THP40  ポスター③  8月31日 14号館1442教室 13:30-15:30
J-PARC MLF ミュオン生成標的の回転振動成分解析
Analysis of rotational and vibrational components of muon production target at J-PARC MLF
 
○砂川 光,的場 史郎,河村 成肇(KEK物構研)
○Hikaru Sunagawa, Shiro Matoba, Naritoshi Kawamura (KEK IMSS MSL)
 
J-PARC MLFのミュオン生成標的は、陽子ビーム入射による放射線損傷及び熱負荷の分散のために回転方式の標的を用いている。生成標的は真空のビームダクト内に設置されており、真空内へのモーター回転駆動は回転導入器を用いた回転駆動伝達システムを利用している。ミュオン生成標的の回転トルク及び回転速度のデータはモニタリングされ、異常時の場合は回転及びビームを停止するようにインターロックが組み込まれているが、異常を発見しても高放射線環境下においては交換及び修理を即座に行うことは厳しく、作業時間の制限もかかる。そのため、異常の早期発見及び異常個所の特定がより重要である。我々は回転トルク及び回転速度の波形データから、FFT解析により回転導入器のベアリング由来の振動成分が含まれていることを確認した。回転導入器には複数のベアリングが使用されており、ベアリング周波数成分の違いからベアリングの異常箇所の特定が可能であることも確認された。また、これらの振動はベアリングの劣化だけでなく作業時のミスアライメント等によっても生じる。現在、機械学習を導入した波形データの振動パターンから原因推定を可能にするシステムの設計を行っており、将来的にはリアルタイムの危険予知システムを構築・運用する予定である。