THP36  ポスター③  8月31日 14号館1442教室 13:30-15:30
KEK iCASAにおけるILCに向けた陽電子源開発の現状と計画
Present status and plan on development of positron source for ILC in KEK iCASA
 
○榎本 嘉範,福田 将史,森川 祐,早野 仁司(高エネ研)
○Yoshinori Enomoto, Masafumi Fukuda, Yu Morikawa, Hitoshi Hayano (KEK)
 
KEK iCASAではILCで必要となる大強度陽電子源を開発することを目的として、2022年より陽電子ビームダンプグループを立ち上げた。KEKではTRISTAN以来、KEKB、SuperKEKBで継続的に陽電子源の開発運用を行ってきた実績がある。加えて、物性利用を中心とした低速陽電子施設の運用も行っている。現在運転中の陽電子源としては、効率、ビームパワーともにSuperKEKBが世界最高であるが、ILCではSuperKEKBに対して効率で2倍以上ビームパワーで20倍以上の非常に厳しい要求がだされている。これらの要求仕様を満たすために、これまでのプロジェクトで蓄積した経験を活かしつつ、主に以下の4点を中心に、技術開発を進めている。 (1)大強度ビームに耐えうる超高真空対応水冷回転標的の開発 (2)高繰り返し、大電流対応のフラックスコンセントレータの開発 (3)10kWを超える2次粒子からの熱負荷を受ける環境化でマルチバンチ運転を考慮したビームローディング補償可能な加速管の開発 (4)放射化環境下での円滑な交換機構 本発表ではこれらについて現状と今後の計画を紹介する。