THP49  ポスター③  8月31日 14号館1443教室 13:30-15:30
次世代放射光施設NanoTerasu線型加速器・電子入射部のビーム性能
Beam performance of injector system in NanoTerasu
 
○安積 隆夫,上島 考太,菅 晃一,西森 信行(QST),青木 駿尭(NAT)
○Takao Asaka, Kota Ueshima, Koichi Kan, Nobuyuki Nishimori (QST), Toshitaka Aoki (NAT)
 
次世代放射光施設NanoTerasuの3 GeV線型加速器では、低エミッタンスビームが生成可能な35 MeV入射部を備えている。この入射部は、グリッド付き熱カソードを使用した高周波電子銃システム、その後段のバンチングシステム、初段加速器から構成され、ビーム電荷量が0.3 nC以上で5 mm mrad以下の規格化エミッタンスといった高品質電子ビームを生成する。この入射部は、低エミッタンスビームを安定生成するだけでなく、ビーム電荷量を簡易、かつ精密調整が可能となる連続可変式コリメータが備えられており、蓄積リングへのTopup入射において、精密なビーム電荷量調整を実現する。また、設計段階から早期に高品質ビーム生成の実現を目指したビーム調整手法・手順の検討がなされ、これに基づくビームモニタの種類・配置の最適化をおこなってきた。こうした背景の下、ビーム調整計画に沿った機器パラメータの最適化を実施し、ビームコミッショニング開始からわずか4日間で所定のビーム性能を達成することができた。本報告では入射部の構成、ビーム性能とそれに到達するための調整手法の詳細を示すとともに、シミュレーション結果との比較をおこなう。