WEP17  ポスター②  8月30日 14号館1431教室 13:30-15:30
機械学習を用いたJ-PARC RCS用ペイントバンプ電源の波形パターン制御
Waveform pattern control of paint bump power supply for J-PARC RCS using machine learning
 
○杉田 萌,高柳 智弘(JAEA),植野 智明(NAT),小野 礼人(JAEA),堀野 光喜(NAT),金正 倫計,小栗 英知,山本 風海(JAEA)
○Moe Sugita, Tomohiro Takayanagi (JAEA), Tomoaki Ueno (NAT), Ayato Ono (JAEA), Koki Horino (NAT), Michikazu Kinsho, Hidetomo Oguri, Kazami Yamamoto (JAEA)
 
J-PARC RCSでは、ペイント入射のビーム軌道偏向にペイントバンプ電磁石を用いている。ペイントバンプ電磁石用の電源は、IGBT制御のチョッパ回路で構成され、指令電流と指令電圧のパターンにより、ビーム軌道を時間変化させる出力電流波形(ペイントパターン)を作成することができる。ビーム軌道の制御精度は、指令電流と出力電流の波形の形状差(出力電流偏差)で決まる。現在のペイントパターン調整では、電源制御の応答関数に応じてパターンを調整するソフトを用いたうえで手動調整を行い、要求精度を達成している。しかし、この調整に1時間程度を要しており、更なる調整時間の短縮を行いたい。また、より最適な調整方法によりビームロスの低減を実現するために、従来の要求より10倍精密な出力電流偏差を実現したい。高精度なペイントパターンの作成には、負荷側のインピーダンスの解析モデルが必要になるが、時間変化する非線形のペイントパターンにおいてはインピーダンスが変化するため、解析モデルの構築は非常に困難である。機械学習では、負荷の解析モデルを構築せずとも学習によって非線形な応答を高速かつ高精度で得ることが可能である。機械学習を用いて台形波の出力パターン調整を行ったところ、学習を重ねることで立ち上り直後のリンギングを抑制した出力パターンの作成に成功した。本発表ではシステムの現状と今後の展望について報告する。