FRP28  ポスター④  9月1日 14号館1441教室 10:10-12:10
次世代放射光施設NanoTerasu蓄積リング真空チェンバの製作及び設置
Fabrication and installation of vacuum chamber for NanoTerasu storage ring
 
○保坂 勇志,西森 信行(量研),大石 真也,小路 正純,高野 史郎,田村 和宏,渡部 貴宏(高輝度光科学研究センター,理研,量研),上田 庸資,谷内 友希子,正木 満博(高輝度光科学研究センター,量研),高橋 直(理研,高輝度光科学研究センター),平岩 聡彦(理研),住友 博史(スプリングエイトサービス),足立 昌啓,奥野 祐介,田中 宏樹,永井 和広,藤本 浩太郎(日立造船)
○Yuji Hosaka, Nobuyuki Nishimori (QST), Masaya Oishi, Masazumi Shoji, Shiro Takano, Kazuhiro Tamura, Takahiro Watanabe (JASRI,RIKEN,QST), Yosuke Ueda, Yukiko Taniuchi, Mitsuhiro Masaki (JASRI,QST), Sunao Takahashi (RIKEN,JASRI), Toshihiko Hiraiwa (RIKEN), Hiroshi Sumitomo (SES), Masahiro Adachi, Yusuke Okuno, Hiroki Tanaka, Kazuhiro Nagai, Kotaro Fujimoto (Hitz)
 
東北大学青葉山新キャンパスにて次世代放射光施設NanoTerasuの整備が進められている。2024年4月からの運用開始に向け、加速管、電磁石、真空チェンバ、ビームモニタ等の主要コンポーネントの設置を完了し、現在はビームコミッショニングを実施している段階である。 周長約350 mのNanoTerasu蓄積リングは16のセルで構成されており、1セルあたり4台の偏向電磁石をもつラティス設計である。蓄積電流400 mA、水平エミッタンス1.1 nmradの電子ビーム蓄積を実現するため電子ビームに強い磁場勾配を与える必要があり、電磁石はSPring-8と比較して1/3程度の磁極間隔となっている。電磁石の小ボア径化に伴い真空チェンバにも小口径化が求められるが、小口径化は電子ビームとチェンバ壁の接近を意味し、インピーダンスを増大させ電子ビームの不安定性を引き起こす。NanoTerasu蓄積リング真空チェンバは、ステンレス製チェンバ採用による薄肉化、チェンバ内面銅メッキによるインピーダンス改善、ガス源の直近にポンプを配置する局所的な排気システムなど、様々な工夫を施した設計となっている。また、ビーム廃棄時のチェンバ損傷防止のため、チェンバ内周側の内面にグラファイト製の電子ビームアブソーバーを設置していることも特徴の一つである。 本発表ではNanoTerasu蓄積リング真空チェンバの製作時の状況及び発生事象と、現地での据付・真空立ち上げ等について紹介する。