Imao, Hiroki Okuno, Hironori Kuboki, Osamu Kamigaito, Hiroo Hasebe, Nobuhisa Fukunishi, Masayuki Kase, Yasushige Yano (RIKEN)
 
我々のグループでは大強度重元素イオンビーム加速の新要素技術として、厚いガスを用いた荷電ストリッパーの開発を行っている。RIBFでは11 MeV/uと51 MeV/uで2回の荷電変換を行っているが、特にU, Xeといった重元素イオンの加速では従来用いてきた固体荷電変換膜の耐久性が大強度化のボトルネックであり、これは米国FRIB計画等を含む、次世代RI生成施設の共通問題である。RIBFでは特に、エネルギー損失の大きな11 MeV/uウラン照射における第一ストリッパーで真っ先に問題が顕在化したが、「循環式ヘリウムガスストリッパー」の実装を一つの突破口として問題がクリアされた。 しかし、近年の重元素ビーム強度増強と共に、51 MeV/u第二ストリッパーにおいても固体膜の耐久性の問題が顕在化し、固体膜に変わるストリッパーの研究開発が進められている。第二ストリッパーは後段サイクロトロンとのマッチングの為のエネルギーディグレーダーの役割も担っており、均一、厚さ可変のガスストリッパーは理想的であるが、第一ストリッパーの約30倍のガス厚さが必要であり、その実現は難しい。 最近、大規模差動排気技術を駆使し、第二ガスストリッパーとして、ガス循環を必要としない「空気ストリッパー」が開発され、Xeビームのユーザー運転で使用された。講演では第二ガスストリッパー研究・開発の詳細と今後の使用における問題点、将来計画について述べる。
 
11:30 - 11:50 
MOOM05
p.262
[Slides]
J-PARC核破砕中性子源における非線形ビーム光学を用いたビーム拡大システムの開発
Development of Beam Expander System Using Non-Linear Beam optics at J-PARC Spallation Neutron Source

○明午 伸一郎,大井 元貴,圷 敦,池崎 清美(JAEA),藤森 寛(KEK)
○Shin-ichiro Meigo, Motoki Ooi, Atsushi Akutsu, Kiyomi Ikezaki (JAEA), Hiroshi Fujimori (KEK)
 
J-PARCでは,速い繰り返し(25Hz)の3GeV陽子シンクロトロン(RCS)から出射される大強度(1MW)の短パルス(1μs以下)のビームを水銀ターゲットに入射し、核破砕反応で生成する中性子をユーザーに供給している。液体金属に大強度の短パルスのビームを入射する際には、ターゲット容器に著しいピッティング損傷が発生することが最近の研究により明らかになった。この損傷は入射ビームのピーク電流密度の4乗に比例するために、ターゲット上でのピーク密度を下げるビーム制御は非常に重要である。我々は非線形ビーム光学に着目し、八極電磁石を用いたビーム光学の開発を行ってきた。2013年の9月に八極電磁石を設置し、実際の大強度ビーム(0.3MW)を用いてビーム拡大システムの特性をターゲットから1.8m上流側に設置したマルチワイヤプロファイルモニタで測定した。その結果、設計計算通りに八極電磁石を励磁する場合にターゲット周辺部のビームを中心に収斂できることが確認された。また、八極電磁石の励磁する場合のビーム形状は計算と良い一致を示すことがわかった。さらに、周辺部のビームを中心に収斂することにより、ビームハローの強度やターゲットのビーム入射部付近の放射線が減少されていることが確認された。以上から、本システムにより線形光学のみを使用する場合に比べ、ピーク密度を約40%減少できる見込みを得た。
 
粒子源/ビーム診断・制御2 (8月11日 中会議室)
12:50 - 13:10 
MOOM06
p.267
[Slides]
マルチアルカリ高量子効率・高耐久フォトカソードの研究
Study of Multi-Alkali photocathode to realize high quantum efficiency and high endurance

○清宮 裕史,栗木 雅夫,山本 記史,郭 磊,横田 温貴(広大)
○Yuji Seimiya, Masao Kuriki, Norihito Yamamoto, Lei Guo, Atsuki Yokota (Hiroshima Univ. Adsm)
 
フォトカソードは、レーザーを使用することで低エミッタンス、短パルスといった優れた性能を発揮する。フォトカソードはERLやFELといった高輝度の先端線形電子加速器の電子源に必要不可欠な物となっている。フォトカソードにはいくつかの候補がある。NEA-GaAsカソードは赤色励起で非常に高い量子効率を持つが、耐久性が低く、長時間の大電流運転に耐えられない。純金属系カソードは非常に高い耐久性を持つが、量子効率が低く、励起に紫外光が必要となるため、大電流の運転が難しい。一方、マルチアルカリカソードは緑色励起、高量子効率、高耐久といった優れた特徴がある。我々は、膜厚や基板温度などの蒸着条件の最適化を行うことで、マルチアルカリカソード生成技術の確立と高性能化を図った。蒸着源としてアンチモン(Sb)、カリウム(K)、セシウム(Cs)を使用している。
 
13:10 - 13:30 
MOOM07
p.272
[Slides]
SuperKEKB陽電子源の初期コミッショニングの現状
Initial commissioning of SuperKEKB positron source

○紙谷 琢哉,明本 光生,荒川 大,荒木田 是夫,飯田 直子,池田 光男,榎本 收志,大沢 哲,大西 幸喜,小川 雄二郎,柿原 和久,梶 裕志,片桐 広明,門倉 英一,菊池 光男,倉品 美帆,小磯 晴代,佐藤 政則,臧 磊,設楽 哲夫,周 翔宇,白川 明広,末武 聖明,杉本 寛,諏訪田 剛,竹中 たてる,田中 窓香,多和田 正文,中尾 克巳,中島 啓光,夏井 拓也,肥後 寿泰,福田 茂樹,船越 義裕,古川 和朗,本間 博幸,松下 英樹,松本 修二,松本 利広,三浦 孝子,三川 勝彦,道園 真一郎,三増 俊弘,宮原 房史,森 隆志,森田 昭夫,矢野 喜治,横山 和枝,吉田 光宏,風間 慎吾,張 叡,岩瀬 広,高富 俊和,岡田 尚起,一宮 亮,Qiu Feng(高エネルギー加速器研究機構/総研大),佐藤 大輔(東工大)
○Takuya Kamitani, Mitsuo Akemoto, Dai Arakawa, Yoshio Arakida, Naoko Iida, Mitsuo Ikeda, Atsushi Enomoto, Satoshi Ohsawa, Yukiyoshi Ohnishi, Satoshi Ogawa, Kazuhisa Kakihara, Hiroshi Kaji, Hiroaki Katagiri, Eiichi Kadokura, Mitsuo Kikuchi, Miho Kurashina, Haruyo Koiso, Masanori Satoh, Lei Zang, Tetsuo Shidara, Xiangyu Zhou, Akihiro Shirakawa, Masaaki Suetake, Hiroshi Sugimoto, Tsuyoshi Suwada, Tateru Takenaka, Madoka Tanaka, Masafumi Tawada, Katsumi Nakao, Hiromitsu Nakajima, Takuya Natsui, Toshiyasu Higo, Shigeki Fukuda, Yoshihiro Funakoshi, Kazuro Furukawa, Hiroyuki Honma, Hideki Matsushita, Shuji Matsumoto, Toshihiro Matsumoto, Takako Miura, Katsuhiko Mikawa, Shinichiro Michizono, Toshihiro Mimashi, Fusashi Miyahara, Takashi Mori, Akio Morita, Yoshiharu Yano, Kazue Yokoyama, Mitsuhiro Yoshida, Shingo Kazama, Rui Zhang, Hiroshi Iwase, Toshikazu Takatomi, Naoki Okada, Ryo Ichimiya, Feng Qiu (KEK/SOKENDAI), Daisuke Satoh (TITECH)
 
KEK電子陽電子線形加速器ではSuperKEKBに向けた陽電子生成部及び加速部の増強を進めている。捕獲する陽電子のエネルギーアクセプタンスを倍増させるためにタングステン製の生成標的直後での収束にはフラックスコンセントレータ型ソレノイドを用いる。さらに横方向位相空間アクセプタンスを倍増させるために通常のものより開口径が1.5倍大きいLAS(Large Aperture S-band)加速管を用いる。また四極電磁石によるビーム収束系についてもこれに見合ったアクセプタンスを持つように電磁石の増設及びビームラインレイアウトの変更を行う。今年2014年の5月時点でこれら新規コンポーネントを含めた陽電子生成部及び加速部の改造工事がほぼ完了し、近日中に陽電子ビームのコミッショニングを開始する予定である。この論文では陽電子ビームの初期コミッショニングの状況について報告する。
 
13:30 - 13:50 
MOOM08
p.277
[Slides]
50kV-3ns超高速2極-4極キッカーの開発
Development of 50kV Ultra-fast Dipole-Quadrupole Kicker for Bucket-by-bucket Beam Handling

○中村 剛,出羽 英紀(高輝度光科学研究センター),安積 隆夫(理研播磨),小林 和生,藤田 貴弘,正木 満博,鈴木 伸介,佐々木 茂樹,大熊 春夫(高輝度光科学研究センター)
○Takeshi Nakamura, Hideki Dewa (JASRI/SPring-8), Takao Asaka (RIKEN Hairma), Kazuo Kobayashi, Takahiro Fujita, Mitsuhiro Masaki, Shinsuke Suzuki, Shigeki Sasaki, Haruo Ohkuma (JASRI/SPring-8)
 
リングのRFバケット毎のビームハンドリングを可能とする50kV駆動 3nsキック幅の超高速キッカー[1,2] を新たに開発した。本キッカーは、50kV TEMモード駆動のストリップライン電極型であり、その電極配置の工夫により、1) 駆動電圧の調整によりキック場分布を2極から4極まで連続的に可変、2) 数ナノ秒4極キッカーは新提案、3) 2極キッカーとしては、従来の平行板型キッカーでは実現困難であった水平アパチャへの制限なしでの大強度かつフラットなキック場を生成、という特徴をもつ。この特徴の1)、2)により、入射の影響を入射バケットのみに局在化したうえでの、小振幅 off-axis 入射や従来のバンプ入射への追加設置によるさらなる入射振幅の減少、が可能となり、特徴3)により、放射光の回避や、蓄積ビームと共存可能なキッカー多段化が実現でき、バケット毎の on-axis swap入射や、リニアコライダのダンピングリングでの入出射、また、入射ビームのバンチ純化等への応用が期待される。本発表では、キッカーの概略おび 1GeVビーム試験について発表する。 [1] T. Nakamura, Proc. of the 8th Ann. Meeting of Part. Acc. Soc. of Japan (2011), MOPS101.pdf . Proc. of IPAC11 (2011), tupc095.pdf. [2] T. Nakamura, T. Asaka, H. Dewa, K. Kobayashi, T. Fujita, M. Masaki, S. Shigeki and H. Ohkuma, Proc. of the 9th Ann. Meeting of Part. Acc. Soc. of Japan (2012), WEPS057.pdf
 
13:50 - 14:10 
MOOM09
p.282
[Slides]
大強度陽子ビームのためのマルチスクリーンを用いた高ダイナミックレンジ2次元ビームプロファイルモニター
A Two-dimensional Beam Profile Monitor of High Dynamic-Range using Multi-Screen for Intense Proton Beams

○橋本 義徳(高エネルギー加速器研究機構),秋野 英之(三菱電機システムサービス),三橋 利行(高エネルギー加速器研究機構),大森 雄基,大津 聡(三菱電機システムサービス),手島 昌己,外山 毅(高エネルギー加速器研究機構)
○Yoshinori Hashimoto (KEK/J-PARC), Hideyuki Akino (Mitsubishi Electric System & Service Co.,Ltd.), Toshiyuki Mitsuhashi (KEK), Yuki Omori, Satoru Otsu (Mitsubishi Electric System & Service Co.,Ltd.), Masaki Tejima, Takeshi Toyama (KEK/J-PARC)
 
大強度陽子加速器では,特にビームハローのロスによる加速器の放射化を防ぐために,ビームコリメータによるハローカットが必須となる.またハローを含むビーム形状診断装置が強く求められている.J-PARC メインリングへの3GeV入射ラインでのハローの診断のために,高感度な2次元プロファイルモニターを開発した.ビームコアの計測には,チタンフォイルからのOTRを用い,その3桁以下の強度のハローは周囲4方向に配置したクロームドープのアルミナスクリーンからの蛍光(FL)を用いた.これらを同一光学系で集光し,イメージインテンシファイア(II)を付けたカメラで計測した. 測定感度は次の2点で向上させた. (1) 測定光学系として300mm口径のOffner リレー光学系を用い,3 GeVの陽子ビームからのOTRの放射角である27度をカバーした.この高立体角は等方性放射のFLにも高い集光効率をもつ.(2) OTRはビームの時間内(200ns 程度)のみ発光するのに対し,このFLが1ms 程度の残光特性をもつことを利用した.例えば光計測のII の計測ゲート時間を10s にするとき,FLではOTRの1000倍以上の光強度比を得ることができた. これらの検出感度の向上により,1.5×10^13 の大強度陽子ビームのコアからハローまでの2次元プロファイルを6桁以上のダイナミックレンジを持って計測した.
 
14:10 - 14:30 
MOOM10
p.287
[Slides]
SPring-8蓄積リングにおける入射時蓄積ビーム水平振動の抑制
Suppression of stored beam oscillation at injection in the SPring-8 storage ring

○満田 史織,小林 和生,早乙女 光一((公財)高輝度光科学研究センター),中西 辰郎((株)スプリングエイトサービス),深見 健司,正木 満博,大熊 春夫,佐々木 茂樹((公財)高輝度光科学研究センター)
○Chikaori Mitsuda, Kazuo Kobayashi, Kouichi Soutome (JASRI), Tatsuro Nakanishi (SES), Kenji Fukami, Mitsuhiro Masaki, Haruo Ohkuma, Shigeki Sasaki (JASRI)
 
SPring-8蓄積リングにおけるTop-Up運転では、4台のバンプ電磁石で形成されるバンプ軌道が完全には閉じないため、ビーム入射時に蓄積ビームの水平振動が生じる。残留する水平振動は、光軸安定した放射光供給の弊害となるだけでなく、5mA以上の大電流バンチを含むハイブリッドフィリングでの大電流バンチのビーム不安定性を誘起し、高度なビームフィリングでの電流値の維持を難しくしている。そこで、入射後の早い段階で水平振動の振幅を低減することが重要な課題である。 残留する水平振動は、制御しきれていないバンプ出力波形の立ち上がり部、立下り部の非相似形波形に起因するそれぞれ400~700nsのパルス幅を持つ0.4~0.5mm(RMS)振幅のスパイク状振動と1400ns幅のブロードな0.25mm(RMS)振幅の振動から構成されている。これらの水平振動を高速カウンターキックを用いたフィードフォワード補正で抑制することを進めている。 2012年より水平振動のキッカー補正の定常的なユーザー運転適用を開始した。本件発表では、平均して0.15mm(RMS)まで定常的に水平振動を抑制している成果とともに、ユーザーサイドでの抑制効果の検証として、光軸水平振動の測定結果から、光軸振動がビーム周回3ターン目以内に87%の減衰率で4µradまで抑制出来ていることを報告する。今後の課題として、バンプ出力時間ジッターによる水平振動形状の変化への対応スキームの確立についても展望を報告する。
 
14:30 - 14:50 
MOOM11
p.292
[Slides]
HTc-SQUIDビーム電流モニターの実用化
Practical application of High-Tc SQUID Beam Current Monitor

○渡邉 環,福西 暢尚,加瀬 昌之(理研),稲森 聡,今 康一(ティーイーピー株式会社)
○Tamaki Watanabe, Nobuhisa Fukunishi, Masayuki Kase (RIKEN), Satoru Inamori, Kouichi Kon (TEP Corporation)
 
理研仁科加速器研究センターにおいて、重イオンビームのDC電流を、非破壊で高感度に測定するために、脳磁や心磁の測定に利用される超伝導量子干渉素子SQUID (Superconducting Quantum Interference Device)を応用した、ビーム電流モニターの開発を行ってきた。本研究では、臨界温度の高い高温超電導体を用い、冷凍機によって冷却を行っているため、装置はコンパクトになり、ランニングコストの大幅な低減が可能となる。  ビーム電流を検出する高温超電導電流センサーの製作においては、塗布装置の製作等により、製作技術のノウハウを確立した。尚、高温超電導のサンプルを用い、臨界温度、臨界電流の測定、X線による結晶構造の解析等、基礎的な調査も並行して行っている。また、磁気シールドに関しては、ミューメタル材を用いたSQUID冷却フォルダーの開発、ノイズキャンセラの導入等、大幅な強化を行った。実用機として使用するため、既存のSQUIDモニタープロトタイプを解体し、上記の改良を加えた装置と交換し、再組立て作業を終了した。今年より、電流のキャリブレーションと周波数特性の測定を行い、加速器施設のビームラインにインストールした。現在、サイクロトロンで加速されたウランビームの電流測定と解析を鋭意進めている。今回の学会においては、これまでの開発経緯とビームの測定結果について報告をする。
 
加速器土木 (8月11日 中会議室)
15:00 - 15:20 
MOOM12
p.296
[Slides]
測位センサネットワークによる加速器施設の防災・放射線管理のための位置管理システムの開発
Development of the position managerial system by the positioning sensor network for disaster prevention and radiation manegement of the accelerator facility

○川端 康夫,松田 浩朗,松元 和伸,田村 琢之(飛島建設株式会社),田頭 茂明(関西大学),小林 薫,山本 祐輔(神戸高専),前田 修(神戸市),大場 俊幸(日本アドバンストテクノロジー),吉岡 正和(高エネルギー加速器研究機構)
○Yasuo Kawabata, Hiroaki Matsuda, Kazunobu Matsumoto, Takuyuki Tamura (TOBISHIMA CORPORATION), Shigeaki Tagashira (KANSAI UNIVERSITY), Kaoru Kobayashi, Yusuke Yamamoto (Kobe City College of Technology), Osamu Maeda (Kobe City), Toshiyuki Ohba (NAT), Masakazu Yoshioka (KEK)
 
筆者らは,長大トンネルのILCにおいて施設内の研究者の位置情報,滞在時間および緊急時の双方向情報伝達等を実現するために,測位センサネットワークによる双方向通信と同時測位を実現する安定性・信頼性の高い位置管理システムの開発を進めている.ここでは,以下の2つの取組み結果について報告する. 一つは,実際に加速器が稼働し放射線量管理が必要となる,加速器医療施設に本システムを試験的に適用し,測位精度の検証実験を実施した.いばらき中性子最先端医療研究センター(地上3 階,地下2 階,建築面積約650m2)で,それぞれの部屋と廊下に,複数の無線LAN 基地局を設置した.本システムにより,該当者の正確な滞在部屋および入退室時刻が得らることを検証できた.今後は,加速器稼働時の電波ノイズの精度への影響,無線LAN基地局の放射線に対する耐久性を検証する予定である. もう一つは,ILCを想定した既存の直線状長大トンネル(神戸ベルトコンベアトンネル)を用い,大断面および小断面トンネル,さらに地上部での無線LANの通信速度と同時測位の精度について検証した.本件では,先の医療施設とは異なる測位方式(近接方式によるブロック管理から,三角測量方式や環境分析方式による座標管理)を採用して、無線LAN基地局の配置方法(直線配置,千鳥配置など)や配置間隔(10〜100m程度)がどのような影響を及ぼすのかを明らかにし、本システムの適用性・有効性を検証した.
 
15:20 - 15:40 
MOOM13
p.302
[Slides]
SPring-8蓄積リング冷却施設から収納部への振動の伝搬経路の推定と除振改造による収納部床振動の減少
Vibration Reduction on the Tunnel Floor by Suggestion of Vibration Propagation and Remodeling of Cooling System in SPring-8 Storage Ring

○松井 佐久夫(理化学研究所)
○Sakuo Matsui (RIKEN)
 
SPring-8蓄積リングの床振動は付近の電磁石などの冷却水が影響しているが内周側4カ所の機器の冷却、空調施設からの振動も一因である。  高さ5mの収納部上部の冷却水配管や躯体により冷却施設から遠くまで伝搬していることは加速器科学研究発表会(2003)で報告した。冷却室に近い収納部床への伝播には、一つは大きなポンプからの距離10m程度の床が考えられ、他に全周12カ所で収納部躯体上部に固定の冷却配管があり、過去数度の調査でスペクトルの類似性などから床伝搬が主だと推測された。そこで今回、老朽化や効率アップのための熱源機器更新工事(2014.1~3)に合わせ、冷却室の床への防振工事が施された。熱交換用ファンをインバータ制御へ、ポンプ交換、除振台のグレードアップ(4Hzから2.3Hz相当へ)、支柱下部へのスプリング防振や配管途中へのサイレンサー挿入である。  結果、収納部上部の配管や冷却室に近い収納部での10〜30Hzの振動は変わらなかったが、60〜80Hzでは減少した。 振動は実質的なエミッタンスの増大を招くため低エミッタンスリングでは重要な課題になってくる。特にチャンバーにアルミを用いる場合はSPring-8での例から4極電磁石中のチャンバーの振動による渦電流からキックが発生するため問題になる。距離をとりにくい現状で効果的な除振のためには伝搬経路の特定は重要で、これまでの経路の推定方法、防振対策、結果を報告する。
 
15:40 - 16:00 
MOOM14
p.307
ナノビーム衝突を目指した相対位置計測および制御技術の検討
Feasibility study on measurement and control of relative positioning for nano-beam collision

○松永 裕樹,高橋 良典,吉岡 宏和(竹中工務店),大澤 康伸,菅原 龍平,増澤 美佳,山岡 広(高エネルギー加速器研究機構)
○Hiroki Matsunaga, Yoshinori Takahashi, Hirokazu Yoshioka (Takenaka Corp.), Yasunobu Ohsawa, Ryuhei Sugahara, Mika Masuzawa, Hiroshi Yamaoka (High Energy Accelerator Research Organization)
 
SuperKEKBやILC計画では、ビーム衝突点においてビームオフセット(位置ずれ)をナノメートル(nm)オーダーで計測・制御する技術が不可欠である。相対位置制御は、離れた2点間を対象として短期的な振動成分と長期的な変動の両方をnmオーダーで検出し、位置制御を行わなければならないため、技術的に課題が多い。本稿では、レーザー干渉計を用いた相対位置の検出、ピエゾステージによる位置制御に関する基礎検討を行った。 まず、レーザー干渉計による照射軸方向の位置検出精度が、100Hz程度以下の振動数帯域において1nm程度以下であることを確認した。次に、SuperKEKBのBelle測定器ビーム衝突点前後に位置する橋脚上において、約10mの2点間を対象として相対変位の計測を実施した。参照用に設置した加速度計出力の差分との比較から、レーザー干渉計によってnmオーダーレベルの相対位置ずれ検出が可能であることを確認した。 更に、レーザー照射軸方向を対象として、約3m離れた2台の除振台上の相対位置制御実験を行った。双方の除振台の位置ずれをレーザー干渉計により検出し、除振台上のピエゾステージで位置制御を行った。その結果、10Hz以下の振動数領域を対象として40nm程度の相対位置ずれを2nm程度に制御可能であることを確認した。
 
16:00 - 16:20 
MOOM15
p.312
J-PARC 3-50BT上流部再アラインメントの効果
Effect of the Re-alignment of J-PARC 3-50BT Line

○白形 政司(高エネ研)
○Masashi Shirakata (KEK)
 
2011年3/11の震災後、J-PARCでは2012年初頭までに加速器本体やビームラインにおいて再アラインメントを行ったが、速い繰り返しのシンクロトロン(以下、RCS)だけは諸般の事情から先送りとなっていた。2013年夏の長期保守期間にRCSリングのアラインメントが実施され、それに伴って3-50BTラインの上流側についても再アラインメントを行った。 J-PARCではビームラインの測量を定期的に行っており、経時変化を監視してきた。ここでは2011年以降のビームラインの変動と、アラインメントによるビーム軌道の改善状況について報告する。
 
招待講演 (8月11日 大ホール)
16:30 - 17:00 
MOOLS1

青森県における原子力人材育成・研究開発の取組について
Program of human resource development and R&D for nuclear industries in Aomori Prefecture
○八戸 良城(青森県エネルギー総合対策局)
○Yoshiki Hachinohe (Energy Policy Bureau, Aomori Prefectural Government)
 
青森県では、原子力、放射線利用に関する人材、技術の維持・強化や産業振興に繋がる活動を展開すべく、サイクロトロン加速器を主要設備の一つとする原子力人材育成・研究開発拠点施設の整備を六ヶ所村で進めている。本講演では青森県が原子力人材育成・研究開発に取り組む背景やねらい及び原子力人材育成・研究開発拠点施設の概要を説明する。
 
施設現状報告 ("8月9,10日" 大会議室)
12:50 - 14:50 
FSP001
p.316
ATF加速器における研究開発の現状
ATF STATUS REPORT 2014

○照沼 信浩(高エネ研、ATF国際コラボレーション)
○Nobuhiro Terunuma (KEK, ATF International Collaboration)
 
ATFでは国際リニアコライダー(ILC)において必要とされるビーム計測技術およびビーム制御技術の開発を進めてきた。ここ数年はILC最終収束系の縮小モデルであるATF2ビームラインを利用した研究開発に重心を移しており、特に最初の目標である垂直方向37nmの極小ビームをATF2仮想衝突点において実現し、Local chromaticity correctionによる最終収束システムの技術を確立することに集中している。レーザー干渉縞を用いたビームサイズモニターの改造、高次磁場成分の評価、wake field対策などを精力的に行ってきた結果、2014年4月には約55nmまで絞り込むことに成功した。ATF2計画にはもう一つ大きな目標がある。ILC衝突点でのビームフィードバック技術としてナノメートルレベルでのビーム位置安定化を実現する事である。このためには2nm分解能のビーム位置計測技術と応答時間140nsの高速フィードバック技術が必須である。昨年夏に高分解能Cavity BPMと位置制御システムをATF2仮想衝突点に組込み、ナノメートルでのビーム安定化に向けたビーム試験を進めている。ATFでの多岐に渡る研究開発には、国内外の大学および研究機関が精力的に参加している。これらを含め、ATFの現状を報告する。
 
12:50 - 14:50 
FSP002
p.321
産総研Sバンド小型リニアック施設の現状
Present status of S-band compact linac facility at AIST

○平 義隆,黒田 隆之助,安本 正人,田中 真人,池浦 広美,清 紀弘,小川 博嗣,三浦 永祐,豊川 弘之,山田 家和勝(産総研)
○Yoshitaka Taira, Ryunosuke Kuroda, Masato Yasumoto, Masahito Tanaka, Hiromi Ikeura-sekiguchi, Norihiro Sei, Hiroshi Ogawa, Eisuke Miura, Hiroyuki Toyokawa, Kawakatsu Yamada (AIST)
 
産総研では、Cs-TeフォトカソードRF電子銃を入射器に持つSバンド小型リニアック施設を用いて超短パルス電子ビームを生成し、レーザーコンプトン散乱X線源の開発、コヒーレント・テラヘルツ光源の開発、及び光子誘起陽電子消滅分光法の開発等を行っている。本年会では、施設の現状について報告する。
 
12:50 - 14:50 
FSP003
p.324
群馬大学重粒子線医学センターの現状報告
Present Status of Gunma University Heavy Ion Medical Center

○想田 光,金井 達明,山田 聰,遊佐 顕,田代 睦,島田 博文,久保田 佳樹,松村 彰彦,齋藤 明登,鳥飼 幸太,藤本 哲也(群大重医セ),村松 正幸,北川 敦志(放医研),竹下 英里(神奈川がんセ),金澤 光隆(九州重粒子がん治療セ)
○Hikaru Souda, Tatsuaki Kanai, Satoru Yamada, Ken Yusa, Mutsumi Tashiro, Hirofumi Shimada, Yoshiki Kubota, Akihiko Matsumura, Akito Saito, Kota Torikai, Tetsuya Fujimoto (GHMC), Masayuki Muramatsu, Kitagawa Atsushi (NIRS), Eri Takeshita (KCC), Mitsutaka Kanazawa (SAGA-HIMAT)
 
群馬大学重粒子線医学センターでは、普及型炭素線治療装置による最大400MeV/uの炭素ビームを用いて2010年3月から癌患者に対する治療照射を行い、2014年3月までに累計1117名の治療を遂行した。適応症例の拡大に伴い治療人数が増加し、2014年度は年間600名の治療を目標としている。 治療用加速器の運転状況は、7月末にHEBT四重極電源の制御電源電圧低下による半日の遅延が発生した以外は安定に稼働している。治療遅延には至らなかったが3月の入射器定期点検後にイオン源引き出し電極の放電、IH-DTLの後段真空管アンプの入力回路での放電が発生したため、点検の確認項目の洗い直しを行っている。シンクロトロンにおいては3月にBクロック基準磁石で発生していた異音についてスペーサーを挿入して解消し、同時に行った運転パラメータの調整により漏れ電流の減少と加速効率の向上を行った。 三菱電機との共同研究で行っている第4照射室でのスキャニング照射については、2013年度に実施したビーム位置・サイズの安定化および線量モニタの広帯域化・スポット移動間線量の処理の改善により1σ=3mmのビームを用いて生物線量一定の立方体照射野による動物実験の運用を開始している[1]。 [1] H. Souda et al. In this proceedings.
 
12:50 - 14:50 
FSP004
p.327
広島大学放射光科学研究センター施設報告
Status Report of Hiroshima Synchrotron Radiation Center, Hiroshima University

○宮本 篤,後藤 公徳,佐々木 茂美,谷口 雅樹(広大放射光センター)
○Atsushi Miyamoto, Kiminori Goto, Shigemi Sasaki, Masaki Taniguchi (HSRC, Hiroshima Univ.)
 
広島大学放射光科学研究センターは、1996年に物質科学研究を推進するために設立され、2010年4月には共同利用・共同研究拠点に認定された。放射光源リングHiSORは、レーストラック型の小型蓄積リングであり、常伝導で2.7 Tを発生する偏向電磁石を有し、Ee=700 MeVでありながらkeV領域の光が利用可能であることが特徴である。また2本の直線部には、それぞれ直線偏光アンジュレータおよび2011年に導入された準周期型APPLE-IIアンジュレータが設置されている。 2013年度は特に大きなトラブルもなく順調にスケジュールを消化し、ユーザー利用時間1421時間、蓄積リング運転時間は2113時間とほぼ例年並みであった。しかし、2012年の夏期長期停止期間後の運転再開後に、クライオパネル冷却系の水漏れによる真空トラブルが発生し、リング運転再開後もビーム寿命が短くなった。このため、発生する実験ホール内の放射線量を抑制するために、最大蓄積電流を350mAから約250mAに制限した運転を現在でも行っている。 発表では、過去の運転実績等もあわせて報告する。
 
12:50 - 14:50 
FSP005
p.331
放医研のサイクロトロンNIRS-930とHM-18現状報告
The current state of NIRS-930 and HM-18 in NIRS

○北條 悟,片桐 健,中尾 政夫,杉浦 彰則,野田 章(放医研),岡田 高典,盒 勇一,井 博志(加速器エンジニアリング),野田 耕司(放医研)
○Satoru Hojo, Ken Katagiri, Masao Nakao, Akinori Sugiura, Akira Noda (NIRS), Takanori Okada, Yuici Takahashi, Hiroshi Ii (AEC), Koji Noda (NIRS)
 
放射線医学総合研究所(NIRS)にはNIRS-930サイクロトロン(K=110) とHM-18サイクロトロン(K=20)の2台のサイクロトロンがある。 NIRS-930は、放射性同位元素(RI)の製造を主目的とし、物理研究、生物研究、耐放射線性試験、粒子線検出器の開発などの様々な目的で利用され、年間総運転時間は1791時間であった。RIの製造では、金属RIとして、62Znを製造するための30 MeV陽子20 μAや、28Mgを製造するための75 MeVアルファ10 μAなどの高い強度での長時間の照射が行われている。 HM-18は、エネルギー固定の負イオン加速で18 MeV 陽子と9MeV重陽子が供給可能である。PET診断用のRI製造専用に利用されており、年間運転時間は1766時間であった。 これら2台のサイクロトロンの運転状況と併せて機器の改良開発などについて報告する。
 
12:50 - 14:50 
FSP006
p.335
京都大学原子炉実験所FFAG加速器の現状と将来
CURRENT STATUS AND FUTURE PLANS OF FFAG ACCELERATOR IN KURRI

○栗山 靖敏,森 義治,石 禎浩,上杉 智教,阪本 雅昭(京都大学原子炉実験所)
○Yasutoshi Kuriyama, Yoshiharu Mori, Yoshihiro Ishi, Tomonori Uesugi, Masaaki Sakamoto (Kyoto University Research Reactor Institute)
 
京都大学原子炉実験所におけるFFAG加速器の研究開発は文部科学省のエネルギー対策特別会計委託事業による委託業務である、「FFAG加速器を用いた加速器駆動未臨界炉に関する技術開発」として2002年度より開始された。 FFAG加速器3台から構成されるFFAG加速器複合系が建設され、2009年3月には当加速器複合系により生成された100MeV陽子ビームと未臨界核燃料体系を組み合わせた加速器駆動未臨界炉(ADS)の実験が実施された。加速器複合系は当初 3 つのFFAGリングから構成されていたが、電流増強を目的として、2011年には 11 MeVリナックからの負水素イオンビームを主リング(150MeV-FFAG加速器)に入射する方式に変更を行い、150 MeV - 10nAのビームを生成することに成功した。この際には入射方式として、負水素イオン荷電変換入射を採用している。2014年現在、ADS実験だけではなく様々なユーザーにビームを提供する一方で、さらなるビーム利用の拡大に向けて、ビーム安定度の向上並びにビーム増強を目指して開発が進められている。 本発表では現在の運転状況、ビーム増強に関する計画等について報告する。
 
12:50 - 14:50 
FSP007
p.339
筑波大学マルチタンデム加速器施設における6 MVタンデム加速器システムの導入状況
Installation Status of the 6 MV Tandem Accelerator System at the University of Tsukuba, Tandem Accelerator Complex

○笹 公和,石井 聡,大島 弘行,木村 博美,高橋 努,田島 義一,大和 良広,関場 大一郎,喜多 英治(筑波大学 UTTAC)
○Kimikazu Sasa, Satoshi Ishii, Hiroyuki Oshima, Hiromi Kimura, Tsutomu Takahashi, Yoshikazu Tajima, Yoshihiro Yamato, Daiichiro Sekiba, Eiji Kita (UTTAC, Univ. of Tsukuba)
 
筑波大学研究基盤総合センター応用加速器部門(UTTAC)では、震災復興計画により6 MVタンデム加速器の導入準備を進めている。加速器本体は、2014年1月に米国National Electrostatics Corp.において加速電圧試験を実施し、6 MVの加速電圧を達成している。筑波大学には、2014年3月6日に加速器本体が搬入され、現在、据付・調整とビームラインの組み立て作業を実施している。2014年8月には、ビーム加速調整試験が行われる予定である。なお、ビーム利用実験の共用開始は2014年10月を予定している。加速器導入に併せて施設改修工事を実施しており、全長8.8 m、直径2.7mの加速器本体を室内に導入するために、加速器室搬入口の拡張工事が行われた。その他、加速器室空調設備の更新、制御室の改修工事、SF6貯蔵タンク設置等を行っている。また、偏極イオン源実験棟が新たに建設され、施設9階に設置されていたラムシフト型偏極イオン源を移設した。本発表では、筑波大学6 MV タンデム加速器システムの導入状況について報告を行う。
 
12:50 - 14:50 
FSP008
p.343
大阪府大放射線研究センターの加速器施設と研究の現状
Status of the accelerator facilities and the research activities in Radiation Research Center, OPU

奥田 修一,○宮丸 広幸,谷口 良一,小嶋 崇夫(阪府大)
Syuuichi Okuda, ○Hiroyuki Miyamaru, Ryoichi Taniguchi, Kojima Takao (Osaka Pref. Univ.)
 
大阪府立大学(OPU)地域連携研究機構の放射線研究センターには、電子・イオン加速器があり、γ線照射施設および非密封RI施設と合わせ、総合的放射線科学研究のため内外に開かれた施設として利用研究が行われている。これらの施設は、基礎研究のための多目的利用ができることが特徴である。2013年度に大学院工学研究科に新設された「量子放射線系専攻」には、前期課程21名、後期課程7名の大学院生が所属し、このうち約3分の1が加速器に関連する研究を行っている。16 MeV Sバンド電子ライナックは、超微弱ビームやTHz放射、新しい非破壊検査法の開発研究などを行っている。600 keVコッククロフト・ウォルトン電子加速器では、人工衛星用太陽電池の照射試験で、新たな知見が得られている。1 MeVディスクトロンイオン加速器は、整備がほぼ完了し、RBS、PIXEなどへの利用研究が開始された。2012-2014年度KEK大学等連携支援事業で、電子・イオン加速器による総合的な分析システムを整備している。これらの加速装置は、量子ビーム科学研究、大学院教育、放射線知識普及活動および原子力人材育成事業などに活用されている。
 
12:50 - 14:50 
FSP009
p.346
九州大学加速器・ビーム応用科学センターの現状
PRESENT STATUS OF CENTER FOR ACCELERATOR AND BEAM APPLIED SCIENCE OF KYUSHU UNIVERSITY

○米村 祐次郎,有馬 秀彦,池田 伸夫,石橋 健二,魚住 裕介,執行 信寛,是永 忠志(九大工),野呂 哲夫,寺西 高,若狭 智嗣,藤田 訓裕,坂口 聡志,森田 浩介,相良 建至(九大理),中山 久義,高木 昭(高エネ研),森 義治(京大原子炉)
○Yujiro Yonemura, Hidehiko Arima, Nobuo Ikeda, Kenji Ishibashi, Yusuke Uozumi, Nobuhiro Shigyo, Tadashi Korenaga, Tetsuo Noro, Takashi Teranishi, Tomotsugu Wakasa, Kunihiro Fujita, Satoshi Sakaguchi, Kosuke Morita, Kenshi Sagara (Kyushu Univerity), Hisayoshi Nakayama, Akira Takagi (KEK), Yoshiharu Mori (KURRI)
 
九州大学加速器・ビーム応用科学センターでは、FFAG加速器のビーム調整と並行して、京都大学理学部から移設した8 MVのタンデム型静電加速器の整備が進められている。2013年度に第2期建屋工事がほぼ完了し、タンデム加速器の本格的なビーム加速試験に向けた準備が整った。タンデム加速器はFFAG加速器の入射器として利用されるだけではなく、単独で低エネルギー実験やAMSのためにも用いられる予定である。FFAG加速器ではビームの加速実験とビーム取出しのための機器調整と並行して、タンデム加速器からのビーム入射システムの整備が進められている。本発表では、加速器施設の利用計画の概要、タンデム加速器の整備状況、FFAG加速器のビームコミッショニングの詳細を報告する。
 
12:50 - 14:50 
FSP010

J-PARC加速器の現状
Status of J-PARC accelerators
○小関 忠,長谷川 和男(J-PARCセンター, JAEA&KEK)
○Tadashi Koseki, Kazuo Hasegawa (J-PARC center, KEK&JAEA)
 
J-PARCでは2013年度の停止期間中にリニアックに新たにACS(Annular-ring Coupled Structure linac)システムを設置してリニアックのビームエネルギーをそれまでの181 MeVから設計仕様値である400 MeVに増強する改造を行った。RCS(Rapid Cycling Synchrotron)では400 MeVの入射に対応するために入射シフトバンプ電磁石電源を更新した。リニアックにおける400 MeVの加速調整、RCSにおける400 MeVの入射調整等を行った後、2014年2月17日からはハドロンホールでの放射性物質漏えい事故後はじめてMLF(Material and Life science experimental Facility)の利用運転を開始した。一方、MR(Main Ring synchrotron)では、2013年度の停止期間中にコリメータシステムの増強、一部のビームダクトのチタン化など今後のビーム強度増強に向けた改造作業を実施した。その後のビーム調整運転を経て、5月中旬よりニュートリノビームラインにビームを取り出す運転を、5月下旬からは利用運転を開始する予定である。夏以降の計画としては、リニアックのピーク電流を現行の30 mAから50 mAに増強するために新たに製作したrf駆動型イオン源およびRFQを2014年夏の停止期間にインストールする予定である。10月にはRCSからMLFに設計ビーム強度である1MW相当のビームを供給する大強度試験を予定している。
 
12:50 - 14:50 
FSP011
p.349
東大ライナック・レーザー施設報告2014
Status report of Linac/Laser Facility of University of Tokyo in 2014

上坂 充,山下 真一,上田 徹,○土橋 克広,藤原 健(東京大学大学院工学系研究科原子力専攻),松村 陽介,田儀 和浩,武 文晶,劉 暢恒(東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻),草野 譲一,中村 直樹,山本 昌志,田辺 英二(株式会社アキュセラ)
Mitsuru Uesaka, Shinichi Yamashita, Toru Ueda, ○Katsuhiro Dobashi, Takeshi Fujiwara (University of Tokyo, Nuclear Professional School), Yosuke Matsumura, Kazuhiro Tagi, Wenjing Wu, Changheng Liu (University of Tokyo, Dept of Nuclear Engineering and Management), Joichi Kusano, Naoki Nakamura, Masashi Yamamoto, Eiji Tanabe (Accuthera Inc.)
 
Sバンドツインライナック・レーザー同期システムについては、フォトカソードRFガン用レーザードライバをErファイバーレーザーに更新しており、順調に放射線化学応用に供されている。放射線生物分析用オンチップファイバーレーザー駆動誘電体加速器について、Ybレーザーを開発中である。発振器からパルスエネルギー1.6nJを得た後、増幅器に用いて数mJまで増幅させる。Silicaガラス製の2次元光共振器を設計中である。~70keVフォトカソードRFガン、X線ターゲット、ガスX線センサもオンチップで一体製作したい。950keVXバンドライナックX発生装置は、2013年12月までに大幅改造を施し、化学プラントの蒸留塔等への適用を考慮した筐体とした。また、X線ヘッドのターゲットコリメーターを取り外し可能とした。2014年1月に黒崎の化学プラント内の石炭バースの梁の検査し、2月には、つくば市の国土技術政策総合研究所敷地内(屋外)にて橋梁大型試供体の非破壊検査実証試験を行った。3.95MeVシステムは橋梁切り出し試料にて部分角度CT試験を実施中である。秋までにつくば市の土木研究所(屋外)にて橋梁大型試供体の非破壊検査実証試験を行う。30MeVシステムは入射系を高出力用に改造して中性子源として活用する。このためのビームバンチャーシステムの設計も終わっている。
 
12:50 - 14:50 
FSP012
p.353
兵庫県立大学15MeV線型加速器LEENA施設報告
Present Status of 15MeV Electron Linear Accelerator LEENA at University of Hyogo

橋本 智,小林 花綸,川田 健二,○天野 壮,宮本 修治(兵庫県立大高度研),皆川 康幸,竹村 育浩(JASRI / SES)
Satoshi Hashimoto, Karin Kobayashi, Kenji Kawata, ○Syo Amano, Shuji Miyamoto (LASTI, Univ. of Hyogo), Yasuyuki Minagawa, Yasuhiro Takemura (JASRI / SES)
 
兵庫県立大学では小型線型加速器LEENAを用いたテラヘルツ光源の開発と利用に向けた準備を行っている。熱電子LaB6陰極によるRF電子銃で生成した電子ビームはアルファ電磁石で短バンチ化され、定在波加速管で15MeVまで加速される。テラヘルツ光源として偏向電磁石からのシンクロトロン放射および直線部にある金属グレーティングからのスミス・パーセル放射をこれまでに観測した。  この一年間に以下の装置の改善を行った。加速器遮蔽トンネル壁に貫通孔を開け隣室までTHz光を導くビームラインを設置し利用実験が可能になった。またRF電子銃下流に水冷式ソレノイドコイルを設置し、ビーム輸送効率の改善を図った。さらにOTRモニタの設置と画像処理システムの開発を行い、ビームプロファイルの計測などを行った。  平成26年2月に長年使用していたクライストロンPFN充電用の高圧電源が故障したため現在修理中である。本発表ではLEENA加速器の現状について報告する。
 
12:50 - 14:50 
FSP013
p.356
京都大学中赤外自由電子レーザの現状
Present Status of Mid-Infrared Free Electron Laser at Kyoto University

○全 炳俊,村田 智哉,栂村 勇輔,犬飼 元晴,Suphakul Sikharin,吉田 恭平,Torgasin Konstantin,Negm Hani,紀井 俊輝,増田 開,大垣 英明(京大エネ研)
○Heishun Zen, Tomoya Murata, Yuusuke Tsugamura, Motoharu Inukai, Sikharin Suphakul, Kyohei Yoshida, Konstantin Torgasin, Hani Negm, Toshiteru Kii, Kai Masuda, Hideaki Ohgaki (Institute of Advanced Energy, Kyoto University)
 
京都大学エネルギー理工学研究所では、エネルギー材料研究への応用を主な対象とし、S-band熱陰極高周波電子銃を電子源とした小型で経済的な中赤外自由電子レーザ(MIR-FEL)を開発し、中赤外波長可変レーザの発生とその利用研究を行っている。 本報告では、FEL加速器システムの現状、将来計画について報告する。
 
12:50 - 14:50 
FSP014
p.360
放射光施設SAGA-LS光源加速器の状況
Status of SAGA-LS accelerator

○江田 茂,岩崎 能尊,高林 雄一,金安 達夫(九州シンクロトロン光研究センター)
○Shigeru Koda, Yoshitaka Iwasaki, Yuichi Takabayashi, Tatsuo Kaneyasu (SAGA-LS)
 
九州シンクロトロン光研究センター(SAGA-LS)における光源加速器の状況を報告する。加速器は1.4GeV電子蓄積リングと255MeVの入射用リニアックから成り、蓄積後加速する低エネルギー入射方式を採用している。放射光光源としては現在、偏向電磁石×5ポート、アンジュレータ×2台、超伝導ウィグラー×1台を運用している。ユーザー運転では、ユーザー利用開始電流300mA、一日1回入射、運転時間10.5時間/日を基本とし、運転日は火-金の4日/週である。2013年度のユーザー運転時間は約1600時間であった。 2013年度の総ユーザー運転時間における光源要因アボートの発生率は約0.08であり、近年増加している。2013年度は特にリニアックRF窓の漏水が集中的に発生した。加えて蓄積リングのRF系の空洞反射インターロックを伴うビーム全ロスが例年になく頻発した。 光源要因のビームアボートは、2006年2月の施設開所以降順次減少を続け、2009、2010年度は10^-3台に達したがこれ以降、劣化要因と考えられる重故障の発生によりマシンアボートが増加している。この8年間のマシントラブルの様相は大まかには、初期故障期、偶発故障期、磨耗故障期に分けられるいわゆるバスタブ曲線といわれる故障曲線に近い推移をたどっている。これまでのマシントラブル推移、最近発生した重故障の状況、要因、対策について報告する。
 
12:50 - 14:50 
FSP015
p.364
理研AVFサイクロトロン運転の現状報告
Status report of the operation of the RIKEN AVF cyclotron

小高 康照,石川 盛,小林 清志,小山 亮,柴田 順翔,月居 憲俊,仲村 武志,西田 稔,西村 誠,濱仲 誠,福沢 聖児,矢冨 一慎(住重加速器サービス),○坂本 成彦,内山 暁仁,奥野 広樹,影山 正,加瀬 昌之,上垣外 修一,熊谷 桂子,込山 美咲,須田 健嗣,中川 孝秀,長瀬 誠,長友 傑,福西 暢尚,藤巻 正樹,真家 武士,山田 一成,渡邉 環,渡邉 裕(理研仁科センター),山家 捷一,大城 幸光(東京大学原子核研究センター)
Yasuteru Kotaka, Shigeru Ishikawa, Kiyoshi Kobayashi, Ryo Koyama, Junsho Shibata, Noritoshi Tsukiori, Takeshi Nakamura, Minoru Nishida, Makoto Nishimura, Makoto Hamanaka, Seiji Fukuzawa, Kazuyoshi Yadomi (SHI Accelerator Service Ltd.), ○Naruhiko Sakamoto, Akito Uchiyama, Hiroki Okuno, Tadashi Kageyama, Masayuki Kase, Osamu Kamigaito, Keiko Kumagai, Misaki Komiyama, Kenji Suda, Takahide Nakagawa, Makoto Nagase, Takashi Nagatomo, Nobuhisa Fukunishi, Masaki Fujimaki, Takeshi Maie, Kazunari Yamada, Tamaki Watanabe, Yutaka Watanabe (Nishina Center, RIKEN), Shoichi Yamaga, Yukimitsu Oshiro (Center for Nuclear Study, the University of Tokyo)
 
2013年8月から2014年7月までの理研AVFサイクロトロンの運転及び保守について報告する。理研AVFサイクロトロンは、理研リングサイクロトロン(RRC)の入射器として、また東京大学原子核科学研究センターのCRIBやRI製造のため単独の加速器として使用される。対象期間の全運転時間は約3290時間、そのうちRRCの入射器としては約1070時間、単独の加速器としては約2220時間であり、後者の割合が高い。本報告では加速された核種、エネルギー、供給先などの内訳や及びトラブル、修理状況について述べる。また高度化に取り組んでおり、イオン源周辺の診断器や取り出されたビームのエミッタンスについてふれる。
 
12:50 - 14:50 
FSP016
p.369
京大炉中性子発生装置(電子ライナック)の現状
Status of KURRI-LINAC

○阿部 尚也,高橋 俊晴,窪田 卓見,堀 順一,佐藤 紘一,阪本 雅昭,高見 清(京大原子炉)
○Naoya Abe, Toshiharu Takahashi, Takumi Kubota, Jun-ichi Hori, Koichi Sato, Masaaki Sakamoto, Kiyoshi Takami (KURRI-LINAC)
 
2013年度のライナックの利用件数は、中性子実験14件、電子線照射22件、X線照射11件、放射光実験14件で、保守等を含む総計では前年度を上回る70件であった。そのうち定格30MeV未満の低エネルギー実験は28件であった。一方、運転時間は1,566.8時間であり、前年度から500時間近く減少した。加速器及び実験装置関係のトラブルによる利用中止が主な理由である。 また、2件のマシントラブルを報告する。1件目はNo.1モデュレータ内の主サイラトロンドライバーの出力停止である。調査の結果、パルス生成のMOSFETの短絡と、高圧整流のダイオードの耐圧低下があった。部品交換にてサイラトロンに接続しない試験では正常となったが、サイラトロンに接続すると同部品がすぐに壊れたため、サイラトロン側の不具合と判断し、L-4888Bから以前に使用していたF-241に交換して復帰した。だが、一ヶ月後に再発。上記部品のほか、充電用のコンデンサも故障したが、部品交換後は現在まで約10ヶ月不具合無く運転している。なお、L-4888Bをメーカーに調査してもらうも正常の結果であったため、ドライバ側の原因調査を行っている。2件目はNo.1モデュレータ内DeQing回路内のサイラトロンを駆動するMOSFETをドライブするフォトカプラの故障である。数年間正常に働いていたが、昨年10月より故障と交換が頻発している。現在は最後の交換から半年ほど正常に動作しているが、根本的原因の究明と対策を検討中である。
 
12:50 - 14:50 
FSP017
p.372
原子力機構 TIARA 施設の現状報告
Status report of TIARA facility

○石坂 知久(原子力機構)
○Tomohisa Ishizaka (JAEA)
 
原子力機構のイオン照射研究施設 TIARAはAVFサイクロトロン(K110)と3基の静電加速器(3 MVタンデム加速器、3 MVシングルエンド加速器、400 kVイオン注入装置)を有し、材料科学及びバイオ技術の研究開発を中心にイオンビームを提供している。本発表では2013年度の運転状況、保守・整備及び技術開発の概要を報告する。 【運転状況】サイクロトロンの年間運転時間は3,005時間で、イオン種・エネルギー変更回数251回、加速モードの変更回数76回であった。静電加速器の年間運転時間は、タンデム加速器:2,062時間、シングルエンド加速器:2,320時間、イオン注入装置:1,866時間で、加速器の故障による実験中止は無く3基とも稼働率100%を達成した。TIARAでは補正予算による工事により、サイクロトロンでは2/1以降、静電加速器では3/1以降の利用運転を停止したが、土曜日を利用するなど年間運転計画を前倒ししてほぼ例年通りの実験利用時間を確保した。 【保守・整備及び技術開発】政府補正予算執行計画に基づき、TIARA放射線モニタの更新、サイクロトロン及び静電加速器については老朽化した機器の更新を行った。新ビーム開発では、サイクロトロンで40 MeV D+及び385 MeV 40Ar12+を加速した。タンデム加速器では、既存のCsスパッター負イオン源を用いた電子付着方式によるC60負イオン生成技術を開発し、ビーム強度を従来技術の千倍程度(30pA)まで増強することに成功した。
 
12:50 - 14:50 
FSP018
p.376
ニュースバル放射光施設の現状
Status Report of NewSUBARU Synchrotron Radiation Facility

宮本 修治,庄司 善彦,橋本 智,天野 壮(兵庫県立大),○皆川 康幸,竹村 育浩,濱田 洋輔,出羽 英紀,大熊 春夫,後藤 俊治(高輝度光科学研究センター)
Shuji Miyamoto, Yoshihiko Shoji, Satoshi Hashimoto, Sho Amano (Univ. of Hyogo), ○Yasuyuki Minagawa, Yasuhiro Takemura, Yousuke Hamada, Hideki Dewa, Haruo Ohkuma, Shunji Goto (JASRI)
 
ニュースバル放射光施設は周長118mの電子蓄積リングと9本の放射光ビームラインで構成されている。入射電子ビームはSPing-8線形加速器から供給されており、1GeV/300mA±0.2mAのTopUp 運転、および週に1、2日は1.5GeV/350mAの加速/Decay運転を行なっている。蓄積リングのハーモニック数は198で、通常運転時のフィリングパターンはフルバンチ入射後、70バンチ×2個に入射する。加速器の性能改善として、ビームラインのABS開閉状況の可視化、RF Feedbackによるシンクロトロン振動の抑制、四極電磁石の補助コイルによるリング対称性回復およびビーム寿命延伸、SPing-8線形加速器からの入射トランスポートに挿入されたスクリーンモニタの分解能向上による四極マッチング調整の精度向上、線形加速器からのパルスのタイミングジッターの計測がなされた。 ビームラインのうち1本は、レーザCompton 散乱ガンマ線ビームラインで、1.7MeVから76MeVの準単色、偏光ガンマ線源として利用可能である。その他の5本のビームラインで高度化改修が実施された。
 
12:50 - 14:50 
FSP019
p.380
日大LEBRA電子線形加速器の現状
Status of Electron Linac Operation at LEBRA in Nihon University

○野上 杏子,早川 建,田中 俊成,早川 恭史,境 武志,中尾 圭佐,稲垣 学,高塚 健人,長島 涼子(日大量科研),佐藤 勇(日大総科研),榎本 收志,大澤 哲,福田 茂樹,設楽 哲夫,古川 和朗,道園 真一郎,土屋 公央,吉田 光宏(KEK 加速器研究施設),山本 樹(KEK 物質構造研究所)
○Kyoko Nogami, Ken Hayakawa, Toshinari Tanaka, Yasushi Hayakawa, Takeshi Sakai, Keisuke Nakao, Manabu Inagaki, Kento Takatsuka, Ryoko Nagashima (LEBRA, Nihon University), Isamu Sato (ARISH, Nihon University), Atsushi Enomoto, Satoshi Ohsawa, Shigeki Fukuda, Tetsuo Shidara, Kazuro Furukawa, Shinichiro Michizono, Kimichika Tsuchiya, Mitsuhiro Yoshida (KEK, Accelerator Laboratory), Shigeru Yamamoto (KEK, Institute of Materials Structure Science)
 
2013年度において日本大学電子線利用研究施設(LEBRA)の125 MeV電子リニアックは193日稼動し、主に自由電子レーザー(FEL)、パラメトリックX線(PXR)、THz光発生を目的に約800時間の電子ビーム加速を行った。2013年9月にクライストロン1号機出力RFパルス波形の後半が欠ける現象が頻発し、クライストロン内の真空度も悪化し電子ビーム加速が困難になった。そこで約3週間クライストロンのエージングを試みたが、改善が見られなかったのでクライストロンを交換した。この際に、RF窓が損傷していたことがわかった。さらにその後、交換したクライストロンの安定動作に至るまでエージングに約3ヶ月を費やし、そのために電子ビーム加速時間及び利用時間が例年に比べ短くなった。2012年10月の電子銃カソード交換直後から、バーストビーム加速モードにおいて電子銃出力ビームの平坦度が悪かったが、時間とともに改善し、現在では交換前とほぼ同じ平坦度が得られている。また現在、LEBRAで用いた中で最も短い曲率半径(R = 3.5 m)のFEL共振器ミラーを使用しているが、そのFEL発振強度は徐々に減少している。特にユーザーの利用実験が多い2000 nm以下の短波長側で運転状況に依存して発振強度の変化が激しい。
 
12:50 - 14:50 
FSP020
p.384
大型放射光施設SPring-8の現状とビーム性能改善
Status of the SPring-8 Accelerators and Improvement of the Beam Performance

○高雄 勝,加速器 部門((公財)高輝度光科学研究センター)
○Masaru Takao, Accelerator Div. (JASRI/SPring-8)
 
SPring-8蓄積リングでは輝度やフラックス密度向上のため、2013年5月よりエミッタンスをそれまでの3.5 nm・radから2.4 nm・radに下げたオプティクスで利用運転を行っている。当初、このオプティクス変更に伴いモーメンタムアクセプタンスやダイナミックアパーチャーの狭小化によるビーム寿命の減少や入射効率の低下が発生したが、6極電磁石調整などマシン調整を進めた結果、ほぼ従来の3.5 nm・radオプティクスと同等のビーム性能が回復された。 最近の利用運転中、挿入光源(ID)の磁石列ギャップ駆動に伴う入射効率の低下が顕著になってきた。これは、ギャップ駆動によるベータトロンチューンのシフトや多極磁場励起の影響で、利用運転中はこれらを補正することで80 %以上の高入射効率を維持している。 2013年度の利用運転状況は、計画利用運転時間3432時間に対し、実績3408時間29分と、利用率として99.31 % を達成した。SPring-8では利用運転中も電子ビーム入射を行うトップアップ運転を行っているが、安定なビーム入射により利用運転時間の99 %で蓄積電流値の変動は0.03 %以内に保たれている。その他、SPring-8の加速器の最新の状況について報告する。
 
12:50 - 14:50 
FSP021
p.389
J-PARCリニアックの現状
Present Status of J-PARC Linac

○小栗 英知,長谷川 和男,伊藤 崇,千代 悦司,平野 耕一郎,森下 卓俊,篠崎 信一,青 寛幸,大越 清紀,近藤 恭弘,田村 潤,山崎 宰春,堀 利彦,佐藤 文明,根本 康雄,小泉 勲,菊澤 信宏,上野 彰,三浦 昭彦,加藤 裕子,福田 真平,池田 浩,佐藤 浩一,大曽根 晃,澤邊 祐希,川根 祐輔,菊池 一夫,廣木 文雄,飯村 武二,矢内 宗利,田所 一彦,大沢 謙治,内藤 富士雄,Liu Yong,方 志高,杉村 高志,二ツ川 健太,池上 清,川村 真人,南茂 今朝雄,福井 佑治,宮尾 智章,丸田 朋史,高木 昭(J-PARCセンター),大内 伸夫(JAEA事業計画統括部),伊藤 雄一(JAEA ITERプロジェクト部),鈴木 隆洋,石山 達也(三菱電機システムサービス),吉位 明伸(新日鉄住金ソリューションズ),高安 利男,宇佐美 力(日本アドバンストテクノロジー)
○Hidetomo Oguri, Kazuo Hasegawa, Takashi Ito, Etsuji Chishiro, Koichiro Hirano, Takatoshi Morishita, Shinichi Shinozaki, Hiroyuki Ao, Kiyonori Ohkoshi, Yasuhiro Kondo, Jun Tamura, Saishun Yamazaki, Toshihiko Hori, Fumiaki Sato, Yasuo Nemoto, Isao Koizumi, Nobuhiro Kikuzawa, Akira Ueno, Akihiko Miura, Yuko Kato, Shinpei Fukuta, Hiroshi Ikeda, Koichi Sato, Akira Oozone, Yuki Sawabe, Yusuke Kawane, Kazuo Kikuchi, Fumio Hiroki, Takeji Iimura, Munetoshi Yanai, Kazuhiko Tadokoro, Kenji Ohsawa, Fujio Naito, Yong Liu, Zhigao Fang, Takashi Sugimura, Kenta Futatsukawa, Kiyoshi Ikegami, Masato Kawamura, Kesao Nanmo, Yuji Fukui, Tomoaki Miyao, Tomofumi Maruta, Akira Takagi (J-PARC center), Nobuo Ouchi (JAEA/R&D Program Management Department), Yuichi Ito (JAEA/Department of ITER Project), Takahiro Suzuki, Tatsuya Ishiyama (Mitsubishi Electric System & Service), Akinobu Yoshii (NS Solutions), Toshio Takayasu, Tsutomu Usami (NAT)
 
