THOB8  加速器技術(粒子源)/加速器技術(高周波源・LLRF)  8月31日 13号館1326教室 11:30-11:50
J-PARCリニアックLLRFシステムの高度化
Advancements in LLRF system at J-PARC LINAC
 
○二ツ川 健太,Ersin Cicek,方 志高,福井 佑治,溝端 仁志(高エネルギー加速器研究機構),佐藤 福克(NAT),篠崎 信一(日本原子力研究開発機構)
○Kenta Futatsukawa, Cicek Ersin, Zhigao Fang, Yuji Fukui, Satoshi Mizobata (KEK), Yoshikatsu Sato (NAT), Shinichi Shinozaki (JAEA)
 
 J-PARCリニアックの低電力高周波制御(LLRF)システム内のデジタルフィードバック・フィードフォワード(DFB・DFF)システムは, 高精度の空洞電界を実現して, 出射運動量を安定化させる重要な役割を果たす。2020年から2021年にかけて, 老朽化した24式の324 MHzのDFB・DFFシステムの更新を行った。システム内の自由度が増えたことにより, 高精度の適応型ビーム負荷補償システムを実装することが可能になった。  システム全体の改造の際に, 上位から監視を強化して, 定期的に自動で設定値の確認や波形の保存を実施している。また, 各種パラメータの調整の自動化の開発を行い, 容易に調整が実施できる体制となった。最近は, DFB・DFFシステムだけでなく, インターロック事象を自動で波形取得と解析を行い, 系統的・統計的に処理をして, MySQLサーバに保存するインターロック統括システムを開発してデータを蓄積している。また, Mattermostサーバを用意して, 高周波の状態異常やパラメータの変更記録, プログラムのエラーなどを書き込むように組み上げた。 本講演では, 高度化された現在のJ-PARCリニアックのLLRFシステムの紹介をする予定である。