TUP14  ポスター①  8月29日 14号館1431教室 13:30-15:30
高温超電導マグネットを用いた重粒子線がん治療用照射システムの検討
Study of heavy-particle irradiation system using high temperature superconducting magnet for cancer therapy
 
○渡辺 薫,福田 光宏,依田 哲彦,神田 浩樹,斎藤 高嶺,田村 仁志,安田 祐介,原 隆文,荘 浚謙,ZHAO HANG,松井 昇大朗,橘高 正樹,井村 友紀(阪大 RCNP)
○Kaoru Watanabe, Mitsuhiro Fukuda, Tetsuhiko Yorita, Hiroki Kanda, Takane Saitou, Hitoshi Tamura, Yusuke Yasuda, Takafumi Hara, Him Chong Tsum, Zhao Hang, Syotaro Matsui, Masaki Kittaka, Tomoki Imura (RCNP Osaka Univ.)
 
重粒子線治療は,炭素線を用いて体内にあるがん細胞を死滅させる非常に効果的ながん治療法の一種で、重粒子線のブラッグピークを腫瘍患部位置に合わせることで治療を行う。重粒子線は,X線や陽子線に比べて線量集中性が高く生物学的な効果が高い。粒子線治療では,粒子が通過する領域にある健康な細胞へのダメージを最小限にするために,複数の異なる角度からの照射で治療が行われる。そこで,照射する方向を変えるために従来は、回転型ガントリーが使われてきたが、特に重粒子線の場合、磁気剛性が最大6.6Tmにも及ぶため大型化が避けられなかった。今回の検討する照射システムでは,同心円状の複数のコイルからなる高温超電導マグネットで磁場分布を調節し,照射システム自体を回転させることなくコイル電流値を調整しビームを最適な治療角度に誘導する。そのため従来の回転ガントリーよりも小型化が期待される。今回は、この高温超電導マグネットを用いた照射システムの概念検討状況について発表する。