TUP32  ポスター①  8月29日 14号館1441教室 13:30-15:30
加速空洞立ち上げ時の周波数変調システム
Frequency modulation system used for starting up duration of the accelerating cavities
 
○大島 隆,細田 直康,岩井 瑛人(高輝度光科学研究センター),上島 考太(量子科学研究機構),高橋 隼也,青木 駿尭(量子科学研究機構, NAT),吉岡 正倫(スプリングエイトサービス)
○Takashi Ohshima, Naoyasu Hosoda, Eito Iwai (JASRI), Kota Ueshima (QST), Shunya Takahashi, Toshitaka Aoki (QST, NAT), Masamichi Yoshioka (SES)
 
次世代放射光施設nanoterasuの蓄積リングでは電子ビームの加速に4台の高次共振モード減衰型加速空洞が使用される。今回使用する4台の空洞のうち1台はRF基準信号の周波数から約80kHz高い共振周波数を持つことがわかった。この周波数ズレは共振周波数チューナの引き抜きでは対処できない範囲であったため、空洞立ち上げ時に使用する周波数オフセット変調システムを新規に開発した。低電力高周波システムの基準となる信号の上流にIQ変調器を挿入し、その制御信号として与えるsine波、cosine波の周波数を調整することで立ち上げにおける空洞からの反射の大きさを低減した。一度高周波電力が空洞に投入されると空洞温度が上昇し共振周波数が低下する。この低下量を参照しながらIQ変調器に与える変調の周波数を減らすという手順をシステムに組み込んだ。このシステムをSPring-8のテストスタンドに導入し、加速空洞のコンディショニングにおいて想定通りの動きをすることが確認された。本発表ではシステムの詳細、動作試験の結果について報告する。