THOB3  加速器技術(粒子源)  8月31日 13号館1326教室 9:40-10:00
ビーム発熱を冷却水循環動力とした自然循環型標的冷却システムの開発(1)水・空気系自然循環試験
Development for natural water circulation system to cool a beam target utilizing the heat by the beam loss (1) Natural circulation test with water and air
 
○亀井 直矢,秋山 裕信,牧村 俊助,金山 高大,鈴木 純一(高エネ研),師岡 愼一,古谷 正裕(早大)
○Naoya Kamei, Hironobu Akiyama, Shunsuke Makimura, Takahiro Kanayama, Junichi Suzuki (KEK), Shinichi Morooka, Masahiro Furuya (Waseda Univ.)
 
本研究の目的は、ビーム標的にて発生する発熱自体を冷却水の循環駆動力として積極的に活用することにより、冷却水を循環させるための電力やポンプなどの冷却水循環システムが不要となる自然循環型ビーム標的冷却システムの開発である。本研究では、冷却水の自然循環を生じさせる手法として、相変化を伴う沸騰冷却により標的を冷却することで、水と蒸気との大きな密度差を循環駆動力として活用する手法を採用している。これにより、一次冷却系に動的な循環システムが不要となり、グリーン加速器への貢献が期待できることに加えて、一般的な強制対流の水冷に比べて熱伝達率が一桁高い沸騰伝熱を利用できる。さらに、停電等のアクシデント時にも無電源で作動可能であるため、レジリエンス性の高い冷却システムとして期待される。本発表では、冷却システムの概要を紹介するとともに、ビーム標的を模擬した円柱型水平ヒータを導入した小型試験装置による基礎試験の様子と、ビーム標的で想定される発生蒸気を模擬するための空気をコンプレッサにより試験部に供給する水・空気系の自然循環試験の現状を報告する。