TFSP09  ポスター③④ 施設技術報告  8月31日・9月1日 14号館1432教室 (8/31)13:30-15:30, (9/1)10:10-12:10
京大複合研電子線型加速器施設の現状
Status of KURNS-LINAC
 
○阿部 尚也,高橋 俊晴,堀 順一,木野村 淳,籔内 敦,阪本 雅昭,吉野 泰史,高見 清(京大複合研)
○Naoya Abe, Toshiharu Takahashi, Jun-ichi Hori, Atsushi Kinomura, Atsushi Yabuuchi, Masaaki Sakamoto, Hirohumi Yoshino, Kiyoshi Takami (KURNS)
 
京大複合研電子線型加速器施設は、今年で設置より60年を迎え、稼働している線型加速器として国内最古である。非常に古い機器であるが、2022年にPCB機器処理対策としてPFNモジュレータの更新を半年かけて実施し、2023年に経年劣化対策として制御系更新工事を2か月の予定で実施している。PFNモジュレータ更新工事では、近年コンデンサ周りでの火災発生を受けて、安全対策としてコンデンサに温度センサーを取付けて運転中の監視を可能にした。現状、大きな温度上昇はないが、今後も注視していく。制御系更新工事では大半のシーケンスをPLC制御に置き換えることで、設置当初から使用していて一部ブラックボックス化していたリレー制御からの脱却を目指して現在工事中である。また、経年劣化対策としては、敷設している配線に放射線劣化による固化や脆化及び経年使用による被覆の液化が発生していたため、制御系の配線を中心に耐熱性のある電線に更新した。 一方、利用面でも変化があり、2022年に動物を利用した実験が可能となった。利用開始から早速3件の電子線照射による利用が行われており、今後の活発な利用が見込まれる。また、過去に実績のあった陽電子発生実験についても、新規装置の開発に着手しており、線型加速器固有のパルス陽電子源の特徴を生かした空孔型欠陥の過渡測定を目指している。