FRP50  ポスター④  9月1日 14号館1443教室 10:10-12:10
パルス大強度相対論的電子ビームによる放射線損傷に影響する電子の運動エネルギー分布計測
Kinetic energy distribution measurement of electron affecting radiation damage by pulsed intense relativistic electron beam
 
○岡村 柊冶,菊池 崇志,佐々木 徹,高橋 一匡(長岡技術科学大学),今田 剛(新潟工科大学,長岡技術科学大学・極限エネルギー密度工学研究センター)
○Toya Okamura, Takashi Kikuchi, Toru Sasaki, Kazumasa Takahashi (Nagaoka University of Technology), Go Imada (Niigata Institute of Technology, Nagaoka University of Technology Extreme Energy-Density Research Institute)
 
 パルス大強度相対論的電子ビーム(Pulsed Intense Relativistic Electron Beam : PIREB)は大きな瞬間出力を得られるため,標的材料に照射することで,放射線損傷によりその物性を変化させることができる。 放射線損傷を引き起こす入射電子のエネルギーは標的材料によって異なるため,PIREBが標的材料に与える影響を予測するにはPIREBの電子の運動エネルギー分布の計測が重要である。  本研究では,大きな運動エネルギー広がりを持つPIREBの電子の運動エネルギー分布計測のため,アクリル板と線量フィルムを用いた運動エネルギー計測器の設計を行い,製作した測定系を用いてPIREBの運動エネルギー分布の測定を行った。  厚みが一定のアクリルを遮蔽板とし,その前面と背面に線量フィルムを貼る。前面の線量フィルムにより,入射したPIREBの線量を測定する。アクリル板への侵入深さは電子の運動エネルギーによって決まるため,アクリル板を通過できたPIREBの線量を背面の線量フィルムで計測することで,アクリル板の種々の厚さに対応する運動エネルギーを持つ電子の線量が測定できる。PIREBを照射した際のアクリル板前後の線量を比較することで,特定の運動エネルギーを持つ電子の割合が算出できる。  線形誘導加速器である極限エネルギー密度発生応用装置”ETIGO-III”を用いて,定格加速電圧2MVのPIREBを構築した運動エネルギー計測器に照射し,運動エネルギー分布を計測した。