THOA6  加速器技術(ビーム診断・ビーム制御)/加速器技術(加速器制御)  8月31日 13号館1325教室 10:50-11:10
ナノテラス蓄積リング用ビーム位置モニタシステムの構築と立ち上げ
Construction and commissioning of the beam position monitor system for the NanoTerasu storage ring
 
○前坂 比呂和(理研・高輝度光科学研究センター),上島 考太,小原 脩平(量研),土山 翼,及川 治彦,伊原 彰,齋田 涼太(量研・NAT),西森 信行(量研),福井 達(理研),正木 満博,藤田 貴弘,出羽 英紀(高輝度光科学研究センター・量研),細田 直康,高野 史郎(高輝度光科学研究センター・量研・理研)
○Hirokazu Maesaka (RIKEN/JASRI), Kota Ueshima, Shuhei Obara (QST), Tsubasa Tsuchiyama, Haruhiko Oikawa, Akira Ihara, Ryota Saida (QST/NAT), Nobuyuki Nishimori (QST), Toru Fukui (RIKEN), Mitsuhiro Masaki, Takahiro Fujita, Hideki Dewa (JASRI/QST), Naoyasu Hosoda, Shiro Takano (JASRI/QST/RIKEN)
 
ナノテラス 3 GeV 蓄積リングでは、ビーム軌道制御のためボタン電極型ビーム位置モニタ (BPM) が 112 台使用される。本 BPM は、ビームコミッショニング時の入射調整及び初期の軌道補正に用いるシングルパス測定にて入射された 100 pC シングルバンチに対して 100 μm std. の位置分解能や ±100 μm の絶対位置精度が要求され、また、実運転時の Closed Orbit Distortion (COD) 測定の長期安定性として 1 か月にわたり 5 μm peak-to-peak 以内である必要がある。実運転中には、挿入光源の高出力光ビームから真空チェンバ等を保護する光軸変動インターロックにも使用される。これらを満足するため、ボタン電極、耐放射線高周波信号ケーブル及び MicroTCA.4 による読み出し回路など SPring-8-II 向けに開発された機器で構成される BPM システムが設計・製作され、今年春に予定通り設置が完了した。各構成機器単体試験の結果はすべて合格となり、数値データはすべて所定の許容差の範囲に収まっていた。6月からは蓄積リングのビームコミッショニングが予定されているため、その最初にビームを用いた BPM システムの立ち上げ調整を行う予定である。本発表では、BPM システム製作・設置の状況とその試験結果、および、立ち上げ調整時のビームを用いた評価結果などについて報告する。