 J-PARCリニアックでは現在、ビームユーザに対する利用運転を行うとともに、リニアック後段の3GeVシンクロトロンにて1MWビームを加速するためのビーム増強計画を進めている。リニアックのビーム増強計画では、加速エネルギー及びビーム電流をそれぞれ増強する。エネルギーについては、181MeVから400MeVに増強するためにACS空洞及びこれを駆動する972MHzクライストロンの開発を行ってきた。これら400MeV機器は平成24年までに量産を終了し、平成25年夏に設置工事を行った。平成26年1月に400MeV加速に成功し、現在、ビーム利用運転に供している。ビーム電流増強では、初段加速部(イオン源及びRFQ)を更新する。イオン源はセシウム添加高周波放電型、RFQは真空特性に優れる真空ロー付け接合タイプ空洞をそれぞれ採用し、平成25年春に製作が完了した。完成後は専用のテストスタンドにて性能確認試験を行っており、平成26年2月にRFQにて目標の50mAビーム加速に成功した。新初段加速部は、平成26年夏にビームラインに設置する予定である。本学会では、ビーム利用運転におけるいくつかのトピックスと、新初段加速部の開発状況について報告する。
 
12:50 - 14:50 
FSP022
p.394
東北大学電子光理学研究センターの加速器の現状
Present status of accelerators in Electron Light Science Centre, Tohoku University

南部 健一,柏木 茂,日出 富士雄,柴崎 義信,長澤 育郎,○高橋 健,東谷 千比呂,永沢 聡,Anusorn Lueangaramwong,武藤 俊哉,浜 広幸(東北大学電子光理学研究センター)
Kenichi Nanbu, Shigeru Kashiwagi, Fujio Hinode, Yoshinobu Shibasaki, Ikuro Nagasawa, ○Ken Takahashi, Chihiro Tokoku, Satoshi Nagasawa, Anusorn Lueangaramwong, Toshiya Muto, Hiroyuki Hama (Electron Light Science Centre, Tohoku University)
 
東北大学電子光理学研究センターの加速器は東日本大震災からの復旧・復興を遂げ、2013年12月20日より加速器共同利用を再開した。従来は一つの電子線形加速器で、運転モードを切り替えてシンクロトロンへの入射とRI製造を行っていた。しかし両者の運転パラメータは完全に異なっているため、運転モードの切り替えには、パルス幅やグリッド電圧を始めとする電子銃のパラメータを大きく変える必要があり、そのためビームの再現性が低く、共同利用運転に大きな影響を及ぼしていた。しかしシンクロトロン入射専用の電子線形加速器を建設し、機能を分離したことで、運転モードの切り替えが不要になり、ビームの再現性が大幅に向上した。またシンクロトロンへの入射とRI製造の同時運転が可能となったことで、マシンタイムの柔軟な運用が可能となった。現在は東日本大震災で生じた遅れを取り戻すべくセンターを挙げて加速器の安定化に取り組んでいる。本報告では施設の現状等について報告する。
 
12:50 - 14:50 
FSP023
p.398
理研重イオンリニアックの現状報告
Present Status of RILAC

○池沢 英二(理研仁科加速器研究センター),大木 智則,山内 啓資,小山田 和幸,田村 匡史,遊佐 陽,金子 健太(住重加速器サービス株式会社),渡邉 裕,加瀬 昌之,上垣外 修一(理研仁科加速器研究センター)
○Eiji Ikezawa (RIKEN Nishina Center), Tomonori Ohki, Hiromoto Yamauchi, Kazuyuki Oyamada, Masashi Tamura, Kira Yusa, Kenta Kaneko (SHI Accelerator Service Ltd.), Yutaka Watanabe, Masayuki Kase, Osamu Kamigaito (RIKEN Nishina Center)
 
理研仁科加速器研究センターの理研重イオンリニアック(RILAC)は、今年で34年目を迎えた。これまでに様々な改良や増強をすると共に老朽化対策を実施し、この加速器を最良の状態に維持し、各種実験へ様々なビームを供与している。 主な構成機器は、主加速器のRILAC、18GHz-ECRイオン源、前段入射器のFC-RFQ、ブースターのCSMである。最大加速エネルギーは、5.8MeV/nucleonである。 単独運転としては、1981年から実験へのビーム供与を行っている。2002年からは、リニアック実験室のe3実験ラインにおいて超重元素探索関連の実験が行われている。 入射運転としては、後段の理研リングサイクロトロン(RRC)のための入射器としての運転を1986年から行っている。また、超伝導リングサイクロトロン(SRC)などで構成される理研RIビームファクトリー(RIBF)の複合加速器ための入射器としての運転を2006年から行っている。 主加速器のRILACの老朽化対策として、RILAC建設当時に設置され使用し続けてきたRILAC-No.1及びNo.2の励振器、及びRILAC-No.4〜No.6の共振器関係四重極電磁石電源を新たに設計製作し、昨年12月から今年の2月にかけて更新を行った。 本発表では、RILACの現状報告として、入射運転状況、単独運転状況、及び老朽化対策状況などついて報告する。
 
12:50 - 14:50 
FSP024
p.401
理研RIBFにおけるリングサイクロトロンの運転報告
Status report of the operation of the RIBF ring cyclotrons

福沢 聖児,濱仲 誠,石川 盛,小高 康照,小林 清志,小山 亮,仲村 武志,西田 稔,西村 誠,柴田 順翔,月居 憲俊,矢冨 一慎(住重加速器サービス),○須田 健嗣,段塚 知志,藤巻 正樹,福西 暢尚,藤縄 雅,長谷部 裕雄,日暮 祥英,池沢 英二,今尾 浩士,加瀬 昌之,影山 正,上垣外 修一,木寺 正憲,熊谷 桂子,久保木 浩功,込山 美咲,真家 武士,長瀬 誠,中川 孝秀,中村 仁音,大西 純一,奥野 広樹,大関 和貴,坂本 成彦,内山 暁仁,渡邉 環,渡邉 裕,渡部 秀,山田 一成,山澤 秀行(理研仁科センター)
Seiji Fukuzawa, Makoto Hamanaka, Shigeru Ishikawa, Yasuteru Kotaka, Kiyoshi Kobayashi, Ryo Koyama, Takeshi Nakamura, Minoru Nishida, Makoto Nishimura, Junsho Shibata, Noritoshi Tsukiori, Kazuyoshi Yadomi (SHI Accelerator Service Ltd.), ○Kenji Suda, Tomoyuki Dantsuka, Masaki Fujimaki, Nobuhisa Fukunishi, Tadashi Fujinawa, Hiroo Hasebe, Yoshihide Higurashi, Eiji Ikezawa, Hiroshi Imao, Masayuki Kase, Tadashi Kageyama, Osamu Kamigaito, Masanori Kidara, Keiko Kumagai, Hironori Kuboki, Misaki Komiyama, Takeshi Maie, Makoto Nagase, Takahide Nakagawa, Makoto Nakamura, Jun-ichi Ohnishi, Hiroki Okuno, Kazutaka Ozeki, Naruhiko Sakamoto, Akito Uchiyama, Tamaki Watanabe, Yutaka Watanabe, Shu Watanabe, Kazunari Yamada, Hideyuki Yamasawa (Nishina Center, RIKEN)
 
理研RIBFのリングサイクロトロン(RRC,fRC,IRC,SRC)の運転状況を報告する。2013年9月から2014年2月まではRRCまでを用いたビーム供給と、加速器のメンテナンスが行われた。3月からはSRCまでを用いてウランをはじめとしたビーム供給を行っている。本稿はこれまでの加速ビームの実績、該当期間の運転時間と調整時間の統計、故障等について述べる。また、ビームの増強、安定化を目指して行われた取組についても報告する。
 
12:50 - 14:50 
FSP025
p.406
HIMAC加速器の現状報告
Present status of HIMAC

○片桐 健,水島 康太,古川 卓司,佐藤 眞二,村松 正幸,鈴木 伸司,岩田 佳之,白井 敏之,高田 栄一,野田 耕司(放医研),景山 雄生,川島 祐洋,佐野 悦信(加速器エンジニアリング)
○Ken Katagiri, Kota Mizshima, Takuji Furukawa, Shinji Sato, Masayuki Muramatsu, Shinji Suzuki, Yoshiyuki Iwata, Toshiyuki Shirai, Eiichi Takada, Koji Noda (NIRS), Yuhsei Kageyama, Masahiro Kawashima, Yoshinobu Sano (AEC)
 
放射線医学総合研究所でのHIMAC加速器による重粒子線がん治療は,1994年の開始から今年で20年目を迎え,8000人以上もの患者に治療が適用されてきた.これまでの拡大ビーム法による治療に加えて,複雑な腫瘍形状や治療期間中における腫瘍患部の形状/大きさの変化に柔軟な対応が可能となる,3次元スキャニング照射法による臨床治療が2011年5月に開始された.現在,この3次元スキャニング照射法のさらなる高精度化を目指して,呼吸同期システムの開発,超伝導回転ガントリーの開発が行われている.また,HIMAC加速器に関しても,200段階にも及ぶ可変エネルギー運転/ビーム取り出し法の開発が行われている.本発表ではこれらのR&Dを紹介すると共に,運用の現状を報告する.
 
12:50 - 14:50 
FSP026
p.410
原子力機構-東海タンデム加速器の現状
Status of JAEA-Tokai Tandem Accelerator

○松田 誠(原子力機構)
○Makoto Matsuda (JAEA)
 
原子力機構-東海タンデム加速器施設における2013年度の加速器の運転・開発状況およびビーム利用開発について報告する。  2013年度の加速器の運転は、7/16〜10/6および1/16〜3/2の2度の定期整備期間を除いて実施され、運転日数は154日であった。  最高運転電圧は17.5MVで14日間の利用があった。近年は分子イオン加速のために低電圧の利用も増え、3.5MVでの加速も実施された。利用されたイオン種は15元素(20核種)である。  加速器運転の省力化・効率化のために、光学計算による光学パラメータの自動設定やスケーリング則による設定の技術開発を行っている。その過程で既存の光学要素が計算に全く合わない部分があることが判明した。原因は磁気ステアラーや、磁気四重極レンズがの極性やその並びがビームラインごとに異なっていたり、中にはでたらめに配線されているものがあった。これらを修正したところ計算値との整合性を一部改善することができた。今後、精度を高めるべく開発を継続していく。  また幅50mmにおいて±5%以下の均一な重イオンビーム照射が可能となった。ビームダクト径を大きくすることで幅100mm程度までは対応可能である。  主な整備事項として、端子電圧を制御するSLITコントロールの不調や、大型偏向電磁石の磁場フィードバックのためのNMR回路の経年劣化による動作不良、高電圧端子内発電機の増速ギアボックスのオイル漏れによる放電が発生した。
 
12:50 - 14:50 
FSP027
p.414
UVSOR加速器の現状
Present Status of UVSOR Accelerators

○加藤 政博,許斐 太郎,山崎 潤一郎,林 憲志(UVSOR)
○Masahiro Katoh, Taro Konomi, Jun-ichiro Yamazaki, Kenji Hayashi (UVSOR)
 
放射光源UVSORは昨年秋に1983年のファーストライトから30年目を迎えた。この間、2回の大規模改造を含む高度化を継続し、現在でも、電子エネルギー1GeV以下の小型低エネルギーのシンクロトロン光源としては世界的にも最高水準の高輝度特性を維持している。本報告では、2014年春に行った可変偏光アンジュレータの改造等を中心に、UVSOR加速器の現状について述べる。
 
12:50 - 14:50 
FSP028
p.416
若狭湾エネルギー研究センターシンクロトロンの現状
The Status of the Synchrotron of the Wakasa-wan Energy Research Center

○栗田 哲郎,羽鳥 聡,林 豊,山田 裕章,小田桐 哲也,廣戸 慎,清水 雅也,山口 文良,淀瀬 雅夫,長崎 真也,山田 和彦,辻 宏和((公財)若狭湾エネルギー研究センター)
○Tetsuro Kurita, Satoshi Hatori, Yutaka Hayashi, Hiroaki Yamada, Tetsurya Odagiri, Shin Hiroto, Masaya Shimizu, Fumiyoshi Yamaguchi, Masao Yodose, Shinya Nagasaki, Kazuhiko Yamada, Hirokazu Tsuji (WERC)
 
若狭湾エネルギー研究センターシンクロトロンの現状 若狭湾エネルギー研究センター加速器施設(W-MAST)は、タンデム加速器および、それを入射器としたシンクロトロンによって、広範囲のエネルギーのイオンビーム(陽子 : 数MeV-200MeV; He, C : 数 MeV- 55MeV/u)を様々な実験に供給している。シンクロトロンからのビームは、材料/生物/細胞への照射実験に利用されている。 運転状況と合わせて、COD 補正、加速高周波制御に関する開発の状況を報告する。
 
12:50 - 14:50 
FSP029
p.420
あいちSR光源加速器の現状
Present status of accelerators of Aichi Synchrotron Radiation Center

○高嶋 圭史,保坂 将人,山本 尚人,高野 琢,真野 篤志(名大SRセンター),高見 清(日本アドバンストテクノロジー),加藤 政博(分子研UVSOR),堀 洋一郎(KEK),佐々木 茂樹(高輝度光科学研究センター),江田 茂(九州シンクロトロン光研究センター),竹田 美和(あいちSR)
○Yoshifumi Takashima, Masahito Hosaka, Naoto Yamamoto, Takumi Takano, Atsushi Mano (Nagoya University), Kiyoshi Takami (Nippon Advanced Technology), Masahiro Katoh (UVSOR), Yoichiro Hori (KEK), Shigeki Sasaki (JASRI/SPring-8), Shigeru Koda (SAGA-LS), Yoshikazu Takeda (AichiSR)
 
あいちシンクロトロン光センター(あいちSR)は、愛知県の科学技術政策である「知の拠点あいち」計画における中核施設として、中部地区を中心とする大学、研究機関、産業界、行政の協力によって整備が進められてきた。運営は公益財団法人科学技術交流財団が行い、加速器やシンクロトロン光ビームラインなどに対する技術的な支援を、名古屋大学シンクロトロン光センターを中心とする大学連合が行っている。 加速器は、50 MeV直線加速器、1.2 GeVブースターシンクロトロン、1.2 GeV蓄積リングから成っている。蓄積リングは周長72 m、ラティス構成はTriple-bendの4回対称であり、12台の偏向電磁石のうち、4台はピーク磁場5T、偏向角12°の超伝導電磁石、8台は磁場強度1.4 T、偏向角39°の常伝導電磁石である。直線部にはアンジュレ-タが設置されている。 あいちSRは2013年3月26日から供用が始まっている。現在6本のビームラインが供用されており、さらに2本が建設中である。供用開始から2013年12月までに、光源の稼働率は94.6%、企業67社、大学関係機関17校の利用があり、ビームライン全体の利用率は84%に達している。2013年12月下旬から2014年1月にかけて加速器のメンテナンスを行った。 本発表では、あいちSRの光源加速器の現状と施設の概要について報告する。
 
12:50 - 14:50 
FSP030
p.424
RCNPサイクロトロン施設の現状
Present Status of the RCNP Cyclotron Facility

○畑中 吉治,福田 光宏,依田 哲彦,斎藤 高嶺,植田 浩史,田村 仁志,永山 啓一,安田 裕介,森信 俊平,鎌倉 恵太(大阪大学核物理研究センター)
○Kichiji Hatanaka, Mitsuhiro Fukuda, Tetsuhiko Yorita, Takane Saito, Hiroshi Ueda, Hitoshi Tamura, Keiichi Nagayama, Yuusuke Yasuda, Shunpei Morinobu, Keita Kamakura (RCNP, Osaka University)
 
RCNPサイクロトロン施設は、平成25年9月〜12月の間、共同利用実験を 順調に実施した。平成24年度補正予算が措置され、老朽化対策と共に ビーム強度向上、ビーム利用高効率化に向けた関連工事を平成26年1月 〜3月に行い、この間は加速器運転を中断した。主な項目はAVF入射系 改良、AVF共振器異形部更新、リングサイクロトロン入出射チャネ ル更新、ぅ螢鵐哀汽ぅロトロンFT空洞同調機構更新、ネ∩系改造、 制御上位系更新。イ任2−3コースでのタイムシェアリング用ビーム 分配を可能とする系を高温超伝導線材を利用して構築した。グランド ライデンの前方測定用ビームラインと低エネルギーミューオンライン を新規に設置した。制御系更新ではWindowsXPからwindows7への更新に 伴うソフトウェア変更とハードの更新を行った。4月から順次立ち上げ を開始した。約1ヶ月間の作業でバグ出しを終了し、5月12日より共同 利用実験を開始した。新設したラインのビームによるテストは平成26年 度中に行う予定である。
 
電子加速器 (8月9日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SAP001
p.427
SuperKEKBに向けた高位置分解能Linac BPM読み出しシステムの開発
Development of high position resolution Linac BPM readout system towards the SuperKEKB

○一宮 亮,諏訪田 剛,佐藤 政則,宮原 房史,古川 和朗(高エネ機構)
○Ryo Ichimiya, Tsuyoshi Suwada, Masanori Satoh, Fusashi Miyahara, Kazuro Furukawa (KEK)
 
現在KEKではSuperKEKB建設に向け加速器アップグレードを進めている。L=8×10^35/(cm^2 s)を達成するため、電子(5 nC)及び陽電子(4 nC)エミッタンスを共に20 mm mrad以内にする必要がある。これを実現するためには、ビーム光学設計上、0.1 mm以内に加速管をアライメントしなければならない。安定してBeam Based Alignmentを行うため、ビーム位置モニタ(BPM)には要求されるアライメント精度より一桁高い位置分解能が求められる。しかし、現行のオシロスコープ読み出し方式で得られる位置分解能は約50 μmであり、要求を満たさない。位置分解能10 μm以下を達成するため、狭帯域バンドパスフィルタ(BPF)方式を採用し、250 MS/s・16bitパイプラインADCを用いた専用読み出し回路を新規に設計開発した。SuperKEKBでの96 ns間隔2バンチ入射に対応し、校正パルス発生器により運転中の読み出し系のゲイン変動を計測する機能を持つ。 本BPMに要求されるのは高い位置分解能だけではなく位置の確度(計測精度)であり、位置分解能程度以下にする必要がある。これには上述したオフセット誤差の他に読み出し系の非線形性も大きな誤差要因であり、読み出し系全体の非線形性を±0.02 dB以内に抑制するよう設計し、動作点を設定した。 今回の発表では、これら新BPM読み出しシステムの開発の現状と評価試験の結果について報告を行う。
 
12:50 - 14:50 
SAP002
p.432
GPTによるレーストラック・マイクロトロンの設計
Design of racetrack microtron by GPT

○羽島 良一,Ferdows Mohammad(日本原子力研究開発機構)
○Ryoichi Hajima, Mohammad Ferdows (Japan Atomic Energy Agency)
 
レーザーコンプトン散乱ガンマ線による核物質の非破壊検知では 220MeV の電子ビームが必要である。 本発表では、220MeV の電子ビーム加速が可能なレーストラック マイクロトロンを加速器設計コードGPTを用いて行った結果を 述べる。
 
12:50 - 14:50 
SAP003
p.436
日大LEBRAリニアック電子銃におけるエミッション特性の長期的振舞い
Long-term Behavior of the Electron Gun Emission Property at LEBRA Linac

○稲垣 学,早川 建,田中 俊成,早川 恭史,境 武志,中尾 圭佐,野上 杏子(日本大学電子線利用研究施設)
○Manabu Inagaki, Ken Hayakawa, Toshinari Tanaka, Yasushi Hayakawa, Takeshi Sakai, Keisuke Nakao, Kyoko Nogami (Laboratory for Electron Beam Research and Application, Nihon University)
 
日本大学電子線利用研究施設(LEBRA)では、125MeV電子線形加速器において電子ビームをパルス幅20usのRFで加速し、自由電子レーザー(FEL)発振に利用している。2010年8月の電子銃高圧ターミナル更新により、Kentech社の高速グリッドパルサーを用いてバーストビーム加速を可能にし、2011年4月より従来のフルバンチビームに加えて、バーストビームによるFEL発振、さらにフルバンチビームとバーストビームを重畳させたビームによる発振が可能となった。バーストモードのビームでは2856MHzの64分周および128分周信号より発生した高速グリッドパルスを用いて、22.4nsおよび44.8ns間隔で各1バンチの加速が可能である。2012年10月に、電子銃エミッション変動が顕著になり、電子銃カソードの劣化を疑いEIMACのY646Bカソードアセンブリを更新したが、カソード交換前と比較すると重畳ビームモードでは20usの1パルス内でエミッションの減衰が著しい状態が続いた。しかし、1年以上の長期にわたり使用するうちに次第にパルス内の減衰が目立たなくなってきた。更新時に真空漏れがあったことから、カソードの活性化が不十分で、特に大電流引出時のインピーダンス変化が大きくなり短パルスビーム引出特性に影響した可能性が考えられる。電子銃カソードの交換前後におけるエミッション波形の比較を行い、さらにその後の長期的変化について検討し報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP004
p.439
放射線生物応用のためのレーザ誘電体加速によるオンチップMeV電子加速器開発
Development on Laser-driven Dielectric On-chip Accelerator Designed for Radiation Biology Researches

○大槻 祥平(東大工),吉田 光宏(高エネ研),小山 和義(高エネ研,東大工),美馬 覚(理研),上坂 充(東大工)
○Shohei Otsuki (Department of Engineering, Univ. of Tokyo), Mitsuhiro Yoshida (KEK), Kazuyoshi Koyama (KEK, Department of Engineering, Univ. of Tokyo), Satoru Mima (RIKEN), Mitsuru Uesaka (Department of Engineering, Univ. of Tokyo)
 
本研究の目的は次世代型加速手法の一つである DLA (レーザ誘電体加速、Dielectric Laser Acceleration )による放射線生物応用に特化したオンチップ放射光源開発である。このためには DLA による平均電流~ 0.1 pA、~1 MeV の電子加速のが必要であり、これに仕様をあわせ、加速管である石英の回折格子加工を行っている。回折格子のピッチは~ μmであり、リゾグラフィーと呼ばれる半導体の精密加工に利用される方法を応用した。これには露光時間やフォトレジストの膜厚等、5〜6次元の条件だしが必要になるため、加工とSEMによる構造観察を繰り返し、これまでに複数のピッチにおいて加工条件を確立した。 この他に、加速電場のシミュレーションや、レーザパルスを回折格子に照射する際のsパラメータのレーザ入射角・回折格子のピッチへの依存性の調査し、特定の入射角においてレーザのエネルギー透過率が向上することなどが確認できた。
 
12:50 - 14:50 
SAP005
p.443
光ファイバビームロスモニタの応用
APPLICATION OF OPTICAL FIBER BEAM LOSS MONITOR

○矢野 喜治,飯田 直子,帯名 崇,福田 茂樹,道園 真一郎(高エ研)
○Yoshiharu Yano, Naoko Iida, Takashi Obina, Shigeki Fukuda, Shinichiro Michizono (KEK)
 
物質中を高速な荷電粒子が通過するとチェレンコフ光を発生することは良く知られている。また、光ファイバの両端から検出される光の検出時間差(TOF)を応用した放射能測定器も実用化されている。これを電子加速器に応用する場合ビームロス(荷電粒子)の発生場所がビームと共に光速で移動するのが特徴的である。これからビームダクト、マグネットのチェンバーに布設した光ファイバから出てくる光をビームの上流側から観測するとビームロスの場所を推測することができる。リング加速器へのビーム入射時には周回ごとのビームロス分布の変化を観測する事ができる。高エネルギー加速器研究機構では2015年に運転開始予定のSuperKEKBに向けたダンピングリングの建設と複数の加速器の改造が進んでいる。これら加速器のビームコミッショニング初期にビームロスの場所の特定が出来る事はコミッショニングの効率向上に役立つ事が期待される。また、光ファイバビームロスモニタはワイヤスキャナの検出器としても有望でSN比を向上することが出来る。ここではこれまでの実験結果と今後の応用について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP006
p.448
エネルギー回収型コヒーレントX線源の輸送路設計
Design of the transport at ERL coherent X-ray source

○玄 知奉(総研大),吉田 光宏,佐藤 政則(高エネ研),境 武志,早川 恭史,田中 俊成,早川 建(日大量科研),佐藤 勇(日大総科研),遠藤 克己((株)トヤマ)
○Jibong Hyun (Sokendai), Mitsuhiro Yoshida, Masanori Satoh (KEK), Takeshi Sakai, Yasushi Hayakawa, Toshinari Tanaka, Ken Hayakawa (LEBRA, Nihon University), Isamu Sato (ARISH, Nihon University), Katsumi Endo (TOYAMA CO.Ltd.)
 
現在、株式会社トヤマ、日本大学、高エネルギー加速器研究機構でエネルギー回収型コヒーレントX線源の開発が進められている。この加速器では、75 MeVまで加速させた電子を単結晶のターゲットに衝突させパラメトリックX線(PXR)を発生させる。さらに、ターゲット通過後のバンチは減速管まで輸送し、そこで3MeV程度まで減速させ、その時に発生したエネルギーを回収し、加速管に供給することで後続のバンチ加速に利用する。今回、高効率の加減勾配を得るために、加減速管は低温環境下で使用する。 このシステムにより、ダンプ時に発生する放射線量を減らし、シールドレスに近いコヒーレントX線源の実現を試みる。今回我々は、上述の加速器を製作するために必要な輸送路の光学設計や電子軌道計算などを行った。 加速管から出たバンチは、180°偏向後ターゲットに衝突させる。さらに、衝突後のバンチを180°偏向させ減速管まで輸送する。そのために、偏向角90°の偏向電磁石を4台使用する。また、減速管とターゲットが置かれている直線部は、分散がゼロになるラティスとした。 PXR発生部では、電子がターゲットに衝突した時に、結晶が熱の影響で破壊されないように入射時のビームサイズは1σ=0.1mm程度とし、単結晶の厚みは、熱や衝突後の電子のエミッタンス増加を考慮し最大で2mmとした。当日は、輸送路のオプティクスやターゲット衝突後のエミッタンス増加の詳細を報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP007
p.453
改良型950keV XバンドリニアックX線源と鉄筋コンクリート構造物その場透視検査
Upgrading 950keV X-band Linac X-ray Souce for On-site Reinforced Concrete (RC) structure

○菅野 浩一,草野 譲一,中西 康介,水島 弘二,樋口 哲一,Ed Villasenor,村上 勝,金田 健一(株式会社エーイーティー),山本 昌志,中村 直樹,伊藤 卓,伊東 正顕(株式会社アキュセラ),田辺 英二(株式会社エーイーティー/株式会社アキュセラ),上坂 充(東京大学大学院工学系研究科原子力専攻)
○Koichi Kanno, Kusano Jyoichi, Kousuke Nakanishi, Hiroji Mizushima, Tetsuichi Higuchi, Villasenor Ed, Masaru Murakami, Kenichi Kaneta (AET Inc.), Masashi Yamamoto, Naoki Nakamura, Taku Ito, Masaaki Ito (Accuthera Inc.), Eiji Tanabe (AET Inc./Accuthera Inc.), Mitsuru Uesaka (University of Tokyo, Nuclear Professional School)
 
高エネルギーX線を利用した非破壊検査技術の産業応用・社会インフラ点検適用等を目的とする可搬型Xバンドリニアックの開発を進めた。950keV可搬型リニアック初号機により、化学プラント設備構造体診断の成功を受け、その汎用性の向上とX線出力増強を目的として9.3GHz加速管のビーム特性改良更新を始めとする種々の改良改造を行った。そのフィールドテストとしての意味合いで取り組んだ製品出荷用波止場のコンクリート梁の鉄筋診断および撤去したPCコンクリート橋実サンプルの鉄筋診断についてX線撮像を行い、所定の成果を上げた。改良更新を行った9.3GHz加速管は旧型機に比べ、加速セル数を9セルから7セルに低減し、全長を約25%短縮した。ターゲットへの電子ビーム到達率は60%程度向上、加速に伴い逸散する電子による加速管漏洩X線に関しては約1桁の低減に至った。またこの改良によりX線発生部(X線ヘッドユニット)の小型・軽量化にも成功した。小型電子リニアックの可搬化とその応用範囲拡大については実使用レベルに至った。今後は、より一層の小型化・軽量化を図り、工業利用レベルの操作性を得るシステム改良に取り組む予定である。
 
ハドロン加速器 (8月9日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SAP009
p.457
RIBF大強度化計画用重イオン超伝導線形加速器の概念設計
Conceptual design of SC linac for RIBF-upgrade plan

○山田 一成,須田 健嗣,坂本 成彦,奥野 広樹,上垣外 修一(理研仁科センター)
○Kazunari Yamada, Kenji Suda, Naruhiko Sakamoto, Hiroki Okuno, Osamu Kamigaito (RIKEN Nishina Center)
 
2007年度より稼働している理研仁科センターのRIビームファクトリー(RIBF)では、超伝導ECRイオン源や新入射線形加速器RILAC2の建設、荷電変換装置の開発、運転パラメータの最適化などを行ってきたことにより、核子あたり345MeVのウランビームの強度は本年度までに25pnAに到達した。しかし、荷電変換を2回行っていることによる変換効率の低さ(約5%)や、空間電荷効果の影響による理研リングサイクロトロン(RRC)の取り出し効率の悪化などにより、現在のシステムではあと数倍程度しかビーム強度を向上させることが出来ないと考えられる。そこで、RRCの代わりとなる超伝導線形加速器を建設して35価のウランビームを核子あたり11MeVまで加速し、さらに新しいリングサイクロトロンで35価のまま核子あたり50MeV弱まで加速した後1回のみ荷電変換する方式に変えることにより、核子あたり345MeVのウランビームを1pμA以上の強度にする計画が立てられている。本講演では、昨年度より開始した超伝導線形加速器部分の概念設計について発表する。加速器としての仕様や配置、超伝導空洞の形状などについてはほぼ設計が固まってきており、4台の1/4波長型超伝導空洞を搭載したクライオモジュールを14台並べ、収束用のダブレットQ磁石を各クライオモジュール間に設置する設計となっている。また、本年度はクライオスタットの設計や、超伝導空洞の機械設計も開始されており、これらについても紹介する。
 
12:50 - 14:50 
SAP010
p.463
RCNPにおけるサイクロトロン入射部の開発
Development of injection system for cyclotrons at RCNP

○依田 哲彦,畑中 吉治,福田 光宏,安田 裕介,齋藤 高嶺,田村 仁志,森信 俊平(大阪大学RCNP)
○Tetsuhiko Yorita, Kichiji Hatanaka, Mitsuhiro Fukuda, Yusuke Yasuda, Takane Saito, Hitoshi Tamura, Shunpei Morinobu (RCNP, Osaka Univ.)
 
近年の大強度陽子ビームにより生成される中性子やミューオンなどの2次ビームのへ需要や、大強度重イオンにより生成されるRIビームへの需要の高まりに伴う、中高エネルギーのイオンビームの大強度化は依然非常に重要なテーマである。 阪大RCNPサイクロトロン施設ではこのイオンビーム大強度化を目指して、サイクロトロン入射部においていくつかの改良・開発を行った。そのひとつは、グレーザーレンズの増強である。AVFサイクロトロンの中心軸入射ラインは元々3つのグレーザーで構成されるビーム輸送系であったが、終端のインフレクターへ向けてビームを十分透過させるのが難しかったため、更に1台グレーザーを追加することによりこの問題の解決を図った。もうひとつの改良は、バンチャーの増強である。AVFサイクロトロン軸入射ラインには既に1台バンチャーが設置されているが、近年需要の多いXeなどの重イオンに対しては電圧が十分ではなかった。このためもう1台バンチャーを追加することにより、特に重イオンのバンチングに対応した。なお、新設されたバンチャーは充放電型のものが採用されている。このほか、リングサイクロトロンの入射効率向上を目指して、入射ライン上のバッフルスリットの開口を拡げ、入射軌道の自由度を高めるということも行った。講演では、これらの開発状況の詳細について発表する。
 
12:50 - 14:50 
SAP011
p.466
容量性アイリスを用いたJ-PARC環結合型空洞の結合度調整
Capacitive iris to adjust coupling factor between waveguide and ACS linac in J-PARC

○田村 潤,青 寛幸,根本 康雄(日本原子力研究開発機構)
○Jun Tamura, Hiroyuki Ao, Yasuo Nemoto (JAEA)
 
The beam energy of the Japan Proton Accelerator Research Complex (J-PARC) linac has been increased from 181 to 400 MeV by installing Annular-ring Coupled Structure (ACS) cavities in the maintenance period of 2013. Some of the ACS cavities require the correction of the coupling factor between the waveguide and the cavity. To adjust the coupling factor, a capacitive iris in the rectangular waveguide was designed. And then, the rectangular waveguide with the capacitive iris was manufactured and installed to one of the ACS cavities. In this paper, the design procedure of the capacitive iris will be presented.
 
12:50 - 14:50 
SAP012
p.469
RCSへのためのJ-PARC線形加速器ビームの最適化研究
Optimization of J-PARC linac beam for injection to RCS

○劉 勇(KEK)
○Yong Liu (KEK)
 
An optimized momentum spread is predicted for best bunching factor and RF capture at RCS injection. A wide range of output momentum spread was successfully achieved from J-PARC linac for the verification. It is found that not only momentum spread, but also transverse emittance, Twiss parameters and dispersion play import roles. Series of theoretical and experimental tests were carried out for improving J-PARC linac output beam for mitigating beam loss at injection to RCS.
 
12:50 - 14:50 
SAP013
p.472
J-PARC MRにおける八極電磁石および電源
Octupole Magnets and Power Supplies in J-PARC MR

○五十嵐 進,Fan Kuanjun,染谷 宏彦(高エネルギー研)
○Susumu Igarashi, Kuanjun Fan, Hirohiko Someya (KEK)
 
大強度陽子加速器施設(J-PARC)の主リング(MR)で発生するビーム不安定性を抑制するための八極電磁石およびその電源を製作した。八極電磁石は0.35 mm厚の積層鋼板によるもので、積層鋼板部の長さは200 mmとした。ボア直径は140 mmで、極の先端部での磁場が0.13 Tとなるように、コイル巻数を極あたり40ターンとして、最大電流45 Aを流すように3 mm × 10 mm の平角銅線を使用した。電源は、最大電流を5 msで立ち上げができるように最大出力電圧300 Vとした。電源について、電流リプル、および電流パターンについての出力電流の追従性について測定した。また、電磁石の磁場測定を行い、八極磁場の一様性、電流パターンについての磁場の追従性の測定を行った。
 
光源加速器 (8月9日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SAP014
p.475
蓄積リングレーザーCompton散乱ガンマ線による利用研究
Application Study by Laser Compton Scattering Gamma-ray Beam Source on Storage Ring

○宮本 修治,天野 壯,橋本 智,武元 亮頼,山口 将志,小高 拓也,南山 康人,寺澤 倫孝,坂井 信彦(兵庫県立大学 高度産業科学技術研究所),小泉 昭久(兵庫県立大学 物質理学研究科),宇都宮 弘章,山県 民穂,秋宗 秀俊(甲南大学 物理),嶋 達志,高久 圭二(大阪大学 核物理研究センター),堀 史説,岩瀬 彰宏(大阪府立大学 工学研究科),浅野 芳裕(理化学研究所),大熊 春夫(高輝度光科学研究センター)
○Shuji Miyamoto, Sho Amano, Satoshi Hashimoto, Akinori Takemoto, Masashi Yamaguchi, Takuya Kodaka, Yasuhito Minamiyama, Mititaka Terasawa, Nobuhiko Sakai (LASTI, University of Hyogo), Akihisa Koizumi (School of Material Science, University of Hyogo), Hiroaki Utsunomiya, Tamio Yamagata, Hidetoshi Akimune (Konan University), Tatsushi Shima, Keiji Takahisa (RCNP, Osaka University), Fuminobu Hori, Akihiro Iwase (Osaka Prefecture University), Yoshihiro Asano (RIKEN), Haruo Ohkuma (JASRI)
 
ニュースバル放射光施設の電子蓄積リングの、レーザーCompton散乱(LCS)ガンマ線ビームラインにおいて1-76MeVのガンマ線ビームを用いて以下の実験を行った。(1)ガンマ線による蓄積電子ビームエネルギーの校正、(2)陽電子による材料ボイド欠陥の非破壊検査、(3)ガンマ線偏光測定法の試験と磁気コンプトン散乱の評価。 (1)では、CO2レーザーを用いて、電子ビームエネルギー公称値をEn=550-974MeVに変化させた時に発生するLCSガンマ線を、HP-Ge検出器で測定した。同位体チェッキングソースを用いることで、電子エネルギーを高精度で評価できた。電子エネルギー公称値Enを、LCSガンマ線で測定した値で、校正することが出来た。 (2)では、Nsレーザーと1GeV電子により、17MeV程度のγ線ビームを発生し、鉛の1-5mm厚さのターゲットで、対生成陽電子を発生する。磁場で切り出し8MeV程度の陽電子をサンプルに照射する。対消滅ガンマ線スペクトルから、サンプルのボイド欠陥を評価した。疲労金属サンプルで、欠陥が増えている様子を観測することが出来た。 (3)は、CO2レーザーを用い、これを1/4波長板で円偏光にして、円偏光ガンマ線を発生する。円偏光ガンマ線と磁化した鉄の4d軌道の偏極電子との平行・反平行によるコンプトン散乱確率の違いを利用して、磁化を評価する手法を試験した。統計精度を上げるための改善を行っている。
 
12:50 - 14:50 
SAP015
p.479
超短パルスレーザーを利用したTHz-FELの特性評価と高度化
Characterization and Development of THz-FEL by Using Femtosecond Laser

○川瀬 啓悟,加藤 龍好,入澤 明典,藤本 将輝,矢口 雅貴,船越 壮亮,堤 亮太,宮崎 数磨,磯山 悟朗(阪大産研)
○Keigo Kawase, Ryukou Kato, Akinori Irizawa, Masaki Fujimoto, Masaki Yaguchi, Sousuke Funakoshi, Ryouta Tsutsumi, Kazuma Miyazaki, Goro Isoyama (ISIR, Osaka Univ.)
 
阪大産研ではLバンド電子ライナックを用いて、高強度のTHz-FELを発生させている。ここで発生させたTHz-FELパルスの時間的特性を評価するために、チタンサファイアレーザー発振器を利用し、クロスコリレーション法によるTHzパルス幅の計測を計画している。また、本研究で利用するチタンサファイアレーザーシステムには再生増幅器も有しており、これを用いてTHz-FELのパルス列からの単一パルスの取り出しも計画している。本発表では、これら研究についての現状を報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP016
p.483
Development of a compact THz-FEL system at Kyoto University
○Sikharin Suphakul, Tsugamura Yusuke, Zen Heishun, Masuda Kai, Kii Toshoteru, Ohgaki Hideaki (Institute of Advanced Energy, Kyoto University)
 
A development of a compact terahertz (THz) radiation source by free-electron lasers (FEL) at the Institute of Advanced Energy, Kyoto University is ongoing. The system consists of a photocathode RF-gun, a focusing solenoid, a magnetic bunch compressor, a focusing quadrupole and an undulator. The system is designed to be simple, economical and compact which aim to use for scientific researches or industrial applications. The total length of the system is less than 5 m. The radiations are generated by ultra-short and intense electron pulses which are injected to a short undulator. Interactions between electron pulse and optical field are analyzed by 1-D FEL equations. A tracking simulation and optimization are performed by using PARMELA and General Particle Tracer (GPT) code.
 
12:50 - 14:50 
SAP017
p.487
あいちSRにおけるLOCO
Linear Optics from Closed Orbits for Aichi-SR Storage Ring

○高野 琢,山本 尚人,保坂 将人,真野 篤志,高嶋 圭史(名大SR),加藤 政博(分子研UVSOL)
○Takumi Takano, Naoto Yamamoto, Masahito Hosaka, Atsushi Mano, Yoshihumi Takashima (Nagoya Univ. SR Center), Masahiro Katoh (UVSOL)
 
あいちシンクロトロン光センター(以下、あいちSRと略す)では、平成25年3月よりユーザ供用が開始され、現在営業運転が行われている。今後、長期にわたる安定的な施設運用を目指して行くうえで、現状における光源加速器の各種光学パラメータを把握しておくことはビーム性能の向上を図る上で、また装置保守の面からしても必要不可欠である。 本研究では、あいちSRの蓄積リングにおけるレスポンスマトリクス測定に基づく線形光学補正(LOCO)により、各種ツイスパラメータおよび各種電磁石(超伝導偏向電磁石・常伝導偏向電磁石・4極電磁石)の有効磁場に関するパラメータなどの最適化を行った。 レスポンスマトリクス測定は、リング周上16箇所に配置されたステアリング電磁石によるCODを32箇所のBPMで測定することにより行った。得られたマトリクスに対し、各種電磁石の製造時点における磁場強度測定結果を始点として、LOCO計算によりパラメータの最適化を行った。ここで、レスポンスマトリクス測定からLOCOによる各種パラメータの最適化までを全てLabVIEWを用いて行っている。 LOCOによりパラメータ最適化を行った結果、ツイスパラメータにおいては実測によるチューン値をほぼ再現する結果が得られ、有効な最適化が行われたと考えている。本発表では、LOCOにおける計算およびプログラム、並びに各種パラメータ最適化の結果についてそれぞれ詳細を報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP018
p.492
コンパクトERLにおけるビームロスの研究
Beam loss studies for the KEK compact ERL

○Konstantinova Olga,中村 典雄,島田 美帆,原田 健太郎,梅森 健成,阪井 寛志,古屋 貴章,Cenni Enrico(高エネルギー加速器研究機構)
○Olga Konstantinova, Norio Nakamura, Miho Shimada, Kentaro Harada, Kensei Umemori, Hiroshi Sakai, Takaaki Furuya, Enrico Cenni (KEK)
 
KEKでコミッショニング中のコンパクトERL(cERL)に対して、Touschek散乱、残留ガス散乱及び主加速空洞のフィールドエミッションによるビーム損失の研究を行った。ビーム損失量の評価を実行するために、シミュレーションコードであるELEGANTと開発したサブルーチンを使用した。また、プログラムから出力される大量の情報を処理するためにMATLABデータ解析アルゴリズムも開発した。計算結果は、解析的な式からの結果と比較し、矛盾のないことを確認した。今回の研究は、cERLのみならず将来のERL光源でのビーム損失の評価と対策につながるものと期待できる。
 
12:50 - 14:50 
SAP019
p.496
高繰り返しシード型自由電子レーザーのためのレーザーエネルギー変調器
A laser based energy modulator for high repetition rate seeded FEL

○本田 洋介(KEK)
○Yosuke Honda (KEK)
 
近年、短パルスのモードロックレーザーを光共振器に蓄積することで、高ピーク強度で高繰り返しのレーザー電場を実現することが出来るようになっている。ビームに直接エネルギー変調を与えるのに十分な電場が得られる事から、これを高繰り返しFELのシードとして利用することを検討する。
 
12:50 - 14:50 
SAP020
p.500
アンジュレータ量産化に対応する磁場調整の試み
New Field Correction Scheme for Undulator Mass Production

○長谷川 照晃,田中 隆次(理化学研究所 放射光科学総合研究センター),鏡畑 暁裕(高輝度光科学研究センター)
○Teruaki Hasegawa, Takashi Tanaka (RIKEN SPring-8 Center), Akihiro Kagamihata (JASRI)
 
SACLAでは、電子ビームを複数ビームラインに振り分け、複数ユーザーによる硬エックス線レーザーの利用実験を目指している。今年度は、新たにビームライン2を増設し、真空封止アンジュレータを18台設置する。これには、昨年製造した18台分のアンジュレータ架台に磁石列を構築し、真空機器等を組み上げる必要がある。夏期停止期間中に可能な限り多数のアンジュレータを設置するため、その量産に適した新たな磁場調整手法を試みた。本手法では、磁石ユニットの交換や反転による従来の磁場調整手法で磁石列を完成した後、一旦架台から取り外し、他の場所に仮置きしてある別の架台に設置することでアンジュレータとして完成する。一方、磁場測定ベンチに設置された架台は、最初にアラインメントした後は一切動かさず、磁石列のみを交換する。これより、約12tある架台の移動とその都度生じるアライメント作業を省略し、大幅な工期短縮を図った。この方法は、磁石列を調整した架台と組み上げる架台が異なるため、磁場性能の劣化が懸念される。真空槽に磁磁石列を移設したあと、SAFALI(その場磁場測定システム)による最終的な磁場測定と再調整を行うことで、必要な磁場性能を達成した。本稿では、アンジュレータ量産化に対応する磁場調整の試みと調整過程で生じた問題について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP021

あいちSRのビーム不安定性およびビーム損失の観測と解析
Observation and analysis of beam instability and beam loss at AichiSR storage ring
○保坂 将人,山本 尚人,高野 琢,真野 篤,高嶋 圭史(名大SRセンター),加藤 政博(分子研UVSOR)
○Masahito Hosaka, Naoto Yamamoto, Takumi Takano, Atushi Mano, Yoshifumi Takashima (NUSR), Masahiro Katoh (UVSOR)
 
あいちSRでは2013年3月の供用開始以来、順調に300 mAトップアップのユーザー利用が行われている。現在、残された問題としてビーム不安定性および突然のビーム損失が挙げられる。 コミッショニング時において水平、鉛直、および縦方向にビームがそれぞれの振動数で集団的に自励振動することが観測されていた。水平および鉛直方向の不安定性は色収差補正用の6極電磁石の励磁を強めることで抑制することに成功している。一方、ビームの縦方向の集団的振動はRF加速空洞の温度調整によって制御しているが、完全に抑制するに至っていない。また、Apple-IIアンジュレータを円偏光モードで最小ギャップ(24 mm)付近で動作させた場合は水平方向の集団的な自励振動が強まり、完全抑制することはできていない。 蓄積ビームの突然の損失は1週間のうちに数回程度の頻度で起こっている。この現象はダストトラップである可能性が高く、それを念頭において調査を進めている。 あいちSRのビーム不安定性およびビーム損失の観測と解析の最新の状況について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP022
p.504
Multi-bendラティスを採用したトーラス結び目型小型超低エミッタンス放射光源リング
Torus-knot Type Ultra-Low Emittance SR Ring with Multi-bend Lattice

○宮本 篤,佐々木 茂美(広大放射光センター)
○Atsushi Miyamoto, Shigemi Sasaki (HSRC, Hiroshima Univ.)
 
我々は現在、広島大学放射光科学研究センターの将来計画HiSOR-IIの光源リングへ、先頃提案した非常に小型でありながら長い周長を持ち直線部を多く持つトーラス結び目型蓄積リングを適用した設計を進めている。このリングは、直径が15m程度でありながら、3.6mの長直線部を11本も有し、軌道長は約130mとこれまでの小型リングでは達成できない特徴を持っている。 VUV領域の10 eV程度の回折限界光に要求されるエミッタンスは約10 nmradであり、トーラス結び目型蓄積リングにmulti-bendラティスを採用することで、いわゆる回折限界リングの実現も可能と考えられる。発表では、HiSOR-IIに向けたこのリングの具体的な光源の仕様と性能について発表する。
 
12:50 - 14:50 
SAP023
p.507
7.7 pC/bunch電子ビームのcompact ERL周回部輸送
Transportation of 7.7 pC/bunch electron beam in compact ERL recirculation loop

○宮島 司,本田 洋介,島田 美帆,原田 健太郎,中村 典雄,帯名 崇,高井 良太(高エネ研),西森 信行,永井 良治(原研),山本 将博,金 秀光,内山 隆司,梅森 健成,阪井 寛志,三浦 孝子,上田 明,久米 達哉,濁川 和幸,野上 隆史,Qiu Feng,塩屋 達郎,高橋 毅,田中 織雅,坂中 章悟(高エネ研),羽島 良一(原研),Hwang Ji-Gwang(KNU, Korea)
○Tsukasa Miyajima, Yosuke Honda, Miho Shimada, Kentaro Harada, Norio Nakamura, Takashi Obina, Ryota Takai (KEK), Nobuyuki Nishimori, Ryoji Nagai (JAEA), Masahiro Yamamoto, Xiuguang Jin, Takashi Uchiyama, Kensei Umemori, Hiroshi Sakai, Takako Miura, Akira Ueda, Tatsuya Kume, Kazuyuki Nigorikawa, Takashi Nogami, Feng Qiu, Tatsuro Shioya, Takeshi Takahashi, Olga Tanaka, Shogo Sakanaka (KEK), Ryoichi Hajima (JAEA), Ji-gwang Hwang (KNU, Korea)
 
2013年よりビーム運転の開始されたcompact ERL (cERL)加速器では、大電流(最終目標は100 mA)、大バンチ電荷(最大77 pC/bunch)、低エミッタンス(少なくとも< 1 mm mrad)の電子ビームを生成・加速し、電子ビームを利用する位置(放射光の光源点やレーザーコンプトン散乱の衝突点)まで品質を保持してビームする輸送ことが目標の一つである。これまでの試験では、最大6.5 μAの平均ビーム電流で、空間電荷効果の効かないバンチ電荷(数fC/bunch〜数10 fC/bunch)での周回部輸送・エネルギー回収に成功している。2014年5月から6月に予定されているビーム運転では、空間電荷効果の影響を調べるために、ビームの繰り返しをマクロパルス構造として、平均電流を上げずにバンチ電荷を高めて7.7 pC/bunchのビームを生成し、周回部までの輸送試験を行う予定である。本発表では、7.7 pC/bunchビーム輸送試験の進捗について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP024
p.512
ビーム輸送系電磁石の漏洩磁場によるビーム軌道変動
Beam orbit variation at SAGA-LS storage ring caused by stray fields of transport magnets

○金安 達夫,高林 雄一,岩崎 能尊,江田 茂(九州シンクロトロン光研究センター)
○Tatsuo Kaneyasu, Yuichi Takabayashi, Yoshitaka Iwasaki, Shigeru Koda (SAGA-LS)
 
 SAGA-LS電子蓄積リングでは運転開始以来,突発的なビーム軌道の変動が発生していた.軌道変動は蓄積リング全周に渡って発生しており,最大変位量は水平方向で40ミクロン程度,垂直方向は20ミクロン程度であった.変位量は電子ビームサイズに比べて小さく放射光利用上の問題は生じていなかったが,軌道変動の対処は必要と判断し,原因調査と対策に取り組んだ.軌道変位の分布には再現性があり,単一の不整ダイポールキックを仮定した計算により変位分布は良く再現された.さらに発生タイミングに規則性が存在したことから,特定の機器の動作によって軌道変動が生じると推定した.蓄積リング真空槽の変形やステアリング電磁石の動作不良などを順次調査した結果,リニアックから蓄積リングへのビーム輸送系電磁石の漏洩磁場がビーム軌道変動の要因と判明した.対策としては微弱な漏洩磁場の抑制ではなく,加速器運転手順の改善で対応することとした.現在は蓄積リングへのビーム入射後,軌道補正を行う前に輸送系電磁石をシャットダウンしており,漏洩磁場による軌道変動は抑止されている.
 
ビームダイナミクス・加速器理論 (8月9日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SAP025
p.516
Linear Focal Cherenkov-ring Camera for Direct Longitudinal Phase Space Measurements
○Anusorn Lueangaramwong, Fujio Hinode, Shigeru Kashiwagi, Toshiya Muto, Ikurou Nagasawa, Satoru Nagasawa, Ken'ichi Nanbu, Yoshinobu Shibasaki, Ken Takahashi, Kayoko Yanagi, Hiroyuki Hama (Electron Light Science Centre, Tohoku University)
 
A test accelerator for the coherent THz source (t-ACTS) has been constructed at Tohoku University, in which the generation of intense coherent THz radiation from sub-picosecond electron bunches will be demonstrated. The distribution in the longitudinal phase space extracted from an electron gun is crucial to achieve extremely short electron bunches. For relatively low electron energy, to avoid a space charge effect during measurement is required. Employing velocity dependence of the opening angle of Cherenkov radiation, combined use of a streak camera and a "turtle-back" mirror which resolves and confines the Cherenkov light with different opening angle onto a line may allow us to observe the longitudinal phase space distribution directly. Energy resolution can be improved by the "4f" imaging system consisted of two off-axis parabolic cylinder mirrors, and more practical experimental setup has been investigated. The sufficient energy and time resolution was derived by the numerical ray tracing. The current status of this development will be presented.
 
12:50 - 14:50 
SAP027
p.520
SuperKEKB入射器におけるエミッタンス保存
EMITTANCE PRESERVATION IN SUPERKEKB INJECTOR

○風間 慎吾,杉本 寛,佐藤 政則,吉田 光宏,小川 雄二郎(高エネルギー加速器研究機構)
○Shingo Kazama, Hiroshi Sugimoto, Masanori Satoh, Mitsuhiro Yoshida, Yujiro Ogawa (KEK)
 
現在、KEKではSuperKEKBに向けた加速器全体のアップグレードが行われている。SuperKEKBでは、KEKBの40倍という非常に高いルミノシティを達成するために、低エミッタンス化によるダイナミックアパーチャーの減少とビーム寿命の減少が起こる。これに対応するため、電子陽電子入射器は高電荷・低エミッタンス化が求められており、 電子ビームは電荷5 nC、水平/垂直方向エミッタンス50/20 mm-mrad、陽電子ビームは4 nC、100/20 mm-mradが要求性能となっている。電子源をフォトカソードRF 電子銃に改造し、陽電子源にはダンピングリングの設置を行うことで、初期エミッタンスの改善は可能であるが、 加速管からのウェークフィールドや四重極磁石のミスアライメントなどによりエミッタンスは悪化する。本発表では、初期オフセット用いたウェーク場の補正やバンチ圧縮等のエミッタンスを保存するための方法や、 ワイヤースキャナーやQスキャン法を用いたエミッタンス測定の現状、さらには入射器アライメントの現状を報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP028
p.524
二種類の周波数領域の高周波を用いる新たな遅いビーム取り出し法
An advanced method for slow extraction with dual band RF voltage

○西内 秀晶((株)日立製作所 日立研究所),平本 和夫((株)日立製作所 研究開発グループ),えび名 風太郎((株)日立製作所 日立研究所)
○Hideaki Nishiuchi (Hitachi Research Laboratory, Hitachi, Ltd.), Kazuo Hiramoto (Research & Development Group, Hitachi, Ltd.), Futaro Ebina (Hitachi Research Laboratory, Hitachi, Ltd.)
 
ベータトロン振動の非線形共鳴を用いるイオンシンクロトロンの新たな遅いビーム取り出し法として、“Dual-Step RF Extraction法(DS-RF法)”を提案する。DS-RF法では、二種類の周波数領域の高周波電圧を用い、それぞれ独立に制御する。二種類の周波数領域のうち、共鳴に近い側の周波数を持つ高周波電圧(取り出し用高周波)により、ベータトロン振動の振幅を増加させることでセパラトリックスを越えさせ、シンクロトロンからビームを取り出す。この際、共鳴から離れた側の周波数領域の高周波電圧(拡散用高周波)を合わせてビームに印加する。この拡散用高周波電圧により周回ビームがセパラトリックス内で拡散し、セパラトリックス近傍に拡散されたビームが取り出し用高周波でシンクロトロン外に取り出される。このような二種類の周波数領域の高周波電圧各々を制御することで取り出しビーム電流制御範囲を広げることが可能となる。本発表では、DS-RF法の原理と、多粒子ビームシミュレーション結果より本取り出し法の特徴を示す。
 
12:50 - 14:50 
SAP029
p.529
次世代高温超伝導サイクロトロンのための入射システムの設計
Design of Injection System for Next Generation High Temperature Superconducting Cyclotron

○鎌倉 恵太,畑中 吉治,福田 光宏,依田 哲彦,植田 浩史,森信 俊平,齋藤 高嶺,永山 啓一,田村 仁志,安田 裕介,盛田 義弥,山根 浩義(大阪大学RCNP)
○Keita Kamakura, Kichiji Hatanaka, Mitsuhiro Fukuda, Tetsuhiko Yorita, Hiroshi Ueda, Shunpei Morinobu, Takane Saito, Keiichi Nagayama, Hitoshi Tamura, Yusuke Yasuda, Yoshiya Morita, Hiroyoshi Yamane (RCNP, Osaka University)
 
我々は、次世代のサイクロトロンとして、高温超伝導電磁石を用いた小型でハイパワー(高エネルギーかつ大電流)な分離セクター型サイクロトロンを提案している。高温超伝導サイクロトロンは、その安定性の高さと運転コストの低さから、加速器駆動未臨界炉(ADSR)や粒子線癌治療への応用が期待される一方で、様々な解決すべき課題を残して未だ実現に至っていない。その第一歩として当センターサイクロトロン施設に、世界初となる高温超伝導サイクロトロンを、既存のK400リングサイクロトロンの入射器として開発・導入する計画が進められている。本計画は当施設におけるビームの大強度化に資するとともに、将来における次世代サイクロトロンの要素開発を行うものである。最も大きな課題となるのはメートル級の高温超伝導コイルの開発と、入射・引出効率の高い分離セクターサイクロトロンのための技術開発である。特に小型の分離セクター型サイクロトロンで大電流のビームを加速するためには、入射効率が重要課題となる。狭い中心領域で大電流のビームに対し十分な集束・バンチングを行うためには、空間電荷効果を取り入れた軌道計算による入射領域の設計を行う必要がある。現在ルンゲクッタ法による軌道計算コードの開発と有限要素法計算による新入射器のセクター電磁石の設計を進めている。今回はこの新入射器の設計に関して、これまでの研究成果をまとめて発表する。
 
粒子源 (8月9日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SAP030
p.532
高耐久NEAフォトカソードの研究
A study on robust NEA photocathode

○内田 和秀,栗木 雅夫,清宮 裕史(広大先端研)
○Kazuhide Uchida, Masao Kuriki, Yusi Seimiya (HU AdSM)
 
NEA(Negative Electron Affinity)-GaAsフォトカソードは、極低エミッタンスビーム生成、高い量子効率、偏極電子ビーム生成などの特長をもつ。そのため、偏極電子が必要な国際リニアコライダーILCや、Energy Recover Linac,自由電子レーザーといった次世代放射光源での利用が考えられている。GaAs表面にNEA状態を得るためには、Cs蒸着と酸素曝露を行って電気的二重層を作る必要がある。この表面状態は脆く、残留ガスの吸着やイオンバックボンバードメント(IBB)の効果により量子効率が指数的に減少する。本報告では高耐久なNEA電子源作製のためヘテロ接合モデルで説明されるようなNEA-GaAsの作製を試みた。このモデルでは、GaAs表面に適当なバンド構造を持つ半導体薄膜を形成し、GaAsの伝導帯よりも半導体薄膜-真空界面のエネルギー準位が低い状態を作ることで、NEA表面を得る。定性的に考えると表面の半導体薄膜が、ガス吸着やIBBに対してより安定であれば高耐久が期待できる。本報告ではCs-Te薄膜を候補物質として薄膜作製と電子引き出し実験を行った。2011年Sugiyama氏らの報告では、GaAs上にCsTeを蒸着した物質がNEA状態を作っている可能性が指摘されている。我々の実験においてもGaAsバンドギャップ付近で2%程度の量子効率が得られNEA状態を示唆する結果が得られている。量子効率の基板温度依存性と、成膜中でのスペクトルの時間変化の結果、成膜後の寿命特性について詳しく報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP031
p.536
背面照射型透明超伝導マルチアルカリフォトカソードの初期エミッタンス測定
Initial emittance mesurement of back-illuminated multi-alkali photocathode with transparent superconductor

○稲垣 瞭(名大院工),許斐 太郎,禿氏 徹成,加藤 政博(分子研 UVSOR),加古 永治,山口 誠也,小林 幸則(KEK),山本 尚人,保坂 将人,高嶋 圭史(名大),白木 将,一杉 太郎(東北大 WPI-AIMR)
○Ryo Inagaki (Nagoya Univ.), Taro Konomi, Tetsuzyou Tokushi, Masahiro Katoh (UVSOR, IMS), Eiji Kako, Seiya Yamaguchi, Yukinori Kobayashi (KEK), Naoto Yamamoto, Masato Hosaka, Yoshifumi Takashima (Nagoya Unv.), Susumu Shiraki, Taro Hitosugi (WPI-AIMR, Tohoku Unv.)
 
