FRP44  ポスター④  9月1日 14号館1443教室 10:10-12:10
マルチイオン治療用小型ECRイオン源の改良と調整
Commissioning on an ECR ion source for the multi-ion radiotherapy
 
○片桐 健,村松 正幸,岩田 佳之,白井 敏之(QST千葉),野村 真史,坪松 悟史,高橋 伸明,佐々野 利信(住重),鈴木 太久,髙橋 勝之,白石 直浩(AEC)
○Ken Katagiri, Masayuki Muramatsu, Yoshiyuki Iwata, Toshiyuki Shirai (QST), Shinji Nomura, Satoshi Tsubomatsu, Toshinobu Takahashi, Toshinobu Sasano (SHI), Taku Suzuki, Katsuyuki Takahashi, Tadahiro Shiraishi (AEC)
 
我々は,重粒子線がん治療における副作用の低減,治療期間の短縮,及びさらなる治療効果の向上のために,線量分布だけでなく線質分布の最適化を可能とするマルチイオン治療の実現を目指している.次世代重粒子線がん治療装置である量子メスにてこのマルチイオン治療を実施するために,4種類のイオン(He, C, O, Ne)の生成とそれらの素早い切り替えが行えるイオン源(マルチイオン源)の開発を我々は進めてきた.このマルチイオン源では,メンテナンスフリー化とコンパクト化の実現のために,軸方向・動径方向磁場の発生に永久磁石が用いられ,マイクロ波の発生には半導体増幅器が用いられる.また,4種類のイオンの素早い切り替えのために,パルスバルブによるガス切り替え法が用いられる. このイオン源は2022年3月にHIMACに設置され,所定の性能を得るために,我々は改良と調整を進めてきた.本発表では,本イオン源にて生じた問題,それらのために講じた改良と調整,及びこれまでに得られた性能を報告する.