WEP40  ポスター②  8月30日 14号館1442教室 13:30-15:30
測量シミュレーションとデータの比較
A comparison between the simulation and data in the accelerator control survey
 
○岡安 雄一(高エネ研)
○Yuichi Okayasu (KEK)
 
2020 年より KEK つくばキャンパスの電子陽電子入射器において,レーザートラッカーとデジタルレベルによる全系測量を行っている. 一般的に,線型加速器はリング加速器と異なり,加速器構成機器は周期的に配置されておらず,網測量解析で得られる測量誤差も周期的な振る舞いはせず,特徴的な分布を表す. この特徴的な測量誤差分布は,入射器での測量を開始した当初は空調に起因するものと想定していたが,実際の測量条件を可能な限り (例えば測地線沿った器械点の水準変位は含んでいない) 反映させたシミュレーションを行ったところ,誤差分布はほぼ完全にデータを再現した. ここで議論する測量誤差は,局所的な据付作業には大きな影響は及ぼさないが,据付後の機器の座標変動評価には値によっては支障をきたすため,シミュレーションによる器械点や基準点の配置を予め最適化しておくことで,現実的な範囲で抑制することが期待される. 本発表では測量データとシミュレーションの比較,器械点・基準点の調整により,どの程度測量誤差が抑えられるかを紹介する.