TFSP11  ポスター③④ 施設技術報告  8月31日・9月1日 14号館1441教室 (8/31)13:30-15:30, (9/1)10:10-12:10
山形大学医学部東日本重粒子センターの現状 (5)
Current status of East Japan Heavy Ion Center, Faculty of Medicine, Yamagata University (5)
 
○岩井 岳夫,想田 光,宮坂 友侑也,イ ソンヒョン,柴 宏博,石澤 美優,小野 拓也,山澤 喜文,谷地 守(山形大・医),勝間田 匡,佐藤 亜都紗(AEC),佐藤 啓,土谷 順彦,上野 義之,根本 建二(山形大・医)
○Takeo Iwai, Hikaru Souda, Yuya Miyasaka, Sunghyun Lee, Hongbo Chai, Miyu Ishizawa, Takuya Ono, Yoshifumi Yamazawa, Mamoru Yachi (Yamagata U.), Masashi Katsumata, Azusa Sato (AEC), Hiraku Sato, Norihiko Tsuchiya, Yoshiyuki Ueno, Kenji Nemoto (Yamagata U.)
 
山形大学医学部では2017年に重粒子線治療施設建設プロジェクトを開始し、2021年2月に水平ビームによる前立腺癌治療を開始した。その後2022年5月に回転ガントリーを用いた頭頸部癌の治療をスタートし、2022年10月には眼球を除く全ての対象部位への治療が可能になった。主加速器は普及小型重粒子線治療装置の設計を踏襲した430 MeV/uシンクロトロンで、磁極間隙を短縮した省エネルギー設計となっている。照射装置は大幅に小型化されたスキャニング照射装置が初めて搭載され、これにより回転ガントリーも小型化されている。水平ポートのみの固定照射室では、前立腺癌の治療を実施している。1日30件前後の照射により、既に治療完了した患者数は800人を超えた。2023年4月までは特に大きいトラブルもなく稼働していたが、2023年4月末にスキャニング電磁石が故障したため、1ヶ月強の稼働停止を余儀なくされた。回転ガントリー照射室では、ガントリー角度毎のビーム調整を実施し、使用可能な角度を増やしながら治療部位を増やしていき、現状では15°刻みでビーム導入角の設定が可能である。今後は引き続きガントリーより上流側のビーム輸送系の再調整を実施し、角度補間を機能させて治療に使える角度をさらに増やすこととしている。講演では、センター運用状況について報告する。