TWHP02  ポスター①② 萌芽的加速器技術の提案  8月29日・30日 14号館1421教室 13:30-15:30
ピコ秒バンチのピッチ・ヨーモニタのNewSUBARUを用いた実証実験
Bunch pitch yaw monitor test using NewSUBARU ring beam
 
○中村 剛,照井 真司(高エネ研),橋本 智,庄司 善彦(兵庫県立大学)
○Takeshi Nakamura, Shinji Terui (KEK), Satoshi Hashimoto, Yoshihiko Shoji (University of Hyoto)
 
ピコ秒長の(陽)電子バンチでの、バンチの前半と後半の垂直・水平への相互の位置ずれによる傾斜(航空機等での”ピッチ”や”ヨー”)の非破壊測定では、ピコ秒精度での放射光像のストリークカメラ撮影や、10GHz弱の高周波空洞BPMが用いられてきた。これに対して我々は重心と傾斜の波形の違いやそれに起因する位相差を用いることにより1-2GHz 程度の低周波領域で、一般的なBPMからの信号を簡便な電気回路処理する手法*を提案しており、その実証実験を兵庫県立大学のNewSUBARUリングもちいて試みた。この手法は従来の手法に比べて簡便かつリアルタイム性に優れ、また、数ナノ秒間隔でのbunch-by-bunch計測へ拡張可能である。NewSUBARUでは、傾斜の生成にはその遅いシンクロトロン振動が容易としたクロマティシティによるベータトロン振動の重心振動から傾斜振動への変換を利用し、また従来より整備されているピッチ観測用ストリークカメラや垂直キッカー、そして微小な振動信号を抽出する信号処理装置を利用した。このモニタはリングやLinacでのウェーク場などによる傾斜生成のリアルタイム測定、さらにはフィードバック*への展開によるビーム強度・品質向上につながると期待される。 * TUP023(PASJ2022), THP089(PASJ2018); WEPI031(PASJ2019).