TUP57  ポスター①  8月29日 14号館1444教室 13:30-15:30
単胞型空胴による10A級大電流ビームの加速の検討
Acceleration of 10-ampere-class high current beam by single cell cavity
 
○佐古 貴行(東芝エネルギーシステムズ),石 禎浩,上杉 智教,栗山 靖敏,森 義治(京大),津守 克嘉(核融合研),安藤 晃(東北大)
○Takayuki Sako (Toshiba Energy Systems), Yoshihiro Ishi, Tomonori Uesugi, Yasutoshi Kuriyama, Yoshiharu Mori (Kyoto Univ.), Katsuyoshi Tsumori (NIFS), Akira Ando (Tohoku Univ.)
 
ITERの核融合プラズマの加熱と電流駆動にはNBI(中性粒子ビーム入射加熱: Neutral Beam Injection heating)が用いられている。NBIでは、10A級の大電流イオンビームを静電加速により1MeVまで加速し、中性粒子ビームに変換してプラズマに入射する。ITERの次の段階となる発電実証を目的とするDEMO炉ではプラズマが大型化するため、ビームのさらなる高エネルギー化が必要となる。しかし、現行の静電加速方式では加速部内でのビーム減衰、絶縁耐圧、加速部電極の荷重等の制約により高エネルギー化に上限がある。そこで静電加速に代わる新たな大電流ビームの加速方式として単胞型空胴を検討している。単胞型空胴は原子力発電により生じる長寿命放射性廃棄物の核変換処理のために考案された新たな高周波加速方式である。大口径ビームダクトと単一の加速ギャップを備えた高周波空胴を複数台並べ、空胴毎に独立に高周波を投入することでイオンビームを加速する。大口径のビームダクト内でビームサイズを広げて空間電荷効果を抑制し、超電導電磁石によりビームを収束することで大電流ビームの加速を目指している。本発表において単胞型空胴による大電流ビーム加速の可能性について報告する。