WEP25  ポスター②  8月30日 14号館1432教室 13:30-15:30
KU-FELにおける新1.6空胴光陰極高周波電子銃の導入とPhase I コミッショニング
Installation and phase I commissioning of new 1.6-cell photocathode RF gun at KU-FEL
 
○全 炳俊,田中 虎太郎,趙 宇皓,大垣 英明(京大エネ研)
○Heishun Zen, Kotaro Tanaka, Yuhao Zhao, Hideaki Ohgaki (IAE, Kyoto Univ.)
 
京都大学中赤外自由電子レーザ(KU-FEL)では共振器型自由電子レーザで駆動する高次高調波発生(HHG)ベースのアト秒X線源の実現を目指して研究開発を進めている。これまでに既設4.5空胴熱陰極高周波電子銃に外部からUVパルス列を照射することでバンチ当たり電荷量200pCの電子バンチ列を発生させ、KU-FELを発振させることでミクロパルスエネルギー100μJ、パルス幅4.2サイクル、波長10.7μmのFELパルスの発生に成功している。HHG発生実験に向けて更に1桁程度、FELパルスエネルギーを向上させるべく、バンチ当たり電荷量1nCの電子バンチ列生成が可能な1.6空胴光陰極高周波電子銃を製作し、KU-FELに設置した。まず、Phase Iコミッショニングとして、低量子効率ながら耐久性の高い銅陰極を用い、KU-FEL発振に求められる8μsの間、電子銃に高加速電界を誘起可能であることを確認した。また、マクロパルス長4μs、バンチ当たり電荷量60pCの電子ビームをこの電子銃から発生させ、FEL発振を達成した。発表では1nC運転に向けた展望・今後のスケジュールについても報告する。本研究は文部科学省の光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP、JPMXS0118070271)によるものである。