FRP49  ポスター④  9月1日 14号館1443教室 10:10-12:10
STF-2クライオモジュール内の残留磁場測定
The residual magnetic field measurement of STF-2 cryomodule
 
○植木 竜一,山田 智宏,山本 康史(KEK)
○Ryuichi Ueki, Tomohiro Yamada, Yasuchika Yamamoto (KEK)
 
超伝導空洞周辺の残留磁場は空洞のQ値に大きな影響を与えることが知られており、空洞周辺の残留磁場を数mG程度まで下げると超伝導空洞は高いQ値を示すことがわかっている。鉄製のクライオモジュール本体は第一段の磁気シールドとしての役割を果たしている。しかし、製造や輸送過程で磁化したモジュール内の残留磁場は非常に高い値を示す。我々はこれまでに磁化したクライオモジュールの消磁を行い、残留磁場の低減に取り組んできた。一方、加速器運転を視野に入れた場合、モジュール内に超伝導空洞やその他の機器がインストールされた状態における残留磁場や、運転中これらの機器の動作が残留磁場にどのような影響を与えるかを理解することが重要である。今回、我々は超伝導空洞および周辺機器がインストールされたSTF-2クライオモジュールCM1およびCM2a内の残留磁場測定を行った。また、2022年10月から2023年1月まで行われたクライオモジュールの冷却中およびビーム運転時のクライオモジュール内の残留磁場変動の測定を行った。また、第二段のシールドとして空洞の直近に設置されている磁気シールドは、開口部のあるエンドセル付近の残留磁場が高く、これを減らすためにシールド構造の最適化が必要となる。本発表では、冷却中およびビーム運転中のクライオモジュール内の残留磁場測定の結果、および磁気シールド最適化の取組みについて報告する。