TUP41  ポスター①  8月29日 14号館1442教室 13:30-15:30
北上エリアの花崗岩体における振動調査
Investigation of vibration inside granitic rocks in the Kitakami area
 
○小林 真人,兼松 亮,川端 康夫(飛島建設),佐貫 智行,京谷 孝史(東北大学),吉岡 正和(岩手大学)
○Masahito Kobayashi, Akira Kanematsu, Yasuo Kawabata (Tobishima Corp.), Tomoyuki Sanuki, Takashi Kyoya (Tohoku University), Masakazu Yoshioka (Iwate University)
 
ILC施設への河川による振動影響を確認することを目的として,ILC計画候補地の北上エリアにある砂鉄川に近い河床岩盤内(G.L-4m,G.L-21m)で約2年にわたり振動速度を計測した。その結果から,岩盤内では常時0.2Hzから0.3Hzをピークとする周波数成分が確認でき,これは過去の報告を参照すれば波浪による影響であることが示唆された。そこで,計測期間中の岩盤内変位の積分スペクトルと砂鉄川流量,同じく太平洋岸の波高との相関を検討したところ,岩盤内で発生している変位と太平洋岸の波高との相関が確認できた。また,波高が低く砂鉄川の流量が著しく増大した状態であっても,パワースペクトル密度や積分スペクトルで有意な変化は確認できなかった。さらに,道路交通による影響を確認するため,岩盤内の振動調査と併せスポット的に地盤上で振動速度の計測を行った。近接する県道を大型車が走行した際のパワースペクトル密度や地盤と岩盤内のコヒーレンスの分析結果から,地盤上やG.L-4mで道路交通振動による影響が確認されたがG.L-21mにおいては影響が小さいことを確認した。以上により,ILC施設の建設が想定される岩盤内では波浪による影響が確認できるものの,河川や道路交通による影響は小さいことを明らかにした。本報ではこれらの概要について示す。