WEOA11  加速器技術(加速構造)  8月30日 13号館1325教室 16:00-16:20
空洞摂動法と電磁場シミュレーションによる高周波吸収体の特性評価手法
Measurement method of RF absorbing characteristics using a cavity-perturbation method and an electromagnetic simulation
 
○山口 孝明,山本 尚人,内藤 大地,高橋 毅,坂中 章悟(KEK)
○Takaaki Yamaguchi, Naoto Yamamoto, Daichi Naito, Takeshi Takahashi, Shogo Sakanaka (KEK)
 
現代の加速器では、結合バンチ型ビーム不安定性を防ぐ目的で、高周波加速空洞や真空チェンバーに高周波吸収体が多く使われている。吸収体を選定する際、その材料の複素誘電率と複素透磁率を測定し、高周波吸収特性を評価することが不可欠である。高周波での周波数特性の評価手法として、同軸線路や導波管を用いたNicolson-Ross-Weir (NRW)法がよく使われる。この方法では、測定試料を極めて高い精度(~10 μm)で製作する必要があるが、実際の製作精度には限界がある。NRW法での測定結果を補う別の測定方法として空洞摂動法が考えられる。この方法は高周波空洞内に測定試料を挿入し、電磁場共振モードの共振周波数とQ値の変化から試料の周波数特性を評価する方法である。この方法では、空洞の共振周波数に測定点が限られるが、測定試料の寸法精度にこだわる必要がない点で優れている。本研究では、今までの空洞摂動法に電磁場シミュレーションを組み合わせることで、電波吸収が大きい場合においても特性評価を可能にする手法を考案した。その後、実際にアルミ合金製の矩形型の試料測定用空洞を製作し、開発中の高調波空洞で使用する予定のフェライトHF70(TDK社製)の高周波特性を1.5 – 3 GHzの帯域で測定した。また、この測定結果をNRW法での測定結果と比較した。