THP12  ポスター③  8月31日 14号館1422教室 13:30-15:30
機械学習を用いた加速器運転調整システムの開発:GANを用いた加速器シミュレータの開発
Development of an accelerator control system using machine learning: Development of an accelerator simulator using GAN
 
○度会 龍(阪公大),岩崎 昌子(阪公大、阪公大NITEP、阪大RCNP),中島 悠太(阪大IDS),武村 紀子(九工大、阪大IDS),長原 一(阪大IDS),中野 貴志(阪大RCNP、阪大IDS),佐藤 政則,佐武 いつか(KEK加速器)
○Ryu Watarai (Osaka Metropolitan U.), Masako Iwasaki (Osaka Metropolitan U. , OM Univ. NITEP, Osaka Univ. RCNP), Yuta Nakashima (Osaka Univ. IDS), Noriko Takemura (Kyutech, Osaka Univ. IDS), Hajime Nagahara (Osaka Univ. IDS), Takashi Nakano (Osaka Univ. RCNP, Osaka Univ. IDS), Masanori Satoh, Itsuka Satake (KEK Acc.)
 
我々は、深層学習を適応したKEK Linac加速器の運転調整システムの開発を行っている。加速器運転においては、環境温度のドリフトなどに起因してビーム状態が変化する。このため、安定した加速器運転のためには、多数のビーム運転パラメータを常時最適値に調整する必要がある。深層学習を使用した運転調整システムを開発することで、高速化および高精度化を目指している。そのためには環境適応型機械学習(強化学習)が有効であると考えられるが、強化学習を行うためにはリアルなシミュレータが必要である。そこで本研究では、生成モデルの一種である敵対的生成ネットワーク(GAN)を利用した加速器シミュレータの開発を行っている。GANは、2つのニューラルネットワークを組み合わせることで、実データの特徴を模倣した疑似データを生成することを可能にしている。先行研究により、加速器データをGANに適応するとモード崩壊という現象が発生することが示された。モード崩壊とは、生成される疑似データの分布が実データと比較して一部に偏る現象であり、この現象が発生するとGANをシミュレータとして使用することは困難である。本研究ではモード崩壊を解決する手段として、機械学習による変分オートエンコーダを応用した次元削減手法を開発した。本発表では、このモード崩壊の回避手段に加え、生成した疑似データによる加速器パラメータ最適化の評価および加速器制御性能の評価について報告する。