THP47  ポスター③  8月31日 14号館1443教室 13:30-15:30
1.3 GHz ILC空洞用の新しいツインドライブチューナー機構の開発
A novel twin drive tuner mechanism for 1.3 GHz ILC cavity
 
○山中 将(高エネ研)
○Masashi Yamanaka (KEK)
 
チューナーは空洞の共振周波数を調整する装置である。ここでは、1.3 GHz ILC空洞用の新しいチューナー機構を提案する。ヘリウムタンクの長手方向中央部分にベローズと、その両側にフランジをそれぞれ設ける。片側のフランジに直動アクチュエータを固定し、これにより反対側のフランジを押し引きすることにより周波数を変化させる。円周上に2台の直動アクチュエータを配置して、同時に作用させることが特徴である。ツインドライブチューナーと命名した。ILC仕様では、空洞のバネ定数は3 KN/mmであり、600 kHzのレンジを調整するために2 mmのストロークが必要である。推力は6 kN必要である。これを2台の直動アクチュエータで分担する。1台あたり4 kNの推力を有するアクチュエータを試作した。ステッピングモータと滑りネジで構成される。ナットの材料は樹脂である。このアクチュエータとヘリウムタンクが付いた1.3 GHz空洞を用いて実験装置を組立たてて、所望の周波数調整ができるか評価した。フランジ間の変位と周波数は比例し、両者の直線性は良好であり、傾きは296 kHz/mmである。提案した機構がチューナーとして使用できることを確認した。