WEP33  ポスター②  8月30日 14号館1441教室 13:30-15:30
RCNP AVFサイクロトロン新RF共振器運転の現状
Status of the new RF cavity for the AVF cyclotron in RCNP
 
○安田 裕介,福田 光宏,齋藤 高嶺,依田 哲彦,神田 浩樹,友野 大,田村 仁志,永山 啓一,原 隆文,荘 浚謙,Zhao Hang,橘高 正樹,松井 昇大朗,井村 友紀,渡辺 薫(阪大RCNP)
○Yusuke Yasuda, Mitsuhiro Fukuda, Takane Saito, Tetsuhiko Yorita, Hiroki Kanda, Dai Tomono, Hitoshi Tamura, Keiichi Nagayama, Takafumi Hara, Tsunhim Chong, Hang Zhao, Masaki Kittaka, Shotaro Matsui, Tomoki Imura, Kaoru Watanabe (RCNP, Osaka University)
 
大阪大学核物理研究センター(RCNP)のAVFサイクロトロンでは、2019年からの高機能化工事にて、共振器をこれまでの180度Dee共振器1台から90度Dee共振器2台に変更した。2022年3月からビーム加速を再開し、ビームコミッショニングを行いながら、これまでのところ、AVF単独でproton 65 MeV、4He 28.5MeVのビームを、リングサイクロトロンとあわせてproton 230 MeV、392 MeVのビームを実験に供給している。 新しく置き換えた共振器では、当初、周波数によってパワーが入らなかったり、アンプ内部での放電や出力同調コンデンサ、電力伝送同軸管の焼損トラブルが発生したが、同軸管長さの変更とアンプ内へのフェライト板の設置で運転状況を改善し、2022年秋ごろにDee電圧は40kVまで到達した。その後、入力パワーを増やしていったところで、共振器ショート板のコンタクト接点が焼損する事故も経験した。 現状で、AVF新共振器のDee電圧は、これまで加速に使用している周波数35.2MHz、33.7MHz、28.2MHzにおいて45kVまで上がってきているものの、目標としている50kVでの安定した励振には至っていない。また、同軸管内やRFアンプ内に放電痕が見られることや、Dee電極まわりでの放電の兆候があることから、電極回りでのマルチパクタリング防止のためのシールド設置などの試行錯誤を続けている。 本発表では、2022年秋以降のRF運転での問題と対策の状況について報告する。