WEP03  ポスター②  8月30日 14号館1421教室 13:30-15:30
超精密単一イオン注入装置におけるイオンダイナミクス研究
Ion dynamics study in an ultrahigh-precision single-ion implanter
 
○百合 庸介,宮脇 信正,穂坂 綱一,細谷 青児,石井 保行,柏木 啓次,島田 紘行,山縣 諒平,佐藤 隆博,齋藤 勇一,小野田 忍,鳴海 一雅(量研高崎研),室尾 健人,伊藤 清一,岡本 宏己(広島大院先進理工)
○Yosuke Yuri, Nobumasa Miyawaki, Koichi Hosaka, Seiji Hosoya, Yasuyuki Ishii, Hirotsugu Kashiwagi, Hiroyuki Shimada, Ryohei Yamagata, Takahiro Sato, Yuichi Saito, Shinobu Onoda, Kazumasa Narumi (QST Takasaki), Kento Muroo, Kiyokazu Ito, Hiromi Okamoto (Hiroshima Univ.)
 
QST高崎研では、超精密な単一イオン注入のため、レーザー冷却に基づく超低エミッタンスイオン源と高い縮小率を有する静電加速レンズを組み合わせたユニークなイオン注入装置の開発を進めている。具体的には、量子センシング等に有用な高品位なダイヤモンドNVセンター(窒素と空孔から成る複合欠陥)の精密な形成のため、数十nmの極めて高い精度での窒素イオンの注入を目指す。このため、窒素イオンは、イオン源となる線形RF四重極トラップにおいて、直接レーザー冷却が可能なカルシウムイオンを通じて共同冷却しクーロン結晶化することで超低エミッタンス化する。系統的な分子動力学シミュレーションにより、トラップ内のカルシウムと窒素の混合クーロン結晶から窒素イオンのみを超低エミッタンスのまま分離して取り出し、10keV・10nmオーダーへ加速・集束するスキームを詳しく検討した。本装置のビーム集束特性を明らかにするとともに、適切な運転条件を探索した。本発表では、これらのシミュレーション研究の結果に加えて、装置開発の現状についても述べる。