THOA5  加速器技術(ビーム診断・ビーム制御)/加速器技術(加速器制御)  8月31日 13号館1325教室 10:30-10:50
ナノテラスにおける3極ウィグラーを用いた電子ビーム診断システム
Electron beam diagnostics system using 3-pole wiggler in NanoTerasu
 
○上島 考太(量研),高野 史郎(高輝度光科学研究センター、量研、理研),前坂 比呂和(理研、高輝度光科学研究センター),正木 満博,藤田 貴弘,出羽 英紀(高輝度光科学研究センター、量研),渡部 貴宏,深見 健司(高輝度光科学研究センター、量研、理研),谷内 努,清道 明男(高輝度光科学研究センター、量研),土山 翼,及川 治彦,伊原 彰,齋田 涼太(量研、NAT),西森 信行(量研)
○Kota Ueshima (QST), Shiro Takano (JASRI,QST,RIKEN), Hirokazu Maesaka (RIKEN,JASRI), Mitsuhiro Masaki, Takahiro Fujita, Hideki Dewa (JASRI,QST), Takahiro Watanabe, Kenji Fukami (JASRI,QST,RIKEN), Tsutomu Taniuchi, Akio Kiyomichi (JASRI,QST), Tsubasa Tsuchiyama, Haruhiko Oikawa, Akira Ihara, Ryota Saida (QST,NAT), Nobuyuki Nishimori (QST)
 
ナノテラス蓄積リングの短直線部1本に蓄積ビーム電流モニター(DCCT)と電子ビーム診断の放射光源として3極ウィグラーを設置した。本3極ウィグラーによる広帯域の波長スペクトルを持つ放射光を利用して、トンネル内に設置された硬X線ピンホールカメラによる電子ビームプロファイル測定に加え、実験ホールに可視光線を取り出し、ストリークカメラを用いた電子バンチ長測定を行う計画である。3極ウィグラーは放射線による減磁の影響が少ないSm2Co17永久磁石と電磁軟鉄を組合わせた設計とし、完成した3極ウィグラーのピーク磁場は1.27 T、積分磁場は0.1T mm以下で、要求性能を上回ったものとなっている。3GeV電子蓄積リングの水平エミッタンスは1.14nm rad、カップリング比は1%で、短直線部のビームサイズは80μm(水平方向)、6μm(鉛直方向) std.となる。X線ピンホールカメラは、回折の影響を避けて必要な分解能を得るために50keVの硬X線で測定を行う。ナノテラスでは2023年4月から線型加速器のコミッショニングを開始し、所定のエネルギー3GeVまで電子ビームを加速する事に成功した。6月下旬から蓄積リングのコミッショニングを開始する予定で、本講演では、3極ウィグラーを用いた電子ビーム診断システムについて試験結果も含めて報告する。電子ビーム蓄積後の最初の放射光観測にも本システムを利用する。