TWSP14  ポスター①② 施設技術報告  8月29日・30日 14号館1443教室 13:30-15:30
理化学研究所 RI ビームファクトリーにおける SCRIT 電子散乱施設の現状
Present status of SCRIT electron scattering facility at RIKEN RI Beam Factory
 
○大西 哲哉,阿部 康志,市川 進一,原 雅弘,堀 利匡,渡邊 正満(理研仁科センター),阿部 大希,石倉 悠真,石崎 一志,尾原 遼,郷家 大雅,須田 利美,玉江 忠明,檀上 梨花,堀田 健吾,本多 佑記,和宇慶 ひかり,Clement Legris(東北大ELPH),飯村 俊,榎園 昭智,栗田 和好,山野 翼(立教大理),伊東 佑起,小川原 亮,立花 万梨子,塚田 曉,前田 裕成,前原 義樹,吉田 曉,若杉 昌徳(京大ICF),永野 佑香(山形大理)
○Tetsuya Ohnishi, Yasushi Abe, Shinichi Ichikawa, Masahiro Hara, Toshitada Hori, Masamitsu Watanabe (RNC), Daiki Abe, Yuuma Ishikura, Kazushi Ishizaki, Ryo Obara, Taiga Gouke, Toshimi Suda, Tadaaki Tamae, Rika Danjyou, Kengo Hotta, Yuuki Honda, Hikari Wauke, Legris Clement (ELPH), Shun Iimura, Akitomo Enokizono, Kazuyoshi Kurita (Rikkyo U., Depertment of Physics ), Tsubasa Yamano (Rikkyo U., Depertment of Physics), Yuuki Ito, Ryo Ogawara, Mariko Tachibana, Kyo Tsukada, Yusei Maeda, Yoshiki Maehara, Kyo Yoshida, Masanori Wakasugi (ICR), Yuka Nagano (Yamagata U., Depertment of Physics)
 
SCRIT電子散乱施設は理化学研究所RIビームファクトリーに設置された不安定核の電子散乱実験を行うための施設である。電子加速器RTM、電子蓄積リングSR2及びISOL型不安定核分離生成装置ERISで構成されている。RTMはレーストラック型マイクロトロンであり、電子を150MeVまで加速し、蓄積リングへの入射及び不安定核生成のためのドライバーとして用いられている。SR2は150MeVで入射・蓄積した電子を700MeVまで加速することができ、蓄積電流として200~300mAで運転を行っている。ERISは生成標的、イオン源及び質量分析ラインから構成されている。生成された不安定核はイオンビームとして供給され、パルスビームとして、SR2に設置されたSCRIT装置まで導かれる。入射されたイオンは、横方向は周回電子が作るポテンシャル、縦方向はSCRIT装置内の電極で作られる静電ポテンシャルによって、3次元的にトラップされる。と同時に、トラップされたイオンと周回電子が衝突し、散乱された電子はSCRIT装置横に設置されたスペクトロメーターで構成される散乱電子測定系で測定される。 2009年から建設が開始され、2013年に初の不安定核供給、2016年にはコミッショニングを兼ねた安定核132Xeの電子弾性散乱実験が行われた。その後の様々な開発の結果、2022年にオンライン生成した不安定核を用いた電子散乱実験に世界で初めて成功した。本講演では、施設の紹介と現状及び今後の計画について発表する。