我々は次世代光源の候補として、1MHz程度の高いパルス繰り返しを持つライナックベースのFELを検討している。高い繰り返しを実現する為には、超伝導RF空洞とフォトカソードの組み合わせが最適であると考えており、現在透明超伝導体LiTi2O4を基板とした背面照射型のマルチアルカリフォトカソードの開発を進めている。基板に透明なLiTi2O4を用いることで背面からのレーザー近接照射を可能にすることで、より高品質な電子ビームを得ることができ、且つロンドン侵入長よりもLiTi2O4基板の厚さを厚くすることで空洞内部のRFの流出を防ぐことができると考えている。しかしながら、LiTi2O4は新しい材料であり特性が明らかでない為、我々は今までに放射光を用いたLiTi2O4の透過率や反射率の測定を行い、さらにSQUIDによる臨界磁場測定を行うことで基板としての性能を評価を進めている。又、LiTi2O4上にマルチアルカリK2CsSbを成膜した後、フォトカソードの基本的な特性である量子効率や初期エミッタンスの測定を行い、このフォトカソードの実用可能性の評価を進めている。 本発表では、LiTi2O4のSQUID測定の結果と室温と液体ヘリウム温度における初期エミッタンス測定の結果について報告する予定である。
 
12:50 - 14:50 
SAP032
p.540
ERL電子銃のための光陰極準備系の開発
Development of photocathode preparation system for ERL electron gun

○金 秀光,山本 将博,宮島 司,本田 洋介,内山 隆司(高エネルギー加速器研究機構)
○Xiuguang Jin, Masahiro Yamamoto, Tsukasa Miyazima, Yosuke Honda, Takashi Uchiyama (HIGH ENERGY ACCELERATOR RESEARCH ORGANIZATION)
 
エネルギー回収型リニアック(ERL)の電子銃は、短パルス・高繰り返しで 高輝度な電子ビーム(規格化エミッタンス 1 mm mrad 以下、平均電流10mA以上) を供給し続けることが要求されている。 短パルスかつ低エミッタンスビーム生成のためにGaAs型およびアルカリ金属系 薄膜の光陰極が使用されるが従来の熱電子源とくらべ寿命が短い問題がある。 これを克服するため、効率的に光陰極を作製し貯蔵できる装置の開発を進めている。 本報告では、EPICSによる光陰極準備系状態の可視化ならびに5月より開始 した光陰極の作製および貯蔵試験の速報について報告する予定である。
 
12:50 - 14:50 
SAP033
p.544
理研RILACのための新しい18-GHz ECRイオン源の導入
Installation of new 18-GHz ECR ion source for the RIKEN RILAC

○大関 和貴,日暮 祥英,中川 孝秀(理研仁科センター)
○Kazutaka Ozeki, Yoshihide Higurashi, Takahide Nakagawa (RIKEN Nishina Center)
 
理研仁科加速器研究センターでは、RIBFやGARIS, GARIS-IIで行われる実験へのビーム供給の効率を上げることを目的として、線形加速器RILACに大強度多価重イオンビームを供給するための新しい18-GHz ECRイオン源の導入が進められている。 イオン源を併設することにより、実験期間中においても新しいビーム、特に超重元素探索実験を行う上で必要となるビームの開発を可能にすることも意図するものである。 今回設置された新しいイオン源は、理研で開発された18-GHz ECRイオン源の持つ 性能を生かしつつ、以下のような新たな特徴を持つ。 1)ミラー磁場を生成するソレノイドコイルが3個あるため、Bmin(ミラー磁場の最小値)を最適値に固定したまま、Bext(ビーム引き出し側のミラー磁場強度)を変化させることが可能である。このため比較的軽いイオンから重いイオンまで、生成に最適な磁場分布が形成できる。 2)連続的に周波数可変なRF電源(17.2-18.4 GHz)を使用し、プラズマチェンバーサイズに最適な周波数帯を選択できるためビーム強度の更なる増強が見込まれる。 イオン源自体の設置は2014年3月に完了した。今後は、実際に稼働させるための電源や冷却水の整備、ビーム開発のための診断系の設置等を進めていく予定である。
 
12:50 - 14:50 
SAP034
p.548
クライオ光陰極高周波電子銃用試験空洞の高周波特性
Characteristics of Test Cavity for Cryogenic Photocathode RF-gun

○境 武志,田中 俊成,中尾 圭佐,野上 杏子,稲垣 学,高塚 健人,長島 涼子(日大LEBRA),高富 俊和,福田 将史(高エネ研),新冨 孝和(日大院総合科学研究科),浦川 順治,吉田 光宏(高エネ研),早川 建,早川 恭史(日大LEBRA)
○Takeshi Sakai, Toshinari Tanaka, Keisuke Nakao, Kyoko Nogami, Manabu Inagaki, Kento Takatuka, Kyoko Nagashima (LEBRA, Nihon University), Toshikazu Takatomi, Masafumi Fukuda (KEK), Takakazu Shintomi (ARISH, Nihon University), Junji Urakawa, Mituhiro Yoshida (KEK), Ken Hayakawa, Yasushi Hayakawa (LEBRA, Nihon University)
 
日本大学では、文部科学省 平成25年度「光・量子融合連携研究開発プログラム」の「光・量子ビーム技術の融合・連携促進のための基盤技術開発」の助成を受けて、20K程度まで冷却した高純度の銅による低損失常伝導高周波空洞を用いた高周波電子銃の開発を行っている。熱損失を抑制することで、高効率大電力加速電場の発生により連続運転可能な光陰極高周波電子銃を目指している。高周波源の入手性、試験空洞の設計の容易さからC バンド(5712 MHz)動作の空洞製作を行っている。キャビティ構造としては2.6 セルのπモード空洞について検討を行っている。SUPERFISH によるシミュレーションによって空洞形状の最適化を行い、これに基づいて高純度銅による冷却高周波空洞の特性を考慮し、ビーム加速シミュレーションをGPT を用いて行っている。20 K における温度特性、低電力高周波特性測定を行うための試作空洞の製作をKEKで行い、低電力試験を行った。低電力試験の結果、空洞加工後の初期の測定結果から、チューナー構造なしで、予定周波数5712MHzに近い共振周波数が得られ、ビーズプル法による電界分布測定結果は、ほぼ計算通りの電界が得られていることを確認した。本発表では、シミュレーション及び測定結果に関して報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP035
p.552
高出力高強度Ybレーザーを使ったレーザーイオン源の開発
Development of Laser Ion Source using High Power Yb laser

○澁谷 達則(東工大),吉田 光宏(高エネ研),林崎 規託(東工大)
○Tatsunori Shibuya (Tokyo Tech), Mitsuhiro Yoshida (KEK), Noriyosu Hayashizaki (Tokyo Tech)
 
重イオン加速器では,同じ加速電界であってもイオンビームの価数に比例して加速エネルギーが大きくなることから,重粒子線治療,慣性核融合,高エネルギー物理学の小型化には,従来よりも大強度で高価数のイオンを生成できるイオン源が必要である。代表的な多価重イオン源である電子サイクロトロン共鳴イオン源や電子ビームイオン源では,高価数のイオンを生成可能であるが,大強度ビームの生成は難しい。固体上にレーザーを集光することで高温高密度プラズマを生成できるレーザーイオン源は,大強度ビームを生成可能な重イオン源として近年着目されているが,高価数イオンの生成に関してはさらなる改良が望まれている。そこで本研究では,レーザーイオン源による高価数イオンの生成に挑戦しており,高価数化に重要な役割を果たす種々のプラズマの吸収過程を誘起するために,パルス幅500fs,出力10J,集光強度1018W/cm2,繰り返し50Hzを目標として,高出力・高強度・高繰り返しを実現できるYbレーザーの開発をおこなっている。本発表では,その開発状況と,炭素やタンタルをターゲットとしたレーザー照射試験の結果について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP036
p.555
500kV DC電子銃2号機の高電圧印加試験
High voltage test of 2nd 500 kV DC-gun for ERL

○山本 将博,内山 隆司,宮島 司,本田 洋介,金 秀光,小林 正典(高エ研),西森 信行,永井 良治,羽島 良一(原子力機構),栗木 雅夫(広島大),桑原 真人(名古屋大),栗巣 普揮(山口大)
○Masahiro Yamamoto, Takashi Uchiyama, Tsukasa Miyajima, Yosuke Honda, Xiuguang Jin, Masahori Kobayashi (KEK), Nobuyuki Nishimori, Ryoji Nagai, Ryouichi Hajima (JAEA), Masao Kuriki (Hiroshima Univ.), Makoto Kuwahara (Nagoya Univ.), Hiroki Kurisu (Yamaguchi Univ.)
 
エネルギー回収型ライナック(ERL)用の500kV DC電子銃2号機の開発を2009年より進めている。 昨年の本学会にて高電圧電源−電子銃接続部でコロナ放電が発生し、電子銃へ印加できる電圧が制限された問題を報告したが、その後の接続部構造の改良によりコロナ放電の発生は無くなり、最大510kVまで電子銃のエージングを実施した。また、電子銃に主排気系(NEGおよびベーカブルクライオポンプ)を実装し、およそ4E-10 Paの極高真空が得られることを確認した。本報告では、現在試験準備中の極高真空下の高電圧試験を含め、試験の詳細について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP037
p.560
レーザーイオン源のためのグラファイト結晶レーザープラズマの分析
Analysis of laser plasma from graphite single crystal for laser ion source

○不破 康裕(京大化研、理研),池田 峻輔(東工大、理研),熊木 雅史(早稲田大、理研),金末 猛,岡村 昌宏(BNL),岩下 芳久(京大化研)
○Yasuhiro Fuwa (KUICR, RIKEN), Shunsuke Ikeda (TITech, RIKEN), Masafumi Kumaki (Waseda-U, RIKEN), Takeshi Kanesue, Masahiro Okamura (BNL), Yoshihisa Iwashita (KUICR)
 
レーザーイオン源は大強度かつ高価数のイオンを生成可能であり、この特性を生かした医療用加速器等の入射器としての応用が期待されている。レーザーイオン源では、レーザーとターゲットの相互作用により発生するレーザープラズマを、引き出し電極までドリフトさせ、電場でイオンを引き出すことによりイオンビームを生成している。そのため、レーザーイオン源から得られるイオンビームの電流・イオン価数・パルス幅はレーザープラズマの発生時の特性に大きく依存する。しかしながら、現状ではレーザープラズマの発生過程は完全には理解されているとは言えず、ターゲット材に要求される材料特性は十分議論されているとはいえない。  本研究では、大強度かつ高価数の炭素イオン源の開発を目指しレーザープラズマ中のイオンの特性を分析している。この発表では、結晶性グラファイトをターゲット材として用い、レーザープラズマ中のイオンの価数分布等を分析し、大強度かつ高価数の炭素イオンビーム生成の可能性を検討する。
 
12:50 - 14:50 
SAP038
p.564
CバンドRF電子銃を用いた針葉樹型カーボンナノ構造体カソードの電界放出電流の測定
Measurement of field emission current from a coniferous-tree-type carbon nanostructure cathode by using a C-band RF gun

○平 義隆,加藤 英俊,黒田 隆之助,豊川 弘之(産総研)
○Yoshitaka Taira, Hidetoshi Kato, Ryunosuke Kuroda, Hiroyuki Toyokawa (AIST)
 
産総研では、テーブルトップサイズの高エネルギーX線、テラヘルツ光源のためのCバンドRF電子銃の開発を行っている。電子源には針葉樹型カーボンナノ構造体(Coniferous-tree-type Carbon NanoStructure: CCNS)を使用する。CCNSは金属基板上に針葉樹型のカーボン構造体が多数生えた森のような形状をしており、1本1本の樹状構造体の先端には、ナノメートルサイズの針状炭素が突き出ている。この先端部に高周波電界が集中することで電界放出によって電子が発生する。CCNSの先端部は、根元ほど太い形状をしているため、強電界によって先端の細い部分が破壊されても、残存しているCCNSは強電界への耐性が高い。CCNSを用いることで外部レーザー等を必要とせずに電子を発生、加速できるので装置の小型化に大きく寄与する。本研究では、CCNSを実装したCバンドRF電子銃に周波数5.3 GHz、ピークパワー300 kWの高周波を投入し、電界放出特性や電界増倍係数の評価の他、電子ビームエネルギーの測定を行う。
 
高周波加速空洞 (8月9日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SAP039
p.568
中速域二重周期LサポートDAW
Biperiodic L-support DAW for Medium Beta

○岩下 芳久(京大化研),大谷 将士,三部 勉(高エネ素核研),吉田 光宏(高エ研加速器),斉藤 直人(高エネ素核研)
○Yoshihisa Iwashita (Kyoto Univ.), Masashi Otani, Tsutomu Mibe (KEK, IPNS), Mitsuhiro Yoshida (KEK, Acc), Naoto Saito (KEK, IPNS)
 
ミュオンのg−2測定が計画されている。ここでは、陽子ビームを標的に当てた際に発生するパイオンを親とする、比較的エネルギーの揃った表面ミュオンをビームとして集めてから、これを物質中で停止させる。物質内部で電子を捕獲して中性になった熱エネルギー程度のミュオニウムは物質表面から真空中に放出されるが、ミュオニウムの解離エネルギーに相当する波長のレーザーを当てることにより、超低速ミュオンとして単離する。このミュオンを一から加速することにより、低エミッタンスのミュオンビームを生成することが出来る。これを一様磁場の掛かった専用の検出器内に入れることにより、先のg−2測定を可能にする。ここでは、ミュオン加速の中速域に適用可能な二重周期LサポートDAW型加速構造の設計について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP040
p.572
C-bandバンチャー加速管の設計・製作
DEVELOPMENT OF A RELIABLE C-BAND ACCELERATOR

○金田 健一,中西 康介,山本 昌志,菅野 浩一,田辺 英二(株式会社エーイーティー),境 武志(日大量科研電子線利用研究施設)
○Kenichi Kaneta, Kousuke Nakanishi, Masashi Yamamoto, Koichi Kanno, Eiji Tanabe (AET Inc.), Takeshi Sakai (LEBRA, Nihon University)
 
株式会社トヤマの資金で行っているクライオ電子リニアック式小型コヒーレントX線発生装置開発プロジェクトの一環として日本大学殿からの依頼を受け,C-bandバンチャー加速管の設計・製作を行った.バンチャー加速管のRF入力カップラーの空洞長が短いため,機械的制約が多く製作上の問題が発生しやすい.さらに,このバンチャー加速管の外側にはソレノイドコイルを設置するため,導波管は極力短くする必要がある.前者の問題は,接合方法を単純化することにより機械的な干渉を減らすことで解決した.後者の課題に対しては,通常用いられるλ/2テーパーの代わりにλ/4ステップ導波管を採用することで,径方向に伸びる導波管を短縮化した.電場強度が高くなることが懸念されたが,テーパー導波管に比べて電場強度が大きく変わらないことがシミュレーションより得られた.カプラーセルの電磁場の非対称性は,カップリングアイリスの反対側を三日月型に加工することで解消した.これらのカップラーや加速セルのRF設計は,モデル空洞を製作することなく,すべて二次元/三次元のRFシミュレーションのみで行った.実際の製作では,最終加工工程で微小な周波数のチューニングのみを実施した.高精度のRFシミュレーションを実施したことで,製作工程が短縮するとともに,信頼性の高い加速管が完成した.電気特性は,位相誤差は0.4[deg.],周波数誤差は0.3[MHz],Q値は計算値の94.8[%]が得られた.
 
12:50 - 14:50 
SAP041
p.578
電子加速用超伝導スポーク空洞におけるマルチパクタ・シミュレーション
Multipactor simulations in superconducting spoke cavities

○久保 毅幸(KEK),チェンニ エンリコ(京大),羽島 良一(JAEA),岩下 芳久(京大),佐伯 学行(KEK),沢村 勝(JAEA),頓宮 拓(京大)
○Takayuki Kubo (KEK), Enrico Cenni (Kyoto University), Ryoichi Hajima (JAEA), Yoshihisa Iwashita (Kyoto University), Takayuki Saeki (KEK), Masaru Sawamura (JAEA), Hiromu Tongu (Kyoto University)
 
我々は、4Kで高電界加速運転可能な電子加速用325MHz超伝導スポーク空洞の開発を進めている。現在、電磁場シミュレーションによる空洞形状最適化の最終段階として、マルチパクタ・シミュレーションが進められており、その結果は空洞の最終形状に反映される予定である。本稿では、その現状について報告する。なお、本研究は、光・量子融合連携研究開発プログラム「小型加速器による小型高輝度X線源とイメージング基盤技術開発」の一部である。
 
12:50 - 14:50 
SAP042
p.582
STF2-CM2aクライオモジュール用9セル超伝導空洞の内面検査の結果
Inspection of inner surface in 9-cell SC cavities for STF2-CM2a cryomodule

○浅野 峰行,今田 信一,植木 竜一,柳町 太亮,山田 浩気(日本アドバンストテクノロジー),岡田 昭和(ケーバック),宍戸 寿郎,山本 康史,加古 永治(KEK)
○Mineyuki Asano, Shin-ichi Imada, Ryuichi Ueki, Taisuke Yanagimachi, Hiroki Yamada (NAT), Terukazu Okada (K-vac), Toshio Shishido, Yasuchika Yamamoto, Eiji Kako (KEK)
 
高エネルギー加速器研究機構STF(Superconducting RF Test Facility)棟においてSTF2加速器の建設を行っている。STF2-CM2aクライオモジュール用9セル超伝導空洞4台は、縦測定の前に内面検査用カメラ(京都カメラ)を使用して空洞内面の検査を行った。また、縦測定の結果により、クライオモジュールに内蔵するための空洞性能に達していない場合は、再度、内面検査を行い、縦測定時に判明した空洞の発熱箇所や、空洞性能を制限すると思われる箇所について、研磨を行った。本発表では、STF2-CM2aクライオモジュール用9セル超伝導空洞4台の内面検査の結果と空洞内研磨について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP043
p.586
cERL入射器クライオモジュールのビーム運転状況
Status of cERL injector cryomodule with beam operation

○山田 浩気,浅野 峰行,今田 信一,植木 竜一,柳町 太亮(日本アドバンストテクノロジー),岡田 昭和(ケーバック),宍戸 寿郎,山本 康史,加古 永治(KEK)
○Hiroki Yamada, Mineyuki Asano, Shin-ichi Imada, Ryuichi Ueki, Taisuke Yanagimachi (NAT), Terukazu Okada (K-vac), Toshio Shishido, Yasuchika Yamamoto, Eiji Kako (KEK)
 
高エネルギー加速器研究所(KEK)が開発を進めている35MeV-コンパクトエネルギー回収型ライナック(cERL)、今回はそのcERLの入射部である入射器空洞の運転状況について述べる。入射器空洞は超伝導加速空洞を採用し、RFパワーは連続波(CW)で入力する。ビーム加速に必要な高周波電力は高く100kW程度の高周波電力に耐えられるカップラーやHOMカップラー、また発熱もあるため冷却が必要となる。cERLでは入射部で10mAのビームを5MeV程度までの加速を目標としており、今回の運転では入射部の安定した加速が最大8時間運転できたのでその状況を述べる。
 
12:50 - 14:50 
SAP044
p.590
SuperKEKBにおけるアレス(ARES)空洞用入力結合器
Input Coupler for the ARES cavity in SuperKEKB

○影山 達也,吉野 一男,坂井 浩,阿部 哲郎,竹内 保直(KEK)
○Tatsuya Kageyama, Kazuo Yoshino, Hiroshi Sakai, Tetsuo Abe, Yasunao Takeuchi (KEK)
 
SuperKEKBの常伝導高周波加速空洞としては、先のKEKBでの大電流ビーム加速に実績を有するアレス空洞(RF周波数 509MHz)が再使用される。一方、空洞あたりのビームへの供給電力の増加に対応すべく、入力結合器については性能増強が必要となる。給電電力定格は750kWとなり、内訳は壁面電力150kW(空洞電圧 0.5MV)、ビーム電力600kWである。本論文では、当該入力結合器の開発・製造・電力試験、加えて其の過程で得られた知見、そして其れ等を反映した次期改良型について述べる。
 
12:50 - 14:50 
SAP045
p.595
KEK電子陽電子入射器の大口径Sバンド加速管
Large Aperture S-band Structures in KEK Injector Linac

○松本 修二,荒木田 是夫,池田 光男,柿原 和久,紙谷 琢哉,田中 窓香,肥後 寿泰,横山 和枝,Zang Lei(高エネ研)
○Shuji Matsumoto, Yoshio Arakida, Mitsuo Ikeda, Kazuhisa Kakihara, Takuya Kamitani, Madoka Tanaka, Toshiyasu Higo, Kazue Yokoyama, Lei Zang (KEK)
 
KEK電子陽電子入射器はsuperKEKB計画のための増強を行っている. 陽電子標的で発生した陽電子を効率よく捕獲するために、陽電子 システムはいくつか改良されている.標的で生成された陽電子ビ ームは横方向に広く分布をしているので、陽電子の捕獲効率を 上げるために標的直下流で陽電子ビーム初期加速する加速管は、 入射器で使われている通常のものよりも口径が大きなSバンド加 速管(LAS管:Large Aperture S-Band管)を使用する(全部で10台). LAS管を含む陽電子システム全体は、今春試運転運転を開始した. ここでは、LAS管のこれまでの運転状況を報告する.
 
12:50 - 14:50 
SAP046
p.599
ドリフトチューブ線形加速器の省電力化に関する要素技術開発(供
Component technology development for electric power saving with a drift-tube linac ()

○山本 和男,川崎 定博,安藤 保人(三菱電機株式会社)
○Kazuo Yamamoto, Sadahiro Kawasaki, Yasuto Ando (Mitsubishi Electric Corporation )
 
ドリフトチューブ線形加速器(以下、DTL)は、ハドロン加速器の低エネルギー部分に使用され、用途は研究用から産業用まで多岐にわたる。DTLを運転するには、ピークで数百kWの高周波電力量を必要とするため、電源システムの大容量化が課題である。高周波電力は、電極間に加速電界を発生させるために加速空洞へ供給され、その量は加速空洞での消費電力量と加速ビームによるローディング量で決まる。上記消費電力量は、加速空洞内の接触抵抗と表面抵抗による量である。加速空洞での表面抵抗による消費電力量を削減する開発 [Ref.1] とは別に、接触抵抗による消費電力量を削減するため、電圧分布と共振周波数を調整するための外部チューナを使用しない、チューナレス加速空洞の要素開発を実施している。今回、セル数24からなるDTLを試作し、加速空洞の内寸法を調整加工する手法により電圧分布と共振周波数を調整可能であることを実証した。また、測定されたQ値は、解析したQ値に対し90%以上と高い省電力性を示すことに成功した。 本発表では、上記チューナレス加速空洞の特徴と、内寸法調整加工手法および加速空洞特性結果について報告する。 [Ref.1] K. Yamamoto, et. al., “Component technology development for electric power saving with a drift-tube linac”, Proc. of the 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan, August 3-5, 2013, Nagoya, Japan.
 
12:50 - 14:50 
SAP047

Compact ERLにおける主加速部超伝導加速空洞の運転状況
Operation status of cERL main linac superconducting cavities
梅森 健成,江並 和宏,阪井 寛志,佐藤 昌史,篠江 憲治,古屋 貴章(KEK),○沢村 勝(JAEA)
Kensei Umemori, Kazuhiro Enami, Hiroshi Sakai, Masato Satoh, Kenji Shinoe, Takaaki Furuya (KEK), ○Masaru Sawamura (JAEA)
 
将来光源ERLの試作機であるCompact ERL(cERL)の建設が進み、2013年度より周回部でのビーム試験運転が開始された。主加速部では、9セル空洞2台により17MVのCW加速運転を行っている。また、10μA以下のビーム電流であるが、エネルギー回収に成功していることも確認された。ピエゾチューナーによる周波数調整ならびにデジタル制御系によるRFフィードバックの結果、加速電圧の振幅・位相に関しても十分な精度での運転が達成されており、安定なビーム運転が確立されている。主加速部で問題となっているのは、モジュールアセンブリに起因して発生したfield emissionによる放射線発生である。運転中のfield emissionの様子を詳細にモニターするとともに、field emission抑制のための対策も進めている。以上についての報告を行う。
 
12:50 - 14:50 
SAP048
p.602
STF2クライオモジュール用インプットカップラーのテストスタンドでの大電力試験
High power tests of input couplers at test-stand for STF2 cryomodule

○柳町 太亮,浅野 峰行,今田 信一,植木 竜一,山田 浩気(日本アドバンストテクノロジー),岡田 昭和(ケーバック),宍戸 寿郎,山本 康史,加古 永治(KEK)
○Taisuke Yanagimachi, Mineyuki Asano, Shin-ichi Imada, Ryuichi Ueki, Hiroki Yamada (NAT), Terukazu Okada (K-vac), Toshio Shishido, Yasuchika Yamamoto, Eiji Kako (KEK)
 
KEK-STFではILC仕様の試験設備を建設するSTF2計画が進められている。STF2クライオモジュールは9セル超伝導空洞12台から構成され各空洞にインプットカップラーが取り付けられる。インプットカップラーは空洞へ高周波電力を供給する重要なコンポーネントであり、事前に性能試験およびコンディショニングをすることが必要である。本報告では、STF2クライオモジュール用インプットカップラーにおいてクライストロンを用いたテストスタンドでの大電力試験について述べる。
 
12:50 - 14:50 
SAP050
p.605
SuperKEKB陽電子ダンピングリング用高周波加速空洞に関する試験結果
Test Results on RF Accelerating Cavities for the Positron Damping Ring at SuperKEKB

○阿部 哲郎,竹内 保直,影山 達也,坂井 浩,吉野 一男(高エネ研)
○Tetsuo Abe, Yasunao Takeuchi, Tatsuya Kageyama, Hiroshi Sakai, Kazuo Yoshino (KEK)
 
ナノビーム・スキームを基にするSuperKEKB主リングへの低エミッタンス・ビーム入射を実現するため、SuperKEKB入射器において陽電子ダンピングリングが建設された。当該ダンピングリングでは高周波加速構造として、KEKB加速器での長期安定運転に実績のある常伝導アレス(ARES)空洞系の高次モード減衰構造を基にして、限られたスペースにて最大3重連構成にて運転可能なUHF帯加速空洞を考案し、開発してきた。 前回の発表では、実機1号機空洞のRF性能、及び、その大電力試験の結果について報告した。今回は、実機2号機空洞に関する結果、及び、これまでの試験結果のまとめ・考察について発表する。
 
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SAP051
p.614
RCNPリングサイクロトロンのフラットトップ空洞電場解析と密同調システム改良
Analysis of the electric field and improvement of the fine tuner for FT cavity in the ring cyclotron in RCNP

○安田 裕介,畑中 吉治,福田 光宏,依田 哲彦,植田 浩史,斉藤 高嶺,森信 俊平,田村 仁志(大阪大学RCNP)
○Yusuke Yasuda, Kichiji Hatanaka, Mitsuhiro Fukuda, Tetsuhiko Yorita, Hiroshi Ueda, Takane Saito, Shunpei Morinobu, Hitoshi Tamura (RCNP, Osaka Univ.)
 
大阪大学核物理研究センター(RCNP)では、AVFサイクロトロンとリングサイクロトロンが稼働しており、陽子ではAVFサイクロトロンの単独運転で65MeV、さらにリングサイクロトロンの運転で400MeVまでビームを加速し、実験、照射を行っている。リングサイクロトロンには3台の加速空洞の他にフラットトップ(FT)空洞が設置され、3倍波(90〜155MHz)を用いた加速エネルギー補正によりΔE/E〜0.01%のエネルギー幅を実現している。このFT空洞では引出半径の外側に設置したに円柱ブロック型コンペセータを駆動して密同調を行っていたが、ブロックの位置によってインピーダンス変化の特性(L性およびC性)が変わってしまうことや補正周波数の可変域が狭いことから、立ち上げ時は安定な同調条件を得るために時間がかかり、運転中はその安定性に注意を払う必要があった。 2014年1月から3月にかけて、RCNPでは老朽化箇所の改修とビームの高強度化、高品質化に向けた加速器と入出射系の改良およびビームラインの新設工事などを行った。FT空洞は半径方向の電場分布形状を加速空洞のそれに合わせると共に、より安定かつ効率的な制御を行うことができるように、.轡隋璽犯弔量同調化、共振空洞内部の円柱ブロックの改造、L同調制御のPLC化などを行った。 本発表では、FT空洞改良に関する検討とその結果について報告する。
 
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SAP052
p.618
ERL超伝導スポーク空洞開発の現状
Status of ERL Superconducting Spoke Cavity Development

○沢村 勝,永井 良治,西森 信行,羽島 良一(原子力機構),岩下 芳久,藤澤 博,頓宮 拓(京大),久保 毅幸,佐伯 学行(高エネ研)
○Masaru Sawamura, Ryoji Nagai, Nobuyuki Nishimori, Ryoichi Hajima (JAEA), Yoshihisa Iwashita, Hiroshi Fijisawa, Hiromu Tongu (Kyoto University), Takayuki Kubo, Takayuki Saeki (KEK)
 
スポーク空洞は、空洞間隔を短くできることや、マイクロフォニックスによる空洞周波数の変動も小さいこと、セル間のカップリングが強く電界分布調整が容易なことなどERL加速器として用いる場合に利点が大きい。光・量子融合連携研究開発プログラム「小型加速器による小型高輝度X線源とイメージング基盤技術開発」における小型加速器の候補として4Kで高電界加速運転可能な325MHz超伝導スポーク空洞の開発を進めている。 これまで行ってきた空洞形状の最適化結果をもとに、空洞製作工程の検討を行っている。スポーク部分は形状が複雑であり、スプリングバック等による成型誤差等を考慮しながら金型設計を進めており、それらを含めスポーク空洞開発の現状について報告する。
 
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SAP053
p.621
金属磁性体コア(FT3L)を用いたRF空胴の開発
Development of the RF cavity with FT3L MA cores

○長谷川 豪志,大森 千広,戸田 信,原 圭吾,吉井 正人(KEK),島田 太平,田村 文彦,野村 昌弘,山本 昌亘(JAEA)
○Katsushi Hasegawa, Chihiro Ohmori, Makoto Toda, Keigo Hara, Masahito Yoshii (KEK), Taihei Shimada, Fumihiko Tamura, Masahiro Nomura, Masanobu Yamamoto (JAEA)
 
J-PARC MRでは、高繰り返しによるビーム増強計画が進められており、RF空胴にも現在の2倍の電圧(560kV)が求められている。この増強計画でRF空胴は、すべて新たに設計した空胴への置き換えを予定している。新型空胴では、従来の金属磁性体コア(FT3M)より高いインピーダンス特性を持ったコア(FT3L)を使用する。MRで使用する直径800mmの大型FT3Lコアは製造設備の問題からこれまで製造できていなかったが、J-PARCにおいて製造試験を行い大型FT3Lコアの製造を確認した。また2012年夏から6枚のコアをMRのRF空胴に装荷し、運転に使用できることも実証した。このFT3LコアはFT3Mコアより厚みが10mm程度薄く空胴全体の長さを短くできる為、従来のスペースにより多くの加速ギャップを配置することが可能となる。現在、FT3Lコアの量産化と空胴あたりのギャップ数を増やした新型空胴の開発を進めている。本発表では、新型空胴の現状と量産型FT3Lコアを用いた通電試験の結果、今後の予定について報告する。
 
高周波源 (8月9日 大会議室)
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SAP054
p.624
SuperKEKB入射器の高周波制御システム
RF CONTROL SYSTEM FOR SuperKEKB INJECTOR LINAC

○矢野 喜治,明本 光生,荒川 大,片桐 広明,邱 豊,設楽 哲夫,竹中 たてる,中尾 克己,中島 啓光,福田 茂樹,本間 博幸,松下 英樹,松本 利広,三浦 孝子,道園 真一郎(高エ研)
○Yoshiharu Yano, Mitsuo Akemoto, Dai Arakawa, Hiroaki Katagiri, Feng Qiu, Tetsuo Shidara, Tateru Takenaka, Katumi Nakao, Hiromitsu Nakajima, Shigeki Fukuda, Hiroyuki Honma, Hideki Matsushita, Toshihiro Matsumoto, Takako Miura, Shinichiro Michizono (KEK)
 
高エネルギー加速器研究機構の電子陽電子入射器は1982年にPFリングの電子入射器として稼働を開始した。その後1986年にTRISTANの電子陽電子入射器として、1998年にKEKBの電子陽電子入射器として増設と改造を進めてきた。現在は2015年に運転開始予定のSuperKEKBの電子陽電子入射器としての改造が進んでいる。この改造もPF、PF-ARリングへのビーム入射を継続しながら進めている。リング加速器の性能を充分に引き出すためにはPF、PF-AR、e-、e+の4リングへの電子及び陽電子の同時入射が求められる。またSuperKEKBにはエミッタンスの小さなビームを入射する必要がありそれらを実現するためRF電子銃、ダンピングリング等の導入が進んでいる。SuperKEKBが必要とするビームを加速するにはこれまで以上に高精度かつ高安定なRFが必要とされる。ここでは高周波電源60台分の制御系を旧システムからCPLDとFPGA及びタブレットPCを用いた新制御系への移行と、機能別のNIMモジュールで構成されたRF励振器をIQ変調器、IQ検出器、FPGAで構成した一体型の小型励振器への移行について報告する。またこれらの機器を安定的に維持するための検査治具についても報告する。
 
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SAP055
p.629
ILC用半導体マルクス電源
SOLID-STATE MARX GENERATOR FOR INTERNATIONAL LINEAR COLLIDER

○小笹 有輝,佐藤 祥,江 偉華,須貝 太一(長岡技術科学大学),徳地 明(パルスパワー技術研究所),明本 光生,中島 啓光(高エネルギー加速器研究機構)
○Yuki Kozasa, Sho Sato, Weihua Jiang, Taichi Sugai (Nagaoka University of Technology), Akira Tokuchi (Pulsed Power Japan Laboratory Ltd.), Mitsuo Akemoto, Hiromitsu Nakajima (High Energy Accelerator Research Organization (KEK))
 
現在、ILC(International Linear Collider)計画用のマルチビームクライストロン用電源が盛んに開発されている。この電源には-120kV(±0.5%), 140A, 1.7ms, 5ppsという高出力で長パルスの 出力が要求され、さらに電源の小型化、低コスト化、高信頼性などが要求される。これらの要求を満たす電源として、半導体素子を用いたマルクス発生器にチョッパ制御と位相制御を行う、定電圧制御マルクス電源が提案されている。 -1.6kVを出力するマルクスセルを4段重畳して-6.4kVを得る。また、それを1ユニットの電源として、最終的に20ユニット重畳することで目標の電圧である-120kVを達成する予定である。 このときに重要な技術的課題として、出力電圧のリプルの低減とドループの補償が挙げられる。これらはマルクスセルの位相シフトとチョッパ制御のduty比を変化させることで解決した。1ユニットでの実験結果において、リプル率は6.7%でドループは十分に補償されているという結果を得た。シミュレーションの結果では20ユニット重畳した場合のリプル率は0.24%であり、要求を十分に満たすことが可能であると期待できる。この結果から、我々が提案した定電圧制御マルクス電源を用いることでILC用電源の実現が可能である。
 
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SAP056
p.635
KEKにおけるSLAC P2 Marx型クライストロン電源のテストスタンド
Test Stand for the SLAC P2 Marx Klystron Modulator at KEK

○中島 啓光,明本 光生,設楽 哲夫,本間 博幸,松本 利広,福田 茂樹,道園 真一郎(高エネルギー加速器研究機構)
○Hiromitsu Nakajima, Mitsuo Akemoto, Tetsuo Shidara, Hiroyuki Honma, Toshihiro Matsumoto, Shigeki Fukuda, Shinichiro Michizono (KEK)
 
ILCでは、120kV、140A、1.6msで5ppsのパルスを出力するクライストロン用モジュレータが、560台使用される予定となっており、モジュレータの方式の一つとして、半導体スイッチを使用したMarxタイプのものが検討されている。P2 Marxは、SLACで開発されたMarxタイプの電源の一つである。P2 Marxは、32Cellで構成されており、各Cellには、メインパルス回路と補正回路があり、3.75kVのフラットなパルスを出力する。各Cellは、制御回路部と4つのIGBTのゲートドライバー回路を持ち、インターロック、モニター、上位との通信を行っているため、一つの独立した電源とみなせる。KEKでは、今年度P2 Marx型の電源を製作することになっており、その製作にあたっては、ゲートドライバー及び、各Cellの動作試験が必要不可欠となる。本稿では、P2 Marx型クライストロン電源のゲートドライバー及び、Cellの動作試験をするためのテストスタンドについて報告する。
 
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SAP057
p.638
CERLおよびSTFにおける導波管コンポーネントの諸特性
RF CHARACTERISTICS OF HIGH POWER WAVEGUIDE CONPONENTS FOR CERL AND STF

○竹中 たてる,三浦 孝子,松本 利広,道園 真一郎,福田 茂樹,荒川 大(高エネルギー加速器研究機構 加速器施設),花香 宣彦,石本 和也,阿部 慶子,柴田 篤志,吉田 哲郎,植武 優悟(日本アドバンステクノロジー(株))
○Tateru Takenaka, Takako Miura, Toshihiro Matsumoto, Shinichiro Michizono, Shigeki Fukuda, Dai Arakawa (KEK), Norihiko Hanaka, Kazuya Ishimoto, Keiko Abe, Atsushi Shibata, Tetsuro Yoshida, Yugo Uetake (NAT)
 
 Lバンドの導波管コンポーネントはSTFではパルス大電力、cERLではCWの大電力で運転される。 各コンポーネントの低電力の高周波特性は同じあるが大電力を印加したときcERL(CW)とSTF(パルス)では使用条件が大きく異なる。cERL用に製造したサーキュレータはフェライトの冷却不足や熱交換が悪く電力を上げるに従い透過率が低くなる現象が生じ改修を行っている。STFで使用される500kW固体(SiCセラミック)ダミーを製造したが熱交換が悪くフェライトの温度上昇により高周波特性に悪い影響を与えている。   また、STFでは高電力が要求されるので各コンポーネントは放電防止にガス封入が必要で気密性と突起等に考慮しなければならない。 cERLやSTFでも共に導波管コンポーネントの冷却が課題となり、冷却水を用いる場合には熱変換効率を上げ流量を多くとれるようにする必要がある。
 
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SAP058
p.641
真空大電力サーキュレーターの開発
DEVELOPMENT OF HIGH POWER VACUUM CIRCULATOR

○三浦 厚(日本高周波株式会社),鶴岡 茂嗣(株式会社エヌケイエス),篠原 己拔(日本高周波株式会社),谷内 努,鈴木 伸介,花木 博文(高輝度光科学研究センター)
○Atsushi Miura (Nihonkoshuha.co.ltd), Shigetsugu Tsuruoka (N・K・S), Kibatsu Shinohara (Nihonkoshuha.co.ltd), Tsutomu Taniuchi, Shinsuke Suzuki, Hirofumi Hanaki (Japan Synchrotron Radiation Research Institute (JASRI/SPring-8))
 
We have developed high power vacuum circulator for useful exchanging from pressure type (SF6) waveguide to vacuum type component. High power tests of Y-junction type vacuum circulator were performed. No discharge was occurred at input power level of 30MW and vacuum level was reached at 1.3x10-5 Pa for short aging time. The results show also us that isolation value is depended on input rf power. In case of Y-junction type circulator maximum power range is limited 20 MW under isolation value of 20dB. This phenomena caused by tune shift of ferrite which occurred by high magnetic field strength of input rf power. Two vacuum circulators were installed and operated at injector linac of Spring-8.
 
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SAP059
p.645
高精度充電器の開発
Development of High Precision Switching Power Supply

○田中 豊,三宅 克馬,熊澤 伸彦,佐藤 和行,篠原 己拔(日本高周波株式会社),近藤 力,稲垣 隆宏,大竹 雄次(独立行政法人 理化学研究所)
○Yutaka Tanaka, Katsuma Miyake, Nobuhiko Kumazawa, Kazuyuki Sato, Kibatsu Shinohara (Nihon Koshuha Co., Ltd.), Chikara Kondo, Takahiro Inagaki, Yuji Otake (RIKEN)
 
本電源は、理化学研究所播磨事業所のX線自由電子レーザー施設(SACLA)のPFN(パルス成形回路)コンデンサを充電するための大電力スイッチング電源である。その特徴は高繰返(120pps)と高精度(100ppm)を両立させたことにあり、最大充電電圧50kV、充電電力70kJ/sが出力可能である。 この電源は、大容量の主充電回路、高精度の補充電回路の高周波トランス及びダイオードブリッジ回路で高電圧を発生している。主充電回路では、直列共振方式を採用し、IGBTのスイッチング損失を低減させている。補充電回路では、充電電圧フィードバックでIGBTのパルス幅制御を行い、高精度で整定を行う。高周波トランスでは、高周波特性の良いフェライトを採用すると共に、銅損低減のためにリッツ線を使用した構造としている。 これまでに、50kV・120ppsの通電において充電電圧安定度が100ppm以下であることを確認した。また、部品の故障なく24時間連続運転を行うことが出来た。
 
12:50 - 14:50 
SAP060
p.648
SPring-8 1GeV線型加速器クライストロンモジュレータの改良
Improvement of Klystron Modulator at the Spring-8 1GeV Linac

○小林 利明,出羽 英紀,馬込 保,鈴木 伸介,谷内 努,水野 明彦,柳田 謙一,花木 博文(公益財団法人)高輝度光科学研究センター)
○Toshiaki Kobayashi, Hideki Dewa, Tamotsu Magome, Shinsuke Suzuki, Tsutomu Taniuchi, Akihiko Mizuno, Kenichi Yanagida, Hirohumi Hanaki (JASRI/SPring8)
 
SPring-8 1GeV線型加速器では,経年変化対策と性能向上を目指し、モジュレータ電源の高安定化を進めている。そこで我々は経年変化対策としてPFN電圧プローブ,電源安定化対策としてサイラトロンヒータ・リザーバ電源を全て直流電源化した。これらの劣化対策とヒータ・リザーバ電源安定化で、シンクロトロンの取り合い点付近のBPM lsbt-9とニュースバルとの取り合い点付近のBPM l4bt-9で、水平ポジションの変動がそれぞれ1/3、1/2以下に改善できた。パルス電源であるモジュレータ電源は、ジッター及びドリフトの安定化も非常に重要である。更なる安定化のためにサイラトロントリガ励振器とキープアライブ電源に使用している電源部も現在のCVTによる±1%の安定化ではなく、AVRによる±0.1%の安定化が必要と考えており、M6号機とM10号機に設置、試験を行ってきた。クライストロン冷却に使用している流量計が経年変化で動作不良が多数回生じた。全数をこの夏の停止期間に交換する予定である。
 
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SAP061
p.651
広帯域RF合成器の設計・製作
DEVELOPMENT OF A WIDE-BAND RF COMBINER

○金田 健一,水島 弘二,田辺 英二(株式会社エーイーティー)
○Kenichi Kaneta, Hiroji Mizushima, Eiji Tanabe (AET Inc.)
 
2ポート出力 (ポートあたりピーク出力2.5MW; 平均出力30kW) のSバンドクライストロンのRF合成を新たに開発したSF6加圧で用いる導波管WR-284のT型の3ポート合成器を使って行った.最大電界強度や表面電流密度を低く抑えるために,調整用のポストを合成部のエッジに密着させる構造とした.その結果,合成後のRF出力5MWの場合,すべての個所で電界強度を2MV/m以下,表面電流密度を8kA/m以下に抑えることができた.また,合成器の構造を単純にしたことにより帯域を広くすることができ, VSWR1.1以下の帯域は,160MHzとなった.通常,電子リニアックで要求される周波数帯域は非常に狭いため,このような広帯域にすることにより製造時のRF調整が不要となる.さらに形状が非常にシンプルなため,機械加工やロウ付けも容易である.  実際の設計では,様々なモデルのシミュレーションの行い,その中で最適なものを選択した.そして,選ばれたモデルの寸法の最適化シミュレーションを実施した後に,RF合成器の具体的な機械図面を作成し製作を行った.現在は,実機のクライストロンに取り付けられ,ピーク出力5MW, 平均出力60kWの大電力で問題なく稼働している.本論文では,このRF合成器のシミュレーション結果と設計,製作について報告する.
 
12:50 - 14:50 
SAP062
p.654
SACLAでのサイラトロンのトラブルと対策
Countermeasure of Thyratron failure at SACLA

○益田 邦和(スプリングエイトサービス蝓法ぐ雎 隆宏,近藤 力,櫻井 辰幸,大竹 雄次(理研 放射光科学総合研究センター),木村 健,中澤 伸候(スプリングエイトサービス蝓
○Kunikazu Masuda (SPring-8 Service Co., Ltd.), Takahiro Inagaki, Chikara Kondo, Tatsuyuki Sakurai, Yuji Otake (RIKEN SPring-8 Center), Takeshi Kimura, Shingo Nakazawa (SPring-8 Service Co., Ltd.)
 
X線自由電子レーザー施設SACLAでは、2012年3月供用運転の開始以降、多くのユーザーに安定なレーザーを供給するため、加速器の停止時間を極力減らすよう改善が進められてきた。SACLAでは70台以上のモジュレーター電源が稼働中であり、モジュレーター電源に内蔵するサイラトロンの不調によるXFEL不安定性や、サイラトロン交換作業による運転時間の減少が問題となっている。本報告では、サイラトロンに起因する以下の問題点1)自爆、2)トリガ回路保護ダイオードの破損、3)導通時のグリッド残留電圧の変動、4)タイミングジッタの増大についての対策を報告する。また、テストスタンドで行われているサイラトロンの性能評価試験を発表する。
 
電磁石・電源 (8月9日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SAP063

加速器電磁石用大容量電力変換器の実用的設計法
Practical design of large-scale power supplies for accelerator magnets
○渡辺 泰広(日本原子力研究開発機構)
○Yasuhiro Watanabe (JAEA)
 
一般的に加速器用電磁石電源は、三相交流回路から所定の電流、電圧を得るために、ダイオード整流回路(PWM整流回路)、電圧形チョッパ回路、パッシブフィルタから構成される回路トポロジーが採用されている。また、大容量電源の場合、IGBT等のパワーデバイス1個あたりの電圧、電流定格の制約のため、パワーデバイスを直並列接続するか、複数の電源回路を直並列接続することにより1台の電源を構成している。本論文では、シンクロトロン用主電磁石電源などで使用される、電圧定格数kV、電流定格数kAクラスのパターン電源もしくは直流電源を対象とした大容量電力変換器の実用的設計法について検討する。
 
12:50 - 14:50 
SAP064
p.658
直流が流れる金属抵抗性導体における電磁気現象:ピンチ効果と場の理論
Electromagnetic phenomena when dc runs in a metalic resistive conductor: pinch effect and field theory

○佐藤 健次(放医研)
○Kenji Sato (NIRS)
 
熊谷寛夫著、「電磁気学の基礎 - 実験室における - 」、裳華房、昭和50年、の217頁には、「§6.2 導体の中の電流の考察」と題した節があり、他の電磁気学の参考書には見られないことが書かれている。断面が円の直線の導体に直流が流れるとき、金属イオンはほとんど移動出来ないのに対して、自由電子は移動出来るので、電流が発生させた磁場により、自由電子は半径方向にキックされ、その半径が細くなる。ピンチ効果、あるいは、ホール効果と呼べる現象であるが、その結果、導体の表面は正に帯電し、導体の内部は負に帯電する。従来の電磁気学では、導体の内部は電気的に中性であるとされ、導体の内部の電場はゼロとされて来たが、それとは異なって、導体の内部には半径方向に電場が発生する。この半径方向の電場は、磁場による半径方向のキックを相殺するように定まり、自由電子を導体の長さ方向に直進させる。熊谷先生が与えた式に基づいて、筆者は、正に帯電した電荷面密度と、半径方向の電場の表面での大きさは、境界条件を満たすことを確認した。また、導体の長さ方向の電場に関しては、導体の任意の半径において、ジュール熱とポインティングベクトルとが一致することを確認した。こうした計算は従来の電磁気学で行われた気配がなく、ピンチ効果は場の理論を満たすと言う新しい知見と考えられる。こうした知見と併せて、これらの知見がこれまで無視されて来た経緯についても報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP065
p.664
加速器電源応用におけるエネルギー貯蔵装置の比較検討
Reseach for Electric Power Compensation of the Accelerator Magnet Power Supply

○佐藤 皓(高エネルギー加速器研究機構),新冨 孝和(日本大学大学院総合科学研究科),秋田 調(電力中央研究所)
○Hikaru Sato (KEK), Takakazu Shintomi (ARISH, Nihon Univ.), Shirabe Akita (CRIEPI)
 
加速器、シンクロトロン電磁石電源においては、パルス励磁による負荷変動が受電ラインに変動を誘起することがある。特に大型加速器においては顕著に表れる。これまでSMES研究会では各種エネルギー貯蔵装置による電力変動を検討してきた。ここでは、主としてJ-PARC-MRの30GeV速い繰り返しによる変動抑制をケーススタディとして検討した作業部会の報告を行う。合わせて粒子線治療加速器についての検討例にも言及する。
 
12:50 - 14:50 
SAP066
p.668
J-PARCにおけるビーム平坦のための八極電磁石の開発
Development of Octupoles for Beam Flatting System at J-PARC

○藤森 寛(J-PARCセンター 高エネルギー加速器研究機構),明午 伸一郎,大井 元貴,池崎 清美,圷 敦,坂元 眞一,二川 正敏(J-PARCセンター 日本原子力開発機構)
○Hiroshi Fujimori (J-PARC center KEK), Shin-ichiro Meigo, Motoki Ooi, Kiyomi Ikezaki, Atsushi Akutsu, Shinichi Sakamoto, Masatoshi Futakawa (J-PARC Center JAEA)
 
J-PARC物質生命科学実験施設において、1MWの大強度運転に向けた水銀ターゲットの劣化軽減対策が必要であり、効率的な対策として、八極電磁石を配置しターゲット位置でのビーム平坦化を行う手法(ビーム平坦化システム)が導入された。当該システムを用いたコミッショニングにおいて、これまでに概ね良好な結果が確認されている。本システムの主要なコンポーネントである八極電磁石には、オプティクスから800T/m3の磁場勾配が要求され、さらに既設ビームライン中に配置されることから設置スペース上の制約もあり、強磁場かつ小型化を兼ね備えた八極電磁石の開発が求められた。本学会では、ビーム平坦化システムに用いられた八極電磁石およびセンターリング用補正電磁石の開発に焦点を当て報告する。
 
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SAP067

SuperKEKB衝突点近傍電磁石の製作と磁場測定
Newly fabricated magnets of SuperKEKB interaction region
○飯沼 裕美,江川 一美,増澤 美佳(KEK)
○Hiromi Iinuma, Kazumi Egawa, Mika Masuzawa (KEK)
 
SuperKEKB 加速器の建設が進行中である。KEKB加速器からの最も大幅な変更点は衝突点近傍のビームラインである。 陽電子リング(LER)と電子リング(HER)の衝突点での交差角がKEKBでの23mradから83mradへと大きくなり、性能向上のため衝突点近傍の常温電磁石群はKEKBに比べて一層に衝突点へ近づく設計になっている。更に、LERとHERの両ビームライン間の距離も衝突点へ向かって徐々に接近し、両ビームの最小距離が340mm以下の場所に2台の電磁石を並べておかなければならない。このため、衝突点近傍の電磁石は据付け・設置作業も考慮に入れたコンパクトなものが求められる。 本発表では新規製作した60台の衝突点近傍の常温電磁石の製作と磁場測定結果を報告する。さらに、SuperKEKB Phase-1に向けてビームラインへのインストール作業の様子も報告する。
 
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SAP068
p.672
交流電磁石システムの開発
Development of an AC electromagnet system

○中西 康介(AET),山本 昌志(アキュセラ),村上 勝,エド ヴィリアセニョル(AET),伊東 正顕(アキュセラ),鈴木 柊司,田辺 英二(AET)
○Kosuke Nakanishi (AET, Inc.), Masashi Yamamoto (Accuthera Inc.), Masaru Murakami, Villasenor Ed (AET Inc.), Masaaki Itoh (Accuthera Inc.), Shuji Suzuki, Eiji Tanabe (AET, Inc.)
 
荷電粒子ビームを標的上で,円軌道やリサジュー図形,あるいは任意の形にスキャンするワブリング電磁石及び制御システムの設計、開発、製造を行った。ワブリング電磁石が作り出す磁場分布によって荷電粒子ビームは拡散し、標的の熱負荷を分散することが可能となる。 電磁石はビームダクトを囲むような構造となっており、水平、垂直方向に2つずつ取り付けられたコイルは、対となって同じ方向に磁場を発生する。正弦波電流をそれぞれのコイルに位相を90度ずらして流すことにより、内部を通過するビームが逐次円軌道を描くような磁場を発生させられる。また,垂直/水平方向に任意の電流を流すことができ,標的で思い通りの照射分布を作ることが可能となる。 交流電流によって生じる磁場分布、及び電磁石を通過する荷電粒子ビーム軌道を3次元シミュレーションプログラムCST Studio を用いて計算して設計を行った。4象限バイポーラ電源及び波形生成機をPLCでコントロールする制御システムを独自に製作し、本システムに用いた。
 
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SAP069
p.677
SPring-8高速パルスキッカードライブ電源用MOSFETの耐放射線性評価
Radiation damage effects and performance of Power MOSFET using SPring-8 fast pulse driving power supply

○小林 和生,満田 史織((公財)高輝度光科学研究センター),中西 辰郎((株)スプリングエイトサービス),本井傳 晃央,佐々木 茂樹,大熊 春夫((公財)高輝度光科学研究センター)
○Kazuo Kobayashi, Chikaori Mitsuda (JASRI), Tatsurou Nakanishi (SES), Teruo Honiden, Shigeki Sasaki, Haruo Ohkuma (JASRI)
 
SPring-8蓄積リングでは、入射時の蓄積ビーム水平振動抑制のための高速パルスキッカー、及び短パルス光生成研究のための垂直キッカーに使用する高速パルス電源の開発を進めている。本電源は小型化と高速性能、及び大電流出力を追求するため、負荷であるキッカーマグネットの近傍、すなわちビームパイプの近傍に電源としてのドライブ回路(出力部)のみを配し、高圧回路および制御回路部は放射線損傷を避けるべく蓄積リングのトンネル外に置く形にしている。ラティスを構成するマグネット間等の狭小スペースに配置することになるドライブ回路には高速性と低占積率性のあるスイッチング素子としてブレークダウン電圧1000Vあるいは1200Vを有する高耐圧Si型MOSFETを採用している。また、近年量産が開始されSi型を凌ぐ性能が期待されるSiC型MOSFETへの移行も開始している。ビームパイプ近傍という設置環境下では素子自体の耐放射線性がドライブ回路の寿命を左右することになるため、候補となっているPOWER MOSFETの耐放射線性、ここではトータルのX線照射線量によるPOWER MOSFETの電気的特性の変化を評価した。その評価結果、及び電源の安定運用への展望について報告する。
 
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SAP070
p.681
電磁石電源のためのフローティングキャパシタ方式の回生制御の開発
Development of recovery control for magnet power supply with floating capacitor

○下川 哲司,森田 裕一(KEK),佐川 隆(ユニバーサルエンジニアリング),栗本 佳典,中村 衆,三浦 一喜(KEK)
○Tetsushi Shimogawa, Morita Yuichi (KEK), Ryu Sagawa (Universal engineering), Yoshinori Kurimoto, Shu Nakamura, Kazuki Miura (KEK)
 
J-PARC主リングにおいてビームの大強度化は最重要課題である。そのために、繰り返し周期を2.5秒から1秒に短縮することを計画している。繰り返し周期の短縮に伴って、主電磁石に蓄えられるエネルギーを1次側へ回生することによる系統の電力変動および、電源の出力電圧の増加が問題となる。系統の電力変動には、電磁石とコンデンサ間で電力をやり取りするエネルギー貯蔵により対応する。高出力電圧を達成するために、磁気エネルギー供給用、抵抗損失分供給用の変換器を直列に接続する。 前者の変換器の入力部にはコンデンサのみを接続し、充電機構のないフローティングキャパシタ方式を採用する。この方式を採用することで、高出力電圧を担保しつつ整流器の大幅な削減が可能となる。しかしながら、系統未接続コンデンサの定格電圧までの初期充電および、運転中のコンデンサ電圧を安定させる回生制御の確立が課題である。そこで、電磁石電流を使っての初期充電を含む回生制御の確立が必要不可欠である。ここでは、実機の~1/500のパワーの電源を使って、フローティングキャパシタ方式の回生制御の開発について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP071
p.685
PF-AR Q電源システムの更新
Update of Quadrupole Magnet Power Supply System at PF-AR

○尾崎 俊幸,長橋 進也(KEK)
○Toshiyuki Ozaki, Shinya Nagahasi (KEK)
 
PF-ARリングは、トリスタン入射器として、約30年前に建設された。 約20年前から、放射光専用リングとして、6.5 GeVの電子を蓄積している。 Q電源は30年が経過したので、更新を進めている。 QFとQD電源、東棟のローカルQ電源15台を更新した。 30年前の性能測定データと今回の性能測定データを比較検討する。 西棟Q電源8台は、DCCT交換などの老朽化対策をした。 電磁石のインターロック信号を統括し、各当電源に停止信号を送るインターロック盤の更新を進めている。 Q電源更新、老朽化対策、インターロック・システムの更新を報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP072
p.688
J-PARC MR主電磁石電源の学習制御導入
Tracking-error reduction with a learning control of Main Magnet Power Supplies in J-PARC MR

○中村 衆,山田 秀衛,栗本 佳典,森田 裕一,下川 哲司(高エネ研 加速器)
○Shu Nakamura, Shuei Yamada, Yoshinori Kurimoto, Yuichi Morita, Tetsushi Shimogawa (KEK Acclab)
 
J-PARC MRの主電磁石電源において、加速時間の短縮に伴って電流追従性が悪化することがわかっている。 電源のフィードバック制御において、意図的に制御ゲインを変化させることによって加速中の電流追従性には一定の改善は見られたが、加速開始時の電流追従性は改善されなかった。 そこで、フィードフォワード制御に電圧指令値を外部から設定することで、電流追従性の改善を試みた。 これまでも、フィードフォワード制御は行っていたが、それに用いる電圧指令値は電流指令値に対して進み要素と遅れ要素をかけて、擬似的に出力電圧に相似な指令値を作成していた。 今回、外部から自由にフィードフォワード用電圧指令値を設定できるようにしたことで、より精密な制御が可能となり、加速開始時の電流追従性を改善することができた。
 
ビーム診断・制御 (8月9日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SAP074
p.691
有機ポッケルス EO 結晶を用いた電子バンチ電荷分布測定 (2)
Electron bunch charge measurements with organic Pockels EO crystals

○岡安 雄一(JASRI),小川 奏(RIKEN),松原 伸一,冨澤 宏光(JASRI),南出 泰亜,野竹 孝志(RIKEN),松川 健(茨城大学)
○Yuichi Okayasu (JASRI), Kanade Ogawa (RIKEN), Shinichi Matsubara, Hiromitsu Tomizawa (JASRI), Hiroaki Minamide, Takashi Notake (RIKEN), Takeshi Matsukawa (Ibaraki University)
 
これまで数々の FEL 加速器施設において、GaP や ZnTe に代表される無機ポッケルス電気光学 (EO) 結晶を用いた EO サンプリングにより、極短電子バンチのバンチ長非破壊計測がなされてきた。しかしながら、GaP 及び ZnTe は、それぞれ計測対象であるバンチ起因の電場周波数帯域である ~11 THz、~5 THz 近傍に顕著な吸収特性を有することから、~50 fs (rms)、~90 fs (rms) 程度の時間分解能の制限が存在している。これに対し、2012 年 2 月に、我々はSPring-8 の SCSS 試験加速器において、高速時間応答が確認されている有機ポッケルス EO 結晶 : 4-N, N-dimethylamino-4’-N’-methyl stibazolium tosylate (DAST) を使用した、スペクトラルデコーディングによるEO サンプリングによる電子バンチ電荷分布計測に世界で初めて成功した。この成功を皮切りに、我々は現在、有機結晶の結晶軸精度とアライメントの向上、結晶のアニール処理などの研究を進めている。 更に、結晶の寿命短縮の主原因と考えられる放射線損傷対策について、我々が検討を進めている表面プラズモン励起を通した、革新的な検波技術について報告・議論する。
 
12:50 - 14:50 
SAP075
p.695
J-PARC Main Ringのビーム位置モニタのゲイン較正
RESULTS OF BEAM BASED GAIN CALIBRATION FOR BEAM POSITION MONITOR AT J-PARC Main Ring

○久保木 浩功,外山 毅(高エネルギー加速器研究機構 J-PARC),畠山 衆一郎(日本原子力研究開発機構 J-PARC),高野 淳平,手島 昌己(高エネルギー加速器研究機構 J-PARC)
○Hironori Kuboki, Takeshi Toyama (KEK J-PARC), Shuichiro Hatakeyama (JAEA J-PARC), Junpei Takano, Masaki Tejima (KEK J-PARC)
 
ビーム位置モニタ(Beam Position Monitor, BPM)は円形加速器における周回ビームの位置情報を得るのに不可欠な要素であり、安定した閉軌道を実現するためにはBPMの位置情報の精度が重要になる。しかしながら実際のBPM電極からの出力電圧は、・長距離の信号伝送、・信号処理回路、・コネクタなどの接続部の接触抵抗、等の個体差により、1台のBPMにおいても各電極の信号応答ゲインは等しくはない。この電極間の相対的なゲインの違いを補正するため、実際のビームを用いて各電極のゲインの較正を行う Beam Based Gain Calibration (BBGC)が提案された[1]。 BBGCはKEKB における四電極型BPMでは手法が確立されているが、J-PARC Main Ringで使用されている BPM は形状が異なり、対角線カット型の電極のため同手法の計算処理は適用できず、新たに手法を開発する必要があった。 本講演では、J-PARC Main Ring で実際のビームを使って得られたデータを用いたBBGC の解析結果について報告する。 [1] M. Tejima et al., "Beam Based Gain Calibration of Beam Position Monitors at J-PARC MR", DIPAC2011, MOPD22 (2011).
 
