TUP47  ポスター①  8月29日 14号館1443教室 13:30-15:30
KEK PF-BTに関するシミュレーションモデルの改修と加速器調整への適用
Modification of simulation model for machine tuning at KEK PF-BT
 
○下崎 義人,帯名 崇,長橋 進也,東 直(高エネルギー加速器研究機構)
○Yoshito Shimosaki, Takashi Obina, Shinya Nagahashi, Nao Higashi (KEK)
 
計算機の中で現実の加速器を再現できるようになれば、シミュレーションで得られたパラメータを実機に導入することでビーム性能の改善が見込める。このためにはまず設計磁場でラティスを設計し、次にビームを使った測定で磁場誤差等を推定し、そして磁場誤差等をシミュレーションコードに入力することで加速器モデルを現実に寄せていく作業が必要となる。1982年から稼働中のKEK放射光実験施設(PF)の入射路(PF-BT)について、2021年11月の時点でKEKで開発されたシミュレーションコード(SAD)の結果が測定結果を再現しない状況だった。稼働開始から40年を経てブラックボックスと化したPF-BTについて、PF-BTを通過する入射ビームの素性を明らかにして系統的な調整を行うために、 2021年11月にビームを使った調査を開始した。 調査の結果、(1)モニター位置がSADと実機で最大6 m程ずれていて、(2) 四極磁石の電流値から磁場係数へ変換する換算係数が公称値から最大2倍程度ずれていて、(3) y方向エミッタンスが公称値より概ね2倍大きいということがわかり、SADを改修することで計算結果が実験結果を概ね再現するようになった。これにより定期的なビームパラメータ取得、新規運転パラメータの作成などが可能となった。PF-BTの現況について報告する。