TWSP13  ポスター①② 施設技術報告  8月29日・30日 14号館1443教室 13:30-15:30
iBNCT 加速器の現状2023
Status of the iBNCT accelerator in 2023
 
○杉村 高志,帯名 崇,久保田 親,栗原 俊一,小林 仁,佐藤 将春,柴田 崇統,高木 昭,南茂 今朝雄,方 志高,福井 佑治,福田 将史,二ツ川 健太,三浦 太一(高エネ研),熊田 博明,田中 進,松本 孔貴(筑波大学),大場 俊幸,名倉 信明(NAT),豊島 寿一(ATOX),小栗 英知(JAEA,J-PARC)
○Takashi Sugimura, Takashi Obina, Chikashi Kubota, Toshikazu Kurihara, Hitoshi Kobayashi, Masaharu Sato, Takanori Shibata, Akira Takagi, Kesao Nanmo, Zhigao Fang, Yuji Fukui, Masafumi Fukuda, Kenta Futatsukawa, Taichi Miura (KEK), Hiroaki Kumada, Susumu Tanaka, Yoshitaka Matsumoto (U. of Tsukuba), Toshiyuki Ohba, Nobuaki Nagura (NAT), Toshikazu Toyoshima (ATOX), Hidetomo Oguri (JAEA,J-PARC)
 
いばらき中性子医療研究センターでは、8MeV陽子線形加速器で発生させた中性子を用いて、粒子線がん治療法の一つであるホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy, BNCT)の実施を目指し研究開発を行っている。筑波大学と高エネルギー研究機構が中心となり産官学の共同で開発を進めている治療機(iBNCT001)は2021年秋に非臨床試験を開始し、2022年12月に当初予定したものをすべて終了した。治験開始前に必要な物理測定試験なども非臨床試験と並行してすすめ、2023年2月にはこれらもすべて終了した。その間に加速器にはトラブルがいくつか発生したものの、非臨床試験のスケジュールに影響を与えることなく、ビーム供給の任を果たした。この間の比較的大きなトラブルとしては、イオン源ソレノイドの短絡、クライストロンモジュレータ電源の電圧垂下補償回路出力部ダイオードの故障が挙げられる。また、加速器の性能に関しては、RFQ部の真空改造を行い、今後の真空トラブル時に空洞をパージせずにメンテナンスが行える状態となった。さらに今後数年間の稼働に耐えるように冷却水系の保守を実施し、今後予定している治験に備えた。本報告では、上記の加速器の運転状況の報告を行う。