12:50 - 14:50 
SAP076
p.700
光電導アンテナを用いた電子ビーム電場時間波形の観測
Observation of temporal electric fields emitted by electron beams using a photoconductive antenna

○菅 晃一,楊 金峰,小方 厚,近藤 孝文,神戸 正雄,野澤 一太,樋川 智洋,法澤 公寛,小林 仁,吉田 陽一(阪大産研)
○Koichi Kan, Jinfeng Yang, Atsushi Ogata, Takafumi Kondoh, Masao Gohdo, Itta Nozawa, Tomohiro Toigawa, Kimihiro Norizawa, Hitoshi Kobayashi, Yoichi Yoshida (ISIR, Osaka Univ.)
 
阪大産研では、フェムト秒時間分解能のパルスラジオリシスが構築・利用されている。また、更なるパルスラジオリシス法の時間分解能向上のために、SバンドレーザーフォトカソードRF電子銃ライナックと高次収差補正用磁気パルス圧縮器を用いた超短パルス電子ビームの発生を行っている。本発表では、これまでに製作した微細構造を有する光電導アンテナを用いて、電子ビーム(32 MeV、>200 pC)のコヒーレント遷移放射により得られるラジアル偏光テラヘルツ電場時間波形の観測について報告する。当日は、本光電導アンテナおよび電子ビーム計測についての詳細を述べる。
 
12:50 - 14:50 
SAP077
p.703
J-PARC RCS MWPM 信号処理系
MWPM DAQ System for J-PARC RCS

○畠山 衆一郎,吉本 政弘(日本原子力研究開発機構/J-PARCセンター)
○Shuichiro Hatakeyama, Masahiro Yoshimoto (JAEA/J-PARC Center)
 
J-PARCではLINACでACS空洞が導入され400MeVのビーム出力が可能となった。RCS (Rapid Cycling Synchrotron) においても、入射電磁石機器の電源を400MeV対応のものに入れ換えてビーム調整が行われた。当初より装置の不具合が多発するなどで、調整運転のスケジュールは非常に厳しいものとなり、ビームモニタを用いた各種パラメータの測定に要する時間の短縮が強く望まれた。本報告では、入射ビームのプロファイル測定に用いられるMWPM(Multi-Wire Profile Monitor)について、測定精度の向上、データ取得時間の短縮を目的とした信号処理系のアップグレードについて述べる。
 
12:50 - 14:50 
SAP078
p.706
高放射化領域(J-PARC MR コリメータ部)BPM:設置誤差および測定誤差の解析
BPMs at the high radiation area (J-PARC MR collimator):analysis of installation errors and orbit measurement errors

○花村 幸篤(三菱電機システムサービス(株)),外山 毅(高エネルギー加速器研究機構),河内 敏彦(三菱電機システムサービス(株)),大越 隆夫,久保田 親,白形 政司,石井 恒次,仁木 和昭,堀 洋一郎,魚田 雅彦(高エネルギー加速器研究機構)
○Kotoku Hanamura (Mitsubishi Electric System & Service Co.,Ltd), Takeshi Toyama (KEK J-PARC), Toshihiko Kawachi (Mitsubishi Electric System & Service Co.,Ltd), Takao Oogoe, Chikashi Kubota, Masashi Shirakata, Koji Ishii, Kazuaki Niki, Yoichiro Hori, Masahiko Uota (KEK J-PARC)
 
大強度陽子加速器施設(J-PARC)主リング(MR)では、ビームの大強度化に向け、2011年よりコリメータ増強およびシールド強化を行い、ビームロスを局所化することにより、リング全体の機器の放射化を最小限にしている。それに伴い、高放射化領域のMRコリメータ部の5箇所のビーム位置モニタ(BPM)は、高放射化領域内保守に対応した位置再現性と保守性の良いシステムに置き換えてきた。BPM本体は、製作時に起こる電極位置のずれや変形による誤差を把握するために、予めワイヤ法で校正用データの測定が行われた。その後、BPMはステアリング電磁石と一体化された状態で、予め放射線管理区域外で四極電磁石(QM)の基準座を原点とした仮想座標に基づいてアラインメントを行った。アラインメントを行ったBPMは、現場のベースプレート上に載せて所定の位置に設置した。BPM中心とQM中心のずれは、beam-based alignment(BBA)およびbeam-based gain calibration(BBGC)により求められ補正される。BBAおよびBBGCについては本会議の別発表で報告される。本稿ではMRコリメータ部BPMの現状、BPM校正結果、BPM設置誤差、BBAおよびBBGCの結果との関連について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP079
p.710
ペッパーポット型リアルタイムエミッタンス測定装置の開発
Development of Real-time Emittance Monitor using Pepper-pot Method

○山根 浩義,畑中 吉治,福田 光宏,依田 哲彦,盛田 義弥,鎌倉 恵太,植田 浩史,森信 俊平,齋藤 高嶺,永山 啓一,田村 仁志,安田 裕介(大阪大学核物理研究センター)
○Hiroyoshi Yamane, Kichiji Hatanaka, Mitsuhiro Fukuda, Tetsuhiko Yorita, Yoshiya Morita, Keita Kamakura, Hiroshi Ueda, Shunpei Morinobu, Takane Saito, Keiichi Nagayama, Hitoshi Tamura, Yuusuke Yasuda (RCNP , Osaka University)
 
大阪大学RCNPサイクロトロン施設では、陽子ビームの大強度化・高品質化を目指した研究が行われている。現状のビーム加速には、イオン源で生成されたビームが効率的に後段のAVFサイクロトロンへ入射されていないという問題がある。これはイオン源ビームのエミッタンスとAVFのアクセプタンスの不整合によるものである。したがって、より効率的なビーム入射を実現するため、ビームの位相空間分布及びエミッタンスを迅速に測定・評価する必要性が生じた。これまで当センターでは、回転式プロファイルモニタとスリットを用いたエミッタンス測定の高速化が行われ、測定時間は30分から75秒まで短縮された。これによりエミッタンスを測りながらイオン源及びビーム輸送系のパラメータを調整することが可能になったが、我々はさらなるビームの制御性の向上のため、ペッパーポット法を用いたリアルタイムなエミッタンス測定システムの開発を目指している。これまでのエミッタンス測定システムではスリットを機械的に動かしていたため、それが律速となり1分程度の測定時間を要した。一方ペッパーポット法では均一に穴をあけたペッパーポットマスクとMCPを用い、繰り返し測定における機械駆動は一切用いないため、現状のスリットを用いた測定からの大幅な測定時間の短縮が見込まれる。本発表では現在開発を進めている、ペッパーポット型リアルタイムエミッタンス測定装置に関して研究成果を報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP080
p.713
J-PARC350BT光学パラメータ詳細測定のための高放射場用BPMの開発
The new BPMs for the J-PARC 350BT OPTICS measurements at high radiation fields

○佐藤 健一郎,手島 昌己,外山 毅(KEK),花村 幸篤,河内 敏彦(三菱電機システムサービス)
○Kenichirou Satou, Masaki Tejima, Kakeshi Toyama (KEK), Kotoku Hanamura, Toshihiko Kawachi (Mitsubishi Electric System & Service Co.,Ltd)
 
J-PARC350BTの光学パラメータを詳細に研究するために、コリメータエリアの4極電磁石QFS1、2、3近傍に3台のビーム位置モニタ(BPM)を設置した。350BTでは、主に静電誘導型BPMが使用されているが、コリメータエリアでの使用を考えると、コリメータで散乱された粒子が直接電極に入射することによる影響が大きい。この効果を避けるためには電極の断面積をできる限り小さくする必要がある。そこで新しいBPMにはループカップルを利用した磁場カップル型BPMを採用した。このBPMは既存の静電誘導型BPM同様、ビーム位置と信号出力の関係に非直線性を示す。本来ビームは中心付近を通るので、この非直線性は問題にならない場合が多いが、350BTの光学パラメータを調査するためにビーム軌道を大きく振る運転が行われるため、この非直線性を補正する必要がある。このためインストールに先立ちテストベンチでワイヤ法を用いて校正データを取得した。測定範囲は-70mm〜70mmである。大口径ビームの場合には、さらにビームサイズ依存性も生じる。ビーム中心から外れた粒子は中心部と違った非直線性を示すため、重心位置の評価に誤差を生じる。BPM単体ではこの効果は校正できない。この効果の影響については校正データから推測できる。 本稿ではテストベンチでの校正結果、設置誤差、ビームサイズ依存性、散乱粒子の影響について議論する。
 
12:50 - 14:50 
SAP083
p.718
IQモジュレータによる位相検出器の校正測定
Calibration of Phase Detector using IQ modulator.

○宮尾 智章(高エネルギー加速器研究機構),三浦 昭彦,川根 祐輔,大内 伸夫(日本原子力研究開発機構)
○Tomoaki Miyao (KEK, J-PARC), Akihiko Miura, Yusuke Kawane, Nobuo Ouchi (JAEA)
 
J-PARCリニアックのビームエネルギーは、計測したビーム位相とその飛行距離を用いたTOF(Time-of-Flight)法を用いて計算している。求めるビームエネルギーの精度は使用する位相検出系の精度に依存するため、位相検出系統に使用する機器の校正は重要である。このため、リニアックに設置されている111台の位相検出系統に関する校正を定期的に実施している。ここでは、位相検出系に設置されている位相検出回路の校正を、正確かつより簡便に実施するための方法としてIQモジュレータを用いた校正方法を採用した。本発表では、J-PARCリニアックの位相検出系統、測定されたビーム位相からのエネルギーの算出方法、この系統に使用している各機器の校正・オフセット量の測定方法などについて説明するとともに、新たに導入したIQモジュレータを使用した位相検出器の校正原理等について説明する。
 
12:50 - 14:50 
SAP084
p.721
KEK入射器用電子銃のスライスエミッタンスモニタ用C-band電子ディフレクターの開発
Development of C-band deflector for slice emittance monitoring of new electron gun

○井上 彬(総研大),吉田 光宏,夏井 拓也(高エネ研)
○Akira Inoue (SOKENDAI), Mitsuhiro Yoshida, Takuya Natsui (KEK)
 
SuperKEKBへの対応として電子陽電子入射器では高電荷・低エミッタンスの電子源として、RF電子銃の導入を進めており、エミッタンス目標の達成のため、ビームライン上でのモニタリングが必要となっている。KEK入射器ではビームライン上に蛍光板を設置し、これを電子が通過することで起こる発光を利用してモニタリングしている。この方法ではビームの投影エミッタンスの情報を得ることができるが、進行方向にスライスしたビームの各スライスのエミッタンス(スライスエミッタンス)を測定することができない。SuperKEKB に対応した超低エミッタンスビームの生成が可能な電子銃を開発するためには、スライスエミッタンスのモニタリングが必要である。ビームの時間情報を取り出すには、ディフレクターを用いてビームをスライスし、蛍光板に映してその様子を測定する。ディフレクターの性能は使用する周波数に線型であり、KEK入射器では終点付近に設置するX-band帯の高周波を用いて10GeVのビームに対応したハイパワーなものを開発している。しかし、今回スライスしたいのは電子銃で生成された直後の10MeV程度のビームであるため、低エネルギーで十分な分解能が得られる。そこで新たにC-band帯の高周波を用いた低エネルギーのディフレクターを開発した。
 
12:50 - 14:50 
SAP085
p.725
LFCカメラ用シリカエアロゲル輻射体の真空中での特性評価
Optical test of silica aerogel radiator for LFC camera

○南部 健一,柏木 茂,日出 富士雄,柴崎 義信,長澤 育郎,高橋 健,東谷 千比呂,永沢 聡,Anusorn Lueangaramwong,武藤 俊哉,浜 広幸(東北大学電子光理学研究センター)
○Kenichi Nanbu, Shigeru Kashiwagi, Fujio Hinode, Yoshinobu Shibasaki, Ikuro Nagasawa, Ken Takahashi, Chihiro Tokoku, Satoshi Nagasawa, Anusorn Lueangaramwong, Toshiya Muto, Hiroyuki Hama (Electron Light Science Centre, Tohoku University)
 
東北大学電子光理学研究センターでは、電子加速器を用いた コヒーレントテラヘルツ光源用試験加速器(t-ACTS)を建設中である。 THz領域の高輝度なコヒーレント放射光生成のためには、100フェムト秒 程度のバンチ長を持つ電子バンチが必要になる。 このような極超短バンチ電子ビームを安定に生成するためには、 特にビーム生成から加速までの非相対論的領域におけるビームの 縦方向位相空間分布を把握しなければならない。 そこでシングルショット計測で比較的低いエネルギーの電子ビームの 縦方向位相空間を可視化するLiner Focal Cherenkov ring (LFC) カメラ の研究開発を行っている。本測定システムは、測定対象となる 電子ビームをチェレンコフ光発生用輻射体に入射し、 そこから放射されるチェレンコフ光を直線上にチェレンコフ角に 応じて焦点を結ぶ特殊な非線形光学系(Turtle-back mirror)と ストリークカメラを組み合わせて、縦方向位相空間の直接観測を 行うものである。チェレンコフ光発生用の輻射体として低屈折率の シリカアロゲルを真空中で使用するが、屈折率などの光学性能が 大気中で測定した値と異なり、測定精度に大きな影響を与えることが 予想される。そこで真空中でのシリカエアロゲルの光学性能の評価 を行ったので報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP086
p.729
SPring-8蓄積リングCODデータ取得の高速化
Fast COD data acquisition at the SPring-8 storage ring

○藤田 貴弘,増田 剛正,籠 正裕,山下 明広,佐々木 茂樹((公財)高輝度光科学研究センター)
○Takahiro Fujita, Takemasa Masuda, Masahiro Kago, Akihiro Yamashita, Shigeki Sasaki (JASRI/SPring-8)
 
放射光リングにおいて光軸の安定化は重要なテーマであり、さまざまな軌道変動の原因除去後は、周期的な軌道補正が光軸安定化の役割を担う。SPring-8蓄積リングのビーム位置モニタ振動処理回路は、re-configurableなDSP, FPGAを用いており、必要に応じてユーザーがビーム位置測定のスキームを変更できるように構成されている。このハード部分を改造し、最短1ms毎で2000点のCODデータがポストプロセス(非リアルタイム)にて取得可能になった。ハードウェア改造と並行して、軌道補正の周期を短縮するためにソフトウェア類の更新を進めてきた。2012年4月からはそれまで7秒毎であった軌道補正を1秒毎に短縮した。また、リフレクティブメモリを用いた共有メモリネットワークを構築し、データの遅延が生じにくいシステムを構築した。これによりCODが10Hzでリアルタイムに取得できるようになった。この10Hzで取得されたCODデータはそのままデータベースに保存されるよう、MADOCA IIデータベースの整備も行った。将来的にはこの10Hzで取得されたCODデータを用いて10Hzで軌道補正を行うことを検討している。本報告では以上に述べたハードウェア、ソフトウェアの更新による軌道補正の状況と、10Hzおよび1kHzで取得したCODデータを解析して得た軌道変動の要因について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP087
p.734
ストリップライン型BPMにおける電極加工法と特性インピーダンスの評価
Evaluation of Characteristic Impedance of The Electrode and Its Fabrication Method in Stripline-Type BPM

○諏訪田 剛(高エ研)
○Tsuyoshi Suwada (KEK)
 
入射器では,次期計画であるSKEKBに向けた高精度ビーム位置モニター(BPM)の開発が進行中である. 入射器のBPMはKEKB増強時に開発されたストリップライン型のBPM(SBPM)を基本としている. SKEKBに向けてSBPMの増設、新ビームラインに対応したSBPMの大口径化と小口径化という設計変更が要請された. 設計変更に際し機械精度を向上させるために電極加工法も見直すことにした.この変更はわずかな修正で済み、電極の特性インピーダンスの変化もわずかであろうと考えた. しかし、SBPM試験機の特性インピーダンスを実測したところ、測定誤差を考慮しても計算結果と一致せず、この理由がよくわからなかった. SBPM電極は、よく知られるように短冊状の電極が金属パイプの内面から張出すように取付けられるが、電極エッジの加工法の変更により、エッジの切断を斜めから直角に変更している. 有限要素法に基づく静電界による境界値問題を解くプログラムを自作しSBPMの幾何学形状を二次元で入力し計算を行った. この結果、同じ開口角でも電極修正部の口径全体に対する面積比で特性インピーダンスが変化することがわかった. これは、口径が小さいほど電解エネルギーの変化の割合が大きいという当然の結果をもたらす. 本学会では、入射器のSBPMの設計方針を述べるとともに、電極加工の修正点、電極の特性インピーダンスの測定と計算による問題解決への道程を報告する.
 
12:50 - 14:50 
SAP088
p.739
J-PARC MRにおけるBPMのビームベースドアラインメント
Beam-based Aligmnent of the BPMs at J-PARC MR

○外山 毅(KEK),畠山 衆一郎(JAEA),岡田 雅之,五十嵐 進,高野 淳平(KEK),花村 幸篤(三菱電機システムサービス(株)),橋本 義徳(KEK),河内 敏彦(三菱電機システムサービス(株)),久保木 浩功,仁木 和昭(KEK),酒井 浩志(三菱電機システムサービス(株)),佐藤 洋一,佐藤 健一郎,白形 雅之,高野 淳平,手島 昌己(KEK)
○Takeshi Toyama (KEK), Shuichiro Hatakeyama (JAEA), Masashi Okada, Susumu Igarashi, Junpei Takano (KEK), Kotoku Hanamura (Mitsubishi Electric System & Service Co. Ltd.), Yoshinori Hashimoto (KEK), Toshihiko Kawachi (Mitsubishi Electric System & Service Co. Ltd.), Hironori Kuboki, Kazuaki Niki (KEK), Hiroshi Sakai (Mitsubishi Electric System & Service Co. Ltd.), Yoichi Sato, Kenichirou Satou, Masashi Shirakata, Junpei Takano, Masaki Tejima (KEK)
 
J-PARCのような大強度加速器では、ビーム軌道の精密な測定は、軌道を精密に制御してビームロスを低減するために必須である。さらに、β関数、ディスパージョン関数などのマシン・パラメータを決定し正確な加速器モデルを作るためにも重要である。そのためには、ビーム位置モニター(BPM)のtransverse座標の原点が、加速器のtransverse座標の原点=隣接するQ電磁石の中心に合致している必要がある。そのために、今回、MRのCOD観測用BPMの全てについて、上記のズレを測定するbeam-based alignment(BBA)、および各BPMチャンネルのゲインの相対誤差を測定するbeam-based gain calibration(BBGC)を行った。BBAにより、BPMの幾何学的ズレと電気的ズレの和、BBGCにより、BPMの電気的ズレが求められ、誤差が完全に決定される。BBGCについては本学会の別発表で報告される。本発表では、BBAによる測定について詳述する。
 
12:50 - 14:50 
SAP089
p.744
ERL試験加速器における周回部バンチ長計測の検討状況
Development of bunch length monitor system at the return loop of KEK ERL test accelerator

○本田 洋介,Aryshev Alexander,Shevelev Mikhail,島田 美帆,高井 良太,宮島 司(KEK)
○Yosuke Honda, Alexander Aryshev, Mikhail Shevelev, Miho Shimada, Ryota Takai, Tsukasa Miyajima (KEK)
 
KEKでは、ERL試験加速器(cERL)が建設され、2013年度よりビーム運転を開始した。 低エミッタンスで短バンチのビームを高繰り返しで実現できることがこの加速器の特長であり、 また、それらの性能の実証することは試験加速器としての目標でもある。 周回部においてバンチ長の計測を行う必要があるが、その検討状況について報告する。
 
加速器制御 (8月9日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SAP090
p.748
RFイオン源&RFQ III共同テストスタンド タイミングシステムの製作
Development of Timing-System for RF Ion Source & RFQ III Test Stand

○澤邊 祐希,伊藤 雄一,川瀬 雅人,福田 真平,菊澤 信宏,大内 伸夫(日本原子力研究開発機構),鈴木 隆洋(三菱電機システムサービス株式会社)
○Yuki Sawabe, Yuichi Ito, Masato Kawase, Shinpei Fukuta, Nobuhiro Kikuzawa, Nobuo Ouchi (JAEA), Takahiro Suzuki (Mitsubishi Electric System & Service Co., Ltd)
 
J-PARC LINACでは、大強度ビーム達成に向け2014年にセシウム添加高周波駆動負水素イオン源(RFイオン源)、及び50mA対応RFQ 傾羌,悗隆港が予定されている。その為、2013年からJ-PARC LINAC棟クライストロン準備室にて、RFイオン源、及びRFQ傾羌,龍ζ吋謄好肇好織鵐匹鮃獣曚掘▲咫璽牴誕試験を行った。換装を円滑に進めるため、現在のJ-PARC加速器と互換性を考慮した制御系を開発した。しかし、RFイオン源のタイミングは現在J-PARCで稼働中の負水素イオン源とはプラズマ点火方法が異なるため、従来とは異なるタイミングシステムが求められている。この為、RFイオン源用に新たなタイミングシステムを開発し、それを用いてビーム加速試験を行った。本発表では、RFイオン源、及びRFQ傾羌,龍ζ吋謄好肇好織鵐匹嚢柔した制御系のうち、主にタイミングシステムについて報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP091
p.752
SACLA-BL1アンジュレータ制御システムの改修
Modification of SACLA-BL1 undulator control system

○黒木 教平,吉永 和矢,北村 全伸,仲谷 光司(日立造船)
○Kazutoshi Kurogi, Kazuya Yoshinaga, Masanobu Kitamura, Koji Nakatani (Hitz)
 
本発表では、独立行政法人理化学研究所のXFEL施設(SPring-8 Angstrom Compact Free Electron Laser:SACLA)のビームラインBL1に移設予定のSPring-8 Compact SASE-FEL Source(SCSS)試験加速器で用いられたアンジュレータを対象とした主な制御システムの改修について示す。移設において、制御システムの主なる改修点は以下である。 (1)本アンジュレータは上下磁石列にそれぞれ機械的に独立したモータを設置しているため、磁石列のギャップおよび高さ変更操作時は2つのモータを同時に駆動させる。磁石列の現在位置は、それぞれのモータシャフト部に取り付けたロータリエンコーダの読み取り値から算出し、タッチパネルに表示する。 (2) 磁石列の位置変更操作において、閾値以上の目標値を設定し、リミット信号発報によるモータ駆動停止を避けるために、モータ駆動前にソフトリミットを発報し、設定を取り消す。閾値は任意で設定可能である。 (3)モータのバックラッシュ回避のために、モータの正回転または逆回転のいずれか一方で指定した方向について、目標位置まで移動した後、更に任意の指定量だけ移動を続けてから目標位置へ戻る動作を行う。指定と逆回転方向への移動については、目標位置までの移動のみを行う。 以上の制御システムについて、動作試験を行ったところ、良好な結果が得られた。また、ソフトリミットの機能については、BL3アンジュレータ制御にも導入を予定している。
 
12:50 - 14:50 
SAP092
p.755
SPring-8およびSACLA制御・実験ネットワークの現状
Status of Control and Experimental Network Systems at SPring-8 and SACLA

○杉本 崇,石井 美保,岡田 謙介,大端 通,坂本 達亮,山鹿 光裕,田中 良太郎(高輝度光科学研究センター)
○Takashi Sugimoto, Miho Ishii, Kensuke Okada, Toru Ohata, Tatsuaki Sakamoto, Mitsuhiro Yamaga, Ryotaro Tanaka (JASRI)
 
大型放射光施設SPring-8およびX線自由電子レーザー施設SACLAにおける制御系・実験系ネットワークの現状について報告する。SPring-8は1997年の運転開始より17年が経過している。加速器およびビームライン制御系の拡張・高度化、ネットワーク技術の進歩により、本ネットワークも変化してきた。初期の論理構成は単一セグメントであったが、2011年より供用開始したSACLAも含め[1]、現在では加速器のエリアに応じた複数セグメント構成としている。加えて、2009年に実施した論理構成変更[2]以降、ネットワーク通信異常に起因するトラブルを減らすことに成功している。ネットワーク機器数も増加しており、2014年現在でSPring-8制御系・実験系で約400台、SACLA制御系・実験系で約200台に達している。SPring-8およびSACLAの運転・実験上必須なネットワークシステムを単一ポリシーで運用することにより、低コストかつ省力化を実現している。本発表では、運用上の工夫を含めたSPring-8およびSACLAの制御系・実験系ネットワークの現状を報告する。また、広帯域実験データ収集やSACLA-京連携 による大容量データ解析をはじめとした近年の課題と、課題の解決に向けた対策についても報告する。 [1] 福井達ほか, “SACLA加速器制御システム”, 「放射光」March 2012, Vol.25, No.2, pp.65-69. [2] T. Sugimoto, et al., The 2nd Control System Cyber-security Workshop, October 2009, Kobe, Japan.
 
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SAP093
p.759
SuperKEKB加速器制御ネットワークシステムの構築
Design and Status of the SuperKEKB Accelerator Control Network System

○岩崎 昌子,帯名 崇,佐々木 信哉,佐藤 政則,中村 達郎,古川 和朗(高エネルギー加速器研究機構),青山 知寛,中村 卓也(三菱電機システムサービス)
○Masako Iwasaki, Takashi Obina, Shinya Sasaki, Masanori Satoh, Tatsuro Nakamura, Kazuro Furukawa (KEK), Tomohiro Aoyama, Takuya Nakamura (Mitsubishi Electric System & Service)
 
高エネルギー加速器研究機構では、電子・陽電子衝突型加速器KEKBの高輝度化計画として、SuperKEKB加速器の建設を進めている。我々は、加速器の高輝度化に対応して、SuperKEKB加速器制御ネットワークシステムの改良を行った。より安定なネットワークシステムを構築するため、約30台の10GbEネットワークスイッチをSuperKEKB加速器全域に導入し、データ転送性能を向上させた。また、光ファイバーケーブルを敷設し、ネットワークスイッチを全て冗長接続させた。SuperKEKBコントロール棟とBelleII測定器間を光ファイバーで結び、10GbEネットワークスイッチを導入し、加速器・測定器間のデータ通信性能を向上させた。加速器運転の安全性を高めるため、加速器制御ネットワークとKEK機構内ネットワークとの接続構成を改良した。さらに、EPICSのブロードキャスト通信による影響を軽減させるため、加速器制御ネットワークのVLAN分割を行なった。加速器建設、および加速器メンテナンス時に使用するため、加速器全域に無線LANシステムを構築した。これらSuperKEKB加速器制御ネットワークシステムの構築について、報告する。
 
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SAP094
p.763
MADOCA II制御フレームワークのSPring-8への実装及び機能拡張
Implementation of MADOCA II control framework into SPring-8 and the extension functions

○松本 崇博,古川 行人,石井 美保,松下 智裕((公財)高輝度光科学研究センター)
○Takahiro Matsumoto, Yukito Furukawa, Miho Ishii, Tomohiro Matsushita (JASRI)
 
MADOCA IIはSPring-8における次世代の制御フレームワークとして開発した (第10回日本加速器学会プロシーディングスSAOTP4を参照)。ZeroMQのソケットライブラリをメッセージ通信に利用しており、画像データ等の可変長データがメッセージを介して扱えること、Windowsでも動作が可能であること等の新しい特徴を有する。本発表ではMADOCA IIのSPring-8への実装状況について報告する。SPring-8の制御システムは約80台の運転端末及び約450台のフロントエンド計算機(VME等)から構成される。2014年4月からは運転端末側の計算機に関しては一部の例外を除き全ての制御システムをMADOCAからMADOCA IIに移行し、MADOCA IIを用いた加速器運転を本格的に開始した。またフロントエンド計算機側も真空系等でMADOCA IIへの移行を行なった。MADOCAとMADOCA II制御系の混在環境への対応及び各種モニターの整備を行うことで、SPring-8へのMADOCA IIの実装を円滑に進めることができた。MADOCA IIの機能拡張についても報告する。SACLA加速器の新しいビームライン BL2においてアクセス制御を柔軟に行なうため、多段のホストを経由したメッセージ通信の仕組みを実装した。また、メッセージ中の可変長データを統一的な枠組みで柔軟に扱うため、MessagePackを用いた汎用ライブラリを構築した。データをKey-Value型で扱うことでカメラの画像データやオシロスコープの波形データ等、多様なデータに対応することができた。
 
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SAP095
p.767
RIBFにおけるビームサービス時間可視化システムの実装
Implementation of Visualization System for Beam Service Time in RIBF

○内山 暁仁,込山 美咲,福西 暢尚(理研仁科センター)
○Akito Uchiyama, Misaki Komiyama, Nobuhisa Fukunishi (RIKEN Nishina Center)
 
実験者のビーム照射要求に対して実際にビーム照射できた時間、いわゆる加速器の可用性はその施設の性能を示す上で重要である。 理研RIBFではビーム照射時間をログノートを元に手動で計測していたが、照射時間の計測を正確かつ簡便に行うため、ファラデーカップのステータスから自動で計測するシステムの開発を行った。 また、計測時間をオペレータにわかりやすく示すためにWebアプリケーションを用いて、可視化した。本会議ではシステムの詳細を述べる。
 
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SAP096
p.771
J−PARC 3GeVシンクロトロン機器保護システムの増強
Increment of the Machine Protection System in J-PARC Rapid Cycring Synchrotron

○山本 風海(日本原子力研究開発機構 J−PARCセンター)
○Kazami Yamamoto (J-PARC Center, JAEA)
 
J-PARC(Japan Proton Accelerator Research Complex)では、昨年5月に50GeVメインリング(Main Ring, MR)で異常なビーム出力が発生し、ハドロン実験用の放射化した金ターゲットが昇華、施設外へ漏えいするという事故が発生した。この事故を受け、J-PARCの全施設で放射線漏えいの危険性を未然に検知、防ぐため機器異常状態の監視システムを増強した。J-PARC 3GeVシンクロトロン(Rapid Cycling Synchrotron, RCS)では、物質生命科学実験施設(Material and Life science Facility, MLF)水銀ターゲットへの出射ビームの状態異常やトンネル内ガスの放射能濃度を常時監視し検知する、ダンプ温度をインターロックに組み込みダンプ溶解を早期に発見する、リニアックからのビーム電流が設計値を超えた際に即座にビームを停止する、等の改造を行った。本発表ではその詳細について述べる。
 
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SAP097
p.775
SACLA用同期データ配信システムの開発
Development of tag data supply system for SACLA

○阿部 利徳,岡田 謙介,山鹿 光裕(JASRI)
○Toshinori Abe, Kensuke Okada, Mitsuhiro Yamaga (JASRI)
 
大規模な加速器・実験装置では多数の検出器が必要とされ、また、それぞれの検出器は独立にデータを取得する事が多い。このような実験では、個々の検出器で取得されたデータの同期性を保証することが問題となる。X線自由電子レーザー発生装置SACLAでは、運用開始当初は、ソフトウェア上で同期データ(タグ番号を含む)を決定、データに付加することによりこの同期性を確保していた。今回、同期データの決定、各検出器への配信、検出器データへの埋め込み、までの一連の処理をハードウェア的に行い、各検出器のデータの同期性をより強固に保証するためのシステムの開発を行った。 この同期データ配信システムは、同期データを決定しそれを数値として配信するマスター装置と、それを各検出器に配信するディストリビューター装置から構成される。このシステムは、データ配信の信頼性の向上のために、装置制御のためのイーサネットとは独立にネットワークを構成する。そのトポロジーは、システムへの問題発生時ダウンタイムの低下およびメンテナンス性の向上のためにツリー型を採用した。マスター装置とディストリビューター装置は、イーサーネットを介して制御することができる。 現在このシステムはSACLAの実験ホールにおいて導入され60Hzで同期データを配信している。SACLAのセルフシード化のためのビーム診断装置においても、このシステムが導入されている。
 
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SAP098
p.779
東北大学電子光理学研究センターにおけるユーザー向けオペレータコンソールの開発
Development of operator console in the Research Center for Electron Photon Science, Tohoku University

○長澤 育郎(東北大学)
○Ikuro Nagasawa (Tohoku University)
 
東北大学電子光理学研究センターの従来の加速器制御コンソールは、操作項目が多く複数の制御画面で複雑な操作が要求され、そのためユーザーが加速器のオペレーションを行うことは困難であった。ユーザーによる加速器オペレーションコンソールに必要な条件は、一目で操作方法を把握できるシンプルなGUIであること。また、誤操作によるインターロックで加速器が停止したり、機器の破損を未然に防ぐ安全性が確保されていることである。  そこで、加速器の更新に合わせて、これらの上記2条件を満たし、かつ複雑な起動・操作手順を自動化し、容易に加速器のオペレーションが可能なコンソールを開発した。開発したコンソールのGUIは、操作項目を加速器起動・停止、ビーム出力ON・OFFのほか、繰返しやリングのデューティーファクターなどのパラメータなどに限定したため非常にシンプルで、容易な加速器のオペレーションが可能となった。
 
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SAP099
p.782
J-PARC Main Ringの制御計算機の刷新
Renovation of Control Computers for J-PARC Main Ring

○山田 秀衛(KEK / J-PARCセンター),高橋 大輔,吉田 奨(関東情報サービス(株))
○Shuei Yamada (KEK / J-PARC center), Daisuke Takahashi, Susumu Yoshida (Kanto Information Service (KIS))
 
Console system for J-PARC Main Ring (MR) was designed in 2007 and had been used for accelerator commissioning and operation since then. It was composed of 20 diskless thin clients and 10 terminal servers. Both of them are PC-based computers running 32-bit Scientific Linux (SL) as their operating system. In 2013, upgrade to a new console system was triggered by update from SL4 to SL6. Based on use experiences of those thin clients, the new system consist of ordinary fat clients and supplemental blade servers for high-load applications. 64-bit SL6 is employed to fully exploit hardware performance. Evaluation of fat clients is carried successfully out during commissioning of MR. Presently 10 thin clients have been replaced by fat clients. Migration scenario and prospects are discussed.
 
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SAP100
p.785
SuperKEKB 制御のための EPICS ON F3RP61
EPICS ON F3RP61 FOR SUPERKEKB ACCELERATOR CONTROL

○小田切 淳一,安達 利一,石橋 拓弥,古川 和朗,梶 裕志,小林 鉄也,照井 真司,中西 功太,中村 達郎,三増 俊広(高エネ研),白津 英仁(横河電機),田中 幹朗,中村 卓也,吉井 兼治(三菱SC),出口 久城,林 和孝(三菱電機特機システム株式会社),芳藤 直樹(東日技研)
○Jun-ichi Odagiri, Toshikazu Adachi, Takuya Ishibashi, Kazuro Furukawa, Hiroshi Kaji, Tetsuya Kobayashi, Shinji Terui, Kota Nakanishi, Tatsuro Nakamura, Toshihiro Mimashi (KEK), Hidehito Shiratsu (Yokogawa), Mikio Tanaka, Takuya Nakamura, Kenji Yoshii (MSC), Hisakuni Deguchi, Kazutaka Hayashi (Mitsubishi Electric TOKKI Systems Corporation), Naoki Yoshifuji (JEIT)
 
Control systems of modern accelerators tend to adopt Programmable Logic Controllers (PLCs) as their front-end controllers. This means that, as to control system based on Experimental Physics and Industrial Control System (EPICS), yet another front-end controllers (PLCs) have been placed under the Input/output Controllers (IOCs). The doubled layers of front-end controllers, i.e. PLCs and IOCs makes the control system pointlessly complex in many cases. It also increase the cost for implementation and maintenance of application programs. Recently, PLC`s CPU which can execute real-time OS became available. It opened the way to consolidate a PLC and an IOC into a new type of front-end controller. In particular, F3RP61 CPU adopted Linux for its OS to allow developers to reduce turnaround time for the implementation and debugging of the application program. The PLC-based IOC, EPICS on F3RP61, have been adopted for controlling many subsystems of SuperKEKB accelerator. This paper describes various applications as well as basic performance of EPICS on F3RP61.
 
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SAP101
p.790
SACLAからSPring-8へのビーム輸送系放射線安全インターロックシステム
Radiation Safety Interlock System for Beam Transport Line from SACLA to SPring-8

○佐治 超爾,籠 正裕,松下 智裕,大石 真也,佐々木 茂樹,早乙女 光一,高雄 勝,都筑 之彦,橋本 勇次,満田 史織(高輝度光科学研究センター),浅野 芳裕,糸賀 俊朗,大竹 雄次,田中 均(理研SPring-8センター),江口 重文(理化学研究所),田中 良太郎(高輝度光科学研究センター)
○Choji Saji, Masahiro Kago, Tomohiro Matsushita, Masaya Ooishi, Shigeki Sasaki, Kouichi Soutome, Masaru Takao, Yukihiko Tsuduki, Yuuji Hashimoto, Chikaori Mitsuda (JASRI/SPring-8), Yoshihiro Asano, Toshiro Itoga, Yuji Otake, Hitoshi Tanaka (RSC/SPring-8), Shigefumi Eguchi (RIKEN/SPring-8), Ryotaro Tanaka (JASRI/SPring-8)
 
SACLA(SPring-8 Angstrom Compact Free Electron Laser)からSPring-8に電子ビームを輸送するための放射線安全設備である加速器安全インターロックシステムを構築した。これは、加速器収納部内へのアクセス制御を行い、監視機器状態に応じて、加速器に運転許可を与えるシステムである。SACLAからSPring-8蓄積リングに電子ビームを輸送するにあたり、両施設を接続するビーム輸送ライン(XSBT)と、付随する放射線安全インターロックシステムが新たに設置された。さらに既存のSACLAとSPring-8安全システムとの接続により、全体システムが統一的に運用可能となった。本システムは、安全性を確保しつつ柔軟かつ拡張可能な運転形態を実現するエリア管理手法の適用が特徴である。これは複合加速器をエリア単位で安全制御する手法で、SPring-8にて開発した。今回は、SACLAとXSBTのエリアを追加し、全体を再構成した。安全性はもちろんのこと、運用性とメンテナンス性の両立を図り、SACLAとSPring-8について、一方の施設が運転中に他方の施設のメンテナンス(電源断を含むシステム停止やインターロック動作検査)を実施可能なデザインとなっている。 新システムは2013年9月に完成、安全審査に合格し、SACLAとSPring-8を接続または独立して運用が可能となった。本会では、エリア管理の概念設計、システム構築状況、構築後の運用実績について報告する。
 
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SAP102
p.794
HBase/Hadoopを利用したJ-PARC運転データアーカイビング用ツールの開発
Development of tools for the J-PARC operation data archiving using HBase/Hadoop

○菊澤 信宏,池田 浩(原研東海),吉位 明伸(新日鉄住金ソリューションズ株式会社),加藤 裕子,大内 伸夫(原研東海)
○Nobuhiro Kikuzawa, Hiroshi Ikeda (JAEA), Akinobu Yoshii (NS Solutions Corporation), Yuko Kato, Nobuo Ouchi (JAEA)
 
J-PARCのLINAC, RCSから得られる制御に必要な大量なデータは、現在PostgreSQLに格納しているが、これをHBaseに格納する計画を進めている。HBaseはいわゆるNoSQLと呼ばれるデータストアで、大量のデータをスケーラブルに扱うことが可能である。HBaseはHadoopの分散ファイルシステム上で構築され、複数のマシンで構成するクラスタを使用し、障害時の自動復旧や容量増設の容易性が利点として挙げられる。HBaseおよびHadoopはFacebookやLINEなどで実際に利用されており実用レベルの製品だが、現在も機能拡張やバグフィックスが盛んに行われている。現在までに、HBase 0.94.5/Hadoop 1.0.4にて構築したクラスタにPostgreSQLからデータを移行するツール、および、格納したデータを閲覧するツールを開発してきたが、HBaseの不具合が顕在しその回避が難しいことが分かったため、HBaseのバージョンを上げることとした。この際、Hadoopの弱点である単一障害点を克服したバージョンが正式リリースされたことから、HBase 0.96.1.1/Hadoop 2.2.0を採用した。アーキテクチャが大きく変わり、特にHBaseに関してはバージョン互換性について問題があり、これまで開発したツールも大きな対応・修正を行う必要があることが分かった。本件は、これらのツールの作成上の問題点、および、新しいHBase/Hadoopのバージョンへの対応に関する問題点と、その検討・解決方法について報告するものである。
 
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SAP103
p.799
IFMIF/EVEDA加速器制御系の開発状況
Development Status of Control System for IFMIF/EVEDA Prototype Accelerator

○高橋 博樹,成田 隆宏,西山 幸一,宇佐美 潤紀,榊 泰直(日本原子力研究開発機構),小島 敏行(日本アドバンストテクノロジー),春日井 敦(日本原子力研究開発機構)
○Hiroki Takahashi, Takahiro Narita, Koichi Nishiyama, Hiroki Usami, Hironao Sakaki (JAEA), Toshiyuki Kojima (NAT), Atsushi Kasugai (JAEA)
 
IFMIF/EVEDA加速器の制御システムは、CCS(Central Control System)、LAN(Local Area Network)、PPS(Personnel Protection System)、MPS(Machine Protection System)、TS(Timing System)、LCS(Local Control System)の6サブシステムで構成されており、日本の実施機関である原子力機構はCCS、LAN、PPS、MPSおよびTSの5システムの設計・開発を進めてきた。そして特にハードワイヤで機器と接続されるPPS、MPS、TSにおいては、テストベンチを開発し、欧州において入射器との接続試験を実施し、その性能・機能の確認を行ってきた。 現在、日本で実施される加速器のコミッショニング試験の最初として、入射器の据付および調整運転が進められており、制御系においては欧州でのテストベンチの試験結果をもとに、調整試験後に行われる入射器コミッショニング試験開始に向け、制御系各システムの開発、整備を進めている。 本件では、PPSの入射器コミッショニング試験に特化した追加機能の詳細および各システムの開発、整備状況を報告する。
 
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SAP104
p.803
EPICSを用いたSuperKEKB超伝導電磁石磁場測定制御システムの開発
Development of the control system for the SuperKEKB superconducting magnet field measurement using EPICS

○廣瀬 雅哉(関東情報サービス(株)),岩崎 昌子(高エネルギー加速器研究機構),青山 知寛,中村 卓也(三菱電機システムサービス(株))
○Masaya Hirose (Kanto Information Service Co.,Ltd.), Masako Iwasaki (KEK), Tomohiro Aoyama, Takuya Nakamura (Mitsubishi Electric System & Service Co.,Ltd.)
 
高エネルギー加速器研究機構(KEK)では、KEKB電子・陽電子ビーム衝突型加速器を用いたBファクトリー実験が行われてきた。現在、KEKB加速器の更なる高輝度化を目的として、SuperKEKB加速器の建設が進められている。SuperKEKB加速器では、KEKB加速器で記録した世界最高の電子・陽電子衝突頻度を約40倍に高めることを目標としている。我々は、SuperKEKB加速器実験用最終収束系超伝導電磁石の磁場測定制御システムを、EPICSを用いて開発した。この制御システムにより、電磁石電源の電流値設定および電流値測定、磁場測定用プローブの位置設定および位置測定、測定磁場データ収集等を自動で行うことができる。今回の磁場測定システムでは、電磁石電源として、IDX製、HITACHI製の2種類の電源を制御するプログラムを作成し、各機器の制御にEPICS 、ユーザ用インタフェース画面にCSSを用いた。通信インタフェースとしてEthernet、GP-IB、ARCNETが使用されている。また、磁場測定の遠隔モニタリングの実装を進めている。これらの詳細について、報告する。
 
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SAP105
p.806
SuperKEKB 加速器制御ネットワークのセキュリティ向上
Improvement of the SuperKEKB accelerator control network security

○中村 卓也(三菱電機システムサービス(株)),岩崎 昌子,大西 幸喜,帯名 崇,佐藤 政則,中村 達郎,古川 和朗,三増 俊広,森田 昭夫(高エネルギー加速器研究機構),草野 史郎(三菱電機システムサービス(株))
○Takuya Nakamura (Mitsubishi Electric System & Service Co., Ltd.), Masako Iwasaki, Yukiyoshi Onishi, Takashi Obina, Masanori Satoh, Tatsuro Nakamura, Kazuro Furukawa, Toshihiro Mimashi, Akio Morita (KEK), Shiro Kusano (Mitsubishi Electric System & Service Co., Ltd.)
 
ネットワークセキュリティ向上を目的とした、SuperKEKB加速器制御ネットワーク構成の改良を行った。2010年まで運転したKEKBでは、主要な加速器制御用サーバー計算機は、加速器制御ネットワークとKEK機構内ネットワークの双方に接続されていた。ネットワークセキュリティ対策の観点から、ネットワークの接続構成を見直し、加速器制御ネットワークとKEK機構内ネットワークの分離を行った。 この改良を行うために、新規に、2つのネットワークシステムで運用するためのアカウントシステムの構築、2つのネットワークを分離するためのファイアウォールの設置・設定、加速器制御ネットワークへアクセスするためのログインサーバーの設定等を行った。また、このネットワーク分離に伴い、加速器運用のために必要な、種々のネットワークサービスの構築も行った。このネットワーク分離により、計算機等のリソースも、加速器制御のため、より効率的に稼働できると考えられる。これらSuperKEKB加速器制御ネットワーク構成の改良について報告する。
 
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SAP106
p.810
KEKB入射器におけるタイミング配信システム監視用TDCの開発
DEVELOPMENT OF TDC MODULE FOR MONITORING A TIMING DISTRIBUTION SYSTEM AT THE KEKB INJECTOR LINAC

○諏訪田 剛,宮原 房史,庄子 正剛,池野 正弘,田中 真伸(高エ研)
○Tsuyoshi Suwada, Fusashi Miyahara, Masayoshi Shoji, Masahiro Ikeno, Manobu Tanaka (KEK)
 
入射器では,次期計画であるSKEKB計画に向けた高精度タイミング配信システムの高度化が進行中である. 本システムの基本は、KEKB LER/HER及びPFの3リング同時トップアップ入射 (2009年4月運転開始)に向けて開発されたものである. SKEKBに向けては、新たに陽電子用DRとPF-ARを含めた同時入射が加わる予定である. 同時入射を実現するには、入射器の様々な装置の動作や下流リングへのビーム振り分けを入射ビームのパルス毎に行う必要がある. これを実現するには、ハードウエアを基本とする従来のシステムでは困難で、より柔軟性の高いソフトウエアを基本とする本システムへの移行は必然であった. 入射器では、MRF社が提供するタイミングシステム(EVG/EVRシステム)を利用している. このシステムのソフトウエアを拡張することでSKEKBに向けた高度化を実現する. 一方、配信システムとしては、EVG/EVRシステムの他に入射器―リング間の同期回路や微小遅延時間回路等も接続されている. これまで タイミング配信を監視する機能がなく、システム全体の信頼性を向上させるには至っていない. このような経緯のもとで、より複雑なタイミング配信システムの信頼性を高めるためにTDCによる監視システムの構築を開始した. 本学会では、入射器のタイミング配信システムの概要を述べるとともに新たに開発したTDCの設計方針と得られた特性を報告する.
 
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SAP107
p.815
分散データベースのためのWebサービスフレームワークの開発
Development of Web Services Framework for Distributed Database

○丸山 俊之((株)日本技術センター),福井 達(理研 放射光科学総合研究センター),籠 正裕,石井 美保(高輝度光科学研究センター),吉岡 正倫(スプリングエイトサービス(株)),大島 隆(理研 放射光科学総合研究センター)
○Toshiyuki Maruyama (Nippon Gijutsu Center Co.,Ltd.), Toru Fukui (RIKEN Harima Institute), Masahiro Kago, Miho Ishii (Japan Synchrotron Radiation Research Institute), Masamichi Yoshioka (SPring-8 Service Co., Ltd.), Takashi Ohshima (RIKEN Harima Institute)
 
X線自由電子レーザー施設SACLAではLLRF用異常波形データ収集システムのプロトタイプを開発した。このシステムではクライストロン管で発生したRF波形を、基準波形と比較して閾値から外れたものを異常波形としてデータベースに記録し、Webブラウザで確認することができる。発生した異常波形だけでなく、正常波形を含めた期間内のすべてのデータを保存することも想定し、データベースにはBIGデータベースであるCassandraを採用した。CassandraはNo SQLデータベースとよばれる列指向型の分散データベースであり、非常に高いデータの読み書き性能を有しており、並列プログラミングによりパフォーマンスを引き出すことができる。異常波形データ収集システムのWebシステムにおいて、並列プログラミングによる波形データ読み込みの処理の部分を軽量Webサービスとしてフレームワーク化した。このフレームワークはクライアントからのデータ取得のリクエストを実行する際、サーバのCPUプロセッサの数に応じてリクエストを分割して並列実行を行い、取得したデータをクライアントに返す。これによりデータ取得の応答時間を短縮できる。またWebサービスを複数のサーバに分散させることも可能である。この論文では異常波形データ収集システムWebサービスフレームワークのプロトタイプの概要および動作検証の結果について報告する。
 
LLRF (8月9日 大会議室)
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SAP108
p.819
SuperKEKBのRFシステムで使用するアークセンサ用光ファイバの性能評価
Evaluation of the optical fiber for arc sensor for the RF system in SuperKEKB

○中西 功太,赤井 和憲,海老原 清一,可部 農志,小林 鉄也,西脇 みちる(高エネ研)
○Kota Nakanishi, Kazunori Akai, Kiyokazu Ebihara, Atsushi Kabe, Tetsuya Kobayashi, Michiru Nishiwaki (KEK)
 
KEKBのRFシステムでは、大電力のRFによる放電から機器を保護するために放電を検出するアークセンサによるインタロックシステムを用いて放電発生時には速やかにRFの出力を止める仕組みとなっている。アークセンサは放電が懸念される加速空洞入力カプラのRF窓部や、クライストロンのRF窓部、サーキュレータ内部を監視するように取り付けられている。 これまではアークセンサは放電時の光を検出するフォトダイオードを機器のビューポートに直接取り付けて電気信号に変換し閾値と比較してインターロックが発報する仕組みであった。この方式では電子回路を含むアーク検出部を加速器近傍に設置する必要があることから、検出器が放射線や電磁気的なノイズにより故障したり誤動作したりする心配があった。その対策として、アーク放電時の光を光ファイバーを用いて制御室まで導き光電子増倍管で光を検出する方式が提案され試験も進められている。 ここで使用される光ファイバーは充分な光量を得るために通常の光ファイバの約100倍の開口面積を持つ大口径(コア径600um)のものが使用されることが多かったが、非常に高価でありコストダウンが望まれる。通信用光ファイバやテーパ光ファイバなどの試験を行い、従来KEKBで使用してきたアークセンサと同等の感度を得る目処を得たので報告する。
 
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SAP109
p.823
972MHz LLRFシステムの開発
Development for 972MHz LLRF system

○奥山 恒幸,相澤 卓司,相澤 修一,篠原 己拔(日本高周波株式会社),篠崎 信一(日本原子力研究開発機構),二ツ川 健太,福井 祐治,小林 鉄也(高エネルギー加速器研究機構)
○Tsuneyuki Okuyama, Takuji Aizawa, Shuichi Aizawa, Kibatsu Shinohara (NIHON KOSHUHA Co., Ltd.), Shin-ichi Shinozaki (Japan Atomic Energy Agency (JAEA)), Kenta Futatsukawa, Yuji Fukui, Tetsuya Kobayashi (High Energy Accelerator Research Organization (KEK))
 
J-PARCリニアックで使用するACS空洞には、972MHz、最大3MW(パルス幅600-700μsec,繰り返し50Hz)の大電力RFがクライストロンにより出力される。開発したLLRFシステムのクライストロンドライバアンプは、出力40W、パルス応答性25nsecとなっている。高周波位相制御は、分解能0.1°以下、位相安定度±1°以内で可変出来る。装置の保護機能として、進行波及び反射波の電力異常検出、放電検出、VSWR異常検出によりRFの遮断を行っている。VSWR異常検出については、VSWR演算処理にFPGAを採用し1μsec以下でRFを遮断する。進行波及び反射波の電力異常に対しては、高速コンパレータにより300nsecでRFを遮断することが出来る。放電に対しては、高感度で高速なアークセンサを開発し約1μsecでRFを遮断することが出来る。LLRFシステム全体は、PLCユニットによりシーケンス制御が行われている。本稿では、開発したLLRFシステムの設計、製作、電力試験の結果について報告する。
 
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SAP110
p.828
Software Upgrade of DSP and FPGA Control Systems for J-PARC LINAC
○Zhigao Fang, Kenta Futatsukawa, Yuji Fukui, Tetsuya Kobayashi, Shinichiro Michizono (KEK), Fumiaki Sato, Shinichi Shinozaki, Etsuji Chishiro (JAEA)
 
The software upgrade for the low level rf control systems of the J-PARC LINAC will be reported in this paper, including the DSP and FPGA programs. At the J-PARC proton LINAC, the rf fields of acceleration cavities are controlled by an FPGA-based digital rf feedback system installed in a compact PCI, which consists of the CPU, IO, DSP with FPGA, Mixer & IQ modulator, and RF & CLK boards. Recently, the reflection amplitude from rf cavity is also monitored by the FPGA for the 972-MHz rf stations, and applied to the fast interlock sysem. Besides, during the feedback, a function has been added to the LLRF control system, for monitoring rf field is stable or not. Also, an intelligent sag compensation and automatical FPGA calibration will be programmed so that the rf wavforms at feedback off or on will be almost the same. The setting tables in the FPGA control program for feedback and feed forward will be separated to use independent ones, so that a flexible setting of the feedback control and more perfected feedback rf waveforms are expected. Furthermore, a new function using FPAG control is being developed for separating the chopped beam automatically to two scrapers after the chopper.
 
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SAP111
p.831
位相雑音によるビームエネルギー変動の評価
Evaluation of beam energy fluctuation caused by phase noise

○花木 博文(高輝度光科学研究センター),安積 隆夫,大島 隆(理研放射光センター),小林 利明,鈴木 伸介,谷内 努,出羽 英紀,馬込 保,水野 明彦,柳田 謙一(高輝度光科学研究センター)
○Hirofumi Hanaki (JASRI), Takao Asaka, Takashi Ohshima (RIKEN RSC), Toshiaki Kobayashi, Shinsuke Suzuki, Tsutomu Taniuchi, Hideki Dewa, Tamotsu Magome, Akihiko Mizuno, Kenichi Yanagida (JASRI)
 
近年の加速器に求められている非常に高品質で安定なビームを実現するには、RF源の安定性が非常に重要である。例えばXFELの場合、求められるRFの位相安定性は数十フェムト秒以下である。中でも、基準発振器の位相雑音は基準信号の位相変動を決定し、ビームエネルギーの短期的変動として現れる。 本件の発表では、線型電子加速器に於いて位相雑音がもたらすビーム変動を実験結果および理論的計算結果を比較しつつ定量的に評価することを試みる。実験では、基準信号にノイズなどの外部信号による位相変調を与えることによりエネルギー変動を強調して測定している。理論的方法では、モンテカルロ法により位相雑音によるビームバンチのタイミング変動および加速RFの位相変動を数値計算し、ビームエネルギー変動を見積もっている。
 
レーザー (8月9日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SAP112
p.836
シリコン分光結晶によるガンマ線回折実験
gamma-ray diffaction experiments by using a Si crystal.

