TWSP10  ポスター①② 施設技術報告  8月29日・30日 14号館1441教室 13:30-15:30
RCNP サイクロトロン施設の現状
Status of the RCNP cyclotron facility
 
○依田 哲彦,福田 光宏,神田 浩樹,友野 大,安田 裕介,斎藤 高嶺,田村 仁志,永山 啓一,原 隆文,荘 浚謙,Zhao Hang,橘高 正樹,松井 昇太郎,井村 友紀,渡辺 薫(阪大RCNP)
○Tetsuhiko Yorita, Mitsuhiro Fukuda, Hiroki Kanda, Dai Tomono, Yuusuke Yasuda, Takane Saito, Hitoshi Tamura, Keiichi Nagayama, Takafumi Hara, Tsunhim Chong, Hang Zhao, Masaki Kittaka, Shotaro Matsui, Tomoki Imura, Kaori Watanabe (RCNP, Osaka Univ.)
 
大阪大学核物理研究センター(RCNP)では K140 AVF サイクロトロンと K400 リングサイクロトロンが稼働しており、 原子核物理学、加速器科学、情報科学、物性物理学、 宇宙物理学、医学等の分野におけるビーム利用を推進 している。2019 年 より AVF サイクロトロンの更新工事のため長期運転停止をしていたが、2022年よりビームコミッショニング、およびユーザーへの供給を再開した。 AVFの更新では、イオン入射エネルギーの増大や、Dee電極をシングルから2Deeに変更するためのRF共振器システムの総入れ替えがあった。イオン源のコミッショニングでは、高い加速電圧でのイオン源とLEBTが問題なく安定稼働することを確認し、また、RF共振器のコミッショニングでは機器の修正なども含めて非常に時間がかかったものの最終的に設計電圧の90%で安定運用できるようになっている。 ビーム発生のコミッショニングは、まず、がん治療研究用の211At製造のための28.5MeV 4He2+加速から開始され、続いて半導体照射用の白色中性子発生のためのリングサイクロトロンとの組み合わせによる陽子392MeVの加速が実施された。 これらに引き続いて、精密物理実験のための超高分解能ビーム生成試験や異なるエネルギーでのビーム生成も実施され、基礎科学実験へのビーム供給も本格的に再開した。電気代高騰など加速器運転には厳しい世情下ではあるが、順次、ユーザーへのビーム供給を実施している。