WEP07  ポスター②  8月30日 14号館1422教室 13:30-15:30
理研AVFサイクロトロンで加速される大強度イオンビーム用ペッパーポット型エミッタンス測定器開発の現状
Current status of developing pepper-pot emittance monitor for high-intensity ion beams accelerated by RIKEN AVF Cyclotron
 
○小高 康照,酒見 泰寛,鎌倉 恵太,山口 英斉,今井 伸明(原子核科学研究センター),大西 純一(仁科加速器科学研究センター),畑中 吉治(大阪大学核物理研究センター)
○Yasuteru Kotaka, Yasuhiro Sakemi, Keita Kamakura, Hidetoshi Yamaguchi, Nobuaki Imai (CNS), Jun-ichi Ohnishi (RIKEN Nishina center), Kichiji Hatanaka (RCNP)
 
東京大学原子核科学研究センターでは、フランシウム(Fr)の電気双極子モーメントを世界最高精度で測定する研究が進んでいる。Frは理研AVFサイクロトロンで加速された酸素イオン(18O6+)ビームを金に照射し、核融合反応により生成される。このために要求されるビーム強度は18eμA以上であるが、この実験装置に繋がるビームラインにこのような大強度ビームを輸送するとビーム輸送効率が約60%に低下する。この問題を解決するために大強度イオンビーム用のペッパーポット型エミッタンス測定器(PEM)開発を進めている。AVFサイクロトロン入射ビームに使用しているPEMを参考にして、さらに必要な3項目を追加開発した。1つ目はカメラへの放射線ダメージを低減するために、カメラをビームラインから離れた場所に設置することである。撮影視野を確保しながら、カメラとPEM間の距離を2.2m、画像位置精度を0.15mmと実現した。2つ目は理研AVFサイクロトロンで加速されたイオンビームに適した角度精度である。必要な角度精度は0.3 mrad以下と推定し、これに対応するPEMを設計した。1、2番目の項目の評価のためビームテストを東京大学タンデム加速器施設において計画している。3つ目はイオンビームによるPEMの加熱を抑えるためビーム照射時間1秒以下を目指したビームチョッパーシステムである。これらの進捗状況を報告する。