○松葉  俊哉,早川 岳人,静間 俊行,西森 信行,永井 良治,沢村 勝,エンジェル クリストファー,羽島 良一(日本原子力研究開発機構)
○Shunya Matsuba, Takehito Hayakawa, Toshiyuki Shizuma, Nobuyuki Nishimori, Ryoji Nagai, Masaru Sawamura, Christopher Angell, Ryoichi Hajima (Japan Atomic Energy Agency)
 
非破壊の核種分析のため、エネルギー回収型加速器と光共振器を組み合わせた次世代のレーザーコンプトン散乱ガンマ線源の開発が進んでいる。ここで発生するガンマ線の輝度は既存のガンマ線源に比べて数桁向上するため、Ge検出器登場後はあまり使われなくなっていたガンマ線結晶分光器が再び注目を集めている。これまでのガンマ線分光の対象は中性子捕獲ガンマ線等を利用した極単色でエミッタンスの大きいものが主であったので、LCSガンマ線の準単色、低エミッタンスのための分光器の開発が必要となる。そのため分光器の開発に着手した。まず1~2 MeV程度で使用可能なシリコン分光結晶を準備しコバルト60 より発生する1.33 MeVと1.17MeVのガンマ線を用いてその試験を行った。その結果を報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP113
p.839
レーザーコンプトン散乱光源用ビームラインモニタの開発
Development of the beamline flux monitor for the laser Compton-scattered photon source

○永井 良治,羽島 良一,森 道昭,静間 俊行(日本原子力研究開発機構),赤木 智哉,小菅 淳,本田 洋介,浦川 順治(高エネルギー加速器研究機構)
○Ryoji Nagai, Ryoichi Hajima, Michiaki Mori, Toshiyuki Shizuma (JAEA), Tomoya Akagi, Atsushi Kosuge, Yosuke Honda, Jyunji Urakawa (KEK)
 
エネルギー回収型リニアック(ERL)とレーザーコンプトン散乱(LCS)による準単色ガンマ線源は非破壊核種分析用の準単色ガンマ線源として最適である。この光源性能の実証のために、コンパクトERLにおいて、レーザーコンプトン散乱実験を計画している。レーザーと電子ビームの調整のためには、LCS光は真空のビームダクトにより実験室まで導いているが、そこでのモニタでは発光点からの距離が遠いために小さな信号が捉えにくくLCSの調整には適していない。そのために、LCS発光点に近いところで真空中で抜き差しできるLCS光のモニタが必要となる。このモニタの開発状況について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP114
p.843
SuperKEKB用RF電子銃に向けたレーザーシステムのアップグレード
Laser system upgrade for RF gun at SuperKEKB

○周 翔宇,夏井 拓也,吉田 光宏,小川 雄二郎(高エネ研)
○Xiangyu Zhou, Takuya Natsui, Mitsuhiro Yoshida, Yujiro Ogawa (KEK)
 
高ルミノシティーを目指すSuperKEKBでは、電子銃の要求性能として、5nCの電荷と10μmのエミッタンスにより、数十ps 以上の初期バンチ長が必須である。Ir5Ceカソードによりパルス長30ps、パルスエネルギーmJの広帯域スペクトル紫外パルスレーザー光源が要求される。 RF電子銃を励起するため、Yb系レーザーシステムの開発を行っている。Ybファイバー発振器・Ybファイバー増幅器・Yb:YAGのthin-disk型固体再生増幅器及びマルチパス増幅器により、高強度赤外光源を得る。2段階の第2高調波発生を行い、変換された紫外光源をIr5Ceカソードに導入する。現在、2Hzのシングルバンチのレーザー光源に対して、5nCの電子ビームを得た。 その後、SuperKEKB入射要件の25Hz、ダブルバンチに対して、レーザー光源のアップグレードを行っている。ノイズを抑制するため、ファイバーパルスピッカー及び2段のポッケルスセルにより、52MHzの光パルスを25Hz、ダブルパルスに変換する。そして、thin-disk再生増幅器を廃置し、ファイバー増幅とthin-diskマルチパス増幅に用いて光パルス増幅を行う。さらに、繰り返す周波数の増加に伴って熱レンズ効果を避けるため、マルチパス増幅システムを改造した。増幅効率が上がるとともに、レーザーシステムの安定化と単純化も改善した。必要な電荷に対応するため、安定な高出力レーザーができると期待する。
 
12:50 - 14:50 
SAP115
p.847
収束電子ビームを用いた高強度レーザーの直接プロファイル計測法の開発
Direct high power laser diagnostic technique based on focused electron bunch

○佐藤 令,野々村 洸,五十嵐 大祐,坂上 和之,遠藤 彰,鷲尾 方一(早稲田大学)
○Ryo Sato, Ko Nonomura, Daisuke Igarashi, Kazuyuki Sakaue, Akira Endo, Masakazu Washio (Waseda University)
 
 超高強度レーザーの生成が可能となり、様々な分野で利用されている。原子核・原子力分野の研究ではペタワットといった強度のレーザーも利用されており、今後これらの利用がより活発になると考えられる。しかし、このようなレーザーのプロファイルを直接スポットで計測する手法は未確立である。収束点での診断法を確立することはレーザー利用において非常に重要な知見を提供する。  我々は早稲田大学のフォトカソードrf-gunを用いて、大強度レーザーの直接プロファイル計測法の開発を行っている。レーザー径よりも小さく収束した電子ビームでレーザーをスキャンし、そのときに得られるレーザーコンプトン散乱光の強度分布からレーザーのプロファイルを計測できる。このスキャンを各角度からおこないCTを用いて2次元のプロファイルの計測が可能であり、最終的にはその実装を目標としている。  まずはEUV光源に利用される高強度パルスCO2レーザーをターゲットとして研究を進めている。電子ビームの収束にはソレノイド電磁石を用いており、実際に20μm(rms)の電子ビームの生成に成功している。また擬似レーザーとして金属ワイヤーを用いて収束・走査系の試験を行っている。本発表では、本研究の原理と収束電子ビームの計測・走査試験の結果、今後の展望について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP116
p.850
収差補償を導入したレーザーコンプトン散乱用光学共振器の設計
Optical enhancement cavity with astigmatism correction for Laser Compton Light Source

○本田 洋介(KEK)
○Yosuke Honda (KEK)
 
光共振器に蓄積したレーザーパルスと電子ビームを衝突させ、準単色高エネルギー光子を生成する、レーザーコンプトン光源の開発が行われている。通常、レーザーの繰り返し周波数の加速器との同期と、衝突点での小さなスポットサイズ、を同時に実現するため、複数枚のミラーで構成される共振器設計が行われる。このとき、凹面鏡を有限の衝突角度で使用することにより生ずる収差がスポットサイズの限界を決める。凹面鏡と凸面鏡を組み合わせて共振器を構成し、収差を補償する設計について議論する。
 
12:50 - 14:50 
SAP117
p.853
SuperKEKB入射器におけるRF電子銃用レーザーの高性能化
Improvement of the laser system for RF-Gun at SuperKEKB injector

○張 叡,周 翔宇,夏井 拓也,小川 雄二郎,吉田 光宏(高エネルギー加速器研)
○Rui Zhang, Xiangyu Zhou, Takuya Natsui, Yujiro Ogawa, Mitsuhiro Yoshida (KEK)
 
Higher luminosity is required in SuperKEKB, the photocathode RF gun with strong electric focusing filed for high-current, low-emittance should be adopted in the injector linac. At present, our Yb laser system for the photocathode RF gun consists of Yb fiber laser and Yb:YAG laser. By utilizing this Yb laser system at 1035 nm, about 2 mJ UV laser at 260 nm was gotten for cathode, and 3 nC beam delivery was achieved. Although we have obtained these good and consistent results, some improvement is still needed. Firstly, some other Yb doped laser crystals are excellent candidates, such as Yb:KGW, Yb:KYW, Yb:BOYS, Yb:CaF2 and Yb:CALGO. In addition, by adopting of these new crystal candidates, we can realize cascade Yb laser. For generating 1050 nm laser, obtained excellent 1035 nm laser can be used as pumping source. Benefit from this design, thermal lens effect and quantum defect can be minimized. At the present stage, stable Yb-fiber laser system and excellent Yb:YAG Q-switch laser at 1035 nm have been accomplished. Take advantage of them as seed laser and pumping source, we are purchasing a stable cascade laser system, which could allow steady beam injection into the SuperKEKB rings.
 
加速器応用・産業利用 (8月9日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SAP118
p.857
利用拡大を目指したRF電子銃ライナックのアップグレード
Upgrade of RF gun based linear accelerators at Osaka University

○楊 金峰,菅 晃一,近藤 孝文,神戸 正雄,吉田 陽一(阪大産研),高富 俊和,浦川 順治(高エネ研)
○Jinfeng Yang, Koichi Kan, Takafumi Kondoh, Masao Gohdo, Yoichi Yoshida (ISIR), Toshikazu Takatomi, Jyunji Urakawa (KEK)
 
我々は、RF電子銃を用いたフェムト秒・アト秒短パルス電子ビームの発生を行い、パルスラジオリシスと時間分解電子顕微鏡を通じて、フェムト秒・アト秒時間領域での量子ビーム誘起物理・化学反応現象や構造変化ダイナミクスの研究を推進している。高品質・短パルス電子ビームの発生やビーム利用の拡大を目指して、H26年1月に現在のRF電子銃ライナックと時間分解電子顕微鏡をシャットダウンし、独立した実験室に移設すると共にアップグレードを行った。さらに、測定の精度を高め、測定の時間を短縮するために、世界に先駆けて繰返し1kHzの常伝導フォトカソードRF電子銃の開発をスタートした。本年会では、RF電子銃ライナックの移設、アップグレード、1kHzの高繰返しRF電子銃の設計・製作について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP119
p.862
原子力機構TIARAサイクロトロンにおける大面積均一イオンビーム利用のための技術開発
Technical development for the utilization of large-area uniform ion beams at the JAEA TIARA cyclotron

○百合 庸介,湯山 貴裕,石坂 知久,石堀 郁夫,奥村 進(原子力機構 高崎研)
○Yosuke Yuri, Takahiro Yuyama, Tomohisa Ishizaka, Ikuo Ishibori, Susumu Okumura (Takasaki, JAEA)
 
原子力機構高崎量子応用研究所のイオン照射施設TIARAのAVFサイクロトロンでは、多重極電磁石を用いた非線形集束による横方向ビーム強度分布の均一化を大面積均一ビーム照射技術として確立するため、照射利用に向けた技術開発を行っている。本発表では、照射システムの概要及びその利用に向けた技術開発の現状について報告する。ビーム光学計算に基づき、輸送ライン上の最終の2連四重極電磁石と多重極電磁石の調整によって、100cm2を超える広い均一照射野のみならず、細長いリボン状の均一ビームを効率的に形成する手法を確立した。ターゲットでは、様々な利用形態に対応できるターゲットチェンバーを備えたことに加え、一部のビームは大気中に取り出して照射することも可能である。従来のスキャン方式では実現困難であった、照射野全体を瞬時に均一照射できるという本ビームの特長を最大限に活用し、量子ビーム応用研究において新たな利用を開始したところである。
 
12:50 - 14:50 
SAP120
p.866
フォトカソードRF電子銃ライナックを用いたアト秒パルスラジオリシスの構築
Development of atto-second pulse radiolysis apparatus with photo-cathode RF gun electron LINAC

○神戸 正雄,菅 晃一,近藤 孝文,楊 金峰,吉田 陽一(阪大産研)
○Masao Gohdo, Koichi Kan, Takafumi Kondoh, Jinfeng Yang, Yoichi Yoshida (ISIR, Osaka univ.)
 
阪大産研ではフォトカソードRF電子銃ライナックを用いたアト秒パルスラジオリシスの実現に向け、フォトカソードRF電子銃ライナックの改良と超高時間分解能測定法の開発に取り組んでいる。パルスラジオリシスは量子ビームが誘起する反応のダイナミクスを実験的に直接観測できる優れた手法である。これまでのパルスラジオリシスの最高時間分解能は210 fs程度(阪大産研, 2009)で、反応の初期過程を解明するには不十分な分解能であり、また、この時間分解能を適用できる測定条件にも制限が多かった。これは、ゞ肪札僖襯硬纏劵咫璽爐琉堕蠅僻生、電子ビームとプローブ光の等時的、等空間的な制御、及び、プローブ光のパルス幅とプローブ光の検出におけるS/N比による測定限界等が主な要因であった。アト秒パルスラジオリシスの実現には、加速器と測定系の双方を含めた総合的な改善・改良が重要である。また、これまでのパルスラジオリシス測定法に拘らない超高時間分解能を実現できる測定法自体の開発も重要である。当日は、加速器の改良の詳細と、パルスラジオリシス測定装置の詳細を報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP121
p.871
フェムト秒パルスラジオリシス法を用いたアルコール中の電子の溶媒和過程の研究
Femtosecond pulse radiolysis study of solvation process of electrons in alcohol

○樋川 智洋,法澤 公寛,近藤 孝文,神戸 正雄,菅 晃一,楊 金峰,吉田 陽一(阪大産研)
○Tomohiro Toigawa, Kimihiro Norizawa, Takafumi Kondoh, Masao Gohdo, Koichi Kan, Jinfeng Yang, Yoichi Yoshida (ISIR, Osaka Univ.)
 
物質に量子ビームが照射されると、イオン化が起こる。イオン化により生成した電子は、溶媒分子を引き付けることでフェムト秒やピコ秒といった時間スケールで溶媒和電子となることが知られている。溶媒和電子は系の反応を左右する重要な活性種であるため、これまで原子炉化学や量子ビーム応用の分野において、その挙動や反応機構が調べられてきた。一方、溶媒和電子の生成過程には前駆体が存在することが明らかにされているが、その生成機構の詳細については未だ明らかにされていない。しかし最近の粒子線治療に関する研究では、溶媒和電子の前駆体がDNA損傷に大きく寄与することが示唆されており、電子の溶媒和過程を明らかにすることは量子ビーム応用の発展に向けて非常に重要である。そこで本研究では、RF電子銃ライナックとフェムト秒レーザーシステムを組み合わせたフェムト秒パルスラジオリシス法を用いて、代表的な極性溶媒であるアルコール中の電子の溶媒和過程の観測を行った。その結果、量子ビームによって生成するドライ電子が、周囲の溶媒分子が作り出すサイトに捕捉されることで溶媒和電子の励起状態である溶媒和前電子となり、その後、周囲の溶媒分子の配向や電子軌道遷移を経て溶媒和電子へと至るモデルを構築した。さらに電子捕捉剤を用いた実験から、ドライ電子が溶媒和電子や溶媒和前電子に比べ、非常に高い反応性を有していることが明らかとなった。
 
12:50 - 14:50 
SAP122
p.874
SAGA-HIMAT立ち上げの現状とスキャニング照射室
Present status of SAGA-HIMAT and construction of a scanning irradiation system

○金澤 光隆,遠藤 真広,日向 猛,綱島 義一,佐藤 弘史,新開 英秀,工藤 帖け山 善之,北村 信,十時 忠秀(SAGA−HIMAT)
○Mitsutaka Kanazawa, Masahiro Endo, Takeshi Himukai, Yoshikazu Tsunashima, Hiroshi Sato, Eishu Shinkai, Sho Kudo, Yoshiyuki Shioyama, Makoto Kitamura, Tadahide Totoki (SAGA-HIMAT)
 
九州国際重粒子線がん治療センター(SAGA-HIMAT)では2013年8月末に治療照射を開始して以来順調に治療を行っており、最初は1室のみの利用で開始したが2014年4月からは2室目の利用を予定どおり開始する事が出来ている。この結果1日の治療照射数は2014年5月中旬の時点で約30照射に上っており、これは事業計画で初年度に目標とした治療患者数200人を超えるペースで、施設の立ち上げは順調に進んでいる。県別の患者数では福岡県が一番多く、それに佐賀県、長崎県、熊本県と続く。人口当たりの患者数では佐賀県がトップで次が福岡県、長崎県、熊本県の順になっている。加速器の運転は順調で、治療予定時間の遅延はあっても、その日に予定した治療を中止せざるを得ないトラブルは起きていない。又、運転の改善に関しては、治療照射でビームが必要な時だけシンクロトロンを運転し、それ以外はフラットベース運転で待機する運転方式を使い始めた。これによって使用電力量の低減を図っている。又、現在は2室を治療に使っていて、もう1室の整備が残されている。現在、治療希望患者の多さを考慮して、治療可能患者数を引き上げるべく、3室目の整備を予定よりも早くスタートさせた。しかも、この部屋での照射方法は、癌への線量集中性がさらに良いスキャニング照射法で行うべく検討を行っている。本公演ではSAGA-HIMATの現状と共に、3室目の整備状況についても述べる。
 
12:50 - 14:50 
SAP123
p.878
絶縁被膜材料の放射線劣化初期過程の研究
Study of the primary process of radiation degradation of insulation coated materials

○西井 聡志,近藤 孝文,神戸 正雄,菅 晃一,楊 金峰,吉田 陽一(阪大産研)
○Satoshi Nishii, Takafumi Kondoh, Masao Gohdo, Koichi Kan, Jinfeng Yang, Yoichi Yoshida (ISIR, Osaka Univ.)
 
加速器の電磁石のコイルに使用されているような高分子絶縁被膜材料は、放射線分解による材料劣化が非常に重要な問題となる。放射線による高分子材料の分解機構に関してはこれまでに多くの研究がなされてきたが、分解生成物であるアルキルラジカル(R・)の生成過程は明らかになっていない。本研究では、レーザーフォトカソードRF電子銃ライナックを用いたフェムト秒パルスラジオリシスにより、高分子材料のモデル化合物であるドデカン中のアルキルラジカルの生成過程を観測し、高分子の放射線分解初期過程を解明することを目的とした。 フェムト秒パルスラジオリシスによりアルキルラジカルの過渡吸収時間挙動を波長240 nmで測定した。その結果、アルキルラジカルの生成時定数として7 psを得た。我々のグループでは、イオン化直後に生成する励起ラジカルカチオン(RH・+*)の寿命が7 psであると報告している。このことより、アルキルラジカルは主として励起ラジカルカチオンから生成するという知見を得ることができ、耐放射線性の高い高分子材料を設計するための指針を得た。
 
12:50 - 14:50 
SAP124
p.882
HIMAC可変エネルギー運転のためのHEBTチョッパーシステムの設計
Design of the HEBT chopper system for multiple-energy operation at HIMAC

○水島 康太,岩田 佳之,古川 卓司,白井 敏之,鈴木 伸司,片桐 健,原 洋介,佐藤 眞二,野田 耕司(放射線医学総合研究所)
○Kota Mizushima, Yoshiyuki Iwata, Takuji Furukawa, Toshiyuki Shirai, Shinji Suzuki, Ken Katagiri, Yousuke Hara, Shinji Sato, Koji Noda (National Institute of Radiological Sciences)
 
放射線医学総合研究所(放医研)では、重粒子線治療用加速器HIMACを用いて1994年からこれまでに8000件以上の炭素線がん治療を行ってきた。2011年からは、より高度な照射線量制御を目指してスキャニング照射法を用いた治療も行っている。放医研は現在、シンクロトロンの可変エネルギー運転を高度化し、200段階以上のビームエネルギーを素早く切り替えることでエネルギーデグレーダを使用しない高速スキャニング照射を目指している。可変エネルギー運転実用のためには、エネルギー変更によるエミッタンス増加で生じるシンクロトロンからの漏れビームを防ぐことが必要となる。さらに、シンクロトロンにおける高速なエネルギー変更にも対応するため、高エネルギービーム輸送システムに遮断機構として新たにチョッパーシステムを導入することを検討している。本発表では、HEBTチョッパーシステムの設計と可変エネルギー運転における制御方法について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP125
p.885
エネルギー回収型クライオ電子リニアックを基盤とするコンパクト空間干渉X線源: X線放射源の基本設計
COMPACT AND SPATIALLY COHERENT X-RAY SOURCE BASED ON CRYOGENIC ERL: BASIC DESIGN OF THE X-RAY RADIATOR

○早川 恭史,佐藤 勇(日本大学 LEBRA),竹中 久貴,玄 知奉,遠藤 克己((株) トヤマ)
○Yasushi Hayakawa, Isamu Sato (LEBRA, Nihon University), Hisataka Takenaka, Chibon Hyon, Katsumi Endo (TOYAMA CO. Ltd.)
 
エネルギー回収型冷却電子リニアックを基盤とする空間コヒーレントなX線源の開発計画が進行中である。X線の放射原理としてパラメトリックX線放射(PXR)を採用しており,結晶ターゲットに電子ビームを照射することによりX線を生成する。光源加速器としてエネルギー回収型リニアック(ERL)を新たに開発するが,エネルギー回収の目的はビームダンプなどでの電子ビームのロスによるバックグラウンド放射線を低減するためである。X線放射源であるターゲットを通過する際に電子ビームのエミッタンスが悪化するのは避けられないが,下流の輸送系や減速管におけるビームロスを最小限に抑えるためにはターゲット上での電子ビームサイズをできるだけ小さくする必要がある。ターゲット結晶としては軽元素の完全結晶であるシリコン結晶やダイヤモンドを用いる予定であるが,電子ビームの集束による結晶の熱的損傷が問題であり,これがERLのマクロパルス持続時間の限界を決める要因の一つとなる。また、バックグラウンド放射線を抑制することを前提にターゲットから放射されるX線を直接真空槽から取り出して利用する計画となっているが,X線窓のサイズにより利用可能なX線のエネルギー範囲が決まってしまう。これらを踏まえて,ターゲット結晶とそれを制御するゴニオメータ,および真空槽の仕様を決め設計を行った。ターゲットの熱計算の結果や期待されるX線の特性と合わせて報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP126
p.890
群馬大学重粒子線医学研究センターでのスキャニング照射開発
Development of Scanning Irradiation in Gunma University Heavy Ion Medical Center

○想田 光,金井 達明,山田 聰,藤本 哲也,久保田 佳樹,遊佐 顕,田代 睦,島田 博文,松村 彰彦,齋藤 明登,深田 恭平,鳥飼 幸太(群大重医セ),竹下 英里(神奈川がんセ),加納 洋介(加速器エンジニアリング),花川 和之,石川 嘉一,岸井 保人,本田 泰三,坂本 裕介(三菱電機)
○Hikaru Souda, Tatsuaki Kanai, Satoru Yamada, Tetsuya Fujimoto, Yoshiki Kubota, Ken Yusa, Mutsumi Tashiro, Hirofumi Shimada, Akihiko Matsumura, Akito Saito, Kyohei Fukata, Kota Torikai (GHMC), Eri Takeshita (KCC), Yosuke Kano (AEC), Kazushi Hanakawa, Yoshikazu Ishikawa, Yasuto Kishii, Taizo Honda, Yusuke Sakamoto (MELCO)
 
群馬大学重粒子線医学研究センターでは、2011年より三菱電機株式会社との共同研究として普及型小型炭素イオン加速器と高度化設備照射ポートを用いたスポットスキャニング照射システムの開発を行っている。 2013年度には光学系を調整してアイソセンターでのビームサイズを最小にし、リッジフィルタによる散乱で1σ=3mmに広げたビームを用い、パターン励磁のステアリング磁石を用いてビーム中心位置の変動をスピル内で全幅0.2mmに抑えることでビーム位置およびサイズの変動を抑制し、平面均一照射の平坦度が±5%から±1%へと向上した。これらの改良後、実験用線源データの測定と線量の最適化を行い、直径6cmの球体照射野の物理線量一定照射を行い、計算値から3%以内の線量誤差での照射を確認した。ただし、線量の変動が大きい飛程終端部では、加速取り出しによるスピル内でのエネルギー変動に起因する±5%程度の線量変動が観測されている。この対策として、厚さを可変とする回転散乱体で飛程変動を抑制する試験を行っている[1]。 また、線量モニタのI/V変換回路を高速化するとともに、スポット移動中の線量を算入するよう線量制御を改良したことで、1Gy以下の低線量における線形性及び再現性が向上した。上記の改良により照射線量の調整が容易となり、2014年度より生物線量一定直方体照射野を用いた動物照射実験での定期的運用を開始している。 [1] T. Fujimoto et al. In this proceedings.
 
12:50 - 14:50 
SAP127
p.893
低エネルギー電子線照射がInGaP太陽電池の電気特性へ及ぼす影響
Effects of the electrical characteristics of InGaP solar cell on low-energy electron beam irradiation

○奥野 泰希,奥田 修一,小嶋 崇夫,岡 喬(阪府大),川北 史朗,今泉 充,艸分 宏昌(宇宙航空研究開発機構)
○Yasuki Okuno, Syuuichi Okuda, Takeo Kojima, Takashi Oka (OPU), Shirou Kawakita, Takashi Imaizumi, Hiroaki Kusawake (JAXA)
 
InGaP太陽電池は、人工衛星に利用されている3接合型太陽電池のトップサブセルである。宇宙環境では、電子線や陽子線などの放射線より生成される照射欠陥により太陽電池の性能が劣化する。しかし詳しい劣化メカニズムに関しては明らかではない。 低エネルギー電子線を用いた研究は、照射欠陥と太陽電池の性能劣化の関係を明らかにする上で非常に重要である。InGaP太陽電池の各元素のはじき出しエネルギー閾値の理論計算では、In、GaおよびPは、それぞれ320、 300および120 keVの電子線ではじき出される。本研究では、低エネルギー電子線を用いて照射欠陥がInGaP太陽電池の電気特性へ及ぼす影響を調べた。 試料はInGaP single-junction cell(SHARP製)を用いた。大阪府立大学の600 keVコッククロフトウォルトン形電子線加速器を用いて電子線を真空中で試料に照射した。試料の劣化特性を評価するために最適な条件で照射装置を設計した。このような照射試験ができる装置は世界でもほとんどない。電子線のエネルギーおよびフルエンスは、それぞれ60 - 500 keV、3×1014 - 3×1016 cm-2であった。AM0光源を用いた光電流電圧特性により太陽電池の性能を評価した。 理論では、120 keV以下で欠陥が発生しない。しかし、60 keVの電子線照射により、通常は欠陥によって生じる開放電圧の低下が確認された。また、400 keV以上の電子線を照射した場合、太陽電池の性能が向上することが明らかになった。
 
加速器土木・放射線防護 (8月9日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SAP128
p.896
KEK-B陽電子源建設のための高揚程化クレ−ン設置
The structural study of the crane for the positron converter area.

○荒木田 是夫(KEK 加速器)
○Yoshio Arakida (Acc dept. KEK)
 
KEK電子陽子ライナックはSupper-B への改装により新陽電子が建設される。 発生直後の陽電子収束のために電磁石が設置される。 また高強度化により旧陽電子源より厚い放射線シ−ルド設置も要請されている。 しかし加速器トンネルの新陽子源建設位置には重量機器設置が想定されていない。 旧陽電子源は設置当時にー般的な構造の 1t クレ−ンを設置して以来活用されている。 しかし新陽電子源にその構造と大きさを当てはめると天井方向に相当量要求されているシ−ルド建設には揚程が不足で役に立たないことになる。 そこで構内の新旧クレ−ンを参考として高揚程化の提案を行い、新陽電子源建設用に新設したクレ−ンについて報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP129
p.899
Super KEKB に向けた電子陽電子入射器のアライメントの現状
Present status of the alignment of KEK LINAC for SuperKEKB

○牛本 信二(三菱電機システムサービス株式会社),肥後 寿泰,諏訪田 剛,佐藤 政則,榎本 收志,紙谷 琢哉,柿原 和久,田中 窓香(高エネルギー加速器研究機構),鈴木 和彦,豊富 直之,木村 康一,水川 義和,久積 啓一(三菱電機システムサービス株式会社)
○Shinji Ushimoto (Mitsubishi Electric System & Service Co.,Ltd.), Toshiyasu Higo, Tsuyoshi Suwada, Masanori Satoh, Atsushi Enomoto, Takuya Kamitani, Kazuhisa Kakihara, Madoka Tanaka (KEK), Kazuhiko Suzuki, Naoyuki Toyotomi, Kouichi Kimura, Yoshikazu Mizukawa, Keiichi Hisazumi (Mitsubishi Electric System & Service Co.,Ltd.)
 
電子陽電子入射器(以下、入射器)では SuperKEKB のための高度化に向けて、ビームライン上にあるコンポーネントの新規設置とアライメント精度の向上に努めている。 入射器アライメントの基本となるシステムは、2本の直線部(A-B および C-5 セクター)に独立して設置されたアライメントの基線となるレーザーと各コンポーネントが搭載された加速ユニット架台の両端面に取り付けた四分割受光素子(QPD: Quadrant-silicon Photo-Diode) から構成されている。架台にはレーザーの光路となる光軸管が組み込まれており、真空排気した管内を通過するレーザー位置を QPD で測定する。架台上のコンポーネントは QPD の位置を基準として機械的に設置されており、架台を調整することでアライメントを行う。 このシステムを基に SuperKEKB で要求されるアライメント精度を達成するため、2009年度からアライメントレーザーの高度化に着手し、2013年度には500m長レーザー長基線基準の安定度 40μm(1σ) を実現した。 また、架台上のコンポーネントアライメントに必要な数十ミクロンの測量精度を得るため、2011年度からレーザートラッカーを導入し、加速器コンポーネントの直接測量を開始した。高精度なアライメント評価が可能となり、既存コンポーネントの設置エラーが想定以上に大きいなど問題が浮き彫りとなっている。 本報告では入射器のアライメントシステムと現在のアライメント状況について紹介する。
 
12:50 - 14:50 
SAP130
p.904
KEKB入射線形加速器トンネル床変動の測定
Measurement of floor movement in the KEKB injector LINAC tunnel

○田中 窓香,肥後 寿泰,柿原 和久,諏訪田 剛,榎本 收志,佐藤 政則,菅原 龍平,吉田 光宏(KEK),牛本 信二,木村 康一,鈴木 和彦(三菱電機システムサービス株式会社)
○Madoka Tanaka, Toshiyasu Higo, Kazuhisa Kakihara, Tsuyoshi Suwada, Masashi Enomoto, Masanori Sato, Ryuhei Sugahara, Mitsuhiro Yoshida (KEK), Shinji Ushimoto, Kouichi Kimura, Kazuhiko Suzuki (Mitsubishi Electric System & Service Co., Ltd.)
 
KEK電子陽電子入射器のビームラインがあるトンネルの床は、地上部と連動し、気象条件によって変動していることがわかっている。特に、トンネル内に複数ヶ所ある建屋結合部付近に著しい変動が見られる。全長約600 mの入射器では、SuperKEKBへのアップグレードのために、グローバルでσ=0.3 mm、ローカルでσ=0.1 mmの精度のアライメントが要求される。この高精度アライメントを実現するために、床変動の詳細を把握する必要がある。今回、入射器のアライメント基線となるレーザーと四分割型シリコンフォトダイオード、レーザートラッカー、傾斜計、ダイヤルゲージ、水管傾斜計の5つの手段で床変動の測定を行った。これらのデータをまとめた結果を報告する。
 
12:50 - 14:50 
SAP131
p.908
高精度平坦床面用エポキシ系セルフレベリング材料の耐放射線テスト
A Radiation Test of Epoxy Self-leveling Materials for High Precision Flat Floor Surface

○木村 洋昭,糸賀 寿朗(理研),木内 淳,甲斐 智也(スプリングエイトサービス(株)),安積 則義(理研),堀川 恵巳子,谷口 晋二,大井川 圭介(アルファ工業(株))
○Hiroaki Kimura, Toshiro Itoga (RIKEN), Jun Kiuchi, Tomoya Kai (SPring-8 Service Co. Ltd.), Noriyoshi Azumi (RIKEN), Emiko Horikawa, Shinziro Taniguchi, Keisuke Oigawa (ALPHA KOGYO K.K.)
 
装置架台底面と床面を密着させて架台の振動特性を改善したり、精密位置決め用エアーパッドを用いて水平方向のアライメントを行ったりするために、我々は高精度平坦床面に関する開発研究を行ってきた。これまで平坦床面を得る方法として、アルファ工業社のエポキシ系セルフレベリング材、アルファテック150 (1)を使用し、50μm/mより良好な平坦面が得られ、その上に設置した架台の振動特性が良好である事を報告した。(2,3) 今回、この材料の耐放射線テストを行った。60Coを用いたガンマ線照射は(株)コーガアイソトープで行い、照射線量は、100kGy、1MGy、10MGyである。照射後に行った物性試験項目は圧縮強度試験、圧縮剪断接着強度試験、引張剪断接着強度試験である。 テストの結果、どの照射テストでも3つの強度試験結果(10MGyは圧縮強度試験のみ)がカタログ値(保証値)を下回る事はなく、照射による劣下は見られなかった。又、同時にテストした他のエポキシ系樹脂モルタル材に関しても合わせて報告する。 1) http://www.alpha-kogyo.com/ 2) H. Kimura, et al., “セルフレベリング工法による高精度平坦床面の製作”、本学会2011年報告集 3) H. Kimura, et al., “エポキシ樹脂による高精度平坦床面の評価”、本学会2012年報告集
 
12:50 - 14:50 
SAP132
p.912
SACLAでのクライストロンギャラリ湿度変動の抑制
Suppression of Humidity Variation at Klystron Gallery in SACLA

○大島 隆,前坂 比呂和,成重 雅彦,大竹 雄次(理研),松原 伸一(高輝度光科学研究センター),飛永 隆史,白川 謙二,坂田 佳広(スプリングエイトサービス)
○Takashi Ohshima, Hirokazu Maesaka, Masahiko Narisige, Yuji Otake (RIKEN), Shin-ichi Matsubara (JASRI), Takashi Tobinaga, Kenji Shirakawa, Yoshihiro Sakata (SPring-8 service)
 
XFELをユーザーに供給しているSACLAでは2年以上の運転が行われている。この運転において、春季と秋季にXFELの強度を維持するために加速空洞の位相調整を頻繁に行う必要があった。調査を行ったところ、クライストロンギャラリの湿度と空洞の位相変動に相関が見られた。天候が雨から晴に変わるときに大きな湿度変動が見られ、その値は例えば2013年9月には35 ~ 50%Rh (Relative humidity)であった。位相変動の湿度に対する相関係数は、大きな幅を持つがLバンドの代表例としては時間に換算して0.4ps/%であった。空調機の設計時には、結露を避け高電圧機器での放電を避けること、静電気による電子機器の損傷を防ぐことを目的として湿度は40 ~ 60% Rhの間に抑えることが目標となっていた。我々は、クライストロンギャラリの気密性を高めて外気のギャラリへの流入を抑えることと、除湿機、加湿器の制御パラメータの調整を行った。その結果の2013年10月には晴雨天候変化時の湿度変動を37%Rh~47%Rhと2/3に減らすことができた。複数ある空洞位相の変動要因のうち、湿度変動によるXFELの強度不安定性について改善できた。更なる安定化に向け、現在はON/OFF制御の気化式加湿器を、比例制御の蒸気式で能力の大きい加湿器に変更することを検討している。
 
電子加速器 (8月10日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SUP001
p.917
次世代の放射線治療装置用6MeV-Xバンド加速器の開発
Development of 6 MeV X-band accelerator for next generation radiation therapy

○山本 昌志,伊藤 卓,草野 譲一,中村 直樹,田辺 英二((株)アキュセラ),中西 康介,ヴィリアセニョル エド((株)エーイーティ),上坂 充(東大原子力専攻)
○Masashi Yamamoto, Taku Ito, Joichi Kusano, Naoki Nakamura, Eiji Tanabe (Accuthera Inc.), Kosuke Nakanishi, Ed Villasenor (AET Inc.), Mitsuru Uesaka (Nuclear Professional School, School of Engineering, University of Tokyo)
 
現在,我々はX線を使った次世代の放射線治療装置の開発を行っている.この装置では,6MeVの電子ビームをタングステンターゲットに衝突させることにより,治療用のナロービームX線を発生させている.加速器の主な構成機器は,9.3[GHz]のXバンドのマグネトロンと20kVの三極管電子銃,サイドカップル型の定在波加速管である.加速器は二次元/三次元のビームトラッキングシミュレーションにより最適なパラメーターを決め,三次元のRFシミュレーションにより詳細寸法を計算した.加速管は,精密加工とロウ付け,そして結合空洞の周波数調整の工程を経て完成した.完成後の低電力の試験では,設計通りのRF特性が得られたことを確認した.その後,テストベンチでのビーム加速試験を行い,仕様である6MeV×100mAのビーム出力と漏洩線量率が1/1000以下であることを確認した.現在は,がん治療装置のロボットマニュピュレーターに取り付け,国立国際医療研究センターにおいて放射線治療機としての各種試験を行っている.ここでは,加速器の設計から各種試験結果,そして治療機としての開発の現状を報告する.
 
12:50 - 14:50 
SUP002
p.921
エネルギー分散型X線分析によるアルカリ-アンチモンカソードの定量評価
An EDX study of alkali antimonide photocathodes

○飯島 北斗,緑川 早紀,目黒 多加志(東京理科大)
○Hokuto Iijima, Saki Midorikawa, Takashi Meguro (Tokyo University of Science)
 
アンチモンと一種類以上のアルカリ金属からなる化合物は緑色の光に対して良い感度をもつ光電材料として古くから研究が進められてきた。近年ではその量子効率と寿命のバランスの良さから大電流電子源のカソードとして研究が進められている。このカソードの成膜としては基板を真空中で加熱処理したのち温度を百数十度に保ちながら、最初にアンチモンを成膜し、以降光電流を測定しながらその電流値が最大となるようにアルカリ元素を蒸着していく方法が一般的である。この手法により作成されたカソードは、例えば500nm付近の波長に対して数%以上の量子効率を実現する。このときアルカリ金属(M)とアンチモン(Sb)はM3Sbの構造をとると考えられており、こうした構造はXPSによる測定で確認されたことがある。一方で、膜厚計による測定では、量子効率を最大にするようなアルカリ金属の蒸着を行うとM:Sbの原子比率が3:1から大きく外れたり、オージェ分光を利用したdepth profile測定でも3:1から外れることが報告されている。 そこで我々は種々の条件で作成したアルカリ-アンチモンカソードに対してエネルギー分散型X線分析(EDX)による定量分析を行いアルカリ-アンチモンの原子比率を測定している。作成したカソードの量子効率は532nmのLDに対して数%の量子効率を得る。この量子効率は他の研究機関と同等であるがEDXにおける定量分析では必ずしも原子比率は3:1にはならないようである。
 
12:50 - 14:50 
SUP003
p.925
短パルスXバンドライナック中性子源のビーム発生シミュレーション
Simulation of Neutron Generation in Short Pulsed X-band Linac Neutron Source

○田儀 和浩,松山 大樹(東大),山本 昌志((株)アキュセラ),土橋 克広,藤原 健,上坂 充(東大)
○Kazuhiro Tagi, Daiki Matsuyama (University of Tokyo), Masashi Yamamoto (Accuthera Inc.), Katsuhiro Doashi, Fujiwara Takeshi, Mitsuru Uesaka (University of Tokyo)
 
核廃棄物処理や次世代炉の設計において、核燃料物質の高精度核データを整備する必要があるが、核燃料物質が測定可能な施設は限られている。現在、東京大学では廃炉措置進行中の弥生炉跡に電子加速器を用いた中性子源を挿入することによる中性子断面積測定システムの開発を行っている。システムの特徴は、炉心内部という限られたスペースに加速器を挿入するために、X-bandの小型ライナックを導入していること、そして、電子ライナックが短いパルスの電子ビームを生成可能であることを活かすことで、高エネルギー中性子による反応断面積を優れた中性子エネルギー分解能で測定できると期待されることである。本研究では、電子銃からの電子ビームの発生から、ターゲットとの相互作用による中性子ビームの発生までをシミュレーションし、システム全体として得られる中性子のエネルギー分解能を求めた。
 
12:50 - 14:50 
SUP004
p.929
SuperKEKB用高電荷低エミッタンスRF gunのコミッショニング状況
Commissioning of High-Charge, Low-Emittance, RF Gun for SuperKEKB

○夏井 拓也,吉田 光宏,周 翔宇,小川 雄二郎(高エネルギー加速器研究機構)
○Takuya Natsui, Mitsuhiro Yoshida, Xiangyu Zhou, Yuujiro Ogawa (KEK)
 
現在,KEKではSuperKEKBに向けた加速器全体のアップグレードが行われている.SuperKEKBではKEKBの40倍という非常に高いルミノシティを達成するために,低エミッタンス化によるダイナミックアパーチャーの減少とビーム寿命の減少が起こる.これに対応して,電子陽電子入射器は高電荷・低エミッタンス化が求められる.電子ビームは電荷5 nC,エミッタンス20 mm-mrad,陽電子ビームは4 nC, 6 mm-mradが求められている.陽電子ビームはダンピングリングによりエミッタンスを下げる計画であるためダンピングリングの建設が進められている.電子ビームはlinacだけで20 mm-mradの低エミッタンスを達成しなければいけないため熱カソードDC gunに変わり,フォトカソードRF gunの開発を進めている.電子ビームは従来の5倍の電荷量である5 nCの高電荷で20 mm-mradの低エミッタンスを達成するために従来とは異なる擬似進行波空洞という加速空洞を持ったRF gunの開発を行った.現在このRF gunはKEK入射器においてコミッショニングが行われている.RF gunのコミッショニング状況について報告する.
 
12:50 - 14:50 
SUP005
p.932
SuperKEKB入射器コミッショニングの現状
Present status of SuperKEKB injector linac commissioning

○佐藤 政則,明本 光生,荒木田 是夫,荒川 大,岩瀬 広,榎本 收志,福田 茂樹,古川 和朗,肥後 寿泰,本間 博幸,池田 光男,柿原 和久,風間 慎吾 ,片桐 広明,紙谷 琢哉,倉品 美帆,松下 英樹,松本 修二,松本 利広,道園 真一郎,三川 勝彦,三浦 孝子,宮原 房史,中島 啓光,中尾 克巳,夏井 拓也,大沢 哲,小川 雄二郎,設楽 哲夫,白川 明広,諏訪田 剛,竹中 たてる,田中 窓香,矢野 喜治,横山 和枝,吉田 光宏,臧 磊,周 翔宇,菊池 光男,多和田 正文,三増 俊弘,飯田 直子,森 隆志,杉本 寛,小磯 晴代,船越 義裕,梶 裕志,森田 昭夫,大西 幸喜,末武 聖明(高エネ機構),佐藤 大輔(東工大)
○Masanori Satoh, Mitsuo Akemoto, Yoshio Arakida, Dai Arakawa, Hiroshi Iwase, Atsushi Enomoto, Shigeki Fukuda, Kazuro Furukawa, Toshiyasu Higo, Hiroyuki Honma, Mitsuo Ikeda, Kazuhisa Kakihara, Shingo Kazama, Hiroaki Katagiri, Takuya Kamitani, Miho Kurashina, Hideki Matsushita, Shuji Matsumoto, Toshihiro Matsumoto, Shinichiro Michizono, Katsuhiko Mikawa, Takako Miura, Fusashi Miyahara, Hiromitsu Nakajima, Katsumi Nakao, Takuya Natsui, Satoshi Ohsawa, Yujiro Ogawa, Tetsuo Shidara, Akihiro Shirakawa, Tsuyoshi Suwada, Tateru Takenaka, Tanaka Madoka, Yoshiharu Yano, Kazue Yokoyama, Mitsuhiro Yoshida, Lei Zang, Xiangyu Zhou, Mitsuo Kikuchi, Masafumi Tawada, Toshihiro Mimashi, Naoko Iida, Takashi Mori, Hiroshi Sugimoto, Haruyo Koiso, Yoshihiro Funakoshi, Hiroshi Kaji, Akio Morita, Yukiyoshi Ohnishi, Masaaki Suetake (KEK), Daisuke Satoh (TITECH)
 
SuperKEKB入射器には,大電荷量かつ低エミッタンスビームの安定供給が求められている。電子(陽電子)ビームに要求される電荷量は5 nC(4 nC)であり,KEKB入射器と比較して約5倍のバンチ電荷量増強が求められている。一方,ナノビーム方式を採用した主リングの低エミッタンス化にともない,入射器ビームの垂直方向規格化射影rmsエミッタンスは20 mm-mrad以下であることが要求される。とりわけ電子ビームについては,ダンピングリングを用いずに低エミッタンスビーム入射を実現する必要があるため,新方式の光陰極RF電子銃を開発し,現在,ビーム試験をおこなっている。また,陽電子ビームの収量増大を目指して,フラックスコンセントレーターおよび大口径Sバンド加速管の開発・実装が進められている。これらと並行して,低エミッタンス陽電子ビーム実現のため,陽電子ダンピングリングの建設が進められている。その他にも,高精度ビーム位置モニタ,高速RFモニタ,バケットセレクションを含む新タイミングシステム,パルス四極電磁石,安全系システムの更新など,多数の技術開発が精力的におこなわれている。これらの要素開発と並行して,昨年秋より,SuperKEKBへのビーム入射に備えた入射器ビームコミッショニングが進められている。本学会では,SuperKEKB入射器のビームコミッショニングについて,現状と今後の展望について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP006
p.937
C-bandプリバンチャーの設計・製作
Development of a C-band prebuncher

○山本 昌志,金田 健一,中西 康介,菅野 浩一,田辺 英二((株)エーイーティ),境 武志(日大量科研電子線利用研究施設)
○Masashi Yamamoto, Kenichi Kaneta, Kosuke Nakanishi, Koichi Kanno, Eiji Tanabe (AET Inc.), Takeshi Sakai (LEBRA, Nihon University)
 
株式会社トヤマの資金で開発が進められているクライオ電子リニアック式小型コヒーレントX線発生装置開発プロジェクトの一環として,日本大学からの依頼を受け,ダブルリエントラント型のC-bandプリバンチャーの設計・製作を行った.プリバンチャーでしばしば使われる同軸のループカップラーは,製作が難しい上に実際の運転でも放電が起こりやすい.まして,周波数帯がC-バンドになると機械的な余裕が無くなり製造が問題となる.そこで,我々は導波管と接続したアイリスカップルを採用した.空洞と導波管をアイリスカップルとし,導波管の端に同軸/導波管変換器を設けた.その結果,ループカップラーに比べサイズは大きくなるが,製造は格段に容易になった.また,運転時の安定性も増すと考えている.この設計では,3次元RFシミュレーションコード CST-Studio を用いた.(1) 同軸/導波管変換器,(2) λ/4導波管,(3) アイリスを含んだ空洞の3つの領域に分けて解析を行った.同軸導波管変換器を除いて,シミュレーションと実機の測定結果は良く一致した.完成したプリバンチャーのQは計算値の94[%]が得られた.また共振周波数は5712.8 [MHz] (設計値: 5712[MHz]),カップリングは5.27(設計値: 5.0)であり,十分な精度である.このCバンドプリバンチャーの設計と製作,RF測定結果を報告する.
 
12:50 - 14:50 
SUP007
p.940
SPring-8 線型加速器の機器改良
The component improvement of the SPring-8 Linac

○鈴木 伸介,小林 利明,谷内 努,出羽 英紀,馬込 保,水野 明彦,柳田 謙一,花木 博文(公益財団法人高輝度光科学研究センター)
○Shinsuke Suzuki, Toshiaki Kobayashi, Tsutomu Taniuchi, Hideki Dewa, Tamotsu Magome, Akihiko Mizuno, Kenichi Yanagida, Hirofumi Hanaki (JASRI)
 
昨年よりSPring-8 線型加速器において以下の項目において改良点があったので、報告する。 ○入射部立体回路の真空化 入射部の立体回路は完成時からSF6封入型で位相器、減衰器、サーキュレーターを運用していた。機器の老朽化対策と共に温度変動などによる導波管変形に起因する位相変動などを低減させるために六体回路を全て真空化した。それに伴い、10MW真空形サーキュレータを世界で初めて採用した。 ○ Sy/NS のビーム振り分けの高速化 SPring-8蓄積リングの短寿命フィリングの採用、長直線部へのアンジュレータの導入による短寿命化等によりSPring-8 への入射頻度が頻繁になってきている。従来の15~20秒に1回の切替から、1秒で振り分けることができるシステムに移行し、運用を行いより安定した入射が行えるようになった。 ○ BT系ステアリング電磁石等の配置変更 NewSUBARU へのビーム輸送トランスポート系及び電子ビーム試験用トランスポート系の軌道補正の自由度向上のために、四極電磁石、ステアリング電磁石の強化、配置変更を行い、上流での軌道変動に対応しての補正範囲が拡がった。
 
12:50 - 14:50 
SUP008
p.944
東北大学1.3 GeV電子シンクロトロンの運転状況
Operational status of the 1.3 GeV electron synchrotron at Tohoku University

○日出 富士雄,柏木 茂,柴崎 義信,高橋 健,東谷 千比呂,長澤 育郎,南部 健一,武藤 俊哉,濱 広幸(東北大 電子光)
○Fujio Hinode, Shigeru Kashiwagi, Yoshinobu Shibasaki, Ken Takahashi, Chihiro Tokoku, Ikuro Nagasawa, Kenichi Nanbu, Toshiya Muto, Hiroyuki Hama (Electron Light Science Centre, Tohoku Univ.)
 
東北大学電子光理学研究センターでは,これまで東日本大震災からの復旧作業を進めてきたが,昨年の12月に放射線施設検査に合格し,正式に共同利用運転が開始されところである.ブースターシンクロトロンの当面の利用運転としては,震災前と同様に,加速した蓄積ビームの軌道上にラジエータを挿入することで高エネルギーの制動放射ガンマ線を生成して,クォーク核物理の実験や対生成からの2次ビームを用いたテストビーム実験などが予定されている.既に今回の復旧に際して新たに導入した六極磁場入りの機能複動型四極電磁石により,クロマティシティをほぼ期待通りに補正できていることが確認されている.またビームエネルギーについては,震災前の1.2 GeVから1.3 GeVに増強した。加速後の電流については震災前と同程度の 20 mAの周回電流が得られているが,当初目標の性能には未だ不十分な状況である.最も深刻な問題として電磁石ミスアライメントによる大きな閉軌道歪みとこれによってダイナミックアパーチャが収縮し、長パルスビームの多重周回入射ができないため,周回ビーム電流の増大を困難にしている.現在,共同利用運転の合間を縫ってマシンスタディ―や改修作業を進めているが,これらの現状や運転上の課題,改善策などについて報告する.
 
ハドロン加速器 (8月10日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SUP009
p.947
超冷中性子リバンチャーの改良II
Improvement of the Ultracold Neutrons Rebuncher II

○今城 想平(京大),岩下 芳久,不破 康裕,北原 龍之介(京大化研),北口 雅暁,清水 裕彦(名大),三島 賢二(東大ICEPP),猪野 隆(KEK)
○Sohei Imajo (Kyoto Univ.), Yoshihisa Iwashita, Yasuhiro Fuwa, Ryunosuke Kitahara (Kyoto ICR), Masaaki Kitaguchi, Hirohiko M. Shimizu (Nagoya Univ.), Kenji Mishima (ICEPP), Takashi Ino (KEK)
 
我々はJ-PARCにおいて中性子の電気双極子能率(EDM)を探索する実験を計画し、その実現に向けて各種装置のR&Dを進めている。その一つとして我々は中性子の運動エネルギーを制御する装置「超冷中性子リバンチャー」を開発した。中性子EDMの探索は運動エネルギーを約200neV以下に減速させた超冷中性子(UCN)を実験容器まで導き、貯蔵して行うのが主流である。しかしJ-PARCのビームを用いたUCN源はパルス源となるため、そのままでは輸送中にUCNのバンチがそれ自身の速度分布に従って拡散し、貯蔵可能な統計量にパルスUCN源の高いピーク強度を十分に反映できない。そこで我々の計画では本装置を用いて実験容器地点にUCNを時間的に集束させ、その問題を解決する。本装置は中性子のスピンが磁場勾配から力を受けることを利用しており、磁場勾配中のUCNのスピンをAFP-NMR法によって反転させ、静磁場通過前後の運動エネルギー収支を100neV程度の範囲で制御し、UCNの加減速を行う。パルスビームは飛行時間と速度との対応がよいので、適切なタイミングでスピン反転を行うことでバンチが再集束するように加減速量を制御する。本装置の原理実証は2011年にすでに成功しているが、その際は最低限の原理実証のみにとどまり、UCNの十分な集束がなされなかった。そこで我々は原理実証機を基にして各部のスペックを向上させた2号機の開発と改造を以前より続けており、11月にUCN集束試験を行う予定である。
 
12:50 - 14:50 
SUP010
p.951
Design and field analysis of a large aperture quadrupole magnet
○Kuanjun Fan, Ishii Koji, Susunu Igarashi, Takuya Sugimoto, Tatsunobu Shibata, Hiroshi Matsumoto (High Energy Accelerator Research Organization)
 
The J-PARC main ring fast extraction (FX) system provides bipolar magnetic field for both the abort beam at any energy and the FX beam at 30 GeV. With the increase of beam intensity, one great concern is the expected beam losses in the FX system region due to the restriction of the present quadrupole (QDT155) physical aperture. An upgrade study of design a new quadrupole with physical aperture 1.5 times larger is in process. The large physical aperture not only brings the problem of material saturation but also creates significant fringe fields that affect the particle motion. This paper introduces the optimization of the quadrupole design, and how to treat the fringe field correctly for beam optics study.
 
12:50 - 14:50 
SUP011
p.955
J-PARCリニアックにおける400 MeV増強後のビームコミッショニングの進捗
Progress of beam commissioning at J-PARC linac after 400 MeV upgrade

○丸田 朋史,劉 勇(高エネ研),三浦 昭彦,佐甲 博之(原研),二ツ川 健太,宮尾 智章(高エネ研),池上 雅紀(ミシガン州立大学)
○Tomofumi Maruta, Yong Liu (KEK), Akihiko Miura, Hiroyuki Sako (JAEA), Kenta Futatsukawa, Tomoaki Miyao (KEK), Masanori Ikegami (FRIB, MSU)
 
J-PARCリニアックでは、2013年に既存の加速器の下流にAnnular Coupled Structure (ACS)加速器を増設し、それによりビームエネルギーを181 MeVから400 MeVに引き上げた。 増設後の性能確認試験は2013年の12月中旬に開始し、2014年1月17日に400 MeVを達成した。本発表では、400 MeV増強後のコミッショニングの進捗、ビームロスの状況等について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP012
p.959
NIRS-930におけるビームのシミュレーション
Beam Simulation for NIRS-930

○中尾 政夫,北條 悟,片桐 健,杉浦 彰則,野田 章(放医研),後藤 彰(山形大学),Smirnov Victor,Vorozhtsov Sergey(JINR)
○Masao Nakao, Satoru Hojo, Ken Katagiri, Akinori Sugiura, Akira Noda (NIRS), Goto Akira (Yamagata Univ.), Victor Smirnov, Sergey Vorozhtsov (JINR)
 
放射線医学総合研究所のAVFサイクロトロン、NIRS-930 (K=110) において、ビームの挙動を理解し、最適なパラメータを調査してビームの強度や品質を向上するためにビームのシミュレーションを行っている。シミュレーションにはサイクロトロン内の3次元電場・磁場分布を利用し、多数の粒子の空間電荷効果をPIC法を用いて計算できるコードSNOPを用いた。現在は主に18MeVの陽子、ハーモニクス2のシミュレーションを行っている。その結果、以下のようなことが分かった。加速位相を理想値に近い状態でビームを加速できるような等時性磁場を作成するために必要なトリムコイルの電流値を探索し、その値を用いて実際のサイクロトロンを運転し位相プローブを用いて位相測定したところ、双方のビーム位相の変化が似た傾向になることを確認した。また、シミュレーション上でビームの入射タイミングが早いものはデフレクターで、遅いものは中心領域で失われていることが分かったが、実際にバンチャーの位相を変化させて測定しこの傾向があることを確認した。空間電荷効果を考慮に入れた多数の粒子のシミュレーションでは、サイクロトロンに入射するビーム電流値を増加させたときのサイクロトロンの各所でのビームロス割合を算出し、ビーム強度を向上させるための課題を探した。これらの結果について報告する。
 
光源加速器 (8月10日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SUP013
p.963
偏光可変準周期アンジュレータの新しい磁場設計モデル
New magnetic design model for a quasi-periodic variably polarizing undulator

○光安 孝史(広島大学 理学研究科),佐々木 茂美,宮本 篤(広島大学放射光科学研究センター)
○Takafumi Mitsuyasu (Graduate School of Science, Hiroshima University), Shigemi Sasaki, Atsushi Miyamoto (Hiroshima Synchrotron Radiation Center, Hiroshima University)
 
通常のリニアアンジュレータによる放射では、基本波のエネルギーに加えて、そのエネルギーの整数倍、主に奇数倍の位置に高調波のピークが観測される。これらの高調波は回折格子を用いたとしても、除去することは難しい。そこで、特定位置の磁場を弱めることで電子ビームと発生する放射光の位相差を準周期にすることによって放射光スペクトルのピーク位置を整数倍の位置から無理数倍の位置にずらしたものが準周期アンジュレータである。その一方で、APPLE-IIアンジュレータは、磁石の位相を変えることで、任意に水平直線偏光、楕円偏光、垂直直線偏光と偏光モードを変えることができる偏光可変の特性があるアンジュレータである。この偏光可変の特性と準周期性を組み合わせることで、上記3種類すべての偏光モードで、スペクトルのピーク位置を整数倍の位置から無理数倍の位置にずらす試みを行った。本発表では、特に垂直直線偏光について準周期性を損なわないような、コイルを使ったモデルや新たに別の磁石配列した準周期アンジュレータの磁石モデルを示す。
 
12:50 - 14:50 
SUP014
p.967
コンパクトERLの進捗状況
Recent progress of the Compact ERL

○中村 典雄,足立 伸一,阿達 正浩,赤木 智哉,明本 光生,荒川 大,浅岡 聖二,江並 和宏,遠藤 有聲,福田 茂樹,古屋 貴章,芳賀 開一,原 和文,原田 健太郎,本田 融,本田 洋介,本間 博幸,本間 輝也,細山 謙二,穂積 憲一,石井 篤,金 秀光,加古 永治,神谷  幸秀,片桐 広明,河田 洋,小林 幸則,小島 裕二,近藤 良也,Konstantinova Olga,小菅 淳,久米 達哉,松本 利広,松村 宏,松下 英樹,道園 真一郎,三浦 孝子,宮島 司,宮内 洋司,長橋 進也,仲井 浩孝,中島 啓光,中西 功太,中尾 克己,濁川 和幸,野上 隆史,野口 修一,野澤 俊介,帯名 崇,尾崎 俊幸,Qiu Feng,下ヶ橋 秀典,阪井 寛志,坂中 章悟,佐々木 慎一,佐藤 康太郎,佐藤 昌史,設楽 哲夫,島田 美帆,篠江 憲治,塩屋 達郎,宍戸 寿郎,多田野 幹人,田原 俊央,高橋 毅,高井 良太,高木 宏之,竹中 たてる,谷本 育律,飛山 真理,土屋 公央,内山 隆司,上田 明,梅森 健成,浦川 順治,渡邉 謙,山本 将博,山本 康史,矢野 喜治,吉田 光宏(高エネルギー加速器研究機構),Enrico Cenni(総研大),羽島 良一,松葉 俊哉,森 道昭,永井 良治,西森 信行,沢村 勝,静間 俊行(日本原子力研究開発機構),栗木 雅夫,清宮 裕史(広島大学),Hwang Ji-Gwang(Kyungpook National University)
○Norio Nakamura, Shinichi Adachi, Masahiro Adachi, Tomoya Akagi, Mitsuo Akemoto, Dai Arakawa, Seiji Asaoka, Kazuhiro Enami, Kuninori Endo, Shigeki Fukuda, Takaaki Furuya, Kaiichi Haga, Kazufumi Hara, Kentaro Harada, Tohru Honda, Yosuke Honda, Hiroyuki Honma, Teruya Honma, Kenji Hosoyama, Ken-ichi Hozumi, Atsushi Ishii, Xiuguang Jin, Eiji Kako, Yukihide Kamiya, Hiroaki Katagiri, Hiroshi Kawata, Yukinori Kobayashi, Yuuji Kojima, Yoshinari Kondou, Olga Konstantinova, Atsushi Kosuge, Tatsuya Kume, Toshihiro Matsumoto, Hiroshi Matsumura, Hideki Matsushita, Shinichiro Michizono, Takako Miura, Tsukasa Miyajima, Hiroshi Miyauchi, Shinya Nagahashi, Hirotaka Nakai, Hiromitsu Nakajima, Kota Nakanishi, Katsumi Nakao, Kazuyuki Nigorikawa, Takashi Nogami, Shuichi Noguchi, Shunsuke Nozawa, Takashi Obina, Toshiyuki Ozaki, Feng Qiu, Hidenori Sagehashi, Hiroshi Sakai, Shogo Sakanaka, Shinichi Sasaki, Kotaro Satoh, Masato Satoh, Tetsuo Shidara, Miho Shimada, Kenji Shinoe, Tatsuro Shioya, Toshio Shishido, Mikito Tadano, Toshihiro Tahara, Takaeshi Takahashi, Ryota Takai, Hiroyuki Takaki, Tateru Takenaka, Yasunori Tanimoto, Makoto Tobiyama, Kimichika Tsuchiya, Takashi Uchiyama, Akira Ueda, Kensei Umemori, Junji Urakawa, Ken Watanabe, Masahiro Yamamoto, Yasuchika Yamamoto, Yoshiharu Yano, Mitsuhiro Yoshida (KEK), Cenni Enrico (Sokendai), Ryoichi Hajima, Shunya Matsuba, Michiaki Mori, Ryoji Nagai, Nobuyuki Nishimori, Masaru Sawamura, Toshiyuki Shizuma (JAEA), Masao Kuriki, Yuji Seimiya (Hiroshima Univ.), Ji-gwang Hwang (KNU)
 
コンパクトERL(cERL)計画は、将来光源などへの応用に向けてERLの優れた性能を実証するために進められてきたが、この1年で大きな進展を見せている。既にcERL入射部を建設してそのコミッショニングに成功したが、2013年7月から11月にかけて合流部やダンプラインを含む周回部の建設を行った。建設完了後の12月には周回部のコミッショニングを開始して、これまでに20MeVまでのビーム加速・周回、エネルギー回収などに成功している。ここでは、今後の計画も含めたコンパクトERLの進捗状況について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP015
p.972
将来光源加速器による新粒子の探索
Feasibility of new particle search at future light source accelerators

○本田 洋介(KEK)
○Yosuke Honda (KEK)
 
近年、ERLとFELを組み合わせた、高平均強度、高ピーク強度の次世代光源加速器が検討されている。これらの光源は、光子と結合する未知粒子の探索実験にも有用である。期待される加速器の光源性能の見積りと、探索パラメータ領域の比較を行う。
 
12:50 - 14:50 
SUP016
p.976
高繰り返し自由電子レーザー用加速器の設計検討
Design Study of High repetition rate FEL

○許斐 太郎,加藤 政博(分子研・UVSOR),山本 尚人,保坂 将人(あいちSR)
○Taro Konomi, Masahiro Katho (IMS・UVSOR), Naoto Yamamoto, Masato Hosaka (Aich SR)
 
は次世代光源加速器の候補として1MHz程度の繰り返しを持つX線自由電子レーザー加速器の設計検討を進めている。真空紫外軟X線領域でのレーザー発振を目指して、最大加速エネルギーを750MeVとする。加速器は超伝導RF電子銃と超伝導加速空洞、マルチターン周回部、アンジュレータ類で構成され、できるだけコンパクト且つ省エネルギーな設計とすることを目指している。現在、加速器の実現可能性について検討を進めている。本発表では超伝導RF電子銃から得られるビーム性能とそのビームを周回させるための超伝導加速空洞及び周回部の検討状況について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP017
p.979
テラヘルツ分析光を用いたパルスラジオリシスの研究
Pulse radiolysis using terahertz probe pulses

○菅 晃一,楊 金峰,小方 厚,近藤 孝文,神戸 正雄,野澤 一太,樋川 智洋,法澤 公寛,小林 仁,吉田 陽一(阪大産研)
○Koichi Kan, Jinfeng Yang, Atsushi Ogata, Takafumi Kondoh, Masao Gohdo, Itta Nozawa, Tomohiro Toigawa, Kimihiro Norizawa, Hitoshi Kobayashi, Yoichi Yoshida (ISIR, Osaka Univ.)
 
