WEP51  ポスター②  8月30日 14号館1444教室 13:30-15:30
1 TW レーザー駆動自己変調航跡場加速による MeV 級電子源の開発
Development of MeV electron source by 1 TW laser driven self-modulated laser wake field acceleration
 
○大塚 崇光,西田 大紀,ペレラ ドゥティカ,片谷 光祐,鈴木 優太,湯上 登(宇都宮大学)
○Takamitsu Otsuka, Daiki Nishida, Perera Duthika, Kouki Kataya, Yuta Suzuki, Noboru Yugami (Utsunomiya Univ.)
 
レーザー生成プラズマ中に生じる電場 (航跡場) を用いる電子加速の研究を行っている.一般にレーザー航跡場研究ではプラズマ長程度のレーザーパルス長を用いる.この条件を満たすためには,複雑なレーザーシステムが必要となり,大学等の小規模実験室で運用することは難しい.本研究室ではパルス幅が 120 fs の比較的パルス長が長く,取り扱いが容易な 1 TW レーザーを運用している.このような長いレーザーパルス長では,レーザー航跡場で用いる高密度プラズマと共鳴しない.本研究ではレーザーパルスの包絡線が,プラズマ波との相互作用によって変調される自己変調レーザー航跡場について調査し,MeV 級の小型電子源を開発することを目標としている.二次元粒子シミュレーションコードを用いて電子密度が 10^20 cm^-3 のプラズマ中を伝搬するレーザー (エネルギー 120 mJ,パルス幅 120 fs,規格化ベクトルポテンシャル a_0 = 1) を計算した.レーザーパルスの包絡線がプラズマ波との相互作用によって変調され,自己変調レーザー航跡場によって数百 GV/m に達する大電場が励起されることを確認した.被加速電子は 130 マイクロメートル 程度で加速位相を脱してしまうため,厚みの薄いガスターゲットが必要となる.加速された電子の最大エネルギーは約 15 MeV 程度であり,エネルギー拡がりが大きい熱的なスペクトルである.