THOA3  加速器技術(ビーム診断・ビーム制御)  8月31日 13号館1325教室 9:40-10:00
非破壊型大電流ビームモニタの開発及び性能評価
Development and performance evaluation of non-destructive high-current beam monitor
 
○足利 沙希子,永嶋 和也,青木 孝道,関 孝義((株)日立製作所)
○Sakiko Ashikaga, Kazuya Nagashima, Takamichi Aoki, Takayoshi Seki (Hitachi, Ltd.)
 
産業・医療用の加速器駆動型中性子源では、数十mA以上の大電流イオンビームが要求される。大電流ビームの安定供給にはイオン源で生成したビームを低エネルギービーム輸送系(LEBT)において輸送する過程で成形し、下流の加速器のアクセプタンスに高効率で整合させることが重要である。本研究では、大電流加速器のLEBTにおけるビーム分布及びビームパラメタの測定を目的とし、イオンビームと残留ガスの相互作用により生じる蛍光からビームの空間分布を取得する非破壊型モニタの開発及び性能評価を行った。ビーム軌道上に発生する蛍光の検出にCMOSカメラを採用し、ビームダクト側面に設置したビューポート越しに測定する。30 keVのH+ビームに対するモニタ信号強度及び測定精度のビーム電流・真空度依存性を測定し、モニタを適用可能な加速器条件を評価した。また、検出器で取得した画像の処理アルゴリズムを開発し、モニタデータよりビームのエンベロープ検出及びビームエミッタンス及びTwissパラメタの算出を可能とした。以上により、大電流測定時に問題となる測定器の発熱の問題を回避すると同時に、加速器調整時に重要となるビームパラメタを即時取得可能なモニタを実現した。本発表では、モニタ信号強度のビーム電流・真空度依存性の評価結果を示し、モニタを利用したビームエミッタンス及びTwissパラメタの非破壊測定についても報告する。