WEOB7  ハドロン加速器/加速器技術(真空)  8月30日 13号館1326教室 11:10-11:30
J-PARC 3GeVシンクロトロンRCSの真空システムの現状
Recent status of J-PARC RCS vacuum system
 
○山田 逸平,神谷 潤一郎,仲野谷 孝充(原子力機構/J-PARC),黒澤 俊太(マイスティアヒューマンリレーションズ株式会社/原子力機構),柳橋 亨(株式会社NAT/原子力機構),志賀 隆史(東京電子株式会社/原子力機構),和田 薫(東京電子株式会社),割貝 敬一(アルバックテクノ株式会社/原子力機構)
○Ippei Yamada, Junichiro Kamiya, Takamitsu Nakanoya (JAEA/J-PARC), Syunta Kurosawa (mhr/JAEA), Toru Yanagibashi (NAT/JAEA), Takashi Shiga (TOEL/JAEA), Kaoru Wada (TOEL), Keiichi Warigai (ULVAC TECHNO/JAEA)
 
大強度陽子加速器施設J-PARCの3GeVシンクロトロンRCSは1MWのビームを出力する加速器である。このような強度の加速器では,わずかな割合のビーム損失でも機器の重大な放射化を引き起こすため,安定なビーム輸送が必須である.リング型加速器における安定なビーム輸送の実現には,ビームライン圧力を超高真空に維持することが極めて重要である.J-PARC RCSのビームライン排気には,大容積及び放出ガスが多い領域で有利なターボ分子ポンプの利用に加え,NEGポンプを追加して軽元素の排気速度の増強を進めることで,超高真空を実現している.ターボ分子ポンプのフォアラインの排気には長らくドライスクロールポンプを使用してきたが,最近,メンテナンス回数削減の観点からルーツポンプへの置き換えを進めている.しかし,いくつかの不具合事象が発生している.また,ビーム収束,偏向,入射のための強磁場の速い変動による大きな渦電流の誘導を避けるため,電磁石中のビームパイプはアルミナセラミックで製作している.しかし,加速器建設から20年程度経過した現在は世代交代等により製作技術の継承に問題が生じている.また建設時のマスプロダクションとは異なり,施設の維持管理は少量の製作となるため,その最適な製作手法は異なる.そのため現在新たにセラミックスダクト製作手法の開発を進めている.本発表ではこれらのJ-PARC RCSの真空システム全体の現在の状況を報告する.