WEP43  ポスター②  8月30日 14号館1443教室 13:30-15:30
GM-JT冷凍機を用いたNb3Sn超伝導空洞の伝導冷却
Conduction cooling of the Nb3Sn SRF cavity with a GM-JT cryocooler
 
○山田 智宏,井藤 隼人,梅森 健成,阪井 寛志(高エネ研)
○Tomohiro Yamada, Hayato Ito, Kensei Umemori, Hiroshi Sakai (KEK)
 
従来のニオブ製の超伝導加速空洞は液体ヘリウムを用いて冷却していたが、現在KEKをはじめ世界の研究所で研究が進んでいるNb3Sn超伝導空洞は4KでもQ値が高く低熱負荷で運用できるため、液体ヘリウムを用いずに機械式冷凍機を用いた伝導冷却により運転が可能になる。これにより、高圧ガス保安法や複雑なモジュール構造といった現在のニオブ空洞に付随する様々な困難を一掃することができる。 一方で、液体ヘリウムの場合は空洞全体が均一に浸漬冷却されていたのに対し、伝導冷却の場合は曲面形状の空洞のどこをどのように冷却するかが大きな課題であった。KEKでは様々な実証試験を繰り返し、銅製クランプにより空洞赤道部を掴むことで空洞を4K付近まで冷却できることを確認した。本実験では、住友重機械工業株式会社の協力により、4Kで9Wの冷凍能力をもつ新規開発品のGM-JT冷凍機を用いた。その後、RF試験も実施し加速勾配測定に成功している。 本発表では、上記の内容を含め、KEKにおけるNb3Sn超伝導空洞伝導冷却研究の現状を報告する。