FRP37  ポスター④  9月1日 14号館1442教室 10:10-12:10
ILC陽電子生成標的の開発
Development of ILC positron production target
 
○森川 祐,榎本 嘉範,福田 将史,早野 仁司(KEK)
○Yu Morikawa, Yoshinori Enomoto, Masafumi Fukuda, Hitoshi Hayano (KEK)
 
ILC(国際リニアコライダー)の電子駆動陽電子源では3GeV電子ビームをタングステン標的に入射することで陽電子を得る。電子ビーム照射によるタングステン部の平均発熱量は約20kWであり、この熱負荷を分散させる為に回転標的の構造を採用している。本標的では回転構造と真空性能を両立した設計が必要であり、設計の妥当性確認と性能実証の為に模型試験を2023年度より開始する。また冷却のためにタングステンは銅合金との接合を必要とする。タングステンと銅合金の接合方法としてロウ付けや熱間等方圧加圧などがあるが、今回はSpark Plasma Sintering(SPS)による接合を検討している。SPS法ではタングステンと銅合金間に中間層を形成し接合させる。中間層の機械特性を調整することで、タングステン/銅合金接合面での熱応力を低下させることができる。 今回はILC電子駆動陽電子源の設計概要、進行中の模型試験とタングステン/銅合金のSPS接合試験について紹介する。