THOA10  加速器技術(加速器制御)/加速器応用・産業利用  8月31日 13号館1325教室 15:40-16:00
音響センサーデータ収集システムの開発
Development of data acquisition system for acoustic sensors
 
○牛本 信二(三菱電機システムサービス(株)),惠郷 博文,肥後 壽泰,由元 崇(高エネルギー加速器研究機構)
○Shinji Ushimoto (MITSUBISHI ELECTRIC SYSTEM & SERVICE CO.,LTD.), Hiroyasu Ego, Toshiyasu Higo, Takashi Yoshimoto (KEK)
 
KEK電子陽電子入射器ではビーム加速を効率的に制御するため、クライストロン1台で4本の加速管にRFを供給するユニット構造を採用している。 現在設置されているS-band加速管は200本以上で、中には長期にわたる運転の影響で放電頻度が増加しているものが散見される。このような加速管が含まれる加速ユニットでは、本来必要とされるパワーでの安定運転が困難となっており、本来の性能を維持するためには、加速ユニット内における放電加速管の特定をおこない、交換する必要がある。  加速管内の放電を非破壊で検出する手段として、圧電素子を用いた音響センサーを加速管に取り付けて、放電時の衝撃で生じた微小な超音波を観測する手法がある。今回、PXI ベースのオシロスコープと多チャンネル高分解能 ADC モジュールを組み合わせて、最大50Hzで音響センサーのデータを収集するシステムを開発した。このシステムでは、オシロスコープで RF 波形(4μs)、ADCモジュールで音響センサー信号(数ms)を収集する。各モジュールのデータは制御用PCのDAQプログラム内に10パルス分リングバッファで保持する。加速ユニットで大きな放電が発生すると、クライストロン電源のインターロックが作動し、RFの供給が止まる。この時、バッファしていたデータを外部ファイルに書き出し記録をおこなう。  本報告ではシステムの開発状況と実際の加速ユニットにおける放電加速管の特定事例について紹介する。