WEP050  ポスター②  10月19日 会議室P 13:00-15:00
低出力レーザーによるレーザー航跡場加速実験
Laser wakefield acceleration by low peak-power laser
 
○大塚 崇光,郡司 貴大,飯田 紘一,高橋 瑠伊,西田 大紀,五十嵐 崚,片谷 光祐,ペレラ ドゥティカ,湯上 登(宇都宮大学)
○Takamitsu Otsuka, Takahiro Gunji, Kouichi Iida, Rui Takahashi, Taiki Nishida, Ryo Igarashi, Kosuke Kataya, Duthika Perera, Noboru Yugami (Utsunomiya Univ.)
 
プラズマ中の電子の疎密波によって生じる電場 (航跡場) を利用し荷電粒子を加速するレーザー航跡場加速の研究を行なっている.一般にレーザー航跡場研究では10^18 W/cm^2 を超える集光強度が必要であり,さらに効率良く航跡場を励起するためにはレーザーパルス長をプラズマ長程度とすることも求められる.このような条件を満たすためには大型かつ複雑なレーザーシステムが必要となり,大学の小規模実験室で運用することは難しい.本研究では小規模実験室で運用可能な 1 TW級レーザーを用いてレーザー航跡場加速による小型電子源を開発することを目標としている. 電子密度が 10^20 cm^-3 のプラズマ中を伝搬するレーザー (エネルギー 120 mJ,パルス幅 120 fs,集光強度 10^19 W/cm^2) を二次元粒子シミュレーションコードにより計算した.レーザーパルスの崩落線がプラズマ波との相互作用によって変調され大電場が励起され (自己変調レーザー航跡場),低出力レーザによって数 MeV 程度の電子ビーム生成が可能であることを明らかにした.比較的高密度プラズマを用いるため脱位相長が短く,実験では適切なターゲットを開発しこれを用いる必要がある.発表ではこれまでに得られている数値解析の結果と,実験的に検証するために進めているターゲット開発及び計測装置の開発の現状について述べる.