WEP19  ポスター②  8月30日 14号館1431教室 13:30-15:30
非破壊型静電セプタム試験機によるビーム分離実験 と装置改良の検討
Beam separation experiment with prototype non-destructive electrostatic septum and study for device improvement
 
○永山 晶大(東北大学),原田 寛之(原子力機構),下川 哲司(高エネ研),山田 逸平,地村 幹,小島 邦洸(原子力機構),佐藤 篤(NAT),山本 風海,金正 倫計(原子力機構)
○Shota Nagayama (Tohoku university), Hiroyuki Harada (JAEA), Tetsushi Shimogawa (KEK), Ippei Yamada, Motoki Chimura, Kunihiro Kojima (JAEA), Atsushi Sato (NAT), Kazami Yamamoto, Michikazu Kinsho (JAEA)
 
シンクロトロンではリング内にビームを溜め込み、加速したビームを徐々に供給する「遅い取り出し」技術で最先端の物理実験や放射線がん治療を実現している。同手法は、静電セプタム装置で電場が0の領域と電場が一様の領域をつくり、広げた周回ビームを領域の境界に近づける。境界を超えた粒子に対して一定の電場キックを与え、周回ビームから分離し、徐々に取り出しを行う。理想とする取り出し側と周回側の完全な分離には、境界で不連続な蹴り角を与える階段関数状の電場分布が必要となる。従来の静電セプタムはビーム軌道上に挿入した電極の内と外の境界において不連続な電場分布を形成している。そのため、原理的に避けられないビームと電極の衝突による機器の損傷・放射化が発生し、ビーム出力の大強度化やビームの安定供給の妨げとなっている。本研究は、上記課題の原因である電極を廃した非破壊型静電セプタムの研究開発を進めている。本装置は、ビーム軌道周辺に多数の電極・電線を配置し、印加電圧・電流最適化することで形成した電場・磁場の重ね合わせにより階段関数状の電磁場分布を実現する。本発表では、非破壊型静電セプタム試験機の機器構成とビーム分離実験の結果、同装置の改良案の設計検討について報告する。