WEOA9  光源加速器/電子加速器/加速器技術(加速構造)  8月30日 13号館1325教室 11:50-12:10
円型リングに於ける実効的DC加速とその応用
Effective dc acceleration in a curcular ring and its applications
 
○髙山 健(高エネルギー加速器研究機構)
○Ken Takayama (KEK)
 
KEKでは2003年より遅い繰り返し、速い繰り返し誘導加速シンクロトロンの実証と共に、クラスターイオン用の誘導加速サイクロトロンや誘導加速マイクロトロンの研究開発が進められて来た[1]。誘導加速電圧は加速セル内磁性体の飽和を防止するために、必ずセット電圧(正)とリセット電圧(負)をペアで発生させねばならない。幸い後者(減速電圧になる)を周回ビームから隠す事は原理的に可能である[2]。加速セル2台を同時に180度位相をずらして動作させれば、円型リングで実効的なDC加速が可能になる。この特徴を利用し、シンクロトロン輻射パワーをDC加速で補えば、コースティング電子ビームを蓄積できる。等時性を有した蓄積リングで、シンクロトロン輻射パワーに加えFEL増幅パワーをこのDC加速で補償するならば、基本波のFEL周波数のみのバンチ構造を有する完全なCW FELのシナリオが成立する[3]。発表では実効的DC加速を可能とする誘導加速システムについて紹介する。又、等時性蓄積リング駆動のCW FELとしてTHz-FEL並びにEUV-FELについて言及する。後者はEUVリソグラフィー光源としての可能性を強調したい。 1] K.Takayama, "Evolution of Induction Synchrotrons", Reviews of Physics 10,100083 (2023). [2] 特許出願中 [3] K.Takayama, Scientific Reportsに投稿中