WEP37  ポスター②  8月30日 14号館1442教室 13:30-15:30
電子サイクロトロン共鳴多価イオン源におけるDual-ECR加熱時の各種パラメータ測定
Various parameter measurements in Dual-ECR heating on electron cyclotron resonance ion source
 
○岩原 亘輝,藤村 優志,加藤 裕史(大阪大学大学院 工学研究科 電気電子情報通信工学専攻)
○Koki Iwahara, Yushi Fujimura, Yushi Kato (Division of Electrical, Electronic and Inforcommunication Engineering, Graduate School of Engineering, Osaka University)
 
我々は電子サイクロトロン共鳴イオン源(ECRIS)において, 多価イオンの効率的な生成について研究している. 加速器等に用いられている従来のECRISでは,イオンビーム引き出し孔に対向するミラー磁場上流側に位置する導波管アンテナからマイクロ波導入を行っている. 一方で, 本装置では真空容器に多数の観測用ポートを有する. そのため, 引き出し孔下流側のロッドアンテナからマイクロ波を導入できる点を活かしたAr多価イオン生成に成功した. また, ロッドアンテナとミラー磁場上流の同軸アンテナの双方からマイクロ波を導入するDual-ECR加熱によるArの多価イオン生成にも成功し, ミラー磁場に対して垂直方向のイオン飽和電流分布を測定した. 我々のこれまでのDual-ECR加熱に関するパラメータは, ビーム電流量とイオン飽和電流値のみであった. 今回は, マイクロ波の正味電力とAr多価イオン生成量の関係を取得し, イオン飽和電流の増加を確認した. その後, ビーム電流量の測定とラングミュアプローブ法による電子密度, 電子温度等のプラズマパラメータの測定を行い, その空間分布を得た. その結果, 各アンテナ単体, およびDual-ECR加熱時のマイクロ波導入における多価イオン生成量とプラズマパラメータの関係が初めて明らかになった. 本報告では各アンテナ単体, およびDual-ECR加熱時のマイクロ波導入におけるビーム電流量の測定, 同条件におけるプラズマパラメータの測定結果について述べる.