THP20  ポスター③  8月31日 14号館1431教室 13:30-15:30
東北大CYRICでの負イオン加速における多層グラフェンのストリッパーフォイルの評価と軌道計算
Evaluation of multilayer graphene for stripper foil and orbital calculations in CYRIC negative ion acceleration
 
○米倉 章平,伊藤 正俊,足立 智,細谷 弦生,山崎 峻平,斉藤 僚太(東北大学 CYRIC),松田 洋平(甲南大学),高橋 研,高橋 直人,本間 隆之,児玉 頌平(住重加速器サービス)
○Shohei Yonekura, Masatoshi Itoh, Satoshi Adachi, Genki Hosoya, Syunpei Yamazaki, Ryota Saito (CYRIC Tohoku Univ.), Yohei Matsuda (Konan Univ.), Ken Takahashi, Naoto Takahashi, Takayuki Honma, Shohei Kodama (SHI Accelerator Service Ltd)
 
現在東北大学CYRICでは大強度中性子ビーム生成に向けて負重水素イオンの加速を試みている。加速された負重水素イオンはストリッパーフォイルによって荷電変換され、重陽子ビームとして引き出される。サイクロトロン加速器に用いられるストリッパーフォイルはカーボンフォイルが代表的であり、長寿命であるほどフォイル交換の頻度を減らすことができるため、運転効率の向上が見込める。CYRICでは2022年よりストリッパーフォイルの素材としてカネカ製の多層グラフェンを用いていて、このフォイルは銅の4倍ほどの熱伝導性や高い熱安定性や強度が報告されている。本研究では、多層グラフェンフォイルと蒸着生成されたカーボンフォイルをそれぞれ使用し、負イオンの引き出し前後での厚さを測定した。厚さの変化を比較し、多層グラフェンのストリッパーフォイルとしての適正について報告する。 また、PSIで開発された空間電荷効果やビームエミッタンスを考慮した軌道計算が行えるOPALを用いて負イオン加速のシミュレーションを行なっている。負重水素イオン加速時のストリッパーフォイルを通過後のビームについて、ビームストッパーとスリットを用いて分布を測定した。ストリッパーフォイルの位置と通過後の分布とシミュレーションの結果との比較も報告する。