WEP05  ポスター②  8月30日 14号館1421教室 13:30-15:30
J-PARC Muon g-2/EDM実験に向けた四極磁石によるビームX-Y結合調整と入射ビーム品質の定量評価
Controlling x-y coupling of the beam by quadrupole magnets and quantitative evaluation of injected beam quality for the J-PARC Muon g-2/EDM experiment
 
○松下 凌大(東大理),飯沼 裕美(茨大理工),大澤 哲,中山 久義(高エネ研),小川 真治(九州大),齊藤 直人,三部 勉,古川 和朗,Rehman Muhammad Abdul(高エネ研)
○Ryota Matsushita (Univ. of Tokyo), Hiromi Iinuma (Ibaraki univ.), Satoshi Ohsawa, Hisayoshi Nakayama (KEK), Shinji Ogawa (Kyushu univ.), Naohito Saito, Tsutomu Mibe, Kazuro Furukawa, Muhammad Abdul Rehman (KEK)
 
J-PARCにおいて、ミュー粒子の異常磁気能率(g-2)、電気双極子能率(EDM)を同時に精密測定する実験の準備が進行している。測定のため3Tのソレノイド磁場中直径66cmの領域に300MeV/cのミュー粒子ビームを蓄積する必要があり、このために新規入射手法、3次元らせん入射を採用する。本手法では、ソレノイド磁場中へビームを入射した後、キッカーで生成したパルス磁場によってビームの鉛直方向運動量を制御し、弱収束磁場でビームの蓄積を行う。キッカー磁場は空間分布を持ち、一様にキックを与えるためにはソレノイド入射後のビーム広がりを抑える必要がある。そのため、入射前に複数の四極磁石を使うことでビーム位相空間を制御し、入射に適したビームX-Y結合(ビームの水平・垂直方向の相関)を付与することでビーム広がりを抑える。現在、KEKつくばキャンパスにて電子ビームを用いた3次元らせん入射実証実験を行なっており、ビームラインにはX-Y結合の調整用に3台の回転四極磁石が設置されている。本講演では、これらの回転四極磁石を用いて電子ビームにXY結合を付与し、ソレノイド磁場中へ入射したビーム分布の広がり具合について、測定結果とシミュレーションを比較して定量的に議論する。