WEP08  ポスター②  8月30日 14号館1422教室 13:30-15:30
SuperKEKBにおける高速光ファイバービームロスモニターシステムの開発
Development of high-speed beam loss monitor system with optical fiber in SuperKEKB
 
○小笠原 舜斗,池田 仁美,小林 鉄也,西脇 みちる(KEK)
○Shunto Ogasawara, Hitomi Ikeda, Tetsuya Kobayashi, Michiru Nishiwaki (KEK)
 
SuperKEKBは、前身のKEKBの数十倍という高いピークルミノシティを目指す周長3kmの電子陽電子衝突型加速器である。高ルミノシティ達成のため、蓄積ビーム電流は設計値で最大3.6A(LER)という大電流になっている。大電流ビームに由来する大きなビームロスは、BelleⅡ測定器をはじめとした各種機器に深刻なダメージを与える恐れがある。対策として、機器損傷のリスクがある危険なビームロスを1μsでも早く検知し、素早くビームを破棄(アボート)したいという要請がある。これまでの運転で、一部のRFステーションに装備されている光ファイバを用いた放電センサ(アークセンサ)が、意図せずビームロスに反応する事象が確認されていた。この事象は本来のアークセンサの用途とは異なるものの、アークセンサ自体の応答の速さおよび設置場所の関係から、高速ロスモニターとしてみると有効に機能していることが分かった。そこで、SuperKEKBにおいて新規にロスモニターとして使うための光ファイバーを敷設し、新規製作の高速信号処理装置を含む高速ビームロスモニターシステムを整備した。本発表ではこのシステムについて、高速信号処理装置および周辺システムを中心に紹介する。