阪大産研では、フェムト秒時間分解能のパルスラジオリシス(過渡吸収分光法)が構築・利用されている。また、これまでにフェムト秒レーザーからの分析光を用いて、パルスラジオリシスでは240 fsの時間分解能を達成した。本研究では、従来のパルスラジオリシスにおける分析光波長領域を拡大するために、テラヘルツ分析光を用いたパルスラジオリシスについて研究を行った。実験では、ダブルデッカー電子ビーム(2つの同期された電子ビーム、32 MeV、数100 pC)を用いて、励起用電子ビームと同期したテラヘルツ分析光を発生した。当日は、半導体試料におけるテラヘルツ透過率の時間・周波数分解測定結果の詳細について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP018
p.982
SAGA-LS蓄積リングにおけるスピン消極共鳴の観測
Observation of resonant spin depolarization in SAGA-LS storage ring

○金安 達夫,高林 雄一,岩崎 能尊,江田 茂(九州シンクロトロン光研究センター)
○Tatsuo Kaneyasu, Yuichi Takabayashi, Yoshitaka Iwasaki, Shigeru Koda (SAGA-LS)
 
 蓄積リングを周回する高エネルギー電子ビームは,シンクロトロン放射を通じて徐々にスピンの向きが揃ってくる.電子・電子の散乱断面積はスピンの向きに依存するため,タウシェック効果がビーム寿命を支配する蓄積リングでは,ビーム寿命はスピン偏極度に依存する.放射光施設SAGA-LSの1.4 GeV電子蓄積リングのビーム寿命はタウシェック効果が支配的であり,日々の運転におけるビーム寿命の変動はスピン偏極度を反映している可能性がある.ビーム寿命に対するスピン偏極効果の探索の第一段階として,振動磁場によるスピン消極共鳴の観測を試みた.スピン歳差運動に同調した周波数の水平振動磁場によってスピン消極共鳴が起こる.スピン偏極度の低下によって電子損失率が増加するため,消極共鳴周波数の決定には電子損失率測定が利用できる.周波数スキャンにより消極共鳴と思われる電子損失率の増加が観測された.消極共鳴周波数はビームエネルギーの設定値より1%程度高い値であった.本発表ではSAGA-LS蓄積リングにおけるスピン偏極のビーム寿命に対する影響,スピン偏極度の変動機構の推定,スピン消極共鳴の測定試験を報告する.
 
12:50 - 14:50 
SUP019
p.986
高強度テラヘルツFELの時間形状と波長スペクトルの発展
Temporal and spectral evolution of the high power Terahertz FEL radiation

○加藤 龍好,川瀬 啓悟,入澤 明典,藤本 將輝,矢口 雅貴,船越 壮亮,堤 亮太,宮崎 数磨,磯山 悟朗(阪大産研),柏木 茂(東北大電子光),山本 樹(高エネ研)
○Ryukou Kato, Keigo Kawase, Akinori Irizawa, Masaki Fujimoto, Masaki Yaguchi,, Sousuke Funakoshi, Ryota Tsutsumi, Kazuma Miyazaki, Goro Isoyama (ISIR, Osaka Univ.), Shigeru Kashiwagi (RCEPS, Tohoku Univ.), Shigeru Yamamoto (KEK)
 
阪大産研ではLバンド電子ライナックを駆動源とする高強度テラヘルツ自由電子レーザー(FEL)の開発を行っている。FELの光パルスは電子ビームとの相互作用により、自発放射領域から、指数関数増幅領域を経て、飽和領域にいたる成長を遂げる。指数関数増幅領域では、FEL増幅作用により光パルスの時間幅は減少し、波長スペクトル幅は増大するが、飽和領域に入ると光パルスは伸長をはじめ、波長スペクトルは狭帯化すると考えられる。FEL光の時間的な成長は、その駆動源となる電子ビームのマクロパルス長を適当な長さで打ち切ることにより、任意の時点で止めることが可能である。我々はこの方法で、光パルスの時間発展を中断させ、自己相関干渉計を用いたFTIR法により、光の成長途中でのパルス時間幅と波長スペクトルの変化を評価した。
 
12:50 - 14:50 
SUP020
p.990
PF-AR新ビーム輸送路建設計画
Construction project of a new beam transport line for PF-AR

○高木 宏之,浅岡 聖二,古川 和朗,芳賀 開一,原田 健太郎,本田 融,本間 博幸,飯田 直子,柿原 和久,菊池 光男,小林 幸則,工藤 喜久雄,久米 達哉,三増 俊広,宮内 洋司,長橋 進也,中村 典雄,中村 一,濁川 和幸,野上 隆史,帯名 崇,小川 雄二郎,小野 正明,尾崎 俊幸,佐波 俊哉,佐藤 政行,多田野 幹人,田原 俊央,高井 良太,谷本 育律,多和田 正文,内山 隆司,上田 明,吉田 光宏(高エネ研)
○Hiroyuki Takaki, Seiji Asaoka, Kazuro Furukawa, Kaiichi Haga, Kentaro Harada, Tohru Honda, Hiroyuki Honma, Naoko Iida, Kazuhisa Kakihara, Mitsuo Kikuchi, Yukinori Kobayashi, Kikuo Kudo, Tatsuya Kume, Toshihiro Mimashi, Hiroshi Miyauchi, Shinya Nagahashi, Norio Nakamura, Hajime Nakamura, Kazuyuki Nigorikawa, Takashi Nogami, Takashi Obina, Yujiro Ogawa, Masaaki Ono, Toshiyuki Ozaki, Toshiya Sanami, Masayuki Sato, Mikito Tadano, Toshihiro Tahara, Ryota Takai, Yasunori Tanimoto, Masafumi Tawada, Takashi Uchiyama, Akira Ueda, Mitsuhiro Yoshida (KEK)
 
高エネルギー加速器研究機構の線形加速器(LINAC)は、つくばキャンパス内にある4台の蓄積リング(KEKBのHER及びLER、PF、PF-AR)に対して電子もしくは陽電子ビームを供給している。LINACは高速スイッチングを行うことでエネルギーの異なる電子及び陽電子を50Hzで任意に供給する能力を有しており、PF-AR以外の3台の蓄積リングはこの高速スイッチングされたビームを使って入射が可能であるが、PF-ARだけは他の3台の蓄積リングへの入射を中断しLINACを20分程度専有して入射を行っている。しかしながら、現在建設中のSuperKEKBでは蓄積ビームの寿命が10分程度と非常に短くなるため、今までのようにLINACを専有して入射を行うことができず、PF-ARも高速スイッチングされたビームを取り出して入射する必要が出てきた。そこで、6.5GeVの電子ビームをPF-ARに直接入射するための新ビーム輸送路の建設計画が現在進行中である。これにより、今までは3GeVで入射蓄積して6.5GeVまで加速を行っていたが、今後は6.5GeVでのフルエネルギー入射が可能になると共に、将来的にはトップアップ運転も可能になる。 建設計画の進行状況は、新トンネル部の建設工事が昨年度末に終わり、現在はトンネル内部の設備工事が行われている。新入射路全体の完成は2016年6月を予定している。
 
12:50 - 14:50 
SUP021
p.995
あいちSRにおけるパルス多極入射の検討
Design study of pulsed multipole injection for AichiSR storage ring

○山本 尚人,保坂 将人,高嶋 圭史(名大 SRセンター),加藤 政博(UVSOR, 名大 SRセンター)
○Naoto Yamamoto, Masahito Hosaka, Yoshifumi Takashima (NUSR), Masahiro Katoh (UVSOR, NUSR)
 
あいちSRでは2013年3月よりトップアップ運転による供用運転を行っている。現状、あいちSR蓄積リングへのビーム入射は4台のキッカーを用いたバンプ入射方式を採用しており、バンプ軌道は周長72mうちほぼ半周の31mにわたっている。また、バンプ軌道内に色収差補正用の六極電磁石が存在するため、原理的に完全にバンプを閉じることは不可能である。さらに、あいちSRで新規に建設中であるビームラインの2本はバンプ軌道内の偏向電磁石を用いる予定となっているが、この部分の入射によるビーム変動は10mm程度となる。 このような問題を解決するため、我々は従来のバンプ入射方式をパルス多極入射方式に変更することを検討している。検討の結果、あいちSRでは入射点から約13m下流に六極ライクな多極電磁石を設置することで蓄積リングへの入射が成立することが確認された。 本発表ではあいちSRに最適化した多極電磁石およびその電源の設計、ビームシミュレーションによる検討の詳細について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP022
p.999
Knot-APPLEアンジュレータの磁石設計と性能評価
Magnetic design for Knot-APPLE undulator and its performance

○川田 惟允(広大理),佐々木 茂美,宮本 篤(広大放射光センター)
○Nobumitsu Kawata (Hiroshima Univ.), Shigemi Sasaki, Atsushi Miyamoto (Hiroshima Synchrotron Radiation Center)
 
中高エネルギーリングの蓄積リングにアンジュレータを挿入し、真空紫外域あるいは軟X線などの低エネルギーの放射光を発生するにはアンジュレータのK値を大きくしなければならない。K値の大きなリニアアンジュレータではビーム軸上に多くの高調波が現れ、ビーム軸上に大きな放射パワーが集中する。それによってビームライン光学素子への熱負荷が問題となり、実験に影響を及ぼす。この問題の解決策としてすでにFigure-8, Pera, Knotアンジュレータが提唱されている。しかし、これらのアンジュレータは直線偏光を発生することができるが偏光状態を変えることができない。一方、偏光状態を切り換えることができるAPPLEアンジュレータでは磁石列を動かすことで水平、垂直の直線偏光及び楕円偏光を発生することができる。そこでKnotアンジュレータにAPPLEアンジュレータの偏光可変性を持たせたKnot-APPLEアンジュレータが提案された。しかし、最初に提案された磁石構造では、各偏光モードでの垂直磁場成分と水平磁場成分のギャップ依存性が大きく異なり、特に垂直直線偏光モードで、基本波以外の放射パワーピーク位置を中心軸から十分に外すことが困難であることが判明した。本研究ではすべての偏光モードで理想に近い磁場分布を得るために最適な磁石寸法と配列を探った。発表では新しい磁石構造のKnot-APPLEアンジュレータから期待される放射光スペクトルと放射パワー分布についても示す。
 
12:50 - 14:50 
SUP023
p.1003
電子ビームからの高強度コヒーレント遷移放射による液体の吸収分光
Absorption spectroscopy for liquid with the high-intensity coherent transitions radiation from electron beams

○斉藤 秀輝,奥田 修一(阪府大),高橋 俊晴(京大),Nam S.(Kangwon National Univ.)
○Hideki Saito, Shuichi Okuda (Osaka Prefecture Univ.), Toshiharu Takahashi (Kyoto Univ.), S. Nam (Kangwon National Univ.)
 
高エネルギー電子のバンチ長が短い場合に強力なコヒーレント放射(CR)が得られ、特徴あるTHz光源として利用できる。一般の小型THz光源と比較して極めて強度が高い。京都大学原子炉実験所では、Lバンド電子ライナックを用いてCRによる吸収分光系が確立され、種々の物質に対して吸収分光が行われきた。このような光源を用いて、液体に対する吸収分光の測定を行った例はほとんどない。本研究は、数種の試料に対してミリ波領域で吸収分光を行い、光の透過スペクトルを測定し、液体の吸収分光測定を行うことを目的とした。実験から安定したスペクトルが得られた。スペクトル形状を決める主な要因は、電子バンチの形状と、真空容器の光学窓内での入射光と反射光の干渉であると考えられる。試料に対する透過率は、4回の測定結果を平均したものを試料がない場合のスペクトル強度で割ることで算出した。水に対する光の透過率の波数依存性が得られた。今後、温度などの条件を変えて実験を行う。また大阪府立大の電子ライナックで、強度依存性について調べるための時間分解分析実験を行う。THz領域での光と水の相互作用について新しい知見が得られると期待される。
 
12:50 - 14:50 
SUP024
p.1006
LEBRA PXRラインにおけるCSR強度分布測定
Measurement of Intensity Distribution of CSR at LEBRA PXR Beamline

○中尾 圭佐(日大),清 紀弘(産総研),境 武志,早川 建,田中 俊成,野上 杏子,稲垣 学(日大)
○Keisuke Nakao (LEBRA), Norihiro Sei (AIST), Takeshi Sakai, Ken Hayakawa, Toshinari Tanaka, Kyoko Nogami, Manabu Inagaki (LEBRA)
 
日本大学電子線利用研究施設(LEBRA)では、一昨年FELビームラインにある45度偏向電磁石で発生する THz領域のコヒーレントシンクロトロン放射光(CSR)を、既存のFELビームラインに導光するビームダクト及び光学系を整備した。昨年度よりCSRのユーザー利用実験が始まり、これにより、既存の近赤外領域の自由電子レーザー(FEL)、軟X線領域のパラメトリックX線放射(PXR)に加え、THz領域のCSRと、3つの光源による共同利用が行われている。CSRは、既存のビームラインにある偏向電磁石で発生するのでFELビームラインだけでなくPXRビームラインからも発生している。PXRビームラインには光源の近くに光学系を設置する余地があるため、CSRの特性に関する研究はPXRビームラインでも行っている。昨年行われた、PXRビームラインラインでのCSRパワー測定で予想の数倍のCSRが観測された。その理由として、CSRにコヒーレントエッジ放射(CER)等が混じっているのではないか考えている。そこで、THz光の強度分布を測定し、CSR強度が予想よりも強い原因を解明することを試みた。本発表では、この実験の結果を報告する。
 
粒子源 (8月10日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SUP025
p.1009
IFMIF/EVEDA原型加速器用入射器の現状
Status quo of the injector for the IFMIF/EVEDA prototype accelerator

○神藤 勝啓,市川 雅浩,高橋 康之,久保 隆司,堤 和昌,菊地 孝行,春日井 敦,杉本 昌義(JAEA),ゴバン ラファエル,ジラルド パトリック,ミシャーラ ニコラス,アロール フランシス,ロワゾー デニス,ジオ パトリス(CEA),アヤラ ホアンーマルコス,奥村 義和(IFMIF/EVEDA事業チーム)
○Katsuhiro Shinto, Masahiro Ichikawa, Yasuyuki Takahashi, Takashi Kubo, Kazuyoshi Tsutsumi, Takayuki Kikuchi, Atsushi Kasugai, Masayoshi Sugimoto (JAEA), Raphael Gobin, Patrick Girardot, Nicolas Misara, Francis Harrault, Denis Loiseau, Patrice Guiho (CEA), Juan-marcos Ayala, Yoshikazu Okumura (IFMIF/EVEDA Project team)
 
加速器駆動型中性子源を用いた核融合炉材料開発施設である国際核融合炉材料照射施設(IFMIF)の工学実証のための原型加速器の開発が進められている。この加速器は入射器、RFQ及び超伝導リナックで構成された重陽子線形加速器であり、9MeV/125mAの連続ビーム生成を目指している。入射器はフランス原子力庁サクレー研究所(CEA Saclay)で2012年秋まで100 keV / 140 mAの陽子及び重陽子の連続ビーム試験を行った。ビーム試験終了後、この入射器は青森県六ケ所村の国際核融合エネルギー研究センター(IFERC)に搬送された。IFERCでIFMIF/EVEDA原型加速器として駆動するための第一段階として、今夏より更なる品質向上を目指した入射器のビーム試験を行うために2013年末より入射器の据付作業を開始した。本発表ではCEA Saclayでのビーム試験の結果、IFERCでの入射器の据付状況について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP026
p.1013
LバンドフォトカソードRF電子銃の開発()
Development of the L-band RF Gun (VIII)

○磯山 悟朗,川瀬 啓悟,加藤 龍好,藤本 將輝,矢口 雅貴,船越 壮亮,堤 亮太,宮崎 数磨(阪大産研),渡邉 謙,倉本 綾佳,早野 仁司,浦川 順治,高富 俊和(高エ研),飯島 北斗,栗木 雅夫(広大),柏木 茂(東北大電子光)
○Goro Isoyama, Keigo Kawase, Ryukou Kato, Masaki Fujimoto, Masaki Yaguchi, Sousuke Funakoshi, Ryouta Tsutsumi, Kazuma Miyazaki (ISIR, Osaka University), Watanabe Ken, Ayaka Kuramoto, Hitoshi Hayano, Junji Urakawa, Toshikazu Katatomi (KEK), Hokuto Iijima, Masao Kuriki (Hiroshima Univ.), Shigeru Kashiwagi (ELPH, Tohoku Univ.)
 
大阪大学と、KEK、広島大学で実施しているLバンドフォトカソードRF電子銃開発の進捗状況を報告する。RF電子銃のハイパワー試験を行った際、冷却水配管とRF電子銃本体とのロウ付け部の2〜3で少量であるが水漏れが発生すること、RF共振周波数が前回の調整値からずれていることが判明した。水冷菅の水漏れを止めるため、菅上部を四角く切取り、内側からロウ付け部をなった結果、ロウ付け部の表面が荒れてロウで濡れない場所があり、もれを完全には止めることができなかった。そこで、ロウ付け部を切り取り、水冷菅を作り直しす再ロウ付けを一ヶ所で試みた。これにより漏れを完全に止めることができたが、この手法をすべてのロウ付け部に適用するには、費用がかかりすぎるため、当面の手当てに漏れが少ない部分に液体ガスケットを用いた補修をした。  共振周波数と1.5セルの電場比は、水冷菅のロウ付け前にカソード側と出口側のフランジを拷問器と名付けた装置で押匹して修正したが、その後に取付けた水冷菅ため、使用した治具は利用できない。水冷菅を避けて空洞本体の外周で本体を固定できる治具を新たに製作して、共振周波数と1電場比の調整を行う予定である。これら作業とその結果の詳細を報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP027
p.1016
光陰極直流電子銃無塵化技術の開発
Development of a dust-free technique for a high-field photocathode dc electron gun

○永井 良治,沢村 勝,西森 信行,羽島 良一(日本原子力研究開発機構)
○Ryoji Nagai, Masaru Sawamura, Nobuyuki Nishimori, Ryoichi Hajima (JAEA)
 
最先端の電子ビーム駆動型光源で要求される電子ビームを生成するには、光陰極直流電子銃の高電界化が必須である。しかし、電子銃の高電界化は、真空容器中に残留するダストにより制限されている。これは、真空容器中に残留しているダストが何らかの原因でカソード電極に付着し、電子の電界放出源となるためである。従って、無塵化により光陰極直流電子銃の高電界化が実現されると考えられる。そこで、無塵化のための予備試験を行ったので、その結果について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP028
p.1019
マイクロ波イオン源の実ガス評価
Evaluation of a microwave ion source with material gases

○村田 裕彦,高橋 伸明,曽我 知洋,三堀 仁志,青木 康,櫻庭 順二,加藤 隆典(住友重機械工業株式会社),池永 訓昭,作道 訓之(金沢工業大学)
○Hirohiko Murata, Nobuaki Takahashi, Tomohiro Soga, Hiroshi Mitsubori, Yasushi Aoki, Junji Sakuraba, Takanori Kato (Sumitomo Heavy Industries,Ltd.), Noriaki Ikenaga, Noriyuki Sakudo (Kanazawa Institute of Technology)
 
半導体を製造する工程の一つにドーパントをシリコンウェハに注入するイオン注入工程がある。そこではイオン源で生成されたプラズマからB+やP+などのイオンを引き出し、所定のエネルギーまで加速してウェハに注入する。現在イオン注入装置で広く使われているイオン源は間接加熱カソード(IHC)イオン源であるが、フィラメントやカソードという消耗品により寿命が制限されてしまう。 住友重機械ではイオン注入装置用イオン源として、消耗する部品を持たないため原理的に長寿命で、IHCイオン源と同等の電流が得られると期待されるマイクロ波イオン源の開発を2011年より行っている。Arガスを用いた評価により高密度プラズマを生成するための技術開発を行い、その結果を用いて半導体用材料ガス(実ガス)用のイオン源を設計・製作した。現在はイオン源をテストスタンドに搭載してビーム評価を行っている。 これまでのテストでBF2+ビームでは目標値を達成できたが、その他のビームはArガスでは現れなかった実ガス特有の諸問題により目標値を達成できていない。本報告ではこれまでに得られたビーム評価の結果や実ガスを用いることで発生した諸問題について発表する。
 
12:50 - 14:50 
SUP029
p.1023
透過光型スピン偏極電子源の時間応答性評価(供
Measurement of temporal response of transmission-type spin-polarized photocathodes ()

○稲垣 利樹,山本 尚人(名大),許斐 太郎(UVSOR),岡野 泰彬(分子科学研究所 分子制御レーザー開発研究センター),阿達 正浩(KEK),金 秀光,保坂 将人,高嶋 圭史(名古屋大学),加藤 政博(UVSOR)
○Toshiki Inagaki, Naoto Yamamoto (Nagoya University), Taro Konomi (UVSOR), Yasuaki Okano (Laser Research Center for Molecular Science), Masahiro Adachi (KEK), Jin Xiuguang, Masato Hosaka, Yoshihumi Takashima (Nagoya University), Masahiro Katoh (UVSOR)
 
スピン偏極電子ビームは次世代の高エネルギー素粒子実験である国際リニアコライダー計画などの必須要素であると同時に、逆光電子分光や低速電子顕微鏡などの物性研究にも利用が広がりつつある。近年、我々は歪み補償型の超格子フォトカソードにより90%以上のスピン偏極度を維持したまま活性層膜厚を数倍に増加させる事に成功している。膜厚の増加は量子効率の向上に非常に有効であるが、デメリットとしてパルス応答性を劣化させる可能性がある。我々は歪み補償型超格子フォトカソードを用いて量子効率を現状の数倍に向上させることを計画しているが、これに合わせてパルス応答性の評価を行う必要がある。 このため、我々は20kV電子源を用いたパルス応答性測定システムを開発した。本システムでは、レーザーパルスと同期したRF偏向空胴(共振周波数2612.9MHz)を用いて励起レーザーに対する時間応答を評価する。 製作したRF偏向空胴を用いて電子ビーム偏向試験を行い、電子バンチ長の測定に十分な約1.4Gの高周波磁場が誘起されていることを確認した。また歪み補償型フォトカソードを用いる本試験に先駆け行ったGaP基板上に成長した厚さ600nmのGaAsPフォトカソードを用いたパルス応答性の測定を終え、測定資料に対して信頼できる結果が得られている。 本発表では、開発したシステムの詳細とその有用性に加えて活性層厚みの異なるカソードを用いた時間応答性測定結果について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP030
p.1027
高輝度電子銃に向けた高温動作型フォトカソード電子源の研究開発
Research and development of high-temperature operating photocathode electron source for high brightness electron gun.

○佐藤 大輔(東京工業大学大学院),吉田 光宏(高エネルギー加速器研究機構),林崎 規託(東工大原子炉研),夏井 拓也(高エネルギー加速器研究機構)
○Daisuke Satoh (Tokyo Tech), Mitsuhiro Yoshida (KEK), Noriyosu Hayashizaki (RLNR, Tokyo Tech), Takuya Natsui (KEK)
 
KEKでは、SuperKEKBに向けた加速器全体のアップグレードを行っており、KEKBで達成された40倍にも相当する高いルミノシティを目指している。そのため、電子入射器では、5 nC、10 mm・mrad以下という高電荷・低エミッタンスの電子源が必要とされている。我々は、純金属よりも高量子効率かつ長寿命のIrCeフォトカソードと高出力Ybレーザーシステムを組み合わせた光陰極型RF電子銃を導入することで、高輝度電子ビームの長期安定供給を目指している。光陰極材料開発に関しては、量子効率が室温で9.1×10-4@213nmという純金属よりも高い量子効率を持つIr5Ce化合物の開発に成功し、さらには高温環境下で量子効率を約3倍向上させることにも成功した。現在、KEK電子ライナックにおいてRF電子銃のコミッショニングを実施しており、実際に5nC/bunchの高電荷電子ビーム生成に成功している。しかし、陽電子生成を想定した10nC/bunch以上の電子ビームの生成やレーザーアブレーションによる空洞内放電現象の低減化に向けては、レーザーシステムの増強と同時に光陰極の量子効率増強が必須である。そこで、本研究ではIr5Ce化合物の「高温環境下における量子効率上昇効果」を利用し、Ir5Ceフォトカソードの高温環境下で運転可能な’慳姪纏劵咫璽牴断型光陰極RF電子銃の開発と▲僖襯好譟璽供鴫断やレーザーダイオード加熱といった加熱方式の検証を行い、さらなる高電荷電子ビーム生成を目指している。
 
12:50 - 14:50 
SUP031
p.1031
大電流電子源のための光陰極準備システムの開発
Development of a photocathode preparation system for a high current electron gun

○西森 信行,永井 良治,松葉 俊哉,沢村 勝,羽島 良一(原子力機構)
○Nobuyuki Nishimori, Ryoji Nagai, Shyunya Matsuba, Masaru Sawamura, Ryoichi Hajima (JAEA)
 
高輝度大電流光陰極電子源が注目を集めている。 メガヘルツ繰り返しのX線自由電子レーザー(LCLS-II)、 リソグラフィ用自由電子レーザー、核種分析用のコンプトン散乱γ線源 等、応用範囲が急速に広がりつつある。 我々は光陰極直流電子源から世界初の500keV電子ビーム生成を達成する ことで高輝度化の目処を立てた。ガリウムヒ素光陰極を用いて1.8mAの 電流生成を達成しているが、さらなる大電流化や長寿命化の観点からは 光陰極表面の繊細さが不安視されている。 そこで、我々は大電流化を目指しマルチアルカリ光陰極の開発に着手した。 近年のコーネル大学などのデモンストレーションにより、大電流化の 切り札として期待されている。 本発表では、原子力機構における光陰極準備システムの開発状況、 既存の50mA-250kV電子源と 組み合わせた大電流試験計画について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP032
p.1034
早稲田大学におけるCs-Teフォトカソードの開発
Development of a Cs-Te photocathode at Waseda University

○松崎 脩理,坂本 瑞樹,西田 万里子,坂上 和之,鷲尾 方一(早稲田大学),浦川 順治(高エネ研)
○Shuri Matsuzaki, Mizuki Sakamoto, Mariko Nishida, Kazuyuki Sakaue, Masakazu Washio (Waseda University), Junji Urakawa (KEK)
 
早稲田大学では、フォトカソードRF-Gunによる高品質ビーム生成に関する研究を行っている。近年の実験の高度化により生成する電子ビームには高品質かつ高電荷量であることが求められるようになったため、電子源であるフォトカソードも進化を遂げてきた。フォトカソードを評価する上で重要な項目は2つあり、1つ目が入射光子数に対する放出電子数の比を表す「量子効率」、2つ目が「寿命」である。早稲田大学では2007年からそれまで一般的に用いられてきたCuなどの金属カソードに代えて、量子効率が2桁程度高い(1~10%)Cs-Teフォトカソードを高周波電子銃内で使用してきた。しかしながら、高周波電磁場内におけるカソードの寿命や量子効率に関してはわかっていない部分が多い。そこで早稲田大学では研究室内でのフォトカソード生成と物性研究・最適化研究を目的に蒸着チャンバーを立ち上げた。まずは本蒸着チャンバーで生成したCs-Teフォトカソードは加速器実験に十分使用できる電荷量をもつ電子ビーム生成に成功している。 本発表では立ち上げた蒸着チャンバーの詳細と加速器での電子ビーム生成結果、Cs-Teフォトカソードの量子効率のTe膜厚依存性、また今後の展望について述べる。
 
高周波加速空洞 (8月10日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SUP033
p.1037
J-PARC MR用金属磁性体カットコアの研究
Study of Magnetic Alloy cut-core for J-PARC MR

○野村 昌弘,山本 昌亘,島田 太平,田村 文彦(日本原子力研究開発機構),大森 千広,戸田 信,長谷川 豪志,原 圭吾,吉井 正人(高エネルギー加速器研究機構)
○Masahiro Nomura, Masanobu Yamamoto, Taihei Shimada, Fumihiko Tamura (JAEA), Chihiro Ohmori, Makoto Toda, Katsushi Hasegawa, Keigo Hara, Masahito Yoshii (KEK)
 
J-PARCでは高い加速電圧を発生させる為に、RCS及びMR両シンクロトロンで金属磁性体コアを採用している。加速空胴のQ値の調整は、RCSの場合は外部インダクタンスを付加することにより約2に、MRの場合は金属磁性体コアをカットしそのギャップ間隔を調整することによりコアの実質的な透磁率を低下させQ値を0.6から約25程度まで高めている。本発表では、先ずカットコアの基本的特性であるインダクタンスやQ値とカットコアのギャップ間隔との関係について述べ、次にカットコアの漏れ磁場がそれらの基本特性におよぼす影響について述べる。更に、ハイパワーのビームを供給する為に重要なコアのシャントインピーダンスをMRの加速周波数領域(~1.7MHz)で高める為にはカットコアの何のパラメーターが重要かをアンカットコアと比較し議論を行う。
 
12:50 - 14:50 
SUP034
p.1042
4ビームIH−RFQ線形加速器の設計研究
Design study of four-beam IH-RFQ linear accelerator

○池田 翔太,林崎 規託(東工大)
○Shota Ikeda, Noliyosu Hayashizaki (Tokyo Tech)
 
低エネルギー領域において大強度重イオンビーム加速をおこなう場合,空間電荷効果によるビーム発散が問題となる。とくに,低エネルギー重イオンビーム加速に適した,高周波四重極(RFQ)線形加速器でイオンビームを加速するとき,その加速可能なビーム電流量はビーム速度とRFQ電極間に印加される電圧の積に比例し,また,RFQ電極への印加電圧は放電限界値によって制限されるため,これまで速度の遅い低ネルギー重イオンを高強度で加速することは非常に困難であった。 その解決策のひとつとして,高強度のビームを複数のビームに分割することで空間電荷効果の影響を緩和させ,1台のRFQ線形加速器で並行に同時加速した後に分割ビームを再び統合するアイディアがある。東京工業大学では,マルチビーム型RFQ線形加速器の研究に取り組んできており,これまでに2ビーム型のIH-RFQ線形加速器と直接プラズマ入射型レーザーイオン源の開発に成功している。 本研究は,2ビーム加速によって得られた知見を更に発展させ,世界的にまだおこなわれていない,4ビーム型IH-RFQ線形加速器による高強度重イオンビーム加速を実現し,加速ビーム特性を明らかにすることを目的としており,その原理実証機の開発に向けて,3次元電磁場シミュレーションによる加速空洞の設計やビーム軌道解析を進めている。
 
12:50 - 14:50 
SUP035
p.1044
Cバンドディスクロード型加速管の製造
Production of C-band Disk-loaded type CG accelerating structure

○鈴木 大輔,三浦 禎雄(三菱重工業株式会社),櫻井 辰幸(理化学研究所),惠郷 博文(高輝度光科学研究センター),稲垣 隆宏(理化学研究所),安積 隆夫(高輝度光科学研究センター),大竹 雄次(理化学研究所)
○Daisuke Suzuki (Mitsubishi Heavy Industries.), Sadao Miura (Mitsubishi Heavy Industries), Tatsuyuki Sakurai (RIKEN), Hiroyasu Ego (JASRI), Takahiro Inagaki (RIKEN), Takao Asaka (JASRI), Yuji Otake (RIKEN)
 
理化学研究所では、X線自由レーザー施設SACLAの将来の可能性の一つとして、加速器の高繰り返し運転を可能にする機器を開発している。Cバンドディスクロード型加速管は、高繰り返し運転への対応、SACLAの主加速部にて採用されているCバンドチョークモード型加速管との互換性、製造コストの低減を目指して設計された。 三菱重工業は、2013年4月に上記の加速管を6本受注し、2013年8月に先行で1本、2014年3月に5本の加速管を理化学研究所に納入した。 先行で納入し加速管は、SACLA内のテストベンチにて高電力試験実施済みであり、RFパルス幅0.5μs、繰り返し60ppsにおいて軸上電界50.1MV/mに到達した。そして軸上電界42MV/m以下では、放電等により停止することなく24時間以上の連続運転に成功している。また繰り返し120ppsでの運転も実施され、高繰り返し運転に伴う熱的影響はないことが確認されている。 本発表ではCバンドディスクロード型加速管の製造及び低電力試験の結果について詳細報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP036
p.1047
Cバンドディスクロード型加速管の大電力RF試験
High power RF conditioning of C-band disk-loaded type accelerating structure.

○櫻井 辰幸,稲垣 隆宏,安積 隆夫,大竹 雄次(理研 放射光科学総合研究センター XFEL研究開発部門),惠郷 博文(高輝度光科学研究センター ),三浦 禎雄,鈴木 大輔(三菱重工株式会社)
○Tatsuyuki Sakurai, Takahiro Inagaki, Takao Asaka, Yuji Otake (RIKEN SPring-8 center, XFEL research and development division), Hiroyasu Ego (JASRI), Sadao Miura, Daisuke Suzuki (Mitsubishi heavy industry Co. Ltd)
 
XFEL施設SACLAのC-band加速器は加速電界35〜37MV/m、最大運転繰り返し60Hzで運転している。我々は将来計画の一つとして、加速管の高電界化と高繰り返し化を検討しており、45MV/m以上で120Hzでの運転に対応できる新しいCバンド加速管を開発した。新しい加速管の型式はTM01-2π/3モードの準定勾配進行波型ディスクロード型を採用した。加速管の高電界化によって表面電界が高くなり、放電頻度が高くなることが予想される。それを回避するためにアイリスの断面形状を楕円形にすることで、表面電界を低減させる対処を施した。昨年度の本学会で設計詳細について報告し、それに基づき1.8m長の加速管を製作した。その健全性を評価するために大電力RF試験を実施した。最初は短いRFパルス幅から始め、進捗を見ながら徐々に広げていき、運転開始から約100時間でRFパルス幅2.5μsec、加速電界50.1 MV/mに到達した。そして運転開始200時間後に放電による停止頻度の加速電界依存性を計測し、42MV/m 以下では24時間以上、放電等によって停止すること無く連続運転を行うことが出来た。さらに120HzでのRF運転を実施し、高繰り返しによる熱的影響がないことを確認した。以上の結果から新しい加速管の大電力RFにおける健全性は問題ないことが確認された。
 
12:50 - 14:50 
SUP037
p.1052
超伝導加速空洞の欠陥検査システム XT-mapの開発
Development of SC Cavity Inspection System, XT-map

○頓宮 拓,岩下 芳久(京都大学 化学研究所),早野 仁司,山本 康史(高エネルギー加速器研究機構)
○Hiromu Tongu, Yoshihisa Iwashita (ICR, Kyoto Univ.), Hitoshi Hayano, Yasuchika Yamamoto (KEK)
 
京都大学化学研究所では高エネルギー加速器研究機構(KEK)との共同研究で超伝導加速空胴の欠陥検査についての研究を行なっており、その1つに超伝導状態の加速管に高周波電力を注入して行う縦測定において局所的欠陥の探索のために行なう発熱箇所の検出(T-map)、X線測定(X-map)がある。私たちの欠陥検査システム(XT-map)は空胴外壁に設置するセンサー基板の裏表にT-mapとX-mapのセンサーを有し、センサーの高密度実装による高分解能測定、マルチプレクサ回路を用いたケーブリング削減と高速スキャニング、ローコストパーツの使用を特徴としている。KEKで行なってきた試作機のテスト結果を反映した実用機を昨年度末に製作した。センサー基板は1セルに16枚使用する。基板をデイジーチェーン接続し1スキャンを1sec以下で1セル単位のアウトプットを行なう。KEKにおける縦測定で行なった試験機を用いた実験の測定結果と今回製作したXT-mapについての現状について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP038

KEKにおけるILC量産のための超伝導9セル空洞の製造に関する研究
Studies of fabrication procedure of 9-cell SRF cavity for ILC mass-production at KEK.
○佐伯 学行(KEK)
○Takayuki Saeki (KEK)
 
KEKでは、超伝導加速空洞の製造のための新しい施設を2009年から2011年の間に建設した。この施設では、超伝導空洞製造に必要な深絞りのためにプレス機、部品加工用旋盤、電子ビーム溶接機、化学処理室等を1つのクリーンルーム内に集約して設置した。我々は、この施設を使用してILCの空洞製造量産化の研究を2011年から開始した。この研究では、超伝導空洞の性能を保ちつつ製造コストの低減を図ることを目標としている。既に2本の超伝導9セル空洞の製造を行っており、その研究の現状について発表を行う。
 
12:50 - 14:50 
SUP039
p.1055
KEK-STF2 クライオモジュールのアライメント
STATUS OF ALIGNMENT FOR STF2 CRYOMODULE

○荒木 栄,加古 永治,近藤 良也,宍戸 壽郎,原 和文,早野 仁司,仲井 浩孝(高エネルギー加速器研究機構),清水 健一((有)エスケーサービス),山内 拓也(関東情報サービス(株))
○Sakae Araki, Eiji Kako, Yoshinari Kondo, Toshio Shishido, Kazufumi Hara, Hitoshi Hayano, Hirotaka Nakai (KEK), Kenichi Shimizu (SK-service INC.), Takuya Yamauchi (Kantou Information Service(KIS))
 
高エネルギー加速器研究機構(KEK)の超伝導リニアック試験施設(STF)では、高輝度光子ビーム生成(量子ビーム実験)の試験運転が終了し、更なる、STF2計画ではクライオモジュール(CM1およびCM2a)を2台を追加する。クライオモジュール内には、それぞれILC 用9セル超伝導加速空洞8台、4台が納められ、連続した空洞を精度内にアライメントする必要がある。ビームラインに設置された後は超伝導化するために空洞のアライメントはクライオモジュール単位となり、個々の調整が不可能のため、組み混む前にクライオモジュール内部の空洞を精密に調整する必要がある。2014年3月にCM1の設置し、5月にCM2aの設置を行った。超伝導加速空洞のアライメント方法と結果について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP040
p.1059
STF2超伝導加速空洞用クライオモジュールの開発
Development of Superconducting RF cryomodule for STF2

柳澤 剛,仙入 克也,井上 典亮,○立木 智裕(三菱重工業(株))
Takeshi Yanagisawa, Katsuya Sennyu, Fumiaki Inoue, ○Tomohiro Tsuiki (MHI)
 
ILCに向けて高エネルギー加速器研究機構において開発が進められているSTF2超伝導加速空洞用クライオモジュールに関して、三菱重工では空洞、クライオモジュール構成機器の製造と、クライオモジュールの組立を実施した。これらの実績・状況について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP041
p.1062
STF2クライオモジュール用インプットカップラ−の組立工程
Assembly procedure of input couplers for STF2 cyromodule

○今田 信一,浅野 峰行,植木 竜一,柳町 太亮,山田 浩気(日本アドバンストテクノロジー),岡田 昭和(ケーバック),宍戸 寿郎,山本 康史,加古 永治(KEK)
○Shin-ichi Imada, Mineyuki Asano, Ryuichi Ueki, Taisuke Yanagimachi, Hiroki Yamada (NAT), Terukazu Okada (K-vac), Toshio Shishido, Yasuchika Yamamoto, Eiji Kako (KEK)
 
KEK STFでは、STF2計画としてILC標準仕様のクライオモジュールの建設が進められている。クライオモジュールに組み込まれる超伝導空洞システムの主な構成要素の一つとしてインプットカップラ−があるが、これは同軸型アンテナであり、空洞内に高加速電界を発生させる。インプットカップラ−は、まず、低温部と室温部をクリーンルームで組立後、大電力試験用テストスタンドにおいてコンディショニングを行う。その後、再度クリーンルーム内で低温部、室温部に分け低温部は空洞に取り付け、室温部はクライオスタットの外部から取り付けられる。最後に同軸導波管変換器を取り付け、クライストロンと導波管により接続される。一連の作業においては空洞の性能に影響を与えないように、また、大電力投入時の放電を防ぐためにクリーンな環境が重要となる。本発表では、インプットカップラーについてその受け入れからクライオモジュールへの組み込みまでの一連の工程について述べる。
 
12:50 - 14:50 
SUP042
p.1066
4分割方式による高電界試験用Xバンド単セル空洞の製作
Fabrication of Quadrant-Type X-Band Single-Cell Structure used for High Gradient Tests

○阿部 哲郎,安島 泰雄,荒木田 是夫,井上 均,工藤 昇,高富 俊和,肥後 寿泰,松本 修二(高エネ研),東 保男(沖縄科学技術大学院大学)
○Tetsuo Abe, Yasuo Ajima, Yoshio Arakida, Hitoshi Inoue, Noboru Kudo, Toshikazu Takatomi, Toshiyasu Higo, Shuji Matsumoto (KEK), Yasuo Higashi (OIST)
 
4分割方式で製作した加速管では、加速モードによる表面電流が接合面を渡らない特徴を持つため、高い高電界性能を期待出来る。一方、4分割方式加速管には、局所場増大等のデメリットがある。我々は、すべてのデメリットを克服する新しい4分割方式加速管を考案し、それに基づき、高電界試験を行うための単セル試験空洞を製作したので報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP043
p.1073
低エネルギーミュオン線形加速器の開発
Development of Low Energy Muon Linac

○林崎 規託(東工大),吉田 光宏(高エネ研)
○Noriyosu Hayashizaki (TokyoTech), Mitsuhiro Yoshida (KEK)
 
本研究では,文部科学省科学研究費補助金の新学術領域研究「超低速ミュオン顕微鏡が拓く物質・生命・素粒子科学のフロンティア」において開発が進められている,超低速ミュオン顕微鏡のビーム尖鋭化に必要な基盤技術として,ミュオニウムをレーザー解離することで得られた超低速ミュオンを3MeV以上に再加速するための,Interdigital-H型(IH)線形加速器の原理実証機の開発をおこなっている。運転周波数は324MHzであり,一枚板から全てのドリフトチューブ電極を立体的に削り出したセンタープレートに,サイドシェルを両側から取り付ける構造を採用している。最終デザインの3次元CADモデルから製作図面を描き起こして,精密機械加工メーカーに依頼してセンタープレートとサイドシェルを削り出した。製作した両者を組み合わせ,ネットワークアナライザーによる高周波測定をおこないながら,共振周波数を324MHz近傍に調整して原理実証機を完成させた。今後は,本研究で取り入れた高周波電場の加速位相の符号を交互に変化させてビーム収束をおこなう(Alternating Phase Focus: APF)法の効果なども確認しながら,実機デザインにフィードバックしていく予定である。
 
12:50 - 14:50 
SUP044
p.1075
エネルギー変調セル付属型高周波電子銃の開発と利用展開
Development of an energy chirp cell attached rf electron gun and its prospective applications

○坂上 和之,立花 充章,水柿 将貴,鷲尾 方一(早大理工研),浦川 順治(高エネ研),黒田 隆之助(産総研)
○Kazuyuki Sakaue, Mitsuaki Tachibana, Masataka Mizugaki, Masakazu Washio (Waseda University), Junji Urakawa (KEK), Ryunosuke Kuroda (AIST)
 
我々は電子銃空胴単体によって極短バンチ(500fs以下)かつ比較的高電荷量(100pC以上)の電子ビームを生成できるエネルギー変調セル付属型高周波電子銃の開発を行ってきた。電子銃出口部に設置したエネルギー変調セルによって線形なエネルギー変調を与えることによって速度差を用いてバンチ圧縮し、極短バンチを得ることが可能である。すでに生成した電子バンチからのコヒーレント放射の計測によって500fs以下のバンチ長が達成されていることを確認しており、また、テラヘルツ帯の放射としても、汎用検出器で十分な検出が可能な強度が得られている。このような電子バンチはコヒーレント放射によるテラヘルツ光源、時間分解電子顕微鏡など様々な応用が可能であると考えている。特にテラヘルツ分光イメージングやシングルショット時間分解電子線回折顕微鏡は本電子銃に適した応用であるとともに非常に有用な応用展開である。本講演ではエネルギー変調セル付属型高周波電子銃の紹介、評価試験結果及びその応用展開に関する検討結果について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP045
p.1078
STF2-CM2aクライオモジュール用9セル超伝導空洞のたて型性能測定の結果
Vertical Test Result of 9-cell SC Cavities for STF2-CM2a Cryomodule

○植木 竜一,浅野 峰行,今田 信一,柳町 太亮,山田 浩気(日本アドバンストテクノロジー),岡田 昭和(ケーバック),宍戸 寿郎,山本 康史,加古 永治(KEK)
○Ryuichi Ueki, Mineyuki Asano, Shin-ichi Imada, Taisuke Yanagimachi, Hiroki Yamada (NAT), Terukazu Okada (K-vac), Toshio Shishido, Yasuchika Yamamoto, Eiji Kako (KEK)
 
本発表では、STF-CM2aクライオモジュールに組み込むための9セル超伝導空洞4台のたて型性能測定の結果を報告する。 今回測定された空洞では、加速電界30 MV/mを超えてクエンチが生じた場合、その発熱箇所に原因となる欠陥は見つからなかった。しかし、発熱箇所周辺の研磨処理を行うことでクエンチが生じる加速電場が上がり空洞性能が向上した。また、フィールドエミッションによりQ値の急激な減少が見られた空洞では、アイリスのビード端のくぼみやアイリス表面の荒れが多数見られたが、アイリスの全周研磨を行うことでフィールドエミッションが抑制され空洞性能が向上した。4空洞の最終的な平均到達加速電場は、28.0 MV/mとなり、うち1台は35.0 MV/m、2台は31.5 MV/mを超える結果となった。
 
12:50 - 14:50 
SUP046
p.1083
STF2-CM1&CM2aクライオモジュール用9セル超伝導空洞の連結組立
String Assembly of 9-cell SC cavities for STF2 CM1 and CM2a cyromodules

○岡田 昭和(ケーバック),浅野 峰行,今田 信一,植木 竜一,柳町 太亮,山田 浩気(日本アドバンストテクノロジー),宍戸 寿郎,山本 康史,加古 永治(KEK)
○Terukazu Okada (K-vac), Mineyuki Asano, Shin-ichi Imada, Ryuichi Ueki, Taisuke Yanagimachi, Hiroki Yamada (NAT), Toshio Shishido, Yasuchika Yamamoto, Eiji Kako (KEK)
 
KEK STFでは、STF2計画としてクライオモジュールの建設が進められている。クライオモジュールに組み込まれる超伝導空洞の連結組立がビームを加速させるために重要なことだといえる。空洞を超純水で高圧洗浄後クリーンルームに入れ、設置する。連結組立で必要な真空部品、インプットカップラーなどはクリーンルーム内で洗浄を行う。クリーンルームのクラス1000からクラス10へ移動し、連結組立を行う。組立後、リークテストをして問題がないことを確認し空洞内へArガスを封入する。さらにクラス1000へ移動しHe供給配管を取り付ける。リークテスト後クリーンルームの外へ出し、空洞チューナー、測定機器関連、温度計測配線などを取り付ける。その後、クライオモジュールへ挿入しトンネルへ設置される。連結組立作業においては空洞の性能に影響を与えないように、クリーンルームの清掃、クリーンウェア、手袋などのゴミを出さないクリーンな環境が重要となる。本発表では、9セル超伝導空洞の連結組立について洗浄から組立、リークテストまでの一連の工程について述べる。
 
12:50 - 14:50 
SUP047
p.1088
ILCに向けた超伝導加速空洞の開発状況
Superconducting Cavity R&D for ILC at MHI

○原 博史,仙入 克也,井上 典亮,柳澤 剛,金岡 耕平(三菱重工業(株))
○Hiroshi Hara, Katsuya Sennyu, Fumiaki Inoue, Takeshi Yanagisawa, Kohei Kanaoka (MHI)
 
MHIでは、高エネルギー加速器研究機構殿と共に超伝導加速空洞の開発に取り組み、これまでSTF(Superconducting Test Facility)・ERL(Energy Recovery Linac)設備用9セル超伝導空洞の製造を行ってきた。今回、並行して社内開発を進めてきた超伝導加速空洞のILCに向けた量産工法の開発状況について報告する。
 
高周波源 (8月10日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SUP048
p.1091
J-PARCクライストロン高圧電源の改修
Improvement of J-PARC Klystron High Voltage Power Supply

○千代 悦司(原子力機構),川村 真人(高エネ研),佐川 隆(ユニバーサルエンジニアリング),小川 真一(日立製作所)
○Etsuji Chishiro (JAEA), Masato Kawamura (KEK), Ryu Sagawa (Universal Eng.), Shinichi Ogawa (Hitachi)
 
J-PARCリニアック棟のクライストロン直流高圧電源は、2006年より324MHz高周波源用の電源6台が運転を開始し、現在までに35000時間以上稼働している。また、2013年より972MHz用電源が稼働し、合計12台の高圧電源か稼働している。本電源は、変圧器で降圧した交流電圧をサイリスタにて位相制御し、この成形された電圧を昇圧・整流し、直流高電圧を発生している。リニアックで用いられる2種類のクライストロンは、それぞれアノード電極を有しており、変調器により直流高電圧をパルス状に分圧することによりアノード電圧を発生し、パルス運転を行っている。これまでの運転により本電源は、様々なトラブルが発生した。変調器では、絶縁離隔距離の不足で絶縁体が劣化し、油中放電が発生した。また、ドライバー部ではコロナ放電により金属腐食が生じた。変圧整流器では、高圧ダイオードの破損や直流高電圧が安定しない事象が生じていた。サイリスタ盤では、サイリスタの誤点弧により変圧器の鉄心が飽和する偏磁事象が生じた。報告では、これら変調器やサイリスタ盤、変圧整流器で発生したトラブルやその改修について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP049
p.1094
X-band 6MW パルスクライストロンの開発
Development of an X-band 6MW pulsed klystron

○大久保 良久,田中 敏文(東芝電子管デバイス株式会社)
○Yoshihisa Okubo, Toshifumi Tanaka (TETD)
 
東芝電子管デバイス(株)ではCERNが次期大型加速器計画として検討を進めているCLIC計画向けの高周波源として周波数12 GHz、パルス出力6MWのパルスクライストロンの開発を行っている。高い周波数のクライストロンの開発では、波長が短くなることにより、同じ出力を得るための出力窓、出力導波管の電界強度が上がり、出力電力値に応じた設計が必要となる。本クライストロンの設計では従来の数十MWクラスのSバンドおよびCバンドクライストロンからのスケーリングにて設計方針を決め、詳細検討により最終形状を決定した。本クライストロン設計では5μsのパルス幅動作を可能とするため、出力空胴の電界強度を下げ且つ高効率設計とするため出力空胴はマルチセル構造とした。今回はクライストロンの設計、初期特性確認結果について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP050
p.1099
J-PARCリニアック 324MHzクライストロンのM-アノード短絡状況とその対策
Status and Measures of the discharge of M-anode for 324MHz Klystrons in the Linac at J-PARC

○堀 利彦,篠崎 信一,千代 悦司,佐藤 文明(日本原子力研究開発機構),川村 真人,福井 祐治,二ツ川 健太(KEK)
○Toshihiko Hori, Shinichi Shinozaki, Etsuji Chishiro, Fumiaki Satou (JAEA J-PARC), Masato Kawamura, Yuji Fukui, Kenta Futatsukawa (KEK J-PARC)
 
昨年に引き続きJ-PARCリニアック 324MHzクライストロンのアノード短絡状況並びに短絡現象に起因する不具合対策等について報告する。 本年度は特に、一昨年以降に交換した3ステーション(RFQ,D2,SDTL13)のクライストロン及び、400MeVエネルギーアップグレード計画で新規に設置されたSDTL16のクライストロンを中心にアノード短絡回数や3つの異なったパルス幅(Short:0.04ms, 1ms, Long:〜ms)の波形解析なども交え報告する。 アノード短絡現象は19インチラックに収納された各種制御機器(特にNIMモジュール)の誤動作の原因となるものである。 その主原因であるクライストロンに関しての原因究明は継続中であるが、不具合対策として異常を検出し外部機器(回路)に速やかに異常を伝達する、異常発生時刻、異常時波形を記録しデータベース化する、などが行えるよう検討、整備中である。 その一環として今回、「Longパルス波形検出モジュール」を新たに設計した。 このモジュールは25pps正規パルス以外のタイミングで発生する「M-アノード短絡時のLong-Pulseアノード電圧」とカソード印加電圧との差分を検出し、これと基準電圧(可変)とを比較した後、Timer時間(設計では0.5ms)内その電圧が継続していれば加速ビームを停止するMPS(Machine Protection System)へ停止信号を出力する、などの機能を有するものである。
 
12:50 - 14:50 
SUP051
p.1103
量子ビーム実験並びにSTF-2での高周波系
RF system for Quantum beam experiment and STF-2 in KEK-STF

○松本 利広,明本 光生,荒川 大(高エネ研),オメット マチュー(総研大),片桐 広明,チュウ フェン(高エネ研),倉本 綾佳(総研大),設楽 哲夫,中尾 克己,中島 啓光,早野 仁司,福田 茂樹,本間 博幸,松下 英樹,三浦 孝子,矢野 喜治,道園 真一郎(高エネ研)
○Toshihiro Matsumoto, Mitsuo Akemoto, Dai Arakawa (KEK), Mathieu Omet (SOKENDAI), Hiroaki Katagiri, Feng Qiu (KEK), Ayaka Kuramoto (SOKENDAI), Tetsuo Shidara, Katsumi Nakao, Hiromitsu Nakajima, Hitoshi Hayano, Shigeki Fukuda, Hiroyuki Homma, Hideki Matsushita, Takako Miura, Yoshiharu Yano, Shinichiro Michizono (KEK)
 
KEKの超伝導RF試験施設(STF)では、国際リニアコライダー(ILC)の建設に向けての様々な実験計画のもと、開発が進められてきた。STFの高周波系は、これらの計画に応じて開発や構築を行うことで技術や経験を重ねており、量子ビーム実験計画では、RF電子銃と超伝導空洞2台に別々の高周波源を用意、ビーム運転に対応した。現在は、合計14台の超伝導空洞を用いてビーム加速を行うSTF-2計画に向けた高周波系の構築を進めている。本報告は、量子ビーム実験における高周波系の性能、並びにSTF-2での高周波系設計についてのものである。
 
12:50 - 14:50 
SUP052
p.1107
SuperKEKB加速器MRにおける大電力用ウォーターロードのメンテナンス状況
Maintenance of the high-power water-loads for SuperKEKB

○渡邉 謙,丸塚 勝美,海老原 清一(KEK),三浦 厚,奥山 恒幸(日本高周波株式会社)
○Ken Watanabe, Katsumi Marutsuka, Kiyokazu Ebihara (KEK), Atsushi Miura, Tsuneyuki Okuyama (NKC)
 
 SuperKEKB加速器主リングでは空洞トリップおよびビームアボート時に発生する反射電力からクライストロンを保護することを目的にサーキュレーター第3ポートもしくはMagic-T第4ポートに大電力用ウォーターロードが設置される。  主リングで使用されるウォーターロードの約6割はKEKB加速器建設時に製作されたものであり、最長で16年間使用してきたものである。SuperKEKB加速器の建設にあたり、現在、MR立体回路のメンテナンスを行っている。これらコンポーネントの健全性調査の結果、多くのウォーターロードから導波管内への水漏れが検出された。水漏れの原因を調査した結果、U-タイトシールの腐食が主な原因であることが分かり、腐食の傾向として水温(定常負荷の大きさ)と冷却水の種類に対し依存性が見られた。  本報告では大電力用ウォーターロードのメンテナンス状況について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP053
p.1112
J-PARCリニアックでの972MHzサーキュレータ放電とその対策
Discharge of the 972MHz Circular at J-PARC Linac

○二ツ川 健太,方 志向,福井 佑治,川村 真人,小林 鉄也,道園 真一郎(高エネルギー加速器研究機構),千代 悦司,堀 利彦,佐藤 文明,篠崎 信一(日本原子力研究開発機構),相澤 修一,奥山 恒幸(日本高周波株式会社)
○Kenta Futatsukawa, Zhigao Fang, Yuji Fukui, Masato Kawamura, Tetsuya Kobayashi, Shinichiro Michizono (KEK), Etsuji Chishiro, Toshihiko Hori, Fumiaki Sato, Shinichi Shinozaki (JAEA), Shuichi Aizawa, Tsuneyuki Okuyama (Nihon Kosyuha Co., Ltd.)
 
