TUP46  ポスター①  8月29日 14号館1443教室 13:30-15:30
重粒子線治療用小型回転ガントリーの多角度ビーム調整
Multiple gantry angle beam parameter optimization of a compact rotating gantry for carbon ion radiotherapy
 
○想田 光(山形大),金井 貴幸(東京女子医大),イ ソンヒョン,宮坂 友侑也,柴 宏博,石澤 美優,小野 拓也,岩井 岳夫(山形大),李 潤起,澤村 駿,永井 恭平,菅藤 洋平,盛 道太郎,佐藤 亜都紗,田口 貴之,大内 章央,勝間田 匡(AEC),佐藤 啓,土屋 順彦,上野 義之,根本 建二(山形大)
○Hikaru Souda (Yamagata Univ.), Takayuki Kanai (Tokyo Women's Univ.), Sung Hyun Lee, Yuya Miyasaka, Hongbo Chai, Miyu Ishizawa, Takuya Ono, Takeo Iwai (Yamagata Univ.), Junki Lee, Shun Sawamura, Kyohei Nagai, Yohei Kanto, Michitaro Sei, Azusa Sato, Takayuki Taguchi, Fumihisa Ouchi, Masashi Katsumata (AEC), Hiraku Sato, Norihiko Tsuchiya, Yoshiyuki Ueno, Kenji Nemoto (Yamagata Univ.)
 
山形大学医学部東日本重粒子センターの小型回転ガントリーにおいて、24角度600エネルギーのビーム調整を行った。回転ガントリーは360度自由な方向から照射できる有用な装置であるが、重量のあるガントリーの機械的な変形等に対応するため角度ごとに全600段のエネルギーについてビーム形状、ビーム軌道の微調整および検証測定を行う必要がある。様々な部位の治療を安全に行うために、左右2方向のみ、上方30度刻み7角度、全周30度刻み12角度、全周15度刻み24角度の順に段階的に調整および検証を行った。ビーム形状の調整には回転ガントリー内の機能結合型超伝導磁石の集束要素を用い、メーカーで実施した初期調整に対して一部の角度およびエネルギーで微調整を行った。ビーム軌道調整には回転ガントリー内のステアリング電磁石および機能結合型超伝導磁石の偏向要素を用い、3次元的な照射中心位置(アイソセンター)でビーム重心位置が±1mm以内となるように、補正要素に対するビーム位置の実測応答係数を用いて補正計算を行った。600エネルギーの測定は30分近い時間を要するため、全周調整の段階からは143エネルギーで実測を行い、間のエネルギーは補間した測定値を元に補正計算を行うことにより、1回の測定を6分に短縮し、高速に調整を行う方法を確立した。以上の手法を用いて、2022年3月に左右2角度で治療を開始し、2023年3月に全周15度刻み24角度の調整を完了し治療照射での運用を開始した。