FRP36  ポスター④  9月1日 14号館1442教室 10:10-12:10
電子サイクロトロン共鳴多価イオン源における軽質量元素ガスミキシング効果による多価イオン生成の高効率化とエミッタンス測定
Enhanced production of multicharged ions by mixing low Z gas and emittance measurement on electron cyclotron resonance ion source
 
○藤村 優志,岩原 亘輝,加藤 裕史(大阪大学工学研究科電気電子情報通信工学専攻)
○Yushi Fujimura, Koki Iwahara, Yushi Kato (Division of Electrical, Electronic and Infocommunications Engineering, Osaka University)
 
私たちは電子サイクロトロン共鳴イオン源(ECRIS)において多価イオンの効率的な生成を目的とする研究を行っている. 多価イオン生成高効率化の比較的簡便な手法として軽質量元素ガスをメインガスプラズマに混入するガスミキシング法が知られている. また, イオンサイクロトロン共鳴(ICR)を利用して軽質量元素イオンを選択的に加熱することによる多価イオン生成のさらなる高効率化が期待されている. ガスミキシング法の原理はまだ完全には解明されていないが, イオン同士の衝突によるクーリング効果に起因すると考えられている. イオンクーリング効果を実験的に確認するためにはイオン温度に関係するパラメータを取得する必要がある. そのため私たちはイオンビームに対してワイヤープローブとマルチスリットを用いる方法によってエミッタンス測定を行うことでrmsエミッタンス値を得た. 今回の実験ではメインガスのArプラズマに対して軽質量元素ガスHeを混入し, ガスミキシング効果によって多価イオン生成量が増加することをイオンビームの質量価数分布測定によって確認した. そして, 多価Arイオンビームにおいてエミッタンス測定を行い, He混合時と非混合時におけるrmsエミッタンスを比較した. 今後は低周波数電磁波を導入することによってICRを利用した軽質量元素イオンの選択的加熱を行い多価イオン生成の高効率化を図るとともに, エミッタンス測定によって効率化の原因を検証する予定である.