TFSP15  ポスター③④ 施設技術報告  8月31日・9月1日 14号館1443教室 (8/31)13:30-15:30, (9/1)10:10-12:10
QST量医研サイクロトロン(NIRS-930, HM-18)の現状報告
Status report of NIRS-930 and HM-18 cyclotron at QST-iQMS
 
○北條 悟,涌井 崇志,杉浦 彰則,村松 正幸(量研-量医研),岡田 高典,神谷 隆(加速器エンジニアリング),白井 敏之(量研-量医研)
○Satoru Hojo, Takashi Wakui, Akinori Sugiura, Masayuki Muramatsu (QST-iQMS), Takanori Okada, Takashi Kamiya (AEC), Toshiyuki Shirai (QST-iQMS)
 
量子科学技術研究開発機構(QST)量子医科学研究所(量医研)のサイクロトロン施設には、1974年に運転開始したNIRS-930 (K=110)と、1994年に運転を開始した放射性核種(RI)生産専用のHM-18(K=20)の、2台のサイクロトロンがある。 2021年11月に発生した火災により2台のサイクロトロンは停止を余儀なくされたが、RI生産の早期再開を目指し、まずはHM-18の復旧作業を進めた。火災の影響は大きく、HM-18の復旧作業は電源、制御、真空、冷却水と多岐にわたり行われた。その結果、2022年9月にHM-18は、供給運転を再開することができた。 運転を再開したHM-18の2022年度の総運転時間は718時間で、その内の593時間をRI生産に用いた。その他の125時間は、放射線漏洩測定や調整運転に用いた。調整運転では、火災復旧後のHM-18の運転動作確認に22時間を用いた。さらに、NIRS-930で行っていた金属ターゲットへの照射をHM-18で行うためのビーム調整に80時間を用いた。 現在も、NIRS-930の復旧に向けて徐々に準備を進めている。本報告では、火災の影響と復旧作業の報告と量医研のサイクロトロン施設の現状について述べる。