J-PARCリニアックでは, 2013年に既存の324MHzの空洞群の下流に, 共振周波数972MHzのAnnular Coupled Structure(ACS)加速器を増設し, RCSへの入射エネルギーを181MeVから400MeVに増強した。これに伴い, 我々は972MHzのRFシステムを開発し, 25式をACS空洞の励振源として運用している。2013年の11月からACS空洞のコンディショニングを開始したが, 当初, 新規導入した972MHzのサーキュレータの放電が多発し, 最終的には10台のサーキュレータの改修を行った。放電の原因は, スタブを支える皿バネの製作精度にあり, 筐体と不完全接触を起こしていることにあった。本発表では, 972MHzサーキュレータの放電現象とその対策を報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP054
p.1117
ILC TDRにおけるHLRFの追加的な仕様及び今後のKEKにおける技術的な取り組みについて
Additional Specification of HLRF for ILC TDR and Technical Task to be Solved in KEK

○福田 茂樹(KEK)
○Shigeki Fukuda (KEK)
 
ILCのTDRは2013年に上梓され、我々が取り組んできたHLRF関係のTDRもその中に記載されている。今回このTDRの中に諸般の事情で取り込めなかった仕様、すなわち各超伝導空洞の電界が仕様値と異なった時に可変電力分割器で調整するがその際に生じた位相関係の調整について報告する。 ローカル電力分配系は4.5ユニットのクライオモジュールにある39台の超伝導空洞に1台の10MWクライストロンから電力を供給するがその際に最適な電力とビームに対する位相関係が合致したRF電力を供給する必要がある。最終的にインストールも考慮したコンパクトなローカル電力分配系を設計したが、その際に位相合わせ(Phasing)についての考察がかけていた。設計値における各空洞とビームの位相あわせが最適になるために固定位相長を持った導波管の導入と可変位相気における電力分割器を稼働させた時の位相補償について考察を行う。またILC-TDRにおける基本的な技術仕様は確定したものの、実際の建設までに取り組まなければならない技術的なポイントが、電源や導波管系といったHLRF関係でいくつかある。これについてKEKでどのように取り組まなければならないかを検討する。
 
12:50 - 14:50 
SUP055
p.1122
MA コアを用いたハイパワーバランの開発
Development of high power baluns using MA cores

○田村 文彦,島田 太平,吉井 正人,大森 千広,山本 昌亘,野村 昌弘,戸田 信,長谷川 豪志,原 圭吾(J-PARCセンター)
○Fumihiko Tamura, Taihei Shimada, Masahito Yoshii, Chihiro Ohmori, Masanobu Yamamoto, Masahiro Nomura, Makoto Toda, Katsushi Hasegawa, Keigo Hara (J-PARC center)
 
J-PARC RCS では、金属磁性体 (magnetic alloy、MA) を装荷した広帯域空胴により、高い加速電圧を実現するとともに、1台の空胴を基本波および2倍高調波を重畳した電圧で駆動するデュアルハーモニック運転を行っている。空胴はAB級プッシュプル構成の真空管アンプで駆動されるが、2倍高調波を重畳した場合、それぞれの真空管の出力電圧はアンバランスとなるため、片方の真空管のみのスクリーングリッド電流の増加や、コア発熱のアンバランスが生じてしまうことが問題となっていた。2本の真空管出力電圧をバランスさせることを目的とし、MAコアを用いた高電圧、ハイパワーのバランを開発している。本発表では、プロトタイプバランの製作、および実機アンプおよび空胴を用いた高電圧試験の現状、今後の開発の課題について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP056
p.1127
KEK 電子陽電子入射器における高周波源の運転保守()
Operation and Maintenance Activity of RF System in KEK Electron-Positron Linac()

○東福 知之,今井 康雄,馬場 昌夫,熊野 宏樹,諸富 哲夫(三菱電機システムサービス(株)),荒川 大(高エネルギー加速器研究機構),明本 光生(高エネルギー加速器研究機構/総研大),片桐 広明(高エネルギー加速器研究機構),設楽 哲夫(高エネルギー加速器研究機構/総研大),竹中 たてる,中島 啓光,中尾 克巳(高エネルギー加速器研究機構),福田 茂樹(高エネルギー加速器研究機構/総研大),本間 博幸(高エネルギー加速器研究機構),松本 利広(高エネルギー加速器研究機構/総研大),松本 修二,松下 英樹(高エネルギー加速器研究機構),三浦 孝子,矢野 喜治,Qiu Feng,道園 真一郎(高エネルギー加速器研究機構/総研大)
○Tomoyuki Toufuku, Yasuo Imai, Masao Baba, Hiroki Kumano, Tetsuo Morotomi (Mitsubishi Electric System & Service Co.,Ltd.), Dai Arakawa (KEK), Mitsuo Akemoto (KEK/SOKENDAI), Hiroaki Katagiri (KEK), Tetsuo Shidara (KEK/SOKENDAI), Tateru Takenaka, Hiromitsu Nakajima, Katsumi Nakao (KEK), Shigeki Fukuda (KEK/SOKENDAI), Hiroyuki Honma (KEK), Toshihiro Matsumoto (KEK/SOKENDAI), Shuji Matsumoto, Hideki Matsushita (KEK), Takako Miura, Yoshiharu Yano, Feng Qiu, Shinichiro Michizono (KEK/SOKENDAI)
 
KEK電子陽電子入射器では、高周波源として 60 台の大電力クライストロンを使用している。2011年度より SuperKEKB へのアップグレード作業が開始され、現在は2つのリングへの入射で必要な 24台のみ連続運転を行っている。2013年度は約5,100時間の運転が行われた。残りの 36台は SuperKEKB へのアップグレード作業の為、不定期的な運転となっており、連続運転場所の約半分の 2,300時間の運転が行われた。 現在使用中のクライストロン平均運転時間は約49,000時間である。2013年度はヒーター断線による交換やクライストロン内部真空悪化など計 3台の交換を行った。 現在使用中のサブブースター用クライストロン平均運転時間は約42,000時間である。2013年度はエミッション減少が原因により1台の交換を行った。 現在使用中のサイラトロン平均運転時間は約28,000時間である。2013年度はキープアライブ電流低下が原因による交換など計 3台の交換を行った。 本稿ではクライストロン、サブブースター用クライストロン、サイラトロンなどに関する統計や運転保守について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP057
p.1130
cERLにおける大電力分配系の構築
Construction of rf distribution system at cERL

○花香 宣彦,阿部 慶子,石本 和也,植武 優悟,柴田 篤志,吉田 哲郎(日本アドバンストテクノロジー),明本 光生,荒川 大,片桐 広明,竹中 たてる,中島 啓光,福田 茂樹,松下 英樹,松本 利広,三浦 孝子,道園 真一郎(高エネルギー加速器研究機構)
○Norihiko Hanaka, Keiko Abe, Kazuya Ishimoto, Yugo Uetake, Atushi Shibata, Teturo Yoshida (NAT), Mitsuo Akemoto, Dai Arakawa, Hiroaki Katagiri, Tateru Takenaka, Hiromitsu Nakajima, Shigeki Fukuda, Hideki Matsushita, Toshihiro Matsumoto, Takako Miura, Shinichiro Michizono (KEK)
 
 ERL(エネルギー回収型線形加速器)試験施設として2011年より開始されたcERLの建設も2013年3月末で工事が終了し、現在はビームコミッショニングが始まっている。  cERLの入射部は高輝度DCフォトカソード電子銃と超伝導加速空洞(2セル空洞3台)でなり、超伝導主リニアックは9セル空洞2台で構成されている。ここへ1.3GHz、CWの大電力高周波を安定に各空洞へ供給をする必要がある。  クライストロンや半導体アンプから発振された大電力高周波は、Lバンド導波管を用いて加速器室外からバンチャー空洞へ1系統、入射器用空洞へ6系統、主リニアック用空洞へ2系統、計9系統を構築した。  特に入射器用空洞付近は限られたスペースへ導波管を効率良く配置することが難しく、更にメンテナンス性も踏まえると非常に困難な作業となったが、様々な対策を施したことにより順調に運転が行えている。  ここで得た、大電力分配系の構築技術の紹介やポイントについて報告する。
 
電磁石・電源 (8月10日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SUP058
p.1135
J-PARC RCS 水平ペイントバンプ電源の現状
Status of the horizontal paint bump power supply of the J-PARC RCS

○植野 智晶,高柳 智弘,堀野 光喜,林 直樹,金正 倫計(日本原子力研究開発機構 J−PARCセンター)
○Tomoaki Ueno, Tomohiro Takayanagi, Koki Horino, Naoki Hayashi, Michikazu Kinsho (J-PARC / JAEA)
 
J-PARC RCSでは、2014年1月から、LINACからの400MeV入射エネルギーによるビーム試験及び運用を開始した。入射用水平ペイントバンプ電源は、400MeVビーム入射用に増強改造したため、電流値で約1.6倍、電圧で2倍の出力が可能になり、水平ペイントバンプ電源1では、最大で29kA/1.2kVの大電流・高電圧が出力可能な電源として運用を開始した。しかし、新水平シフトバンプ電源がトラブルにより所定の波形形状で出力できない問題が発生したため、RCSで横方向のペインティング入射を行う際には、当初の設計で想定していた水平ペイントバンプ電源の励磁波形とは異なる出力波形での対応が求められた。水平ペイントバンプ電源は、IGBTアセンブリを用いたチョッパ回路方式で構成されており、合成周波数648kHzでのスイッチングで、台形波形や減衰関数波形を任意に設定して出力することが可能である。本報告では、水平ペイントバンプ電源の増強内容及び任意の出力波形形成の内容について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP059
p.1139
J-PARC RCS 入射バンプ用新水平シフトバンプ電源の開発と現状
DEVELOPMENT AND PRESENT STATUS OF NEW HORIZONTAL SHIFT BUMP POWER SUPPLY FOR INJECTION BUMP AT THE J-PARC RCS

○高柳 智弘,植野 智晶,堀野 光喜,林 直樹,金正 倫計,岡部 晃大(日本原子力研究開発機構J-PARCセンター),入江 吉郎(KEK)
○Tomohiro Takayanagi, Tomoaki Ueno, Koki Horino, Naoki Hayashi, Michikazu Kinsho, Kota Okabe (J-PARC/JAEA), Yoshiro Irie (KEK)
 
J-PARC RCSでは、増強したLINACからの400MeVビーム入射に対応するため、電源容量を倍増した新水平シフトバンプ電源を開発し製作した。新水平シフトバンプ電源は、主回路にコンデンサーの充放電を利用する転流方式を採用し、台形型のバンプ波形を形成する場合に、切り替え時にのみ主回路のIGBTスイッチのON/OFF操作を行うパルス電源とした。これにより、旧電源のIGBTアセンブリを用いた常時スイッチングを行うチョッパ方式と比較し、スイッチングに伴うリプルとノイズを大幅に低減することができた。しかし、運用開始直後から、出力電流波形のフラット部を形成するFTユニット回路の充電器の故障が頻発したため、安定出力が求められるユーザー利用運転では、FTユニットを使用しないこととした。そのため、入射ビームの軌道を固定するために、入射ラインに設置してある可変偏向電磁石の励磁波形で、通常では使用しない立上がり部を利用して、バンプ波形のフラット部を補うことにした。その結果、ビーム受け入れが可能となり、2014年2月から、予定通りにユーザー利用運転を開始することが出来た。本報告では、新シフトバンプ電源の特性、FTユニット充電器の故障内容及びユーザー利用運転対応への現状について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP060
p.1143
J-PARC RCS 新水平シフトバンプ電源の温度問題の報告
Report of the temperature problem of the new horizontal shift bump power supply at the J-PARC RCS

○堀野 光喜,高柳 智弘,植野 智晶,林 直樹,金正 倫計(日本原子力研究開発機構 J-PARCセンター),入江 吉郎(KEK)
○Koki Horino, Tomohiro Takayanagi, Tomoaki Ueno, Naoki Hayashi, Michikazu Kinsho (J−PARC/JAEA), Yoshiro Irie (KEK)
 
J-PARC RCSでは、LINACの400MeVビームエネルギーへのアップグレードに合わせて、電源容量を倍増した新水平シフトバンプ電源を開発した。2013年11月に製作及び工場試験が終了し、2014年1月から、予定通りJ-PARC RCSのビーム試験を開始した。しかし、台形型の出力電流波形(バンプ波形)のフラット部分を形成するFTユニット回路の充電器の故障が頻発した。そのため、現在のユーザー利用運転では、FTユニットを使用せず、立上がり部分を形成する上下ユニットのみで運用している。そして、この影響により、上下ユニットで見込んでいた回生量が減少することになり、上下ユニット回路の充電器の運転稼働時間が増えて負担が増加した。その結果、工場試験では発生しなかった上下ユニット回路の充電器が高温となる温度異常の問題が発生した。本報告では、新水平シフトバンプ電源の現状と温度問題が発生した原因とその対策方法について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP061
p.1148
3次元らせん軌道ビーム入射のためのX-Yカップリングの大きいビームの調整・輸送ラインの設計
Design of a strongly X-Y coupled beam transport line for a spiral injection

○飯沼 裕美,佐々木 憲一,中山 久義,三部 勉(KEK),阿部 充志(日立・日立研)
○Hiromi Iinuma, Ken'ichi Sasaki, Hisayoshi Nakayama, Tsutomu Mibe (KEK), Mitsushi Abe (Hitachi-lab.)
 
新しい方式のミューオン異常磁気モーメントと電気双極子の超精密測定実験がJ-PARCで計画されている。実験は、MLF の大強度ミューオン源からLINACを通し300MeV/c まで加速したミューオンビームを作り、 中心磁場3T、半径33.3cm の円軌道に蓄積し、ミューオンスピン歳差運動の角速度を精密測定する。半径33.3cmの小型蓄積リングはソレノイド型磁石を採用し、フリンジ部から3 次元らせん軌道入射を行う。 ソレノイド軸に対し、回転対称な磁場へ入射するために、ビームには水平方向・垂直方向に強いカップリング(X-Yカップリング)を与える必要がある。このため、LINAC出口から、ソレノイド磁石までの輸送区間に回転4極磁石を複数設置し、X-Yカップリングを制御する輸送ラインを設計した。 本発表では、輸送ラインの詳細、及び、LINAC出口から輸送ラインを通り小型蓄積リングにビームを蓄積するまでの一連のシミュレーション結果を紹介する。更に、ビーム入射の効率を評価する。 また、本番用ビームライン建設に先立ち、3次元らせん軌道入射の実証実験用のテストビームラインを構築するので、その準備状況も報告する。実証試験では、電子銃からの電子ビームを用いて、本番の3分の1スケールのソレノイド磁石への入射実験を行う。実験結果をシミュレーションと比較し、ビーム入射効率の最適化の手法の確立を目指す。
 
12:50 - 14:50 
SUP063
p.1153
SuperKEKB用六極電磁石のための大角度精密回転架台
Large Angle Presision Rotation Table for Sextupole Magnets in SuperKEKB

菅原 龍平,○増澤 美佳(KEK),森山 辰也((株)東京技研)
Ryuhei Sugahara, ○Mika Masuzawa (KEK), Moriyama Tatsuya (Tokyo Giken, Inc.)
 
SuperKEKBでは、衝突するときのビーム寸法が縦方向で70nmと極微小に絞る予定なので、衝突近傍でビームの光学収差などを精密に調整する必要がある。このために、衝突点近傍の陽電子ビームラインに並ぶ光学補正用六極電磁石24台に、遠隔操作により回転できる機能を付けることにした。しかも回転角はSextupoleからSkew-sextupoleまで変更できるように、±30°と大角度であり、回転精度は0.1mradと高精度である。この回転架台の製作について発表する。
 
12:50 - 14:50 
SUP064
p.1157
J-PARC主リングの高繰返し化のための主電磁石プロトタイプ電源の開発
Prototype Development of J-PARC Main Ring Main Magnets Power Supply for High Repetition Rate Operation

○森田 裕一,下川 哲司(高エネ研),佐川 隆(ユニバーサルエンジニアリング),栗本 佳典,中村 衆,三浦 一喜(高エネ研)
○Yuichi Morita, Tetsushi Shimogawa (KEK), Ryu Sagawa (Universal Engineering), Yoshinori Kurimoto, Shu Nakamura, Kazuki Miura (KEK)
 
J-PARC主リングでは、ニュートリノビームラインへのビームパワーを増強するために運転周期を現状の2.5秒から1秒へ速める。高繰返し化に伴って、主電磁石電源の出力電圧の増加、及び主電磁石に蓄えられるエネルギーを1次側へ回生することによる系統の電力変動が問題となる。さらに、ハドロンホールへのビームの性能向上のために出力電流の低リップル化が求められている。我々は以下の対策によりこれらを解決できる電源を開発し、現行電源と入れ替える計画である。出力電圧の増加に対しては、大型負荷を2分割し電源1台当たりの出力電圧を低減するとともに、電源自身も高圧チョッパを直列にした構成にし、大きな耐圧を得る。系統の電力変動に対しては、コンデンサを用いたエネルギー貯蔵方式を採用し、主電磁石とコンデンサの間で電力をやり取りする。よって、系統からの受電は抵抗損失分のみとなる。低リップル化に対しては、高速のチョッパを並列多重し、出力フィルタでスイッチングリップルを十分除去できる程度まで等価スイッチング周波数を大きくする方法が考えられる。本報告では偏向電磁石用電源実機の~1/500の出力パワーをもつプロトタイプ電源の設計・製作と、当該プロトタイプ電源及び実機の1/8の負荷(偏向電磁石1台)を用いた原理実証試験の結果を紹介する。
 
12:50 - 14:50 
SUP065
p.1162
六極電磁石用に最適化されたハーモニックコイルの製作と磁場測定法
Construction of Harmonic Coils Optimized for Sextupole Magnets and its Field Measurement Method

○妻木 孝治,深見 健司,満田 史織(高輝度光科学研究センター),鍛冶本 和幸(スプリングエイトサービス)
○Koji Tsumaki, Kenji Fukami, Cikaori Mitsuta (JASRI/SPring-8), Kazuyuki Kajimoto (SES)
 
次世代の超低エミッタンスリングは、色収差が大きくてエネルギー分散関数が小さいため、色収差補正用の六極電磁石の磁場勾配が従来に比べ一桁以上強くなる。それにつれ高磁場成分も強くなり、小さなダイナミックアパーチャをさらに小さくする可能性があるため、主成分のみならず多極磁場成分も精度よく測定する必要がある。ところがハーモニックコイルの位置ずれや回転誤差があると、見かけの磁場が発生しそのままではみかけの磁場と実磁場が区別できない。その結果精度の良い磁場測定ができないと言う問題がある。そこで見かけの磁場に不感で実磁場のみを測定するコイル配置について検討し、前回報告した[1]。今回、検討結果に基づいて主成分測定用と高磁場成分測定用のハーモニックコイルを制作した。さらにこのコイルを用いて磁場中心を出し、磁場測定を実施する方法について検討した。報告では制作したハーモニックコイルの概要、および磁場中心の求め方、ハーモニック成分の求め方について述べる。 [1] K. Tsumaki et. al., “Optimization of a Harmonic Coil for the Field Measurement of Sextupole Magnets”, Proc. of the 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan.
 
12:50 - 14:50 
SUP066
p.1166
cERLの電源システム
The Power Supply System for the compact-ERL

○原田 健太郎(KEK-PF-Mag),長橋 進也,中村 典雄(KEK PF),久米 達哉(KEK機械工学センター),上田 明(KEK PF),ERL 共同チーム(All Japan)
○Kentaro Harada (KEK-PF-Mag), Shinya Nagahashi, Norio Nakamura (KEK PF), Tatsuya Kume (KEK-ARL-MEC), Akira Ueda (KEK PF), Collaboration Team Erl (All Japan)
 
KEKで2013年末より運転開始されたコンパクトERLの周回部の電磁石及び電源系について発表を行う。cERLではスペースの確保と予算の節約のため、4極電磁石に補正コイルを巻いてステアリングして用い、1台の電磁石に最大5台の電源が接続されている。ここでは、コンパクトERLの電源システム、電源配線、電源負荷マッチングの工夫などについて発表を行う。
 
12:50 - 14:50 
SUP067
p.1171
コンデンサバンクを用いたパタン電磁石電源の大電力試験方法
A High Power Test Method for Pattern Magnet Power Supplies with Capacitor Banks

○栗本 佳典,森田 裕一(高エネルギー加速器研究機構),佐川 隆(ユニバーサルエンジニアリング),下川 哲司(高エネルギー加速器研究機構)
○Yoshinori Kurimoto, Yuichi Morita (KEK), Ryu Sagawa (Universal Engineering), Tetsushi Shimogawa (KEK)
 
加速器の大型化および高性能化に伴い、電磁石電源への要求もよりハイパワーで高性能なものになっている。 一方で、そのような大型電源の定格試験が可能な環境というのは少く、工場や研究所の実験施設では定格に満たない電流電圧での試験のみを行い、定格運転は実機の電磁石に接続して初めて行われるというケースが多い。 このような場合、ビーム運転停止時に試験を行わざるを得ないため、 試験が不十分にしか行われず、共用運転中に問題点が露呈することが珍しくない。 そこで、コンデンサバンク二台を使って、少ない負荷と受電で、チョッパ電源を定格試験する方法を提案する。具体的には、コンデンサバンク二台の間に、チョッパ二台を接続し、二台のチョッパの回生、力行動作を互いに逆位相になるように運転する。これによりエネルギーは二つのコンデンサバンクの間を往復するのみで、受電電力はほとんど必要がない。  この試験は大容量のコンデンサバンクが必要だというデメリットがあるが、J-PARC主リングでは、コンデンサバンクをエネルギー貯蔵装置とした新電源を検討中で、コンデンサバンクの充放電試験も行う必要があるため、J-PARC主リングの新電源開発しては、まさに一石二鳥の試験方法であると言える。 本発表では、この試験方法のシミュレーション検討および、J-PARC主リングのプロトタイプ電源における実験結果を報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP068
p.1175
高分解能ハーモニックコイルによる多極永久磁石の磁場評価
Magnetic Field Evaluation of Multipole Permanent Magnets by Harmonic Coil with Higher Resolution

○北原 龍之介,不破 康裕,岩下 芳久(京大化研)
○Ryunosuke Kitahara, Yasuhiro Fuwa, Yoshihisa Iwashita (Kyoto University, ICR)
 
多極磁石はビーム輸送において重要な役割を担っている。四極磁石は荷電粒子に対して集束力が働くため、レンズとして用いられる。六極磁石は荷電粒子に対してはエネルギー収差の補正などに用いられ、中性子に対しては磁気スピンと相互作用し、集束作用が働く。これらを永久磁石で開発出来れば電力消費が抑えられ、運転コストの削減につながるため、実用に耐えうるかどうか検証を行う事は非常に有意義である。本研究発表では高分解能ハーモニックコイルによって2つの多極永久磁石について多極磁場解析を行った。一つはILC最終集束用四極磁石であり、もう一つはパルス中性子集束用六極磁石である。これらは永久磁石を組み合わせることで強度を可変にしている。これらの磁石について磁場解析の結果を報告する。
 
ビーム診断・制御 (8月10日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SUP069

相対論的電子ビームと結晶の相互作用研究と加速器技術への応用
Studies of interactions between a relativistic electron beam and crystals
○高林 雄一(九州シンクロトロン光研究センター)
○Yuichi Takabayashi (SAGA Light Source)
 
新たなビームモニタ、ビーム制御技術等への応用を念頭に、相対論的電子ビームと結晶の相互作用研究を進めている。実験は、九州シンクロトロン光研究センター(SAGA Light Source: SAGA-LS)のリニアックからの電子ビームを利用して行っている。本学会では、(1)パラメトリックX線の観測とビームプロファイルモニタへの応用、(2)単結晶・多結晶におけるチャネリングの観測とビーム制御技術への応用、(3)電子の内部時計の検証実験とビームエネルギーモニタへの応用という3テーマに関して報告する。(1)パラメトリックX線を利用した新しいビームプロファイルの測定法として、近接法、ピンホール法、フレネルゾーンプレート法という3手法を提案し、前者の2つに関して原理の検証実験に成功した。(2)255 MeVの電子ビームを利用し、シリコン結晶とモリブデン多結晶におけるチャネリングの観測に成功した。また、新たなビーム偏向技術への応用可能性が示された。(3)チャネリングする電子は、結晶の周期的な電磁場を感じることを利用し、電子の内部時計の検出を試みた。軸チャネリング・面チャネリング条件下において検出を試みたが、現時点で、その検出には成功していない。今までに得られた結果と今後の方針について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP070
p.1179
JAEA AVFサイクロトロンのビーム位相分布測定システムの時間分解能
Time resolution of beam phase distribution measurement system for the JAEA AVF cyclotron

○宮脇 信正(原子力機構高崎),福田 光宏(大阪大学核物理研究センター),倉島 俊,柏木 啓次,奥村 進(原子力機構高崎),荒川 和夫(群馬大学 重粒子線医学研究センター),神谷 富裕(原子力機構高崎)
○Nobumasa Miyawaki (Takasaki, JAEA), Mitsuhiro Fukuda (RCNP, Osaka Univ.), Satoshi Kurasima, Hirotsugu Kashiwagi, Susumu Okumura (Takasaki, JAEA), Kazuo Arakawa (GHMC), Tomihiro Kamiya (Takasaki, JAEA)
 
JAEA AVFサイクロトロンでは、中心領域で生じる位相バンチング効果を評価するために、メインプローブに取り付けたシンチレーターを用いてサイクロトロン内部のビーム位相分布の測定を行っている。数RF度のビーム位相幅の差を評価するため、126ps(最大加速周波数22MHzの運転で1RF度相当)より十分小さな時間分解能が必要である。そこで、シンチレーターの大きさによって決まるイオン検出の時間差と、光電子増倍管及び電子回路系による信号処理において生じる時間ジッターを評価した。使用しているBC-400シンチレーター(Saint-Gobain)は、屈折率1.58で長さが6mmのため、31.6psの時間差が生じる。一方、メインプローブ中の光の輸送を含む信号処理の時間ジッターを、ライトパルサー(PLP-04, 浜松ホトニクス)によって評価した。その結果、ライトパルサー固有の時間ジッター±10psを含むパルスレーザーの時間分布の幅は、32.4ps FWHMであった。これらの結果から信号の時間拡がりが最も生じる場合を想定すると時間分解能が45.3ps FWHMと見積もられた。これは加速周波数22MHzに対して、0.35RF度FWHMであり、ビーム位相分布測定に対して十分な時間分解能である。
 
12:50 - 14:50 
SUP071
p.1182
マルチスクリーンプロファイルモニターのターゲットの改良と光学要素および測定器の特性の評価
New target positioner for beam halo measurement and characteristics of optical devices and detector on the Multi-Screen Profile Monitor

○大森 雄基,秋野 英之(三菱電機システムサービス),橋本 義徳,三橋 利行(高エネルギー加速器研究機構),大津 聡(三菱電機システムサービス),手島 昌己,外山 毅(高エネルギー加速器研究機構)
○Yuki Omori, Hideyuki Akino (Mitsubishi Electric System & Service Co.,Ltd.), Yoshinori Hashimoto (KEK/J-PARC), Toshiyuki Mitsuhashi (KEK), Satoru Otsu (Mitsubishi Electric System & Service Co.,Ltd.), Masaki Tejima, Takeshi Toyama (KEK/J-PARC)
 
6桁以上の感度でビームコアからハローまでを検出する大強度陽子ビーム用の二次元ビームプロファイルモニターであるマルチスクリーンプロファイルモニターにおいて,新たにハロー計測用の水平,垂直のアルミナスクリーンターゲットの駆動機構をインストールした.このことにより水平,垂直のビームハローを同時計測することができるようになった.この駆動機構は限られた空間の中で,一つの真空ポートから一方向の直線導入機を平行に2セット配置し,水平及び垂直にターゲットを真空容器内で位置決め動作させる方法である.このハロー用ターゲットは,厚さ0.5 mm,縦横50 mm×100 mmのサイズを持ち,上下左右の計4枚である.水平・垂直の両方向ともに,中心軸に対称に開閉する.両方向ともにどちらも開口サイズは30 mmから130 mmの範囲である.また,プロファイル集光光学系である主鏡の直径が300 mmである大口径オフナーリレー光学系と120 mm×120 mm のサイズをもつ結像スクリーンの透過率の空間分布を微小光源を用いて測定し,その特性を評価した.
 
12:50 - 14:50 
SUP072
p.1186
AVFサイクロトロンの横方向アクセプタンス計測のためのエミッタンスの実効拡大
Effective emittance expansion for transverse acceptance measurement of an AVF cyclotron

○柏木 啓次,宮脇 信正,倉島 俊,奥村 進(原子力機構 高崎)
○Hirotsugu Kashiwagi, Nobumasa Miyawaki, Satoshi Kurashima, Susumu Okumura (JAEA Takasaki)
 
原子力機構高崎研ではAVFサイクロトロン(K=110)へのビームの入射調整を最適化するためのツールとして、入射ビームのエミッタンスとサイクロトロンのアクセプタンスを計測する装置を開発している。アクセプタンス測定は、位相平面上の様々な場所ごとに微小なビームをサイクロトロンに入射し、どの領域が加速されるかをサイクロトロン引出部直前の電流モニターを用いて検出することで行われる。この微小なビームは、2組のスリットによって入射ビームの位置と角度範囲を制限して生成される。しかし、この入射ビームのエミッタンスはアクセプタンス全体の領域をカバーしていないため、これまで計測できたアクセプタンスは一部のみであった。 そこで我々は、アクセプタンス全体を計測するため、ビームのエミッタンスを実効的に大きくして計測範囲を広げる方法を開発した。本方法ではソレノイドレンズを用いてスリット位置でのビームが位相平面上で位置方向に広がった形状にし、ステアリング電磁石によってビームの角度をスリットの動きに合わせて走査する。この走査では、スリットの座標と予め測定したエミッタンス形状から必要な偏向角を算出し、ヒステリシスによる磁場誤差を補正した電流を電磁石に与える。この方法により平行四辺形型の広い領域にエミッタンスを実効的に拡大することができ、十分な計測範囲が得られるようになった。
 
12:50 - 14:50 
SUP073
p.1189
SPring-8分割型8の字アンジュレータ用光位置モニタの最適化
Optimization of X-ray Beam Position Monitor for a Segmented Figure-8 Undulator Beamline at SPring-8

○青柳 秀樹,大石 真也,小路 正純,高雄 勝,早乙女 光一,下崎 義人(高輝度光科学研究センター),山本 達,宮脇 淳,松田 巌,原田 慈久,和達 大樹(東大 物性研究所),高橋 直(高輝度光科学研究センター),田中 隆次(理研 放射光科学総合研究センター)
○Hideki Aoyagi, Masaya Oishi, Masazumi Shoji, Masaru Takao, Kouichi Soutome, Yoshito Shimosaki (JASRI/SPring-8), Susumu Yamamoto, Jun Miyawaki, Iwao Matsuda, Yoshihisa Harada, Hiroki Wadati (ISSP, The Univ. of Tokyo), Sunao Takahashi (JASRI/SPring-8), Takashi Tanaka (RIKEN SPring-8 Center)
 
周長1,436mのSPring-8蓄積リングは、4か所に27mの長直線部を備えている。BL07LSU(東京大学放射光アウトステーション物質科学ビームライン)は、その内の1箇所に建設された水平及び垂直8の字アンジュレータ計8台から成る高輝度軟X線アンジュレータ・ビームラインである。単一のアンジュレータを有する標準的なビームラインでは、4枚のブレード型検出素子の間隔を固定した光位置モニタがフロントエンドに設置されている。それに対しBL07LSUでは、各検出素子を独立に駆動できる四象限型光位置モニタを導入することにより、様々なアンジュレータの使用条件に適応できるようにした。一方で、8つのセグメントのうち特に上流側のものから広がる放射光ビームの裾が蓄積リングの機器温度を上昇させることから、水冷アブソーバーダクトを蓄積リング内に設置し、鉛直方向のビーム・プロファイルをカットしている。本発表では、このような特殊な環境下に置かれたBL07LSUの光位置モニタの最適化について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP074
p.1195
508MHz狭帯域ビーム位置検出器の開発
Development of a 508MHz narrowband detector for beam position monitors

○石井 仁,森 健児,福間 均,手島 昌己,飛山 真理,有永 三洋(高エネルギー加速器研究機構),山田 恭介(デジテックス研究所),平根 達也,埜下 英児(キャンドックス システムズ)
○Hitoshi Ishii, Kenji Mori, Hitoshi Fukuma, Masaki Tejima, Makoto Tobiyama, Mitushiro Arinaga (KEK), Kyosuke Yamada (DIGITEX LAB.CO. LTD), Tatsuya Hirane, Eiji Nonoshita (CANDOX Systems Inc.)
 
SuperKEKB加速器は4GeVの陽電子リング(LER)と7GeVの電子リング (HER)からなるエネルギー非対称の衝突加速器である。 この加速器はKEKB加速器に比べ40倍の世界最高のルミノシティーを 目指し、KEKで間もなく完成予定である。又、これに合わせ各機器の 開発、製作が進められている。 ビーム位置モニタシステムは、加速器内のビーム軌道を安定に維持 するための位置情報を提供する、加速器制御の根幹を成す装置である。 SuperKEKBのビーム位置モニタシステムはKEKBの性能を基本的に 引き継ぎ、更なる性能向上を目指して開発された。加速器内に設置 されるビーム位置モニタは、両リング合わせて約900台である。 HER用の信号処理系は、KEKB 時代の再利用が出来る。LER用は、LER真空 チェンバの断面形状変更(アンテチェンバ化)に伴い検出周波数も変更 (1GHz→500MHz帯)された為、新規に120台の処理回路が必要と成った。 開発は、2007年頃から始め、2013年度末全て完成した。 本稿では、高アイソレーション(80dB以上) の入力切り換え器(Switch)、 可変減衰器切り替えで生じる位置飛びの低減等の開発途中で生じた 様々な問題点と、その解決策を紹介する。又、本来は検出器の試験用 に用意してあった性能評価システムを量産時の調整、検査に用いた事 に因る効果等に付いても述べる。
 
12:50 - 14:50 
SUP076
p.1200
京都大学原子炉実験所FFAG加速器における駆動型ビーム位置モニターの開発
Development of movable beam position monitors(BPM) for FFAG accelerator at KURRI

○阪本 雅昭,森 義治,石 禎浩,上杉 智教,栗山 靖敏(京大原子炉),政宗 貞男(京都工芸繊維大学)
○Masaaki Sakamoto, Yoshiharu Mori, Yoshihiro Ishi, Tomonori Uesugi, Yasutoshi Kuriyama (KURRI), Sadao Masamune (KIT)
 
京都大学原子炉実験所では、FFAG加速器複合系におけるビーム強度増強のためのスタディが進められている。現在、主リングにおける加速途中でのビーム損失が測定されており、磁場の高次成分による非線形共鳴等がこのビーム損失の原因の一つとして考えられている。この問題の解決のために、高精度にベータトロン振動数の測定を行う必要がある。そこで、エネルギー領域により周回軌道半径がシフトするFFAG加速器に適した、駆動型ビーム位置モニターを開発した。これは、対になった三角板を電極とした静電誘導型ビーム位置モニターを半径プローブの先端に取り付けて駆動させることで、ビームの位置および変位を高精度に検出することを狙ったものである。本発表では、開発した駆動型ビーム位置モニターの設計・製作および本モニターを用いた測定結果について報告を行う。
 
12:50 - 14:50 
SUP077
p.1204
PF-ARにおけるビーム振動抑制用ストリップラインキッカーの更新計画
Renewal Project of Stripline Kicker for Beam Oscillation Damping at PF-AR

○高井 良太,帯名 崇,谷本 育律,本田 融,野上 隆史,飛山 真理(KEK 加速器)
○Ryota Takai, Takashi Obina, Yasunori Tanimoto, Tohru Honda, Takashi Nogami, Makoto Tobiyama (KEK ACCL)
 
KEKで稼働中のPF-AR(Photon Factory Advanced Ring)は、大電流のシングルバンチ運転に特化された6.5 GeV電子蓄積リングである。その西直線部には、入射ビームの横方向振動や蓄積ビームのベータトロン振動を抑制するためのストリップラインキッカーが設置されているが、2012年辺りからその電極を支えている中間サポート付近において局所的な真空悪化が頻繁に観測されるようになった。これは、キッカー部でのエネルギーロスに起因する熱的ストレスに長年さらされてきた中間サポートの絶縁部が破損し、大電流蓄積時にサポートと真空ダクト間で放電現象が起きているものと推測される。この影響により、現在のユーザー運転はリングの最大蓄積電流を定格の60 mAから55 mAに制限して実施されている。本発表では、エネルギーロスを抑えた新しいストリップラインキッカーの設計状況と、今後の更新計画について述べる。
 
12:50 - 14:50 
SUP078
p.1209
電荷量精密測定のための可動式ファラデーカップの開発
Development of Movable Faraday cup for Precise Charge Measurement

○安積 隆夫,糸賀 俊朗(理化学研究所),高橋 直(高輝度光科学研究センター),前坂 比呂和(理化学研究所),松原 伸一(高輝度光科学研究センター),大竹 雄次(理化学研究所)
○Takao Asaka, Toshiro Itoga (RIKEN), Sunao Takahashi (JASRI), Hirokazu Maesaka (RIKEN), Shinichi Matsubara (JASRI), Yuji Otake (RIKEN)
 
SACLAの8GeV線形加速器では、エミッタンスを保持したまま数十フェムト秒の短バンチ化により、ピーク電流が数kAまで到達する高密度電子ビーム生成が要求される。XFEL性能評価のためには、このピーク電流の精密測定が必要不可欠である。磁気バンチ圧縮装置で達成する極短バンチの構造・分布は、RFディフレクターで取得され、同時に電荷量は非破壊型ビーム電流モニタで計測される。このビーム電流モニタの校正を目的として、ファラデーカップを開発した。最終の磁気バンチ圧縮装置後方のエネルギーが1.5GeVであることを考慮し、また、1pCの分解能で測定可能とすることを目指して、ファラデーカップの材質選定、ならびにその形状について、本体内部の熱分布、損失電荷、エネルギー損失の計算機シミュレーションをおこなった。 このファラデーカップは真空仕様、かつ可動式となっているため、線形加速器の直線部に設置される。したがって、ファラデーカップによる電荷量計測時以外はビーム輸送を遮断することなく、通常のレーザー発振のためのビーム供給を可能とする。また、2次電子による電荷損失を避けるため、ファラデーカップと真空チャンバは絶縁し、バイアス電圧印加可能な構造とした。ファラデーカップ導入後、実ビームによる電荷量、電荷損失の評価測定を実施し、測定精度が1pC未満となる結果を得た。本報告では設計の詳細、システム構成、ビーム試験結果、電荷量校正結果ついて述べる。
 
12:50 - 14:50 
SUP079
p.1214
BPM信号のビームサイズ依存
Beam size dependence of BPM signal

○庄司 善彦(兵庫県立大学)
○Yoshihiko Shoji (University of Hyogo)
 
 NewSUBARUにおいて、ベータトロン振動振幅依存の軌道中心シフト(ADCS)を測定したが、その際にBPM位置信号のビームサイズ依存が問題となった。BPM本体は上下左右対称構造であるが、ビームがBPM中心を通っていないと、ビームサイズによって位置値信号が変わってしまう現象が起きる。この水平シフト量は下式で表される。 Δx=(3aβx<2Jx+bβy<2Jy>)xo ここで、aとbはBPMの非線形応答を表す係数、βxとβyはベータ関数、JxとJyはベータトロン振動action、そしてxoはBPM位置の軌道オフセットである。括弧<>は平均を表す。このシフトは実際のビーム位置ではなく、BPMシステム起因である。  ADCS測定は、ビームシェイカーでビームサイズを拡大してCODを測定したが、この測定結果はADCSと上記位置信号シフトの和である。この位置信号シフトは理論通りの形で測定データ現れており、容易に補正できた。これによって正しいADCSが得られたことを報告する。  放射光利用中には、NewSUBARUの場合、1GeVtop-up運転時と1.5GeV運転時のビームサイズの差が問題となる。現時点では同じBPM信号を使ってCOD補正を行っているために、僅かだが1GeVと1.5GeVでビーム軌道が異なってしまっているはずである。
 
12:50 - 14:50 
SUP080
p.1217
SACLAの高速差動CTシステムの非線形応答の抑制
Suppression of Nonlinear-response in Differential-CT System for SACLA

○松原 伸一(高輝度光科学研究センター),前坂 比呂和,大島 隆,安積 隆夫,大竹 雄次(理化学研究所)
○Shinichi Matsubara (JASRI), Maesaka Hirokazu (RIKEN ), Takashi Ohshima, Takao Asaka, Yuji Otake (RIKEN)
 
X線自由電子レーザー施設SACLAの電荷量を測定する高速差動Current Transfer (CT)システムにおいて、応答が非線形になる問題が判明した。この問題は、バンチ長が数10fsに圧縮される最終段のシケイン・バンチコンプレッサー(BC3)の下流で現れた。本CTシステムを試験したSCSS試験加速器やSACLAのBC3上流のバンチ長の長い箇所においては現れていない。本CTシステムは、高速差動CTからの数100psの立ち上がりの高速なパルス信号を後段の増幅回路を通し信号パルス幅を50nsに広げて、VMEの波形記憶ADボードにより読み取る構成にしている。この増幅回路において、BC3以降で非線形の応答があり測定が20%以上異なるなることが分かった。これは、極短バンチによるCTからの電気パルス信号が早く、高周波成分が多くなり、増幅回路内で信号の分散関係が崩れ増幅されるためと考えた。そこで、増幅回路前にローパスフィルターとして高周波に対して高い減衰のある25mの細い同軸ケーブルを接続することにした。これにより増幅回路への入力パルスを3nsに広げて、増幅回路からの出力を4%の精度で線形にすることができた。本発表において、問題の詳細、対策・結果について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP081
p.1221
1.2 μmチタンフォイルを用いたマルチリボンビームプロファイルモニター
New Multi-Ribbon Beam Profile Monitor with Titanium Foil of 1.2 microns for Intense Proton Beam in the J-PARC.

○秋野 英之(三菱電機システムサービス),橋本 義徳(高エネルギー加速器研究機構),三谷 稔(ミノトス),大津 聡,大森 雄基(三菱電機システムサービス),瀧山 陽一(有限会社エアリー),外山 毅(高エネルギー加速器研究機構)
○Hideyuki Akino (Mitsubishi Electric System & Service Co.,Ltd.), Yoshinori Hashimoto (KEK/J-PARC), Minoru Mitani (MINOTOS Engineeriing), Satoru Otsu, Yuki Omori (Mitsubishi Electric System & Service Co.,Ltd.), Yoichi Takiyama (Airy), Takeshi Toyama (KEK/J-PARC)
 
3GeVの大強度陽子ビームのプロファイルの計測のために,J-PARC メインリング(MR)への入射ライン(3-50 BT)では,厚さ1.6-3 μmのグラファイトリボンを用いたマルチリボンプロファイルモニター(MRPM)が使用されている.現在,このグラファイトの供給元での製造が絶たれており,新たな企業と開発を行っているところである.そのような状況のもと新たに4台のMRPMが必要となり,グラファイトに変えて1.2 μmのチタンフォイルを用いてターゲットの製作を行った. 耐熱性に関しては,チタンの融点1668℃は,グラファイトの3000℃に比べて低い.また単位厚みのチタンのビームロス量はグラファイトの約2.5倍というデメリットがあり,マテリアルでのビームロスによる発熱の観点からは,チタンはグラファイトに劣る.しかし,3-50 BTでの発熱による温度上昇は,デザイン強度値である4×10^13のとき200から400℃程度であり,許容できる.また靭性と機械的強度の観点からはチタンが優れている. 32ch の幅1.5〜3.5 mm,長さ220 mmのマルチリボンはターゲットフレーム上のチタンフォイルをアルゴン雰囲気中でのグリーンレーザーのカットにより製作した. 本報告では,このようなターゲット製作技術を中心に,最新の大強度ビームプロファイル測定までを述べる.
 
12:50 - 14:50 
SUP082
p.1226
2-Cell RF Deflectorを用いた電子ビームの時間構造計測
Longitudinal Electron Beam Profile Measurement using a 2-Cell RF Deflector Cavity

○西山 将大,西村 祐一,高橋 猛之進,筧田 知慶,坂上 和之,鷲尾 方一(早大理工研),高富 俊和,浦川 順治(高エネ研)
○Masahiro Nishiyama, Yuichi Nishimura, Takenoshin Takahashi, Tomoyoshi Toida, Kazuyuki Sakaue, Masakazu Washio (Waseda University), Toshikazu Takatomi, Junji Urakawa (KEK)
 
早稲田大学では、Cs-TeフォトカソードRF-Gunを用いた小型電子加速器の研究を行っている。生成した高品質電子ビームは、放射線化学反応の初期過程を解明する為のパルスラジオリシス実験、逆コンプトン散乱による軟X線生成、極短バンチ電子ビームからのコヒーレント放射によるテラヘルツ光生成などに応用している。これらの応用実験において、時間分解能、ルミノシティ、コヒーレンスなどを求めるために、電子ビームの時間方向情報、特に電子ビームの進行方向の長さであるバンチ長の計測が必須である。様々なバンチ長測定法がある中で、早稲田大学ではバンチ長及び時間方向プロファイルを高時間分解能かつ直接、計測することが可能なRF-Deflector空洞を採用し、開発を行っている。これは、空洞内に誘起した磁場により電子ビームを直接偏向することで、電子ビームの時間方向情報を空間方向情報に変換するものである。空洞は2Cellの定在波型でTM120モードが立ち、動作モードはπモードで共振周波数は2856MHzとなっている。時間分解能として100fs程度が得られるであろうことを確認し、実際にRF-Deflector空洞をビームラインにインストールし、バンチ長測定実験を行った。本講演では、早稲田大学におけるRF-Deflector空洞による最新のバンチ長測定結果及び今後の展望について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP083
p.1231
cERL高速ロスモニタ用検出系のテスト
Test of detection unit for the cERL high-speed loss monitor

○下ヶ橋 秀典,帯名 崇,多田野 幹人(高エネルギー加速器研究機構)
○Hidenori Sagehashi, Takashi Obina, Mikito Tadano (KEK)
 
高エネルギー加速器研究機構(KEK)では、次世代の放射光光源であるERL(Energy Recovery Linac/エネルギー回収型ライナック)の研究を行っている。現在、KEKではERLの技術検証のために建設されたコンパクトERL(cERL)で、様々な研究および技術開発が行われている。その中で機器保護用インターロックの1つとして、高エネルギーのビームロスから加速器機器を保護するためのロスモニタ開発を行っている。このロスモニタは高強度(高電流)でのビーム運転時には、高速でビームを停止させる必要があるものである。今回、高速ロスモニタ用に使用が検討されるセンサ、シンチレータを実際のcERL加速器室内に入れてテストを行い、高速ロスモニタとしての実現性を検討したのでそれを報告する。
 
加速器制御 (8月10日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SUP085
p.1234
Linux PLCを利用したMADOCA制御システムの構築
Application of Linux PLC based MADOCA Control System

○清道 明男,植田 倉六,大端 通,籠 正裕,川田 健二,谷内 友希子,古川 行人,増田 剛正(高輝度光科学研究センター)
○Akio Kiyomichi, Souroku Ueda, Toru Ohata, Masahiro Kago, Kenji Kawata, Yukiko Taniuchi, Yukito Furukawa, Takemasa Masuda (JASRI/SPring-8)
 
PLCは豊富なI/Oモジュールが揃っていること、安価で省スペースであることから、CPUパワーを必要としない slow control 系に有用である。SPring-8ではVMEを基幹のフロントエンド計算機として広く使用しているが、安価な代替ソルーションとしてPLCを活用するために横河電機のLinux PLC e‐RT3上にMADOCA制御フレームワークの移植を行った。SPring-8 制御系において使用するため、ベンダー提供のLinuxユーザランドへNISやNTP, rsyslogといった不足機能を追加したSPring-8 標準ユーザランドを作成し、MADOCAおよびMADOCA II をサポートする新たな制御プラットフォームとして整備した。SPring-8では各機器のFAコントローラと上位計算機の間にFL‐net を介した情報収集系を構築しているが、標準的に利用可能な上位計算機はVMEのみであったため、この目的のためだけに高価なVMEを導入する事例もあった。そこで、その代替となるようLinux PLCとFL‐netモジュールによる PLC FL‐net情報収集システムを整備した。2012年度、SPring-8蓄積リング真空・電磁石の機器保護インターロックPLC からのFL‐net を介した情報収集系を追加するにあたり本 Linux PLC を実導入した。2013年度には蓄積リング真空系に追加整備した流量計・温度計を制御するために、アナログ入出力、デジタル入出力、温度測定モジュールを組み合わせたLinux PLC制御システムを新規に導入した。
 
12:50 - 14:50 
SUP086
p.1237
EPICSを用いたヘリウム冷凍機制御システムの開発
Development of the helium refrigerator control system using EPICS

○中西 功太,小田切 淳一,小島 裕二,仲井 浩孝,原 和文,細山 謙二,本間 輝也(高エネ研),飯田 隆(日立)
○Kota Nakanishi, Jun-ichi Odagiri, Yuuji Kojima, Hirotaka Nakai, Kazufumi Hara, Kenji Hosoyama, Teruya Homma (KEK), Takashi Iida (Hitachi)
 
KEKで運転中のSTF、cERLは超伝導加速空洞を利用した加速器施設である。これらの加速器は共に2Kに冷却されたニオブ製加速空洞を利用している。各施設の入射部、加速部にそれぞれ異なる設計のモジュールが設置されているが、現在のところ、液化窒素により冷却された80Kシールド、液化ヘリウムにより冷却された5Kシールドを備え、3kPaに減圧された飽和超流動液化ヘリウムにより空洞を冷却する点が共通している。 超伝導空洞の冷却の制御は、常温の機器を定常状態まで冷却する時点から始まり、その制御は定常運転時よりもむしろ複雑である。加速空洞は機器の変形を防ぐため均一に冷却を進めることが求められる。通常は空洞の冷却速度に制限を設け運転の指針としている。現状の冷却速度は1時間当たり3Kで、KEKBでの実績から設定されている。 現在、制約条件が多いのはcERLの主加速空洞モジュールである。このモジュールは空洞だけでなく、80Kシールドや5Kシールドにも冷却速度や許容温度差が設定されており、測定箇所も多いため通常のPIDコントローラなどを用いた制御は困難である。また、測定点が担当グループをまたいで存在することから、 EPICSを利用して、グループ間でデータを共有できる制御システムを開発した。 また、cERLでは既存のヘリウム液化冷凍機を移設して使用しているが、制御システムが老朽化していたため、この制御システムもEPICSを用いたシステムに置き換えた。
 
12:50 - 14:50 
SUP087
p.1241
SuperKEKB用の電磁石電源制御システムの動作試験
Operation Test of the Magnet Power Supply Control System for SuperKEKB

○中村 達郎,秋山 篤美,佐々木 信哉(高エネ研),青山 知寛,中村 卓也,吉井 兼治(三菱電機システムサービス株式会社)
○Tatsuro Nakamura, Atsuyoshi Akiyama, Shinya Sasaki (KEK), Tomohiro Aoyama, Takuya Nakamura, Kenzi Yoshii (Mitsubishi Electric System & Service CO., LTD.)
 
KEKB加速器の高輝度化として現在建設を進めているSuperKEKB加速器では、既存の電磁石・電源システムの大幅な増強を行っている。これに対応すべく電磁石電源の遠隔制御システムについても改良を行なって来た。KEKB加速器ではVMEベースの制御計算機と電磁石電源とを結ぶフィールドバスとしてARCNETを採用している。マイクロプロセッサを搭載したPower Supply Interface Controller Module (PSICM)と呼ぶモジュールを電源に内蔵させる事で、簡単にARCNETに接続できるようになると共に、高度な機能の組み込みを実現している。特に重要な機能としてPSICMは任意のトラッキング曲線に基づいて出力電流を変化させることができ、また複数台の電磁石を同期させて電流設定するオペレーションも可能である。SuperKEKBでは改良版のPSICMを開発することで、ARCNETの通信速度の高速化を図るとともに、高分解能DACを搭載した電磁石電源にも対応すべく32ビットデータを扱えるように拡張した。制御計算機についてもCPUおよびARCNETインターフェースを更新し、ソフトウェアのアップグレードも行なって来た。ここではこれら開発の現況を述べるとともに動作試験の報告をする。特に2014年5月からダンピングリング入射路の一部の電磁石電源で試験的に改良版システムの運用を始めており、その状況も報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP088
p.1246
J-PARC MR のMPS装置の異常対策時の時間短縮と誤作業低減ための改造
The improvement for time shortening and error work reduction in the abnormal countermeasure of J-PARC MR MPS system

○中川 秀利,秋山 篤美,佐々木 信哉(KEK),制御 グループ(KEK & JAEA)
○Hidetoshi Nakagawa, Atsuyoshi Akiyama, Shinya Sasaki (KEK), Control Group (KEK & JAEA)
 
J-PARC MR のMPS装置はビームロスの増大時や機器異常時にビーム運転を可能な限り短時間で停止し、MRのリング内粒子をビームアボートダンプへ取り出す指令を出す装置である。FPGAを使い論理処理を高速(単独での処理で1マイクロ秒以下)で行う。 CPU部のプログラムとMPS判断部は機器構成依存部があり、従来はフラッシュメモリーに書いてある情報を、FPGA/CPUの立ち上げ時に読み込むことで動作が決まった。CPUが組み込まれたFPGAの乗っているボード(CPUボードと呼ぶ)を交換するような事態はまだ発生していないので、CPUボードの緊急交換の経験はないが、『緊急』という言葉が付くときにフラッシュメモリーの書き換えを行うことに不安を感じ、CPUボードの交換時の作業を簡単にする改造を行った。 目的:   保守性の向上   故障時の交換作業時間の大幅な短縮   作業ミスの大幅な低減   MR/HD/NU の統一的予備機材管理 技術的方法:   ディップSWをCPUボードに追加   サーバーに運転ファイルを準備。   CPUの起動部分にサーバ上のファイルロード機能   IP-Address、ホスト名と場所とを対応    結果: 運転時管理が容易。   決まったファイルを読むので、動作が確実。   作業簡単 改造の結果を確認するために、CPUボードの交換の作業性を確認したが、満足する結果が得られた。この技術的内容を報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP089
p.1250
Linux PLCのための汎用的なEquipment Managerの開発
Development of general-purpose Equipment Manager for Linux PLC

○植田 倉六,増田 剛正(公益財団法人 高輝度光科学研究センター)
○Souroku Ueda, Takemasa Masuda (JASRI)
 
SPring-8制御系で使用しているMADOCAフレームワークを構成するソフトウェア群の1つに、電磁石電源等の実際の機器を制御するためのEquipment Manager(EM)がある。EMは機器に直接アクセスする性質上、他のソフトウェアと違い、機器毎のカスタマイズが必要で、新しい機器が追加されると、そのための新しいEMの作成が必要になる。しかし機器毎のEMではなく、汎用的なEMを用意することができれば、利用者が新たなEMを作成することなく、すぐに制御することが可能となる。そこで、SPring-8制御系に導入が始まっている横河電機製 Linux搭載PLCモジュール(e-RT3)をターゲットに、汎用的なEMを作成することにした。汎用的なEMを作成する場合、チャンネルやレジスタアドレス等、EMに渡すための情報が数多く必要になる。EMには機器を制御するために必要な情報を渡すための設定ファイル(config.tbl)が存在するが、情報量が多くなると複雑になるため内容の把握が難しくなる。そこで、簡単にconfig.tblを作成し、EMに読み込ませるためのWebベースのユーザーインターフェースも同時に用意した。Webブラウザを利用することとしたのは、EMが遠隔にあることや、クライアントとなる端末のOSが複数種類あるためである。e-RT3の利用者は、制御コマンド、使用するモジュール及び使用する関数を選んでいくことで、config.tblを作成または更新し、必要であればEMに読み込ませることが可能となるように設計した。
 
12:50 - 14:50 
SUP090
p.1254
cERLのPersonnel Protect System
Personnel Protect System of cERL

○濁川 和幸,長橋 進也(高エネルギー加速器研究機構 加速器研究施設)
○Kazuyuki Nigorikawa, Shinya Nagahashi (HIGH ENERGY ACCELERATOR RESEARCH ORGANIZATION , Accelerator Laboratory)
 
高エネルギー加速器研究機構では、将来光源としてERL(Energy Recovery Linac)を計画しており、その実証機としてcERL(コンパクトERL)を建設し、入射部の運転・周回部を含めた運転と進め、2014年3月には主空洞でのエネルギー回収が行われていることを確認するまでに至った。 このcERLを安全に運転するために、入射部の運転、周回部の運転に合わせて安全管理システムを段階的に作成し運用を行ってきた。本システムはEPICSを使用したソフトウェアレベルで行うインターロック、人間を守るPPS(Personnel Protect System)、各機器の運転モードを司り各機器の保護をするMMS(Machine Mode System)と加速器入退室で使用するパーソナルキーシステムで構成されている。 本発表では、安全管理システムのうちのパーソナルキーシステムとPPS(Personnel Protect System)を中心に報告を行う。
 
12:50 - 14:50 
SUP091
p.1259
SACLAのRF 異常波形データ収集フレームワーク
A Data Acquisition Framework for the Abnormal RF Waveform at SACLA

○吉岡 正倫(スプリングエイトサービス(株)),福井 達,大島 隆(理化学研究所 放射光科学総合研究センター),石井 美保,籠 正裕(高輝度光科学研究センター),丸山 俊之((株)日本技術センター)
○Masamichi Yoshioka (SPring-8 Service Co.,Ltd.), Toru Fukui, Takashi Ohshima (RIKEN SPring-8 Center), Miho Ishii, Masahiro Kago (JASRI), Toshiyuki Maruyama (Nippon Gijutsu Center Co.,Ltd.)
 
