FRP03  ポスター④  9月1日 14号館1421教室 10:10-12:10
SuperKEKB のcollimatorに関連する課題
Challenges related to SuperKEKB collimators
 
○照井 真司,船越 義裕,中山 浩幸,石橋 拓弥,小磯 晴代,大西 幸喜,森田 昭夫(高エネ研),ナトチー アンドリー(ハワイ大学),森川 祐,大見 和史,周 徳民,末次 祐介,柴田 恭,白井 満,飛山 真理,植木 竜一(高エネ研)
○Shinji Terui, Yoshihiro Funakoshi, Hiroyuki Nakayama, Takuya Ishibashi, Haruyo Koiso, Yukiyoshi Ohnishi, Akio Morita (KEK), Andrii Natochii (University of Hawaii), Yu Morikawa, Kazuhito Ohmi, Demin Zhou, Yusuke Suetsugu, Kyo Shibata, Mitsuru Shirai, Makoto Tobiyama, Ryuichi Ueki (KEK)
 
SuperKEKBのcollimatorは、素粒子検出器のビームバックグラウンドの低減と、重要機器の保護のために使用されている。現状のSuperKEKBのcollimatorに関連する大きな課題は、2つある。1つ目は、collimatorをビームに近づけているため、impedanceが大きいことである。バンチ電流を増加させた際には、collimator起因のimpedanceとbunch by bunch feedback systemの影響が組み合わさった結果、ビームサイズの増大が起きていることが観測された。ビームサイズが増大した場合、ルミノシティが減少するため、対策を施す必要がある。2つ目は、予兆現象がほとんどなく、突然起きるビームロスである。このビームロスは、sudden beam loss(SBL)と呼ばれ、時にはcollimatorにビームが当たり、collimatorを損傷させてしまうことがある。損傷したcollimatorは、損傷前のcollimatorより、ビームバックグラウンドの低減能力が著しく低下し、影響が大きい場合には、運転を中断してcollimatorヘッドを交換する作業をする必要が出てくる。ビームバックグラウンドの低減能力低下の原因は、損傷したcollimatorのヘッドに凹凸ができたことにより、制御不能なビーム粒子散乱がおきたためだと考えられる。本学会では、SuperKEKBのcollimatorのimpedanceが影響したビームサイズ増大現象と、SBLが原因で損傷したcollimatorが及ぼす影響について報告する。