THP51  ポスター③  8月31日 14号館1444教室 13:30-15:30
STF におけるロングトレイン電子ビーム生成のための RF 電子銃用レーザーの改修
Improvement of the RF-gun laser system for long-train electron beam generation in STF
 
○福田 将史,早野 仁司(高エネ研),坂上 和之(東大),髙野 幹男(さうび)
○Masafumi Fukuda, Hitoshi Hayano (KEK), Kazuyuki Sakaue (Univ. of Tokyo), Mikio Takano (Saube)
 
KEK の超伝導リニアック試験施設棟 (STF) は,国際リニアコライダー (ILC) のための超伝導加速空洞の開発を行っている.現在の STF Phase-2 (STF-2) では,1.3 GHz 超伝導加速空洞 12 台を設置したビームラインにおいて,電子ビーム加速試験を行っている.2022 年 12 月には,ILC と同じビーム電流である 5.8 mA,726 us の電子ビームを加速する試験を行った.この試験を行うために,730 us のロングパルスを出せるようレーザーシステムを改修する必要があった.この加速器の RF 電子銃用レーザーシステムでは,162.5 MHz のモードロックレーザーで生成した赤外レーザーのパルス列をポッケルスセルで最大 730 us 切り出し,さらにレーザーダイオード励起の増幅器で増幅後,LBO および BBO 結晶にて紫外レーザーに変換し,RF 電子銃へと輸送している.消光比が不十分だったため,ポッケルスセルを 1 台追加し,また,2 台のレーザーアンプで,それぞれの増幅率および増幅タイミングをうまく組み合わせることで,フラットなロングパルス波形を作ることを試みた.また,エミッタンス改善などのため,レーザープロファイルの改善も行った.本稿では,これらの改修や調整の結果,ビーム運転中のレーザーの安定度などについて報告する.