X線自由電子レーザー施設SACLAのLLRFデータ収集システムは、RFの位相と振幅のサンプル値をビームショット毎、I/Q出力の波形データを10分毎にデータ収集している。現在のデータ収集システムでは、クライストロン管内放電等の単発イベントの異常発生時に波形データを保存出来ない。このイベントを捕捉するために、我々はVMEアナログ入力ボードのインタラプト機能を用いた異常波形データ収集システムを開発した。アナログ入力ボードはビームショット毎に取得した波形データと基準波形データを比較し、閾値から外れた場合にインタラプト信号を発生すると同時に、波形データを保存するバンクを切り替える。VMEのCPUボードで動作する異常波形データ収集の制御プロセスは、インタラプト信号を監視するスレッドとデータを収集するスレッドで構成されており、インタラプト信号を受け取るとビームショット毎に割り振られているタグ番号を取得した後に、該当する異常波形データとその前後の波形データを収集し、タグ番号と波形データをデータベースに保存する。本論文で異常波形データ収集の制御プロセスの概要および予備的に行った動作試験の結果について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP092
p.1263
J-PARC加速器運転におけるWebベースの情報共有
Web-based information sharing system for J-PARC accelerator operation

○高橋 大輔(関東情報サービス(株)),上窪田 紀彦,山本 昇(高エネルギー加速器研究機構),吉田 奨(関東情報サービス(株))
○Daisuke Takahashi (KIS), Norihiko Kamikubota, Noboru Yamamoto (KEK), Susumu Yoshida (KIS)
 
制御ネットワーク内にて構築されたWebサーバでは必要な情報へとアクセスするためのツールが整備されており、 プラットフォームにとらわれずユーザーや端末間での情報共有、データ共有を容易に行うことが可能な状態となっている。 現在Webサーバにて稼働する主要なサービスとしては、 1)Archive Data Viwer・・・10万点の信号を収集しているEPICS Archive Systemからデータ読み出し 2)ファイルアップローダ・・・関連文書ファイルの集約、閲覧 3)RDBを利用した検索システム・・・IPアドレス検索、EPICSレコード検索、スクリーンショット検索 4)電子ログシステム・・・加速器運転ログ、ログ検索 5)制御Wiki・・・MediaWikiを採用した加速器制御情報管理システム が挙げられる。 以上の運用状態について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP093
p.1267
SuperKEKB用アボート・トリガー・システムの開発
Development of Abort Trigger System for SuperKEKB

○佐々木 信哉,秋山 篤美,岩崎 昌子,内藤 孝,中村 達郎(高エネ研)
○Shinya Sasaki, Atsuyoshi Akiyama, Masako Iwasaki, Takashi Naito, Tatsuro Nakamura (KEK)
 
現在KEKではSuperKEKBに向けた加速器のアップグレードが行われている。それに合わせ、アボート・トリガー・システムもKEKB加速器で使用していたシステムに改良を加えた 新システムを開発している。 アボート・トリガー・システムではロスモニターなどの種々の機器から送信される130個以上のアボート信号を収集し、アボートキッカーのトリガー信号へ変換を行う。KEKBで使用していたシステムではアボート信号のノイズ除去のためにローパスフィルターを使用しておりシステムの応答速度が100us程度であった。新システムでは、電気信号を光信号に変換し伝送することにより20us以下の応答速度を目指している。また新システムではタイムスタンプ機能を持たせ、0.1usの分解能でアボート信号を受信した時間を記録する。記録したタイムスタンプはビームアボートした原因の究明に役立てる事ができる。 本稿では、開発中のアボート・トリガー・システムの詳細と試験結果について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP094
p.1271
高機能計測器(Cross Domain Analyzer)のEPICS制御システムへの導入
Introduction of dedicated instrument (Cross Domain Analyzer) to EPICS-based control system

○根本 弘幸(アクモス(株)),外山 毅,山本 昇,山田 秀衛(高エネルギー加速器研究機構),吉田 奨(関東情報サービス(株))
○Hiroyuki Nemoto (ACMOS INC.), Takeshi Toyama, Noboru Yamamoto, Shuei Yamada (KEK), Susumu Yoshida (KIS)
 
Cross Domain Analyzer(U3800シリーズ)は、2チャンネルRF入力でのベクトル・スペクトラム信号測定が可能な高機能計測器である。J-PARCではMRリングの高速高精度なtune計測用にU3841の導入を検討中である。当初は単独使用が前提とされていた。しかし、J-PARC MR加速器制御システムからのリモートコントロール、および取得した波形データの収集が必要なため、制御ソフトウェアおよびGUIの開発を行った。 J-PARC MR加速器制御システムは、EPICS(Experimental Physics and Industrial Control System)を採用して開発が行われている。今回、EPICSによるU3841のリモートコントロールを実現するため、デバイスサポートにはStreamDeviceを採用した。GUI開発にはEDM(Extensible Display Manager)を使用した。 本発表では、U3841用EPICSアプリケーションの開発について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP095
p.1275
SPring-8蓄積リング主電磁石電源のための後継制御ボードの開発
Development of the succeeding control board for the SPring-8 main magnet power supplies

○増田 剛正,植田 倉六,清道 明男,深見 健司,満田 史織(公益財団法人高輝度光科学研究センター)
○Takemasa Masuda, Souroku Ueda, Akio Kiyomichi, Kenji Fukami, Chikaori Mitsuda (JASRI)
 
SPring-8蓄積リング主電磁石電源の制御には、1997年の運転開始以来、三菱電機製RIOシステムを使用している。各主電磁石電源筐体内にインストールされたスレーブボード(RIO Type-Bボード)は、VME規格のRIOマスターボードとの間を光ケーブルで接続され、VME計算機から制御される。主電磁石電源とRIO Type-Bボードの間は、デジタル入力信号32点、デジタル出力信号32点で取り合い、ON/OFF等の制御、電源ステータスの読み込み、電流値設定(16ビット)や電流値モニターデータ(16ビット)の読み込みなどを行っている。RIO Type-Bボードは既に幾つかの使用部品が入手不可となっており、追加購入の場合に多額の改版費用が必要となっているなど今後の維持に問題を抱えている。そこで新6極電磁石電源の製作のタイミングに合わせて、SPring-8で開発を行った光伝送ボードをベースに上位互換ボードの開発を行った。既存電磁石電源にも適用出来るようRIO Type-Bボードとのピン互換性を維持すると共に、新たに16ビットでの電圧値モニターの読み込みや機器保護インターロックの詳細情報の読み取りなどが行えるようデジタル入力信号32点とデジタル出力信号16点を追加した。また従来VME 計算機上で行っていたサイクリング処理をボード上のFPGAで行えるように製作を行った。
 
12:50 - 14:50 
SUP096
p.1279
J-PARC 遅い取り出しのスピルフィードバック制御システムの改良
Improvement of the Spill Feedback Control System of J-PARC Slow Extraction

○木村 琢郎,冨澤 正人,岡村 勝也,中川 秀利(高エネルギー加速器研究機構)
○Takuro Kimura, Masahito Tomizawa, Katsuya Okamura, Hidetoshi Nakagawa (KEK)
 
J-PARC MRの遅い取り出しでは2台の取り出し用四極電磁石(Extraction Q Magnet: EQ)と1台の高速リップル除去用四極電磁石(Ripple Q Magnet: RQ)と最適なEQとRQの励磁パターンを取り出しビームのモニタ信号などを用い演算を行うDSPからなる、スピルフィードバック制御システムによって取り出されるビーム量が一定となるよう制御を行っている。しかし、2013年5月にEQ電源の誤作動に起因して、本来は2秒ほどでゆっくりと取り出されるはずのビームが約5ミリ秒という短時間で瞬時に取り出されてしまったため、ハドロン実験施設で用いられていた金標的の一部が溶解し、さらにはハドロン実験施設での放射性物質漏えい事故を引き起こしてしまった。我々はEQ電源の突然の誤動作の原因調査を行い原因となる事象の特定を行い。EQ電源の誤動作の再発を防止するため、EQ電源の改造およびスピルフィードバック制御システムの改良を行った。本発表では、それらの取り組みについて報告を行う。
 
12:50 - 14:50 
SUP097
p.1282
J-PARCリニアック 高周波源制御システムの現状
Present Status of RF Control System at J-PARC Linac

○福井 佑治,二ツ川 健太,方 志高,川村 真人(高エネ研),篠崎 信一,佐藤 文明,堀 利彦,千代 悦司,鈴木 浩幸(原子力機構)
○Yuji Fukui, Kenta Futatsukawa, Zhigao Fang, Masato Kawamura (KEK), Shinichi Shinozaki, Fumiaki Sato, Toshihiko Hori, Etsuji Chishiro, Hiroyuki Suzuki (JAEA)
 
J-PARCリニアックではRCSに入射するビームエネルギーを181MeVから400MeVへと増強するため2013年の夏季メンテナンス期間に、ACS空洞および高周波源のインストールを行った。972MHz用高周波源制御システムにおいては、ACS#21ステーション(ACS空洞・972MHzクライストロン用RFコンポーネントの試験等を行うテストスタンド)やACS#16,ACS#17ステーション(972MHzクライストロンの試験を行うためのテストスタンド)を先行して立ち上げ、2013年11月のACS空洞コンディショニング開始までにはエネルギー増強に必要となるすべてのステーション(Buncher、ACS、Debuncher)へのインストールを完了した。高周波源制御システムは低電力RF制御システム、クライストロン電源制御システム、空洞監視システムなどから構成されており主にPLCで制御されている。低電力RF制御システムを増設するにあたっては、これまでの4ステーションを1つのCPUで制御する方式から、ステーション毎にCPUを持たせて独立した制御を行うように構成の変更を行った。本発表では高周波源制御システムの現状およびこれまでの運転状況について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP098
p.1285
SAGA-LS電子蓄積リング電磁石電源制御系の更新
Updating of Control System of SAGA-LS Storage Ring Power Supplies

○岩崎 能尊,金安 達夫,高林 雄一,江田 茂(九州シンクロトロン光研究センター)
○Yoshitaka Iwasaki, Tatsuo Kaneyasu, Yuichi Takabayashi, Shigeru Koda (Kyusyu Synchrotron Light Research Center)
 
九州シンクロトロン光研究センター(SAGA-LS)は最大電子エネルギー1.4 GeV、放射光臨界エネルギー1.9 keVの放射光施設である。2010年、40 keV程度までの硬X線の利用を目的として4 T超伝導ウィグラーが設置された。4 T超伝導ウィグラーの運用が有用であったため、超伝導ウィグラーの増設可能性について検討している。運用のための準備として電子蓄積リング電磁石電源制御系の更新を行う予定である。超伝導ウィグラーの励磁により2極、4極、6極磁場の不整磁場が生成される。4極成分の補償のためには、これまでシリーズで接続された4極電磁石の配線を一部切り離し、独立電源による4極電磁石の制御を行う。SAGA-LS電子蓄積リングでは電子蓄積リング内でランプアップを行うため、この4極電磁石電源は、他の主要電磁石電源(偏向電磁石、4極電磁石、6極電磁石)と同期して稼働する必要がある。新規4極電磁石電源の制御用にPLCを増設し、既存の電磁石制御系PLCと光ケーブルで接続することにより同期を行う。2極成分、6極成分の補償には、超伝導ウィグラー上下流に設置する多極成分電磁石を用いる予定である。本学会において、2台の超伝導ウィグラーおよび電磁石電源制御システムの構成案、PLCの同期ベンチテストについて報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP099
p.1288
ビーム電流増強用ビームラインのインターロックシステム
Interlock System of Beam Line for Beam Current Upgrade

○川根 祐輔(日本高周波株式会社),三浦 昭彦(日本原子力研究開発機構),宮尾 智章(高エネルギー加速器研究機構),平野 耕一郎(日本原子力研究開発機構),杉村 高志(高エネルギー加速器研究機構),加藤 裕子,澤邊 祐希,福田 真平,大内 伸夫(日本原子力研究開発機構)
○Yusuke Kawane (Nihon Koshuha Co., Ltd.), Akihiko Miura (JAEA), Tomoaki Miyao (KEK), Koichiro Hirano (JAEA), Takashi Sugimura (KEK), Yuko Kato, Yuki Sawabe, Shinpei Fukuta, Nobuo Ouchi (JAEA)
 
J-PARCリニアックでは、ピークビーム電流を50mAへ増強するため、RF駆動イオン源及び50mA用RFQ(RFQ掘砲粒発を進めており、2014年度夏に換装する予定である。J-PARCリニアック棟に設置したテストスタンドにおいて当該イオン源及びRFQの性能確認試験を実施した。一方、RFQとDTL間のビーム輸送系に関しては、50mA用チョッパ空洞及びスクレーパの開発を進めている。スクレーパ保護のため、スクレーパの温度の上限の監視、照射するビームの粒子数の総量に対するインターロックが必要となる。また、チョッパ空洞の動作監視のため、チョッパ空洞前後のビーム透過率を計測するモニタ及びインターロックを導入する予定である。テストスタンドにおいてスクレーパのビーム照射試験を実施するにあたり、これらのモニタ、インターロックシステムを構築し、動作確認を行った。本発表では、ビーム電流増強用の新しいビームライン用に構築したインターロックシステムについて紹介し、テストスタンドにて使用した結果について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP100
p.1292
パルスベンド補正コイル電源の制御システム
EPICS based control system of pulse bend correction coil

○佐藤 健一,上窪田 紀彦,山田 秀衛,高野 淳平,白形 政司(高エネ研/J-PARC)
○Kenichi Sato, Norihiko Kamikubota, Shuei Yamada, Junpei Takano, Masashi Shirakata (KEK/J-PARC)
 
J-PARC 3-50BT最上部におけるパルスベンド電磁石は、MRへ4サイクル(25Hz x 4)の陽子ビームを送った後も若干の残留磁場が残るため、MLFへのビーム供給が3サイクル分不可能である。この残留磁場を打ち消すパターン磁場を発生させるパルスベンド補正コイルが導入された。このパルスベンド補正コイルを制御するために、EPICSベースの制御システムを構築した。 本制御システムは、(1)Linux搭載のPLCコントローラ(横河電機 F3RP61-2L)およびI/Oモジュール、(2)ファンクションジェネレータ(Tektronix AFG3051C)、(3)コイルを駆動するカスタマイズ電源、(4)トリガ信号を設定・送受信するタイミングモジュール、で構成される。カスタマイズ電源の操作および状態監視をするために、PLCのI/Oモジュールと電源の信号線を接続した。また、補正コイル駆動のための新しいタイミングを設定した。発生させたトリガ信号はファンクションジェネレータのパターン波形を開始させ、カスタマイズ電源を駆動する。 5月の試験運用で、制御システムのうち操作に関わる部分の操作・状態監視に関しては動作が確認された。ただし、インターロック系などの課題は残っている。本発表では現状を報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP101
p.1296
EPICS、QTをベースにした制御ソフト開発
Development of the control system based on EPICS and QT

○塚田 義則(関東情報サービス(株)),照沼 信浩(高エネルギー加速器研究機構)
○Yoshinori Tsukada (KIS), Nobuhiro Terunuma (KEK)
 
ATFでは近年、制御プログラムの開発においてEPICSを多用しており、解析用プロット画面などのGUI作成にはEPICSのプラグインが充実してきたQTを利用することが多くなってきた。 統合開発環境を有しているQTを利用することによって、ソフト開発の作業効率が良くなる利点がある。 現在ATFの実験において使用されているATF2 IP Beam Size Monitorの制御ソフトもEPICS、QTをベースに開発を行った。 なお、この制御ソフトはユーザビリティの向上を図りながら現在も開発を進めている。 今回は上記であげた制御ソフト開発を例にあげ、EPICSへのQTの応用を報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP102
p.1299
MADOCA II データ収集・蓄積システムの現状
Status of MADOCA II data acquisition and storage system

○山下 明広,籠 正裕((公財) 高輝度光科学研究センター)
○Akihiro Yamashita, Masahiro Kago (JASRI)
 
SPring-8では次世代の加速器制御フレームワークMADOCA IIの一部としてデータ収集・蓄積システムを開発し、本格導入に向けた移行作業を行っている。新システムはデータ収集の通信にZeroMQとMessagePack、データ蓄積部にNoSQLデータベースであるRedisとApache Cassandraを使用して構築され、現行MADOCAと比較して高信頼、高性能、高拡張性かつ柔軟なデータ管理の実現がテスト環境での実証試験により証明されてきた。そこで今回は、本格導入の前準備かつ実環境下での安定性と信頼性の確認を目的として、実環境に新システムを試験導入し現行MADOCAと並行運用を開始した。2013年夏にシステムを新設した後、現行MADOCAでSPring-8運転開始以来(1997年)蓄積したデータをCassandraへ移行した。2014年1月からは現行と同じ約27000点以上のデータを周期的に収集している。同時に、その蓄積データを用いたアラーム監視、Webサービスの動作検証も実施している。現在のところ、安定に稼働し、問題なくデータ収集が行えている。また、同年4月からは新システムの特徴を生かした蓄積リングCODの構造化されたデータの10Hz蓄積やステアリング電磁石電源の異常を検知した時のみデータ収集するイベント型データ収集システムを運用させ、新フレームワークの有用性が実証されている。本稿では、このMADOCAIIデータ収集・蓄積システムの現状構成や適用事例並びに今後の展望について報告する。
 
LLRF (8月10日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SUP103
p.1303
Zynq搭載MTCA.4準拠の制御ボード
MTCA.4 FPGA(Zynq) board

○漁師 雅次,岩城 孝志,出口 久城,林 和孝(三菱電機特機システム),松本 利広(KEK、総研大),松本 隆太郎(三菱電機特機システム),道園 真一郎(KEK、総研大)
○Masatsugu Ryoshi, Takashi Iwaki, Hisakuni Deguchi, Kazutaka Hayashi (Mitsubishi Electric TOKKI System), Toshihiro Matsumoto (KEK, SOKENDAI), Ryutaro Matsumoto (Mitsubishi Electric TOKKI System), Shinichiro Michizono (KEK, SOKENDAI)
 
MTCA.4規格に準拠し、ARMプロセッサ内蔵FPGA「Zynq」を搭載した、制御ボードを開発した。 従来の制御ボードは、MTCA.0規格に準拠したシングル幅フル高さのサイズであり、ボード面積および入出力コネクタに使用可能なパネル面積が狭く拡張性に乏しかった。また、FPGAには、PowerPC440内蔵のVirtex5-FXTを使っており、制御アルゴリズムの高度化に伴い、内部CPUバスおよびロジックの処理速度がボトルネックとなってきた。 新たに開発した制御ボードは、MTCA.4規格に準拠したダブル幅フル高さのサイズとして、ボード面積および入出力用コネクタの面積を確保することができた。そして、RTM(Rear Transition Module)に一部機能を分散し拡張することで、多様な処理へも対応ができる。さらに、LLRF・BPM・DAQなど適用システムに応じた外部インタフェイスには、FMC(FPGA Mezzanine Card)で拡張可能とした。また、最新のFPGA「Zynq」(ARM Cortex-A9内蔵)を採用することで、ロジックによるリアルタイム処理能力、および、CPUによる処理能力の向上を図ることができた。 従来の制御ボードと同様に、本制御ボードをEPICS IOCとして動作できるようにFPGA「Zynq」内蔵のARMプロセッサにLinuxとEPICSを組込んだ。
 
12:50 - 14:50 
SUP104
p.1308
SuperKEKB加速空洞真空統括制御システム
Integrated Vacuum Control System for SuperKEKB Accelerating Cavities

○西脇 みちる,赤井 和憲,海老原 清一,小田切 淳一,可部 農志,小林 鉄也,中西 功太(高エネ研),出口 久城,林 和孝,西尾 淳一(三菱電機特機システム)
○Michiru Nishiwaki, Kazunori Akai, Kiyokazu Ebihara, Jun-ichi Odagiri, Atsushi Kabe, Tetsuya Kobayashi, Kota Nakanishi (KEK), Hisakuni Deguchi, Kazutaka Hayashi, Jun-ichi Nishio (MELOS)
 
来年(2015年)にビームコミッショニング開始予定のSuperKEKBでは、新たにFPGAとPLCを用いた高精度な加速電界(低電力高周波:LLRF)制御システムが開発され、これまでのKEKB用アナログ式LLRF制御システムを、順次、新LLRFシステムに置き換える。これに合わせて、加速セクション全体の真空機器制御においてもシンプルかつフレキシブルなインタロック系統を構築するため、PLCを用いて新しい真空統括制御システムが開発された。これについて詳細を報告する。SuperKEKBでは電子・陽電子の両リング合わせて6ヶ所の加速セクション(直線部RF区間)があり、1つのRF区間に最大8式の加速空洞が並ぶ。空洞2式毎にゲートバルブ(GV)が設置され、真空悪化によりGVが閉じられる。このようにRF区間全体について真空度監視、GV開閉操作、RF停止インターロック、ビームアボート信号出力等が必要になる。これらは従来、各装置のアナログモジュールやGVコントローラと呼ばれるロジック回路ユニット等を組み合わせて複雑なGV開閉(許可)ロジック・配線が組まれていた。SuperKEKBではPLC1式を用いて、これらを統括し、よりシンプルかつフレキシブルな真空制御システムに更新する。本システムは、セクション毎の構成(空洞・GV配置等)の違いや将来的な変化に対し柔軟に対応できる汎用性を持つ。また、PLCにはLinux-CPUを用いてEPICS-IOCが組み込まれ、遠隔操作・状態監視が容易になっている。
 
12:50 - 14:50 
SUP105
p.1312
SuperKEKB入射器の高周波モニターシステム
RF MONITOR SYSTEM FOR SuperKEKB INJECTOR LINAC

○片桐 広明,荒川 大,チュウ ファン,松本 利広,三浦 孝子,道園 真一郎,矢野 喜治(高エネ研)
○Hiroaki Katagiri, Dai Arakawa, Feng Qiu, Toshihiro Matsumoto, Takako Miura, Shinichiro Michizono, Yoshiharu Yano (KEK)
 
高エネルギー加速器研究機構の電子陽電子入射器では、SuperKEKB計画で必要とされる高周波源の安定度を達成し、且つ複数リングへの同時入射運転にも対応するため、新しい高周波モニタシステムの導入を進めている。システムはアナログIQ検出器を採用したモニタユニット、EPICS IOCとなるラックマウントサーバ、クロック分配系などで構成される。これまでにシステムの中心となるモニタユニットの試作機を用いて高周波測定安定度の評価、同時入射運転に対応するためのFPGA組み込み回路の開発を行ってきた。モニタユニット量産機は2014年度後期から運用が開始される予定である。システムの概要とモニタユニット量産機の性能評価、組み込み回路の開発状況について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP106
p.1315
Zynq搭載MTCA.4ボードへのLinux及びEPICSの組込み
Linux and EPICS embedding on MTCA.4 FPGA(Zynq) board

○出口 久城,岩城 孝志,林 和孝,松本 隆太郎,漁師 雅次(三菱電機特機システム)
○Hisakuni Deguchi, Takashi Iwaki, Kazutaka Hayashi, Ryutaro Matsumoto, Masatsugu Ryoshi (Mitsubishi Electric TOKKI System)
 
MTCA.4規格に準拠したFPGA制御ボードへの、Linux及びEPICS組込みを実現した。本ボードのFPGAにはXilinx社製のZynqを使用しており、このZynqに内蔵されているARMプロセッサを利用し、Linux及びEPICSの組込みを実現した。 "MTCA.4" + "Zynq(ARMプロセッサ)" + "Linux" + "EPICS" の組合せは、これまでに無い試みである。 従来、通信系のプラットフォーム規格(μTCA)のFPGAボードに加速器制御ソフトウエアEPICSを組み合わせる構成で、柔軟性と加速器システムとの適用性により、STF、SuperKEKB、及びcERLのLLRF機器等に採用されている。その従来ボードは、"MTCA.0" + "Virtex-5(PowerPCプロセッサ)" + "WindRiverLinux" + "EPICS" の組合せである。今回は、将来の加速器を見据えて、部品実装面積の広いMTCA.4とZynq(ARM Cortex-A9)で置換える事で、拡張性に優れ、高機能・高性能な、FPGA制御ボードを目指した。ARMプロセッサとLinuxの組合せは、組込機器の新しい定番であり、大容量データの転送、高速な演算処理、豊富な通信機能等、今後の発展性も大きい。 Linuxの組込みについては、Xilinx社が公開・提供しているアプリケーションノート(リファレンスデザイン)を活用した。新ボードは大幅に機能・性能が向上しており、STF2のLLRFへの搭載を始めとして、新たに開発されるLLRFシステムやBPMシステムへの搭載を想定している。
 
12:50 - 14:50 
SUP107
p.1320
SuperKEKB用新LLRF制御システムの開発・製造状況
Development and Production Status of new LLRF Control System for SuperKEKB

○小林 鉄也,赤井 和憲,海老原 清一,小田切 淳一,可部 農志,中西 功太,西脇 みちる(高エネ研),岩城 孝志,出口 久城,林 和孝,漁師 雅次(三菱電機特機システム)
○Tetsuya Kobayashi, Kazunori Akai, Kiyokazu Ebihara, Jun-ichi Odagiri, Atsushi Kabe, Kota Nakanishi, Michiru Nishiwaki (KEK), Takashi Iwaki, Hisakuni Deguchi, Kazutaka Hayashi, Masatsugu Ryoshi (MELOS)
 
SuperKEKBはビームコミッショニングを来年(2015年)に始める計画となっている。これに向け新たに開発された低電力高周波(LLRF)制御システムの進捗状況について報告する。 これまで報告されてる通り、KEKBより更に低エミッタンスかつ大電流のビーム蓄積するSuperKEKBでは、より高精度かつフレキシブルなRF信号(および空洞チューナ)の制御が重要となり、新たにEPICS-IOC組み込み型FPGAボード(μTCA規格)をベースとしたデジタルLLRF制御システムが開発された。プロトタイプの大電力試験では良好な性能が確認されている。その後、実機運転に向けた多くの改良を加えた上で量産機を製造し、現在、その一部を納品・据付したところである。1つの加速セクション(直線部RF区間)では最大8式の空洞が並び、これら各空洞の真空装置(ポンプ、ゲートバルブ)をまとめて統括制御するシステムも別途開発された。各LLRFシステムは、この真空統括システムとの連携(インターロックシステム)が必要となる。加えて、陽電子ダンピングリング(DR)でも同様のLLRF制御システムを採用する。ただしDRでは3空洞のベクターサム制御を行う。DRのビーム運転は来年度以降となる。 これら制御すべての信号源となるRF基準信号の分配・供給は当然より信頼できるものでなければならいため、より高位相安定を達成する光伝送RF基準信号分配システムが構築された。
 
レーザー (8月10日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SUP108
p.1325
レーザー航跡場加速を用いた超高速電子線回折
Ultrafast electron diffraction using Laser Wakefield Acceleration

○岩佐 健太(阪大院工),細貝 知直,益田 伸一,中新 信彦(阪大光セ,JST CREST),金 展(阪大光セ),水田 好雄(阪大院工),アレクセイ ジドコフ(阪大光セ,JST CREST),竹口 直輝(阪大院工),末田 敬一(阪大光セ),佐野 智一(阪大院工,阪大光セ,JST CREST),荒河 一渡(島根大),神門 正城,ブラノフ セルゲイ(原研機構関西),兒玉 了祐(阪大院工,阪大光セ,阪大レーザー)
○Kenta Iwasa (GSE Osaka Univ.), Tomonao Hosokai, Shinichi Masuda, Nobuhiko Nakanii (PPC Osaka Univ.,JST CREST), Zhan Jin (PPC Osaka Univ.), Yoshio Mizuta (GSE Osaka Univ.), Zhidkov Alexei (PPC Osaka Univ., JST CREST), Naoki Takeguchi (GSE Osaka Univ.), Keiichi Sueda (PPC Osaka Univ.), Tomokazu Sano (GSE Osaka Univ., PPC Osaka Univ., JST CREST), Kazuto Arakawa (Shimane Univ.), Masaki Kando, Sergei Bulanov (KPSI JAEA), Ryosuke Kodama (GSE Osaka Univ., PPC Osaka Univ., ILE Osaka Univ.)
 
レーザー航跡場加速は高い加速勾配を持ち、THzオーダーのプラズマ波で粒子を加速することから、大電荷(~nC)かつ極短バンチ(~10fs)の高エネルギー電子ビームの生成が可能である。こうした特徴から、物質の高速過渡現象を観測するための超高速電子線回折に用いる高品質な極短パルス電子源への応用が考えられる。超高速電子線回折において、発生電子の安定性、再現性は重要であり、またエネルギー幅の小さい電子ビームが必要とされている。しかし、従来のレーザー航跡場加速によって得られる電子ビームのエネルギー幅は広く、また位置安定性、再現性にも課題があった。 これまで、外部磁場の印加によってプラズマを制御することで、低ダイバージェンス(~1mrad)かつ高い位置安定性(~0.5mrad)を持つ高エネルギー電子ビームの発生に成功し、さらに電子ビームの発生方向の制御が可能となっている。また、イメージング用ビームラインを構築し電子ビームの輸送実験を行った結果、発生した電子ビームを7.5m下流に輸送し、さらに四重極電磁石を用いて電子ビームを100ミクロン以下に収束することに成功した。四重極電磁石による電子の収束はエネルギーによってその収束角が異なるため、電子の収束点にピンホールを置くことでエネルギーを選別することができ、これによって電子線回折実験が可能となった。レーザー駆動電子源における電子発生、輸送および電子線回折実験についての最新の結果を報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP109
p.1328
コンパクトERLでのレーザーコンプトン散乱光源実証実験用装置の建設
Construction of the equipment for a demonstration of laser Compton-scattered photon source at the cERL

○永井 良治,羽島 良一,森 道昭,静間 俊行(日本原子力研究開発機構),赤木 智哉,小菅 淳,本田 洋介,浦川 順治(高エネルギー加速器研究機構)
○Ryoji Nagai, Ryoichi Hajima, Michiaki Mori, Toshiyuki Shizuma (JAEA), Tomoya Akagi, Atsushi Kosuge, Yosuke Honda, Jyunji Urakawa (KEK)
 
原子力機構では準単色のガンマ線源を用いた非破壊核種分析システムの開発を進めている。準単色ガンマ線源はERL型加速器で生成した高輝度かつ大電流の電子ビームと光共振器に蓄積された高強度のレーザー光とのレーザーコンプトン散乱により実現する計画である。この光源実現のために加速器とレーザーが十分な性能を有していることを実証するために、KEKにおいて共同で開発を進めているコンパクトERLにおいて、レーザーコンプトン散乱実験を行う計画である。その実験の概要とレーザーコンプトン散乱関連の機器の準備状況について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP110
p.1332
cERLでのレーザーコンプトン散乱実験用光共振器の開発
Development of optical cavities for the laser-Compton scattering experiment at cERL

○赤木 智哉,本田 洋介,小菅 淳,浦川 順治(高エネ研),羽島 良一,森 道昭,永井 良治,静間 俊行(日本原子力研究開発機構)
○Tomoya Akagi, Yosuke Honda, Atsushi Kosuge, Junji Urakawa (KEK), Ryoichi Hajima, Michiaki Mori, Ryoji Nagai, Toshiyuki Shizuma (JAEA)
 
非破壊核種分析用の準単色ガンマ線源開発のため、KEKのERL試験加速器(コンパクトERL)においてレーザーコンプトン散乱実験を計画している。十分な強度のガンマ線を生成するためには高平均出力のレーザー光が必要となるため、レーザーパルスを光共振器に蓄積することで平均強度を約1000倍に増大させる予定である。本レーザーコンプトン散乱実験のため、2台の垂直平面4枚鏡共振器を重ねあわせた新しい光共振器を設計した。この光共振器は円偏光、直線偏光ともに蓄積可能で、それぞれの共振器に異なった偏光のレーザーパルスを蓄積し、電子ビームとの衝突タイミングを制御することで生成ガンマ線の偏光を高速で切り替えることが可能になる。本発表では、この光共振器の開発状況について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP111
p.1335
共振器用鏡の形状制御実験
Development of a Mirror Shape Control Scheme

○清水 洋孝,江並 和宏,久米 達哉,平木 雅彦,山中 将,吉田 孝一(高エネ研 機械工学センター)
○Hirotaka Shimizu, Kazuhiro Enami, Tatsuya Kume, Masahiko Hiraki, Masashi Yamanaka, Koichi Yoshida (KEK-MEC)
 
加速器を用いたX線やγ線の生成に使われる光共振器には、非常に高価な鏡が用いられるが、これらの鏡に対しては高反射率である事と共にその形状に関しても厳しい制限が課せられる。一般的な作成方法は、合成石英基板を研磨加工により仕様の曲率半径を持たせる為の整形を行い、その後誘電体多層膜を蒸着する為に、一度仕上がった鏡の形状は修正が出来ない。つまり光共振器の構成は、最終的には用いる鏡の仕上がり形状に合わせて修正されなければならない事になる。この状況に対し、光共振器の構成をより簡単化し、且つ高い共振器性能を引き出し易くする為の工夫として、用いる全ての鏡を単純な平面鏡から機械的な曲げ加工を用いて作成する事を目的とした開発を行っている。これまでに円筒型鏡及び球状凹面鏡の作成を行っており、円筒鏡は実際に加速器実験にも適用しX線の生成に成功している。この手法を更に発展させて、光共振器にレーザーを蓄積した状態から鏡の曲率半径を外部電子制御によって調整する為の方法やより複雑な表面形状を持つトロイダルミラーの作成を行うために準備実験を続けている。今回の発表ではこれまでの成果をポスターによって報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP112
p.1339
NLPR法を用いたモード同期Ybファイバーレーザーの開発
Development of a mode-locked Yb fiber laser based on NLPR

○鈴木 里佳,坂本 瑞樹,坂上 和之,鷲尾 方一(早大理工研)
○Rika Suzuki, Mizuki Sakamoto, Kazuyuki Sakaue, Masakazu Washio (Waseda University)
 
早稲田大学鷲尾研究室ではレーザーフォトカソードRF電子銃を用い,コンパクトな電子ビーム発生装置による高品質電子ビームの生成,及びその応用研究を行っている。レーザーフォトカソードRF電子銃の初期パラメータはカソードに照射するレーザーパルスの形状によって決定される。そこで我々はより高品質な電子ビームを得るためにフォトカソード用レーザー光の開発に着手した。 現在の早稲田大学のUVレーザーシステムはシード部、パルス切り出し部、パルス増幅部、波長変換部から構成されている。最終的に262nmのUV光を生成し、フォトカソードから電子を取り出す。このシステムの高度化のためにまずはレーザーパルス形状を大きく左右するシード部の改良として小型かつ自在に変更が可能であり、高品質レーザーを期待できるファイバーレーザーを使用し、NLPR法を用いたモード同期Ybファイバーレーザーの開発を行った。これまでにパルス幅770fs、Mスクエア1.02の短パルスかつ高品質レーザーのモード同期発振に成功している。この結果を受け、現在加速器高周波との同期、発振器の安定化、後段増幅部に関して検討を進めている。 本発表では、発振器の製作状況と評価試験結果及び今後の展望について述べる。
 
真空 (8月10日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SUP113
p.1342
SuperKEKB真空システムの建設-III
Construction of SuperKEKB Vacuum System - III

○末次 祐介,金澤 健一,柴田 恭,石橋 拓弥,久松 広美,白井 満,照井 真司(KEK)
○Yusuke Suetsugu, Ken-ichi Kanazawa, Kyo Shibata, Takuya Ishibashi, Hiromi Hisamatsu, Mitsuru Shirai, Shinji Terui (KEK)
 
KEKでは電子-陽電子衝突加速器「SuperKEKB」の建設が2010年より進められている。周長約3 kmの主リングの真空システムでは、各種真空コンポーネントの新規製作・設置、制御システムの刷新やインフラの増強等が進められている。陽電子リングの新規ビームパイプ等は、いわゆるアンテチェンバー型の断面を持つ。ビームパイプは、トンネル設置前に、陽電子リング用は電子雲不安定性対策の一つとして内面にTiN膜がコーティングされる。電子リング用を含め、ほぼすべてのビームパイプは150℃でベーキングされる。現在、陽電子リングのウィグラー部とアーク部へのビームパイプ設置がほぼ終了した。一部区間ではベローズチェンバーも接続され、真空排気も始まっている。ビームパイプの冷却水配管の増設も順次行われている。2014年度はビームコリメータ等の製作や主リング残りの部分へのコンポーネントの設置を進め、真空システムを立ち上げる。ここでは、アップグレードが進むSuperKEKB主リング真空システムの現状を報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP115
p.1347
偏向電磁石用ビームパイプ(曲げパイプ)への窒化チタンコーティング
TiN coating for bent beam pipes

○柴田 恭,末次 祐介,久松 広美,白井 満(KEK)
○Kyo Shibata, Yusuke Suetsugu, Hiromi Hisamatsu, Mitsuru Shirai (KEK)
 
現在建設が進められているSuperKEKB加速器の陽電子リング及び陽電子用ダンピングリングにおいては、電子雲不安定性によるビームの劣化を防ぐために、ビームパイプ内面に窒化チタン(TiN)コーティングが施され、パイプ内面の2次電子放出率が下げられる。TiNコーティングはDCマグネトロンスパッタリング法で行われ、その際チタン陰極がビームパイプの中心軸上に設置される。真っ直ぐなビームパイプにコーティングを行う場合は、ビームパイプは垂直に立てられ、電極を上から吊るすことでチタン電極がビームパイプの中心軸上にセットされる(縦置き型コーティング装置)。一方、偏向電磁石用として使用される曲がったビームパイプでは、ビームパイプを垂直に立てることやチタン電極を上から吊るしてパイプ中心軸上にセットすることが困難である。そこで偏向電磁石用ビームパイプ(曲げパイプ)にTiNコーティングを施す場合は、ビームパイプは水平に置かれ、チタン電極はセラミックス製のサポートを用いてパイプ中心軸上にセットされる(横置き型コーティング装置)。KEKでは2013年度に100本以上のSuperKEKB陽電子リングの偏向電磁石用ビームパイプへのTiNコーティングを行っており、2014年度もダンピングリング用ビームパイプなどへのコーティングを予定している。 会場では、横置き型コーティング装置と各種ビームパイプに対応したチタン電極及びセラミックスサポートについて詳しく報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP116
p.1352
SuperKEKB用HOM吸収装置の設計検討
Design Study of HOM absorbers for SuperKEKB

○照井 真司,石橋 拓弥,末次 祐介(KEK)
○Shinji Terui, Takuya Ishibashi, Yusuke Suetsugu (KEK)
 
SuperKEKBは、4.0 GeV 3.6Aの陽電子ビームと7.0 GeV 2.6Aの電子ビームを蓄積する非対称エネルギー電子・陽電衝突型加速器である。バンチ長も約6个斑擦、その結果、様々な真空機器では通過するバンチによって高次高周波が励起されやすい。例えば、素粒子検出器(BELLE II)のバックグラウンドを低減するために設置されるコリメータでは、ビームの軌道から数〜十数mmの位置まで、金属製ブロックを水平、あるいは垂直方向から近づける。そのため他の機器に比べて強いHOMが励起され、コリメータ本体や近傍の真空機器の発熱、ビーム不安定性等を誘発する可能性がある。SuperKEKBでは各種真空機器で発生するHOMへの対策がこれまでになく重要な課題となっている。対策としては、機器をHOMが発生し難い構造にすることはもちろんであるが、機器の近傍にHOMを吸収する装置を設置するのも有効である。我々は、コリメータ用を念頭に、コンパクトで効率が良く、また、アンテチェンバー型という特殊なビームパイプ構造に対応できるHOM吸収装置の検討を始めている。今回は、HOM吸収体として従来用いられてきたSiC(炭化ケイ素)やフェライトをのろう付けやHIP接合試験、シミュレータによる吸収装置構造の最適化、等の結果を報告する。
 
加速器応用・産業利用 (8月10日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SUP117
p.1357
回転ガントリー用超伝導電磁石の磁場測定及びガントリーオプティクスの最適化
Magnetic field measurements of superconducting magnets for a rotating-gantry and optimization of gantry optics

○鈴木 伸司,岩田 佳之,野田 耕司,白井 敏之,古川 卓司,藤田 敬,森 慎一郎,水島 康太,原 洋介(放医研),新井 弘樹,藤本 哲也(AEC),折笠 朝史,高山 茂貴,長本 義史,矢澤 孝(東芝),荻津 透(高エネ研),雨宮 尚之(京大),尾花 哲浩(核融合研)
○Shinji Suzuki, Yoshiyuki Iwata, Koji Noda, Toshiyuki Shirai, Takuji Furukawa, Takashi Fujita, Shinichiro Mori, Kota Mizushima, Yosuke Hara (NIRS), Hiroki Arai, Tetsuya Fujimoto (AEC), Tomofumi Orikasa, Shigeki Takayama, Yoshifumi Nagamoto, Takashi Yazawa (TOSHIBA), Toru Ogitsu (KEK), Naoyuki Amamiya (Kyoto Univ.), Tetsuhiro Obana (NIFS)
 
重粒子線がん治療において、高度な照射治療を目的とした重粒子照射装置である小型超伝導回転ガントリーの製造が現在進行中である。この回転ガントリーは0度から360度とあらゆる角度からの重粒子ビーム照射を可能とし、これまでの固定ポートを用いた治療よりも精度の高い照射治療が可能となる。我々は回転ガントリーの小型軽量化のため、偏向電磁石に二重極成分と四重極成分を独立に励磁可能な超伝導電磁石を設計し、製作を進めている。また、この回転ガントリーでは三次元スキャニング照射法を用いた治療が行われる。スキャンされたビームを超伝導電磁石で輸送し、治療照射を行うことから、超伝導電磁石には高い磁場均一度が求められる。本研究では、ガントリーの小型化に大きく貢献している超伝導電磁石の磁場分布を精度良く測定した。測定には複数のホール素子を用い、磁石中心軌道に沿わせたレール上を移動させながらホール電圧を測定する自動システムにより磁場分布を三次元的にマッピングした。磁場測定の結果から、二極コイル単体励磁において予期せぬ四極成分が観測された。このような四極成分がある場合に、治療で必要とされる照射野の確保、及び平行ビームにするため、線形近似による軌道計算を行い、各超伝導電磁石の四極コイル電流値を最適化した。また、磁場測定から得た磁場分布を用いて粒子のトラッキングシミュレーションを行い、線形近似による軌道計算との比較を行った。
 
12:50 - 14:50 
SUP118
p.1360
NIRSサイクロトロン・RI生成用ビームポートのためのビーム輸送ラインの設計
Design of a beam transport line for radioisotope production systems in NIRS cyclotron facility

○片桐 健,北條 悟,中尾 政夫,杉浦 彰則,野田 章,野田 耕司(放医研)
○Ken Katagiri, Satoru Hojo, Masao Nakao, Akinori Sugiura, Akira Noda, Koji Noda (NIRS)
 
NIRSサイクロトロン施設では,新たな医療用放射性核種の製造とそれらに関連したRI生成実験に備えて,新たなビーム照射ポートの整備が検討されている.この照射ポートでは,α崩壊核種(At-211)や金属核種(Cu-67)の製造が計画されていると共に,重粒子線がん治療のための10/11Cビーム生成を背景とした,10/11C核種メタン分子(10/11CH4)の生成実験が行われる予定である.この実験では,ターゲット材料としてホウ素化水素ナトリウム(NaBH4)を用いることを検討している[1].このターゲットは熱によるダメージを受け易い為に,照射ビームの電流密度を0.04 uA/mm2程度に抑える必要がある.一方で十分な収量を得る為にはビーム電流を下げることは好ましくない.これら二つの要求を満たす為に,水平/垂直方向のステアリングマグネットを用いてビームを円状に走査し,適切な照射野を形成する方法を検討した.また,この照射装置へのビーム輸送ラインの設計を行った.このオプティクス計算に初期条件として必要となるエミッタンス,TwissパラメーターはQ-scan法により導出した.これらを元にオプティクスの計算を行い,適切な光学関数を検討した. [1] Ken Katagiri, et. al., “11CH4-molecule production using a NaBH4 target for 11C-ion acceleration”, Rev. Sci. Instrum., vol. 85 (2014) 02C305.
 
12:50 - 14:50 
SUP119
p.1363
高温超伝導磁石を使った炭素線ガントリーの設計
Design of High-temperature Superconducting Gantry for Carbon

○盛田 義弥,畑中 吉治,福田 光宏,依田 哲彦,山根 浩義,鎌倉 恵太,植田 浩史,森信 俊平,齋藤 高嶺,永山 啓一,田村 仁志,安田 裕介(大阪大学核物理研究センター)
○Yoshiya Morita, Kichiji Hatanaka, Mitsuhiro Fukuda, Tetsuhiko Yorita, Hiroyoshi Yamane, Keita Kamakura, Hiroshi Ueda, Shunnpei Morinobu, Takane Saito, Keiichi Nagayama, Hitoshi Tamura, Yuusuke Yasuda (RCNP.Osaka university)
 
放射線がん治療において、重粒子イオンを用いた粒子線治療法が注目されている。重粒子のもつBragg peakの特徴から、標的となる体内のがん病巣にピンポイントで最大線量を照射できることがその理由である。ここでは重粒子イオンとして、その優位性から炭素イオンを用いることにするが、炭素線の治療装置は陽子線のものと比べて大型になり、装置を郊外に設置せざるを得ず、一般病院への普及のためには装置の小型化が必要である。本研究では、小型化に向けた炭素線ガントリーの設計を行う。ガントリーのビームラインには双極磁石と四重極磁石を配置する。その際、双極磁石として高温超伝導磁石を用いることで、装置の小型化を目指す。また、炭素線の質を向上させるために、炭素線の収束性を保つためにビームラインの最適化を図る。
 
12:50 - 14:50 
SUP120
p.1366
核物質非破壊検知用220MeVマイクロトロンの空間電荷効果
Space Charge Effects on 220-MeV Microtron for Non-Destructive Nuclear Material Detection System

○堀 利匡,全 炳俊,紀井 俊輝,大垣 英明,大東 出,ネグム ハニ(京大エネ研),小滝 秀行,神門 正城(原研関西),羽島 良一,早川 岳人(原研東海),酒井 文雄(住重田無)
○Toshitada Hori, Heishun Zen, Toshiteru Kii, Hideaki Ohgaki, Izuru Daito, Hani Negm (IAE, Kyoto Univ.), Hideyuki Kotaki, Masaki Kando (JAEA, Kansai), Ryoichi Hajima, Takehito Hayakawa (JAEA, Tokai), Fumio Sakai (SHI, Tanashi)
 
安全安心な社会のための犯罪・テロ対策技術等を実用化するプログラムの下で「ガンマ線による核物質非破壊検知システム」の開発プロジェクトが進行中である。本システムでは高輝度でコンパクトな逆コンプトン散乱ガンマ線発生装置の利用を想定しており、基礎実験が原研関西研の150MeVマイクロトロンを使って行われている。実用化にはエネルギー220MeVの電子ビームが必要であり、実験中のマイクロトロンをベースに高エネル ギー化の検討がなされている。今回は、これまでの"mic"によるシミュレー ションでは評価できなかった空間電荷効果に関し"PARMELA"で得られた結果について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP121
p.1369
紫外-可視-近赤外フェムト秒パルスラジオリシスによる放射線化学初期過程の研究
Study of initial process of radiation chemistry using UV-VIS-NIR femtosecond pulse radiolysis

○近藤 孝文,山岨 優,西井 聡志,井河原 大樹,樋川 智洋,神戸 正雄,室屋 佑佐,菅 晃一,楊 金峰,法澤 公寛,田川 精一,吉田 陽一(阪大産研)
○Takafumi Kondoh, Suguru Yamaso, Satoshi Nishii, Taiki Igahara, Tomohiro Toigawa, Masao Gohdo, Yusa Muroya, Koichi Kan, Takafumi Yang, Kimihiro Norizawa, Seiichi Tagawa, Yoichi Yoshida (ISIR, Osaka Univ.)
 
240 nmの紫外領域から1700 nmの近赤外線領域に至る波長領域にフェムト秒電子線パルスラジオリシスの測定波長を拡張した。また、測定系の安定化によりS/Nを改善し1 mOD の測定が可能となった。この事により、水、ドデカン、高分子材料など種々の物質中において、放射線化学初期過程における、活性種のスペクトル変化と時間挙動を測定することができるようになった。特に水中で、水和電子生成過程におけるスペクトル変化と時間挙動を得ることができた。フォトカソードRF電子銃加速器が発生する極短パルス電子線を利用した測定装置の波及効果について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP122
p.1374
KEK小型電子加速器(LUCX)の現状報告(7)
Present status of Laser Undulator Compact X-ray source (LUCX) (7)

○福田 将史,荒木 栄,Aryshev Alexander,浦川 順治,照沼 信浩,本田 洋介(高エ研),坂上 和之,鷲尾 方一(早大理工研)
○Masafumi Fukuda, Sakae Araki, Alexander Aryshev, Junji Urakawa, Nobuhiro Terunuma, Yosuke Honda (KEK), Kazuyuki Sakaue, Masakazu Washio (RISE, Waseda Univ.)
 
KEK小型電子加速器(LUCX)では、マルチバンチ電子ビームとレーザーパルスとの逆コンプトン散乱を利用したX線源の開発を行っている。電子ビームはフォトカソードRF電子銃で生成し、加速管で最大30MeVまで加速する。その後、光共振器に蓄積したレーザーパルスと衝突させ、10〜15keVのX線を生成する。2013年8月からは光・量子融合連携研究開発プログラムの「小型高輝度X線源イメージング基盤技術開発」において、X線イメージング手法の技術蓄積や検出器開発などを行っている。 この加速器は2012年秋にX線数増強のためのアップグレードを行い、短時間で鮮明なX線イメージ画像を得ること、最終的には1ショットで撮影することを目標として開発を行っている。予想X線数は1.7×10^7 photons/train、エネルギー幅(FWHM)は10%となる。現在はX線増強のための調整を行っており、電子ビーム側は27MeV, 380nC(1.3nC/bunch), 300bunchesとアップグレード前の約7倍の電子ビーム強度を達成したが、後方バンチにビームサイズの増大が見られた。そこでバンチ電荷を下げ、バンチ数を伸ばす方向で強度を上げるよう再調整を行っており、現在、24MeV, 300nC(0.6nC/bunch), 500bunchesまで達成している。この発表では主に加速器側の進捗について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP123
p.1378
名古屋大学における静電加速器を用いたホウ素中性子捕捉療法用システム計画
Project of Electrostatic Accelerator-based BNCT System in Nagoya University

○鬼柳 善明,土田 一輝,瓜谷 章,川端 勇矢,山崎 淳,校條 洋輔,山崎 拓弥,渡辺 賢一(名大工学研究科),市川 豪,広田 克也,北口 雅暁,清水 裕彦(名大理学研究科)
○Yoshiaki Kiyanagi, Kazuki Tsuchida, Akira Uritani, Yuya Kawabata, Atsushi Yamazaki, Yosuke Menjo, Takuya Yamazaki, Kenichi Watanabe (Graduate School of Eng. Nagoya Univ.), Go Ichikawa, Katsuya Hirota, Masaaki Kitaguchi, Hirohiko Shimizu (Graduate School of Sci. Nagoya Univ.)
 
ホウ素中性子補足療法(BNCT)は、ガン部にホウ素薬剤を集め、そこに熱中性子を照射することによって、核反応で発生するLi とα粒子でDNAを切断し癌細胞を殺す方法である。癌細胞を選択的に殺すことができる方法として、他の放射線治療法とは異なった利点を持っている。これまで原子炉中性子を用いた治療が京大炉やJRR-4を用いて行われてきたが、原子炉を病院の中に設置することは難しく、加速器をベースとしたBNCT中性子源の建設が進められている。 我々は、陽子加速器としてIBA社の静電加速器ダイナミトロンを今年度導入し、2018年までにBNCTシステム開発し、治療への適応の可否を明らかにする計画である。加速エネルギーは2.8 MeVで15 mAの大電流ビームを発生する。発生中性子エネルギーが低い7Li(p, n)反応を採用するため、システムの放射化が少なく、熱外中性子減速材がコンパクトになるというメリットがある。しかし、発熱密度が高いため、融点の低いLiターゲットの除熱などの問題を考えてターゲット設計を進めている。また、減速材システムはMgF2を主たる材料とし、反射体、コリメータを設置したものを検討している。開発システムの照射条件の目標値は、中性子射出孔において、0.5 eV〜10 keVの範囲の熱外中性子束が1×10**9 n/cm2/s、高速中性子混入率が2×10**(-13) Gy・cm2である。
 
12:50 - 14:50 
SUP124
p.1381
理研RIBFにおける稀少RIリングの現状
Present status of rare-RI ring at RIKEN RIBF

○山口 由高,若杉 昌徳,阿部 康志,洲嵜 ふみ,藤縄 雅,加瀬 昌之,込山 美咲,熊谷 桂子,眞家 武士(理研仁科センター),長江 大輔(筑波大学),大西 純一(理研仁科センター),小沢 顕(筑波大学),上坂 友洋,渡邉 裕(理研仁科センター),山口 貴之(埼玉大学),山澤 秀行,柳澤 善行,銭廣 十三,矢野 安重(理研仁科センター)
○Yoshitaka Yamaguchi, Masanori Wakasugi, Yasushi Abe, Fumi Suzaki, Tadashi Fujinawa, Masayuki Kase, Misaki Komiyama, Keiko Kumagai, Takeshi Maie (RIKEN Nishina Center), Daisuke Nagae (Univ. of Tsukuba), Jun-ichi Ohnishi (RIKEN Nishina Center), Akira Ozawa (Univ. of Tsukuba), Tomohiro Uesaka, Yutaka Watanabe (RIKEN Nishina Center), Takayuki Yamaguchi (Saitama Univ.), Hideyuki Yamasawa, Yoshiyuki Yanagisawa, Juzo Zenihiro, Yasushige Yano (RIKEN Nishina Center)
 
稀少RIリングの周長は約60mで6回対称構造を持つ。アーク部には4台のRectangular型偏向電磁石があり、直線部は約4mとなる。四極電磁石はなく、偏向電磁石の面角及び等時性を確保するために設けたトリムコイルによる非一様n値のみの弱収束リングである。偏向電磁石はTARNIIを再利用し、1アークにおけるBL積値が平均化するように配置した。トリムコイルは各アーク部の外側2台の偏向電磁石に10本それぞれ直列に接続している。入射取出しには、入射取出し用セプタム電磁石各2台とキッカー電磁石で1ターン入射取出しを実現する。キッカー電磁石には分布定数型を採用しており、出射にも同じキッカー電磁石を利用出来るスキームとなる。リングダクト内を10-8Paの超高真空状態で保つためにリング全体をベーキングできるよう整備した。主要真空ポンプはイオンポンプとNEGポンプであり、粗引き時には可搬式ターボポンプを各所に接続できるよう整備した。直流電源は、1.3MW級の主コイル電源をはじめ、トリムコイル電源、セプタム電源及び入射ライン用四極電磁石電源を有し、実負荷通電試験を経て運用を開始している。これら電源を含めリング関連機器の制御にはEPICSを用いている。稀少RIリングの主目的は、稀にしか生成しない短寿命RIの高精度質量測定であり実現は少し先になるが、環境が整いつつある現状を報告するとともに、6月に行なわれたプロトンビームを用いたマシンスタディについても報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP125
p.1386
大阪府立大学における1MeVイオン加速器を用いた表面分析の開発
Development of surface analysis with 1-MeV ion accelerator at Osaka Prefecture University.

宮丸 広幸,○藤田 萌花,谷口 良一,奥田 修一(阪府大)
Miyamaru Hiroyuki, ○Fujita Honoka, Taniguchi Ryoichi, Okuda Shuichi (Osaka Pref. Univ.)
 
大阪府立大学では2012年に1MeVイオンビーム加速器を大阪府立産業技術総合研究所より譲り受け、RBSやPIXEなどの加速器分析に活用すべく整備と改修を進めてきた。最近になり安定したヘリウムや水素イオンビームを取り出すことが可能となり、放射線検出器周辺においても新たに整備して特色のある分析装置の開発を行っている。本発表では950keVのイオンビームを用いた加速器分析の現状を報告する。測定においてはPIXE用のSi半導体検出器に加え、より高エネルギー領域をカバーするCdTe検出器も合わせて用いPIXE分析の向上を目指した。CdTe検出器はSi検出器に比べ検出効率が高く、室温で利用できるため、真空中に配置するのが容易であるという利点がある。CdTe検出器を試料直近に配置した実験ではX線エネルギーが20keV程度を下限値として内核励起によるX線の測定が可能となった。また、950keVのプロトンビームを用いた実験ではベリリウムやリチウム、ホウ素などを含有する材料をターゲットとすると、軽元素に特有の特徴ある荷電粒子核反応を観測することができる。核反応により放出される荷電粒子は散乱イオンよりもエネルギーが高いため荷電粒子用表面障壁型Si検出器での測定が可能である。このような極微量の核反応粒子の計測を応用して金属材料中に含まれるホウ素などの軽元素の分布などを評価することも検討している。
 
12:50 - 14:50 
SUP126
p.1390
薄い散乱体を用いた水平・垂直エミッタンスの整合
Matching of horizontal and vertical emittances using a thin scatterer

○岩田 佳之(放医研),藤本 哲也(加速器エンジニアリング),水島 康太,原 洋介,佐藤 眞二,鈴木 伸司,古川 卓司,白井 敏之,野田 耕司(放医研)
○Yoshiyuki Iwata (NIRS), Tetsuya Fujimoto (AEC), Kota Mizushima, Yosuke Hara, Shinji Sato, Shinji Suzuki, Takuji Furukawa, Toshiyuki Shirai, Koji Noda (NIRS)
 
重粒子線がん治療の更なる高精度化のため、我々は超伝導回転ガントリーの開発を進めている。この回転ガントリーはアイソセントリック型であり、患者が位置するアイソセンターに対し、核子あたり430MeVの炭素ビームを0度から360度の何れの方向からでも照射可能である。ガントリーではビームラインが回転することから、回転角度に依らずアイソセンターにおいて円形のビームスポットを形成するため、シンクロトロンから得られるビームの水平・垂直ビームエミッタンスを整合する必要がある。このため、我々は薄い散乱体を用いたエミッタンス整合法を開発した。 エミッタンス整合に先立ち、シンクロトロンから取り出される200種類のビームエネルギーに対してビームの位相空間分布を決定した。各エネルギーに対する取り出しビームの位相空間分布に基づき、エミッタンス増大を最小限に抑えつつエミッタンス整合を実現するため、ビーム光学設計及び散乱体厚の最適化を行った。本発表では位相空間分布決定及びエミッタンス整合の試験結果について報告する。
 
加速器土木・放射線防護 (8月10日 大会議室)
12:50 - 14:50 
SUP129
p.1394
KEK電子陽電子入射器の加速ユニット架台
Supports of Accelerator Section of KEK Injector Linac

○柿原 和久,肥後 寿泰,榎本 收志,山岡 広(高エネ研),牛本 信二(三菱電機システムサービス),飯野 陽弼,諸田 明洋((株)トヤマ)
○Kazuhisa Kakihara, Toshiyasu Higo, Atsushi Enomoto, Hiroshi Yamaoka (KEK), Shinji Ushimoto (Mitsubishi Electric System & Service Co., Ltd.), Yousuke Iino, Akihiro Morota (TOYAMA Co., Ltd.)
 
KEK電子陽電子入射器では2011年の東日本大震災により大きな被害を受けたことから、加速ユニット架台の耐震化を進めてきた。またSuperKEKB用陽電子標的下流のS-band加速管(2m×10本)を陽電子捕獲効率向上のため従来より大口径にしたことにより、その寸法、重量が増加し、同様にその外側に配置する収束用電磁石も大型化した結果、約1ton/mが架台に搭載されることになった。 更に、加速ユニット架台は設置する各機器を高精度にアライメントする役割を兼ねているため、単体での寸法精度に加えて最終的な機器積載時の位置精度も重要となる。 ここでは、従来の加速ユニット架台の耐震化の内容と、新規製作したアルミ製架台の設計、製作、計測、設置について報告する。
 
12:50 - 14:50 
SUP130
p.1398
SuperKEKB主リングトンネル変動
SuperKEKB Main Ring Tunnel Motion

○増澤 美佳,安達 利一,飯沼 裕美,大澤 康伸,川本 崇(KEK)
○Mika Masuzawa, Toshikazu Adachi, Hiromi Iinuma, Yasunobu Ohsawa, Takashi Kawamoto (KEK)
 
現在SuperKEKB主リングトンネル内では電磁石及び基準点の精密測量を行い電磁石の精密アライメントの準備を進めている。一方地上部ではSuperKEKB用機械棟増設に伴った掘削工事を始めとする土地改良、地下水くみ上げ、埋め戻し、防水等の大規模な工事がトンネルに沿った4箇所で行われている。またこの他にもSuperKEKBトンネル一部の約2メートル上を横切る形で新しいトンネルが 近接するPF-AR(アドバンストリング)への直接入射路として建設中である。今回HLS(Hydrostatic Leveling Sensor)で常時モニターしているPF-AR直接入射路真下のトンネルの垂直方向の動きを地上部での工事進捗状況と対応をつけて発表する。またトンネル全周の精密測量から見えてきた機械棟建設工事の影響についても報告する。さらに、トンネル内空調はKEKB運転終了から長時間に渡ってほとんど運転停止状態で、現在トンネル内の温度変化は一年を通して10℃を越えてしまっている。地上部へつながる実験棟や搬入口から流れ混んでくる空気の影響で、トンネル内温度は、例えば冬場で14℃と加速器運転時の温度よりも10℃以上も下がってしまっている。このような温度変化によるトンネル変動についても示す。
 
12:50 - 14:50 
SUP131
p.1403
cERL周回部電磁石のアライメント
Magnets Alignment for the cERL Recirculation Loop

○久米 達哉,原田 健太郎,長橋 進也,中村 典雄,島田 美帆,上田 明(KEK)
○Tatusya Kume, Kentarou Harada, Shinya Nagahashi, Norio Nakamura, Mino Shimada, Akira Ueda (KEK)
 
エネルギー回収型Linac(ERL)は,従来の蓄積リング型光源では到達不可能な,超高輝度,短パルスの放射光源を実現するものと期待されている.コンパクトERL(cERL)は,ERLに必要とされる加速器技術の確立と,低エミッタンスかつ大電流の電子ビームの生成,加速,ビーム周回の実証のための試験施設として建設され,運転されている. cERL周回部の建設では,周長約90mのビームラインを,既設のビームラインに精度良く接続する必要があった.ここでは,主にレーザトラッカT3とティルティングレベルN3を用いて,加速器室壁面上に設置した測量基準座に対して,±0.1mmの位置精度と,±0.1mradの方位精度で,周回部ビームラインの骨格となる電磁石を設置した.これらの電磁石は限られた工期に集中する他工程との干渉を避けながら,それらに先立って設置完了する必要があった.ここではある程度の変動を許容した上で,その設置当初に電磁石を精密アライメントすることで全体の工期を短縮した. 最終測量により,設置した電磁石では,±0.5mm程度の位置精度,±0.2mrad程度の水平精度,1mrad未満の水平面内方位精度が得られていることが確認された.ずれ量の拡大は,電磁石割戻し時の再現性のずれ,ベーキング時の熱による変動などによると考えられるが,これまでのcERLの運転において,これらによる問題は発生していない.